Tailor MARINE ~そのスーツ、お仕立てします~ 作:seven4
富、名声、力。この世の全てを手に入れた男、〝海賊王〟ゴールド・ロジャー。彼の死に
「俺の財宝か? 欲しけりゃくれてやる。探せ! この世の全てをそこに置いてきた!!」
男達は
世はまさに、大海賊時代!………の裏で。
マリンフォード 海軍本部内
「ん~どれにしようかの~~中々迷うわい」
「どうぞ存分に迷って下さい。生地選びが一番楽しい時間ですからね」
「黒のこれも良いしの~~いや意外とこの赤もアリだしの~~」
海軍本部の一画。様々な素材と色の生地が所狭しと積み上げられ、様々なデザインのスーツがディスプレイされているアンティークな部屋の中で、スーツ姿の壮年男性と一人の華奢な老テーラーがどれが良いかと語り合っていた。
「赤は中々着る方を選ばれる色ですね。そういえば、最近サカズキさんが同系色のスーツを仕立てられた時の写真が丁度あるので見てみますか?」
「おっ! もちろん見るぞ!――おぉ、こういう感じかぁ。イカツイのぉ。一瞬だけ花の国のマフィアに見えたわい」
「サカズキさんはオーラのある方ですからねぇ。こう言ったスーツを着るとどうしても強面になってしまうとお伝えしたのですが、悪魔の実の能力的には赤が一番だと仰っていたので………」
「だからといって黒はのぉ。昔を思い出してしまって良くないんじゃ。ダブルブレストなんか着た日にゃ若作りのつもりかと笑われてしまうわい」
「なら敢えて新標準の白いスーツはどうでしょう? まだ着ている方も少ないですし、なにより標準仕様ですから修理もかなり手軽に出来ますよ」
「おぉ! その手があったか! と言うことは白が優勢に立った訳だが……」
スーツの壮年男性は筋骨隆々を具現化したような見事な肉体をしており、こめかみに残る三日月状の縫い跡が歴戦の勇士であることを物語っている。対して老テーラーの男性はストライプのネイビーグレーで統一されたジレとトラウザーズを完璧に着熟し、まさに紳士と言った見た目だ。
その壮年男性がどうしたものかと悩んでいるとガラス張りのクラシックな部屋の扉がバンッ!と開き、一人の男が額に青筋を立ててズカズカと入ってきた。
「ガープ! お前と言うヤツは! 定例会議はもう始まっているんだぞ!?」
「おぉセンゴク。どっちが良いと思う? 黒か赤か白か」
「そんなもの後にしろ! ハーレイさん、すいません! この馬鹿を会議に連れて行くのでスーツのビスポークはまた後日にお願いします!」
「えぇ、えぇ。問題ないですよ。お仕事の方が重要ですからね」
ガープと呼ばれた男性がセンゴクという男性に首根っこを掴まれて強制連行されていく様子をハーレイは微笑ましく見送る。
海軍本部内に居を構える〝Tailor MARINE〟
そこは本部将校以上が着用するスーツを一手に手掛ける超一流のテーラーであった。
「ん? あぁ、ようこそTailor MARINEへ。本日はどのようなスーツをご要望ですか?」