そして物語がまたしても動きます。そして新形態も…。
◇◇◇◇◇
「虚仮威しを!貴様如きに今更なにができる!」
ワーウルフが爪牙を剥き出しながら、ディライトへと飛び掛かっていった。少年の姿が一瞬で銀色の鎧に覆われた時は面食らったが、それが何だというのか。このワーウルフデブリーターの爪は、硬い岩すらも貫く程の強度を持つ。何が立ち塞がろうと、問題になどならない筈だ。ディライトに向けて5筋の爪が振り下ろされる。だが、ディライトはそれを躱すでも受け止めるでもなく、迫りくる爪に対して真っ直ぐにトランスラッシャーを振り下ろした。
刃と爪がぶつかり合い、だが次の瞬間弾かれたのはワーウルフの爪だった。ディライトは迫りくる爪の間合いとタイミングを正確に読み取り、その軌道に合わせて剣をぶつける事で、爪を弾いたのだ。言葉にすると単純だが、並大抵の技量で出来る事ではない筈だ。驚愕に震える敵の一瞬の隙をディライトは見逃さない。攻撃を弾かれ、立て直しの効かない相手の胴部に目がけてディライトのトランスラッシャーが渾身の突きを繰り出した。
「ぐおぉぉぉっっっ!!!」
ワーウルフの巨体が大きく吹き飛ばされ、進路上の家屋を薙ぎ倒しながら地面に倒れ伏した。頑健な筋肉に覆われた今のカランはこの程度の事で倒れはしないが、初めて体の芯に打ち込まれた様な一撃に、バカな…と震駭する思いを味わった。
「言ったろ…。これ以上、あなたに誰も傷付けさせない!」
「ほざくなっ!」
カランが身を起こし、咆哮する。だが、今度はディライトが攻勢に転じる番だった。金属質の鎧を纏っている様な外観であっても、その身のこなしは信じられないほど早い。風の如き速度で一気にワーウルフの間合いへと侵入したディライトは、トランスラッシャーを振り抜き、左手の鋭爪を切り飛ばした。最大の武器を一瞬にして破壊されたワーウルフの隙をディライトは見逃さない。そのまま飛び上がり、ワーウルフの頭上から背後を取り、その背中を思いきり蹴り飛ばした。
前へとつんのめりそうになったワーウルフだが、そうそう何度もやられはしない。咄嗟の受け身でダメージを最小化し、次の瞬間には再度ディライトへと襲い掛かる。右拳のナックルガードが風を巻き込み、ブンッ!と音を立てて迫りくるが、ディライトも体制を屈め、何度も地面を横転しながら拳撃を躱していく。地を打ち砕き、濛々と土煙が立ち込める中、ディライトが反撃に転じる。迫りくる拳の先端に向けて、アックスモードに変形させたトランスラッシャーを思いきり投擲した。ソードモードよりも遥かに硬質な幅広の刃が、投擲されたエネルギーと合わさり、ワーウルフの拳を打つ。その程度で硬いナックルガードが砕けたりする訳でもないが、確かに一瞬動きを止める事には成功した。舞い上がる濛気を突き破り、ディライトが跳躍する。砂塵に視界を奪われ、ワーウルフはそれに反応する事が出来なかった。
「せぇりゃぁぁぁぁぁぁ––––––––––––っっっっっ!!!」
「ぐっ…はぁぁっっ‼」
跳躍と
勿論この程度の事で、ワーウルフデブリーターはやられはしない。家屋を倒壊させる程の衝撃が全身を打ち付けたにも拘らず、まだカランの体は十分に動ける。だが肉体のどこか、まるで神経の一部が断裂してしまったかの様に体が震えて動けなくなっていた。
なんなのだ、コイツは?本当にさっきのガキなのか?さっきまで何も出来ずに無様に震えていた少年とはまるで別人ではないか…?
全身から闘気を漲らせ、ディライトがワーウルフを睥睨する。
「もういいだろ、カランさん。あなたの負けだ。早く変身を解除して———」
地に伏すワーウルフに敗北を突き付けたその瞬間の事だった。
「やらせねぇよ‼」
突如、両者の間に別の影が飛来した。着地と同時に放たれた衝撃波の様なエネルギーがディライトを打ち据え、後方へと吹き飛ばした。
「レイト⁉」
「…っ⁉なんだ…っ…一体…」
衝撃と同時に舞い上がった砂塵がやがて消える。すると、ワーウルフの傍らで彼を守る様に1人の人間が立っていた。
否———“恐らく”人間だ。何せそれの姿は顔から手足まで含めて、装甲を纏った衣服で覆われていたからだ。
「何だ…アイツは…?」
レザー素材に近い質感を持った、鱗の様な紋様が浮かぶアンダースーツ。その上に纏う装甲は赤黒く、どこか
総じて、生物とも非生物ともとれないチグハグな姿。だが全身に絡まる、血液の様な薬液が流動するケーブルがその素性を物語っている気がした。
「ワールドラーグ…‼俺を助けに来てくれたのか…!」
「あぁ。アフターサービスって奴だよ、カランさん」
縋る様なワーウルフの声に、くぐもった声で装甲スーツを着た人型———『ワールドラーグ』と呼ばれた者が答えた。生物と非生物を組み合わせた様な出で立ちなど、両者にはどこか似通った意匠が施されている。先程の会話からも両者が何らかの協力関係にあると思わせるには十分だった。
つまりは———新たなる敵!
突如降って湧いた、新たな闖入者にレイト達は全身の緊張を強くした。
◇◇◇◇◇
突如乱入してきた、新たな敵———『ワールドラーグ』が悠然とディライト達に歩み寄ってきた。マスクで覆われた顔はどこに視線を寄せているのか分かり辛いが、周囲を見渡し、ピタッとディライトへと焦点を定めた様だった。
「…さて、よくもウチの顧客をいたぶってくれたな。たっぷりと仕置きしてやりたいところだが…その前に答えろ。お前は、何者だ?」
「それはこっちのセリフだっ!」
怒気を滲ませ、ディライトが吠えた。
「カランさんに…あの変なライドラッグを売りつけたのはお前か⁉」
「顧客の情報は漏らせない…と言いたいところだが…。まぁ、今の会話でどうせバレちまったからいいか…。あぁ、そうだ。俺が売った。コイツの願いを叶える為にな」
ワールドラーグが悪びれた様子もなく答えた。「なんて事を…!」と呻いたのはアイリスだ。彼女に限らず、その場にいた全員が怒気を露わにした。
「ふざけるな…!一体何の為にそんな事を…!」
「それを答えたら、俺はバイヤー失格だ。さてそれじゃあ、お前の素性を聞かせて貰おうか。答えたくないって言うなら…腕ずくでな!」
ワールドラーグが突如ディライトへと突進してきた。変身しているディライトにも迫らんとするスピードだ。左腕のガントレットには銀色のレイピアが煌めく。ディライトは後方へと飛び攻撃を躱すが、ワールドラーグはそれも予期していた様だった。着地した際に生じる一瞬の隙を見逃さず、再度攻撃を仕掛けてきた。右サイドへ素早くステップして攻撃を避けるが、なんとこれも読まれた。素早く体を回転させたワールドラーグの回し蹴りがディライトの横面を打ち据える。
「ぐっ…!」
「ハッ!戦いに関してはてんでシロウトだな!」
ワールドラーグのレイピアが地面を伝い、再びディライトへと迫る。ディライトは落ちていたトランスラッシャーを拾い上げ、その剣先を受け止めるが、ワールドラーグのパワーは凄まじかった。トランスラッシャーの幅広の刃でも相手の細剣の突進を受け止めきれず、ディライトの右手にビリビリと痺れが走る。
「ぐっ…!」
ディライトは後方に跳躍し、咄嗟に距離を取った。あのレイピアの間合いに入ってしまうのは宜しくない。ならば遠距離から翻弄するまでの事だ。トランスラッシャーを瞬時にガンモードへと変形させ、ワールドラーグに向けて発射する。光のエレメントに力を秘めるエネルギー弾がそれこそ光速にも迫らん速度で敵へ殺到するが、なんとワールドラーグはちょっとした動作だけでその弾丸を回避してみせた。
驚愕するレイトを他所にワールドラーグが再び、地面を蹴立てて突進してくる。ディライトは慌てた様に再度銃撃を放つが、結果は同じだった。ワールドラーグのレイピアが閃き、銃弾はことごとく弾かれ、再び至近距離までの接近を許してしまった。
「な…っ‼しまっ…」
「いいか小僧、戦う上での一番の基本事項を教えてやる…。それはなぁ!」
〈DRAGON FIRE…INFUSING…!〉
ワールドラーグのレイピアが瞬時に赤熱化し、ディライトの胴体へ向けて引き上げられる。マズい!と瞬時にディライトは腕で胸甲をガードするが、なんと次の瞬間、ディライトの頭部がワールドラーグの右腕にガッツリと掴まれていた。フェイント⁉と理解した時にはもう遅かった。ワールドラーグの掌底部から猛烈な火焔波が解き放たれ、ディライトを遥か後方へと吹き飛ばしていた。
「相手に狙いを悟らせないって事だ!よぉく覚えておきなぁ‼」
ワールドラーグが勝ち誇った様に叫んだ。アーマムエレメントとマテリアメイルの二重装甲に守られた頭部はディライトの中でも最も堅牢な部位だが、攻撃を諸に喰らい頭がクラクラしていた。
僅か数秒間の攻防でレイトは悟った。ワールドラーグのパワーとスピードは、ディライトと互角に等しい。おまけに、戦士としての技量は明らかにあちらが上である。この状況は明らかにマズい。
更に、マズい事は重なって起きるものだ。
「小僧がぁっ!よくもやってくれやがったなぁっ‼」
「…っ⁉カランさんっ…」
ディライトとワールドラーグが戦っている間に、受けたダメージを回復させたワーウルフデブリーターが、両者の戦いに割って入って来たのだった。今のワーウルフは爪を抜かれ、武器は殆どないに等しかったが、人狼系特有の超パワーはそれだけで強力な武器となる。ワーウルフの拳とワールドラーグの蹴りがほぼ同時にディライトの胸板を貫き、聖銀製の装甲から火花が散る。打撃音に紛れて、かはぁっ…!とレイトの声が聞こえた気がした。
「ちょ…ちょっと、ヤバいよ…!早く援護に入らないと…」
横合いでマヤが悲鳴に近い声を上げている。そんな事はアイリスにも分かっている。だが、あの速度域で戦う彼らの戦闘に割って入るのは却って危険だった。そうでなくとも、あのデブリーターとかいう人狼に対して、決定打となる武器を自分たちは持っていないのだ。下手すればディライトの足を引っ張ってしまう事になりかねない。
状況を打開する術があるとすれば———。
「…ディライトの能力を切り替えるしかないわね…」
アイリスは腰の布鞄を漁った。先程、ラウボーを庇った際にレイトが使っていた霊薬があった筈だ。あれは確か———。
「「レイト、これを使って!!」」
声が重なった。横を見ると、マヤも薬瓶を握ってレイトに呼び掛けた様だった。青銅色のマテリアルライドラッグで、『
どうやら考えた事は同じだったらしい。だが、マヤはどこかムッとした様にアイリスが握る青い薬瓶を見つめた。
「はぁっ⁉何でウォーターライドラッグ?エレメント変えるだけであの状況をどうにか出来ると思ってんの⁉」
「…悪い?エレメントの交換は対デブリス戦闘の基本でしょう。実際、人狼相手にはこれが特効になるわ。そっちこそ、どうしてこの状況でオリハルコンを選ぶの?」
「オリハルコンの鉱石言葉知らないの⁉『苦難からの逆転』。正しく今の状況そのものじゃん!」
「何よそれ⁉結局感覚なんじゃない!真面目に考えて‼」
2人の少女はお互い一歩も譲らず、両者の間でバチバチと剣呑な火花が飛ぶ。
「ちょっとお二人さん!いがみ合ってないで!だったらどっちもくれよ‼」
痺れを切らした様にレイトが叫んだ。その結論はどこか面白くないが、確かに事態は一刻を争う。アイリスとマヤはそれぞれが選択したライドラッグをディライトに向けて放った。
攻撃を躱しながら、ディライトは空中で2つのライドラッグをキャッチした。
青い水の霊薬と、錬真力に反応して形質を変える金属。果たして、鬼が出るか蛇が出るか———。祈る様な気分でベルトに2つのライドラッグを装填した。
〈ウォーター!オリハルコン!ファンタスティック!躍動のレシピ‼〉
「うそっ⁉」
…どうやら鬼蛇どころか、葱を背負った鴨を引き当てた様だった。ファンタスティックヒット時特有の待機音が鳴り響き、ベルトに2種類の薬液が充填されていく。ままよ、と胸中に呟きつつ、レイトはベルトのスイッチへ手をかけた。
「再錬成‼」
〈オールセット、ディライト!〉
ベルトから放出された眩い閃光に塗りつぶされる様に、ミスリックナイツの装甲が変色していく。マテリアメイルは銀色から緑がかった青銅色に。そして各部に青系統のカラーリングで彩られた水属性のアーマムエレメントが装着されていく。最後に余剰なエレメントエネルギーが放出され、首の周りにターバンよろしく巻き付いたところで、
〈フリーズダウンスクラプター!レイザードナイツ‼〉
名乗るような音声が響き渡ると同時に、ディライトの姿が変わった。ヒエログリフの様な紋様がビッシリと描かれた青銅色の体は、見る位置によって色合いが変わる様な神秘的な輝きを湛える。アーマムエレメントは鮮烈な青。曲線を多用した造形の各パーツは機能的でありながら、どこか優美ですらあった。頭部の仮面も従来のものとは異なり、頭頂部からまるで氷を思わせる一本角が
ディライトの周囲から冷気が一気に立ち昇り、周囲の空気を圧していった。氷結した空気の中心点にいるディライトの姿は、立ち込める水蒸気の影響で揺らめいて見える。だが、凝結した空気の奥底からオレンジ色の複眼が輝き、ワーウルフとワールドラーグの両者をギッ!と睨みつけた様だった。
「…っ!何だよ、そりゃぁ…?」
「悪いな…。土壇場で逆転するのが、ヒーローってもんだ…!」
不敵に宣言すると、氷のファンタスティックヒット———『仮面ライダーディライト レイザードナイツ』が振りかぶる様な姿勢を取る。だが、両者の距離は大きく離れている。この距離で一体何を…?とワールドラーグが身を固くすると、次の瞬間、ディライトの右腕が一瞬で顔面近くまで迫ってきた。ワールドラーグは慌てて横合いへ飛び退るが、拳はそのまま直進し、ワーウルフの顔面を捉えていた。
「ぐおぉっ⁉」
何が起こったか理解する間もなく、ワーウルフの横面に拳がめり込み、脳天を大きく揺さぶられた巨体が僅かに傅く。ワーウルフを殴りつけた右拳は、そのまま猛烈な勢いで縮小し、ディライトの元へと戻っていった。
初撃を躱したワールドラーグはその攻撃の仕組みを見抜いていた。決してディライトが目にも止まらぬ速度で動いた訳ではない。ディライトの右腕が伸びたのだ。ゴムか鞭の様な勢いで、ディライトの腕全体が急速な速度で伸展し、この距離からワーウルフを殴りつけた、という訳だ。言葉にすると単純だが、人間の体がその様な変化を遂げない事は自明の理というものだろう。
「こいつ…!ただのエレメイルじゃねぇ…!」
吐き捨てる間もなく、今度はディライトの左脚が猛烈な速度で打ち出される。鞭の様に横振りに繰り出される攻撃が空気を巻き込んで、ブゥン!と迫りくる。ワールドラーグは上空へと飛び躱したが、ワーウルフはまたしても避けきれず、腹を蹴り飛ばされた。先程よりも遥かに強力な一撃を受け、今度は耐え切る事も出来ず、ワーウルフが大きく吹き飛ばされる事となった。
その超人的なパワーもさることながら、人間の肉体がこうも自在に形を変える、等というのは通常ではあり得ない事だ。少なくとも目の前に立つ戦士は、ただの鎧を纏った人間とは言えない。寧ろデブリスか、そうでなければ自分たち『デブリーター』に近しい何かだ…とワールドラーグは結論付けた。
「どうやら…何がなんでも、てめぇの秘密を聞きださなきゃいけねぇようだな…!」
ワールドラーグが左腕のレイピアを光らせ突進してくる。ディライトは後方へと手を伸ばし木を掴むと、そのまま腕が戻ろうとする力を利用して後方へ一気に飛び退った。
一瞬で15ハンズほどの距離を移動したディライトには流石に追従できず、ワールドラーグの剣穿が空を切る。奴とは正面戦闘では技量差があり過ぎる。もし勝とうと思うなら、徹底的に裏をかく事だ。間髪入れずにディライトはまた腕を伸ばし、同じ要領で樹上を何度もスイング移動していく。
「どうした。逃げてるだけじゃ、俺には勝てないぞ‼」
「それはどうかな!レイザードナイツを舐めるな」
ワールドラーグは気付いていない様だった。先程からレイザードナイツの左腕のノズルブラスタから少しずつ水蒸気が放出されていた事を。水蒸気は通常不可視であり、それが放出されたところで、周囲の湿度が上がる程度のものでしかない。だがそれはレイザードナイツには大きな意味を持つのだと、レイトは理解していた。
そろそろ勝負をかける頃合いだろう。レイザードナイツのエレメントタービュラーが青く輝き、周囲に
移動しながら周囲にばら撒かれていた水蒸気が錬真力の力に触れた途端、猛烈な勢いでその形質を変化させ始めた。水蒸気が変化した氷の杭がワールドラーグを取り囲む様に、次々と精製されていった。だが理屈を知らなければ、その光景はまるで氷塊が無から突然生まれた様にしか思えないだろう。驚愕した様にワールドラーグが身を固まらせるのが見えた。
「行けっ‼」
ディライトの叫びに反応し、氷杭が一斉にワールドラーグに向けて射出された。氷と言っても重さ10キロは下らない鋭利な氷柱は、落ちればただでは済まない被害をもたらすと言われている。それが矢の様な速度で何十本と一斉にワールドラーグへと飛び掛かっていったのだ。驚異的な反射神経で何本かを叩き落す事はできても、捌き切れない残りの氷塊がワールドラーグの体へとぶつかっていった。
これこそ水のファンタスティックヒットの力なのだ。水には『三態変化』という特性がある。温度・圧力などの条件によって、その状態を『液体』・『個体』・『気体』の3つに変化させる事だ。レイザードナイツは自身の周囲に放出したエレメントに錬真力を注ぐ事で、それを『液体』・『個体』・『気体』の3形態に変化させる事ができるのだ。常にエレメントを放出するためライドラッグの消費量が多いのが難点だが、オリハルコンの変幻自在の性質と相まって非常に多彩な能力を行使できるのがこの形態だ。
「相手に狙いを悟らせるな…だろ?いい勉強代だと思って受け取っとくよ」
勿論、この程度であのワールドラーグを倒せたとは思っていない。だが今の攻撃で敵は直ぐには対処できない筈だ。決めるなら今しかない。
〈エブリッション!ヴァリアントスプラッシュ‼〉
ライドラッグのエネルギーが体中にチャージされ、ディライトは空中高く飛び上がった。水のエレメントが手足の先に纏わりつき、それが槍の様な氷杭に精錬される。レイザードナイツのオレンジ色の目が輝き、濛気の中に佇むワールドラーグとその背後のワーウルフを捕捉した。
「せぇりゃぁぁぁぁっっっ––––––––!!!」
「…なっ⁉ぐうおぉぉぉぉぉっっっ………‼」
両者目がけて、伸展したディライトの手足が機関砲の如き勢いで殺到する。拳撃と蹴撃のラッシュが弾雨の様に降り注いでいき、ガラス片が割れるかの様な破砕音と濃密な雲霧が両者の体を包み込んでいった。
今回は短めですね。ゴメンナサイ。戦闘シーンはなかなか文字数を稼ぐのが難しいですね。特にミスリックナイツの様なあまり大きな能力を持たない形態は。その点、新形態のレイザードナイツは特殊能力てんこもりな形態で、書いてて楽しかったです。
今回登場したワールドラーグは今後もかなり重要なキャラクターとなっていきますので、ぜひ名前を憶えて帰って下さいね!それでは今回はここまで。次回でSaga4が終了となります。最後までお付き合いください。
ご意見・ご感想など頂けると励みになります。
それでは。