Lycoris・GATE ~リコリコにて、斯く戦えり~   作:RA-MSR

4 / 5
See Hallucinations

ここは、箱根にある【山海楼閣】

和風で露天風呂が有名な温泉宿である。

そこに、風変わった者たちとが、温泉でくつろいでいた。

千束とたきなは、一緒にどうといわれ、遠慮してはいたが

どうしても、千束の心音がぁというので、仕方がなく入ることになる。

「ふぅん。本当に心音しないのね」

「は、恥ずかしいのでそろそろ…」

手術してから未だ1年しかたっていないため、手術痕はどうしても目立つ位置にある。

「結構バッサリいってるんだね」

「心臓ですから…、なんです?え?ちょいちょいちょい!!!」

スゥッと掌を上にずらしていき、栗林が触ったのは左肩だった

「銃痕?」

思わずビックリして、悲鳴を上げたが違う場所に興味があったようだ。

「あぁ、名誉の傷ってやつですかね」

そして、たきなの方を向くと、左肩には線状にやけどの跡があった。

「そっちの肩も?」

「これは千束が、重かったから付いた傷です」

「ちょい!」

「事実です」

ツーンと千束の方を向かない

「たきなぁ。あのときは、悪かったよぅ。イジメないでぇー」

「ちょっとっ、千束、離れてください!」

二人がいちゃつくところを全員が目撃する。

その後のシーンは想像にお任せしよう。

 

さて、お風呂シーンは終わり、大人達の晩酌タイムになったころ

千束たちは、外で繰り広げられている殺戮の状況をインカムをつけながら、いつでも出れるように戦闘服へ着替えていた。

普段は着ない、自衛隊迷彩服に迷彩柄のタクティカルベスト・黒色のコンバットグローブ。靴も特別製でDA武装研究所から作られたコンバットブーツを装備している。外は、林である。都市迷彩服では目立つため、自衛隊の服装を選んでいた。千束だけ、レックホルスタがついている。

「そろそろ?」

千束がたきなに問いかける。動くとすれば、今日。そして、夜中が一番いい。

寝静まったころ、耳をすませば鈍い音が所々で鳴り響いている。

と、その時

『ライトの使用を許可する。但し短時間』

『こちらSaber、敵は、黒人と白人!』

「千束」

「来るねぇ…たきな。準備はいい?」

胸や腰に合わせて、20近いマガジンの数、片手には愛銃のコンバットマスターを持ち、スライドを動かし初弾を入れる。弾種は、もちろんミカ特性の特殊弾。

「いつでも」

M&Pを持つたきなも、装弾室に弾丸を挿入する。

こちらはナイフも胸についている。千束と違うのは、M&Pにサプレッサーがついていることだろう。

「たきな、お願いがあるんだけど」

「なんです?」

千束がたきなの耳元でささやく。若干、こそばゆい感じがしているようだが。

「…」

「!、解りました」

「よろしくね!」

『聖杯は砕かれた。繰り返す、聖杯は砕かれた。各員は作戦を中止し、集合地点まで移動せよ』

「ほぅら、来た。クルミ。聞こえてる?」

『あぁ、聞こえてるよ』

「誘導よろしく」

『しょうがないなぁ…』

自衛隊が飛ばしていた哨戒機(無人ドローン)が、上空からいなくなると同時に黄色いドローンが姿を現す。

『3時から6名、12時から5名、9時から4名だ。正面入り口に鉢合わせしそうだな』

「了解!」

その言葉を聞き、千束が走り出す。

 

その時、ロゥリィも、その場所に行こうとした瞬間

バシュバシュ

「あぁ~~ん!なによこれぇ!」

BolaWrapで拘束されるロゥリィ

「申し訳ありません、少しだけお待ちを」

そこに居たのは、先回りしていた たきなだった

「あなたも、こんな無粋なことして~許されると思ってるのかしら?」

「ご無礼をお許しください。5分程度経ちましたら、開放しますので」

「ふぅん、あの機械女のこと、信用してるのね」

カチャ

ロゥリィの頭に銃口を突き付け、しゃがみ込む。

「それ以上、私が苛立つことをいうと、ブチ殺しますよ?」

猛烈な殺気を纏いながら、低い音色の声で言い放つ

「あら。怖い」

 

そのころ、3つの勢力が三つ巴状態になった瞬間

屋根から一人の女性がその中央に下り立つ

「いらっしゃいませ~。この宿は貸し切りですよぅ」

「うぁー」

バスバスバス

一人の男が銃を連射するが、千束には当たらず

撃たれた方向へと走り出し、相手の銃口を掴み相手の正面側に引いた。引っ張られた銃に付いているスリングにより相手はバランスを崩す。

ダン

崩した背面に放たれたフランジブル弾が当たり気絶する。

至近距離での特別製非殺傷弾、しかも、前回と違い改良型である。

前の物は、当たると砕けるというだけの物だったが、今回は、当たって砕けるまでの威力を倍増した物を使用している。場合によっては、死に至らしめるものであるが、今回来る予定の敵に対しては、戦闘ベストを着てくることを予想し、この弾を用意している。

「よしっ。で、やり直しっと。えーと、日本語解るかな?【英語がいい?】」

【貴様、何者だ!】

他のグループもその問を聞くために傍観する。

「【曲者ですぅ~。でね、本日貸し切りなの~。なので、お帰り頂けますでしょうか?】」

【こちらとしても、任務があるんでね。それはできない】

「【そっか、じゃー仕方がない。諦めてもらうしかないね】」

そういうと、会話した男性に向けて歩き出す千束

【ち、近づくな!】

銃口を千束に向けるが、それでも歩み寄ってくる。

「ふふっ」

パスパスパス

点射撃ちをするが、寸前で避けられる

【な、なぜ当たらない!】

「【ほうれ!早く、当ててみんさい!じゃないと?日本の警察にお縄になっちゃうぞ~】」

手首を当てて、お縄になるぞ合図を相手に向ける。

【このやろう!】

セレクタを3連射に変えて撃つがそれでも当たらず、とうとう、1メートル以内まで近づかれ

「【は~い、一名様お帰り~!】」

千束の独特な構え方で相手の腹部に2発、胸に1発撃ち込む。千束の基本スタイルはCARシステムという拳銃を斜めに傾けて両手で構えることで、片方の目を潰して一点の目で正確に狙うことや銃を奪われないようにしながら胸撃ちで正確に当てる手法を用いている。また、両手の親指同士を合わせることでリコイルの軽減を図るという技法を使っている。完全な超近距離戦闘スタイルである。

「【で?まだやるん?逃げたほうが、身のためよ?】」

【ジョン・ウィックじゃねーんだぞ!撃て!撃て!!他の奴らも排除しろ!】

その掛け声を聞いた瞬間、千束はその場から暗闇に逃げ込む

いくら何でも、三方からの射撃には千束でも対応ができない。

「ごめん!たきな!穏便に済まそうと思ったんだけど!」

『了解、悪魔を解き放ちます』

「あー、命大事にとはいかないか」

『死を司る亜神ですから』

「だよねぇ…」

『切られないよう、気を付けてください。結構、禁断症状に近い状態です』

「りょ。了解」

 

「悪魔なんてひどいじゃない」

「お待たせいたしました。あとは、お好きにして構いません」

BolaWrapのケーブルを切り、ロゥリィを開放する。

「あなたは参戦しないの?」

「しますよ?私に撃たれないように気を付けてください」

「ふふ、私、死ねないの。残念だけどね」

「え?それはどういう」

その問いかけを聞く前に、戦場に行ってしまった。

 

「ちょいちょいちょい!もう少し、女性には!優しくしなさいってば!」

既にどの組織もフルオートで射撃し始めており、宿の方にも被害が行っているように見えた

それを見ながら、被害が及ばないよう危ない奴から弾丸をお見舞いしていく

「はいはい!退場してねぇ~。次は…」

振り向くと、色っぽい恰好で大きなハルバードを抱えるロゥリィがいた

「あ…ありゃ…ダメだわ…」

そして、殺戮を始めた。

「ロゥリィ!私が撃った奴は殺しちゃだめだからねぇ!!」

聞こえてるのか聞こえてないのか、完全にトランス状態になっている

「ロゥリィ!!あーーもおー。たきな!ロゥリィが、私の倒した奴、殺そうとしたら、奴を撃って!」

『な、なに言ってるんですか?!』

「牽制でいいから!」

『わ。分かりました』

千束は、多くの人を、あの亜神の手によって、天命させるわけにはいかない。

そういう気持ちになり、何としてでも奴より多くの人を救うため全力で駆け出す。

 

【やつら、中国情報部と、ロシアのやつらだぜ】

【あいつらも同じ狙いだったのか】

とその時、紫色のハルバードが目の前に聳え立つ

「holy shit」

ロゥリィに向けて撃つか、すべて避けられる

そして、撃っていた男の首に刃が届く寸前

「ごめんよ!」

横からかっさらうように、腹部に銃を押し付け3発の弾丸を打ち込み吹き飛ばす

その寸前でロゥリィの刃が元居た首元を掠める

そして、振り向きざまに反対側にいた相手に向ける

【ば、化け物め!】

「それはどっちに言ってんのよ!!」

そう言い放ち、4発の弾丸を打ち込む

「なによぅ!それ私の獲物よ?」

「これは、競争ですよ。亜神様」

「なるほどねぇ~いいわぁ。どっちが多く殺せるか、楽しみぃ~♪」

 

「な、なにが起きてるんだ?!」

『どうした!状況を報告しろ』

「さ、作戦は失敗。他の奴らと…浴衣姿の少女に…白髪の女性…グはっ」

赤い彼岸花が、その男の胸から咲いた。

 

----- 防衛省地下 統幕中央オペレーションルーム -----

「グループアルファ、反応消失数4/12 グループブラボ、反応消失数8/14 グループチャーリー、反応消失数6/13。その他、行動不能状態。熱源消失数、18。熱源反応状態、21」

「あの女性が、例の自衛官か?それと、あの少女、亜神とか言ってたか」

「対処第三項 公安に出動要請を」

「現地支援者から救護要請が来ています」

「併せて、救護班の要請も」

 

「はぁ~」

満足顔のロゥリィに近づく千束

「満足?」

「えぇ。とても」

「あっそ。あんたとは、やっぱり永遠に分かり合えない気がするわ」

「そうかしらぁ?私はそう思わないけどぉ〜」

 

「うへぇ~~な、なにこれぇ」

「こんなにたくさん…」

「直ぐに公安が来るはずだが、俺たちがこのまま待っているわけにもいかない。富田と栗林は、使えそうな武器をかき集めた後、荷物をまとめさせろ」

「「了解」」

たきながその集団に近づく

「伊丹さん」

「たきなさん、状況を教えてください」

「それは、あの人に聞いてください」

振り向いた先には、千束とロゥリィの姿があった

伊丹はロゥリィへと近づくと、弾丸が一つ、一つと肉体から落ちてくる姿だった

「この肉体は、いくら傷ついてもすぐに再生する。亜神は死なない。いえ、死なないの」

「…悲しいことね。死ねない身体。寿命もなければ、人との欲求も消えてなくなるんでしょ?」

「そう、いずれ神として昇華するとき、そうなるわ」

「人間として生きたかった?」

「…そうね、どうかしら…今では、もう忘れてしまったわ」

「…そっ。で、伊丹さん?ここで何してるの?」

「…あ、そうだ。この状況を教えてくれ」

その後、護衛していた特殊部隊が、海外からの揺さぶりで作戦が中止になり、千束たちが戦闘に入るが、人数が多く千束一人では対応できなかったため、悪魔を解き放たれたとのことを、かみ砕いて説明した。

箱根から、銀座まで移動するための足が必要だが、今ここには何もなく、先ほどまで通信出来ていた回線も切れてしまっていた。クルミとの連絡は取れてはいるが、民間のタクシーを使うわけにもいかないため、とりあえず徒歩で駅まで行くことになる。

 

to be continued

 

 




リコリコラジオは今週お休みです!
来週は、ミカが特別ゲスト!
シーズン2は来るのか…くんのか?
いやぁ、足立さんだお?なさそうだぁ~
もう、燃え尽き症候群かかってるでしょ(笑)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。