地球防衛軍6.1 THE IRON LILY 作:イナバの書き置き
タイムパラドックス。
通信機が拾ったノイズ混じりの声は、確かにそう言った。
『プライマーがいなければ戦争は起こらず、人類は火星を攻撃しない。そして火星にプライマー文明が生まれ、人類を攻撃する。タイムパラドックスです』
無数の節をうねらせる、異形の機械龍。
そうとしか呼べない「何か」が赤紫色の空を泳いでいた。
否、ただ泳いでいるのではない。
隕石を、雷撃を、光線を、ありとあらゆる種類の攻撃を地上に降らせながら機械龍は回遊しているのだ。
其処にはかつて文明が存在したが、既に地上の建造物は悉くが瓦礫へと変貌し火の手すら上がらぬ無機質な地獄だけが残されている。
そして──その地獄を駆け抜ける無数の戦士たちも。
人類と
『歪みは正されなければならない。正常な状態に戻るため、時間は選ぼうとしている。人類か、プライマーか──どちらかが残り、どちらかが消える。それで矛盾はなくなる』
そう、どちらも──人類もプライマーも、消滅の危機に瀕している。
人類はプライマーの圧倒的な技術力と物量による攻撃で。
プライマーは人類の必死の抵抗、その結実として。
未来に文明が栄える筈の火星に大量の化学物質を散布された事で進化の道筋を絶たれた彼らは、それによって発生するタイムパラドックスを乗り越えようと死に物狂いの抵抗を行っているのだ。
『やつは時間に選ばれた者。プライマーと言う存在そのものだ』
胴に備えられた無数の砲台から雷撃を放ち、光輪を展開し原理不明の攻撃を地上に振り撒く機械龍が正にその代表。
即ちプライマーそのもの。
それが撃破された時が人類の勝利であり、撃破出来なかった時が人類の敗北。
故に、戦士たちは地獄を走る。
隣を走る戦友が塵に還っても、空を舞う戦乙女が地に墜ちようとも、機械龍を撃墜し地球を守る為に
『生き残るか、消滅するか。今ここで決まる』
その先頭を駆ける男──遊撃部隊ストームチームのリーダーたる彼は、既に満身創痍だった。
全身を包む緑の装甲はあちこちが破損し、軍靴が大地を蹴る度に血の痕が刻まれる。
光線、光弾、酸、打撃、火炎。
決戦が始まったその瞬間からプライマーと最前線で戦っていた彼は、その身にありとあらゆる種類の攻撃を受けている。
何度死んでもおかしくない筈の殺戮の奔流を受け、それでも尚男は戦闘を続行しようとしているのだ。
──仇だ
最早理屈ではない。
プライマーは自分の文明を守ろうとしているのだろう。
或いは、彼らなりの正義があるのだろう。
しかしタイムマシン等と言うふざけた装置によって8度歴史を改変され理不尽に虐殺された人類の、地球の仇を男は討とうとしていた。
首魁たる機械龍を撃ち落とすまで男は死ねない。
死ぬ訳には、いかない。
「■■■■■────────」
宙を泳ぐ機械龍。
本来ならばその頭部が存在する筈の位置で吼える銀色の人型に、男は手にした狙撃銃の狙いを定めた。
肩から先は存在せず、額に巨大な1つ目を備えたそれは、プライマーの神と称される身分に反してグロテスクとすら言える。
或いは、のっぺらぼうの出来損ないか。
加えてスコープの中で体表のあちこちから紫色の体液を垂れ流す姿は、相手も既に満身創痍である事を如実に示している。
当然だ、と照準を覗きながら男は呟いた。
EDFは、全ての犠牲はこの為に──プライマーを影も形も残さず消し去るこの瞬間の為にあった。
人類は彼らが想像している程柔でもなければ、弱い存在でもないのだ。
例え精鋭中の精鋭たるストームチームでなくともこの戦場に集った人間であれば誰であっても機械龍を狙い、そしてその内の何人かは確実に有効打を与えている。
ただ次が男の番、と言うだけの話だ。
『────逃げて!』
だが──遠くEDFの本部からサポートするオペレーターの悲鳴が耳朶を貫く同時。
地上から自身を狙撃せんとする男の存在を認めた侵略者の首魁は、全長1km以上の巨体にそぐわぬ俊敏な動きで地上への急降下を始めていた。
その大質量を活かした体当たりが直撃すれば──直撃せずとも、男は死ぬだろう。
故に男は、その場で足を止めた。
『そんな、どうして……!?』
困惑するオペレーターに、寧ろ都合が良いからだと男は呟く。
無論、此方からの通信は向こうへは届いていない。
しかし、長い付き合いである彼女にはそう伝えておかねばならない気がした。
──大丈夫、やるべき事は理解している
もう照準を覗く必要すら無かった。
直上から迫り来る機械龍に向かって男は狙撃銃を構え、深く息を吸う。
思い返してみれば、狙撃に関してはよく手間取ったものだ。
元々何の教練も受けていない民間人だったが故に、身のこなしに関しては自前でどうにかなったものの精密機械の扱いはイマイチで、不規則な動きのドローンにもかなり手を焼かされた。
突っ込んで蹴散らすのを得意とする反面、男はチマチマと物事を進めるのが大層苦手だった。
だが、向こうから直線で来てくれるのならば外す心配は無い。
例えどれだけ下手くそだろうと確実に当てられる。
『まさか……まさか!』
通信機の向こうで驚愕を露にするオペレーターに対して、男はふと「申し訳ないな」と思った。
実の所、最初に巨大生物が出現してから今に至るまでひたすら転戦を続けていた男は何度過去に戻っても彼女と直接対面した事がない。
究極的に言ってしまえば顔も知らぬ相手だ。
しかし彼女の言葉には幾度となく救われている。
「ありがとう」
その一言に何度勇気を貰っただろう。
何度心が挫けそうになっても、何度瓦礫に還った街を見ても、彼女は男に立ち上がる力を与え続けたのだ。
正しく希望、どれだけ感謝をしても不足はない──にも関わらずこの様な結末を迎える事になるとは。
何も返せない事に対する後ろめたさが幾分か残っていた。
だが、それでも。
それでも、男は機械龍を討つ。
己の命と引き換えにしても人類の未来を掴み取るのだ。
「■■■■■」
故に男は躊躇なく引き金を引いた。
視界一杯に迫る銀色の人型、その不気味な1つ目に向かって。
立たねばならない、今すぐに。
しかし深海に沈められたかのように鈍重な手足は当然ながら、燃えるように熱い側頭部が思考を奪い取る。
先の一撃で頭が割れたんだろうな──どこか他人事のように思いつつ、少女は歯を食い縛って大地に突き刺さった大剣に縋り付いた。
途端、全身を焼け付くような痛みが駆け抜ける。
その細い肢体に刻まれた無数の擦過傷や裂傷が、彼女の行動を抑止しようとしているのだ。
それでも何とか震える脚に活を入れて少女は立つ。
迎えたのは深夜の冷たい風と、ちろちろと頼りなく揺れる何かの光。
額の傷から今も流れ出る血液が視界の邪魔をしている。
堪らず制服の袖で額を拭って──眼前に広がる地獄に絶句した。
一柳隊に与えられたヒュージ討伐の任務、その作戦エリアとして赴いた守備範囲の北限近く。
先程まで少女がいたのは確かに鬱蒼と繁った森の中だったのだ。
しかし今やその青々とした自然の姿は見る影もなく、少女の目の前に存在しているのは無惨にへし折れ、或いは周囲の土壌ごと薙ぎ倒された「森だった何か」。
揺れる光は草木に火が移り、その命が灰に還らんとする証拠。
この地獄を少女は知っていた。
圧倒的な質量による破壊の痕跡。
巨大な敵性体が激突、ないしは通過した事で自然が破壊される光景など少女はもう見慣れていた。
──このままじゃ、皆が危ない。
焦りが冷静な思考を取り戻しつつある彼女を満たしていく。
警告しなければ、援護に向かわなければ。
少女は攻撃の正体を看破したが、しかし攻撃の主をその深紅の瞳に捉える事は出来なかったのだ。
つまり、敵は尋常ならざる速度で移動していると言う事。
ただ無策で挑むにも、単独で挑むにも荷が重い。
故に片手1本で地面から大剣を引き抜いた少女は、頭の中で想定される仲間の位置を描きつつ1歩踏み出して────
「────か」
直ぐ様破壊痕の方へと踵を返す。
聞こえた。
知らない男の声。
弱々しく、今にも消えてしまいそうな小さな声。
聞き間違えの可能性が高いだろう、と思う。
先ずは仲間との合流を先にすべきだ、とも。
しかしその様な理屈で割り切れないのが、少女の──私立百合ヶ丘女学院1年生、
「今、行く」
大剣を担ぎ、大地を蹴って破壊の痕跡へと飛び込む。
徐々に燃え広がりつつあるかつての森林は熱風を叩き付け、傷口にヒリヒリとした痛みを送り込んでくる。
疲弊しきった足は今や折れかけの棒のようだ。
四肢を走る激痛は麻痺するどころかその苦痛を倍増させ、ピッタリとフィットしたローファーが地面を踏む度に脹ら脛から鮮血が噴き出す。
だからと言って息を整えようとすれば、今度は黒煙と熱波が喉を焼く。
良い加減に、鬱陶しい。
いっそ腕か足でも折れてくれた方が早かったのに、と少女は苛立ちを隠せなかった。
──どうせ私は、生半可な攻撃じゃ死なないんだから
そう、少女は
今この瞬間、地獄を疾走している間でさえ全身の擦過傷は時間を巻き戻したかのように消え失せ、元の手入れが行き届いた白い肌を取り戻している。
それどころか打撲により損傷した頭蓋すら何事も無かったかのように復元され、先程まではどくどくと流れ出していた血液も既に止まっていた。
これこそが少女に付与された異能。
過酷な人体実験を生き延びた強化リリィが目覚めるの特性の1つ──
即死に至らしめるような攻撃を受けない限り、鶴紗の肉体は無制限に再生し続ける。
だが、リジェネレーターに欠点が無い訳でもない。
確かにこの異能は少女に不死に近い再生能力を与えたが、再生する順番は彼女の意思に関わらず生存に重要な器官が優先される。
擦過傷より骨折を、骨折より内臓の損壊を、内臓の損壊より頭脳の再生を。
その結果として鶴紗は頭部の打撲による失血死は避けられたものの、遅々として進まない擦過傷や裂傷の治癒にもどかしい思いを余儀無くされていた。
──イライラする
しかし、少なくとも鶴紗にはそれが最適解だった。
不甲斐ない肉体への苛立ちでも後悔でも、何でも構いやしないのだ。
それが己の体を動かす力になるのであれば。
尤も、彼女自身はそんな事にまるで気が付いていないが──何はともあれ、救助対象に辿り着く。
彼女の視線の先には、地に倒れ伏した男の姿があった。
「──おいっ!」
叫びながら駆け寄れど返答は無い。
それどころか身に纏う濃緑の鎧は全身の至る所から溢れ出す血でどす黒く汚れ、罅割れたヘルメットの下の素顔すらべったりと塗り潰していた。
見慣れた、とは言わないまでも何度か目撃した人間の状態。
この男は死に瀕している──鶴紗は即座にそう判断し、されど呼び掛けを止めなかった。
無愛想で、ぶっきらぼうで、孤高の一匹狼。
それでも名も知らぬ誰かさえ見捨てられぬ優しさを彼女は持っているのだ。
「……ッ、しっかりしろ!私の声は聞こえるな?」
鶴紗の呼び掛けに気が付いたのか、血と泥に塗れた男が目を開く。
黒い瞳。
鋭く、肉体とは裏腹に活力に満ちた瞳。
死の淵に追い込まれながらも男はまだ戦おうとしているのだと鶴紗は気付いた。
だったら、尚更死なせる訳にはいかない。
例え後数分で命尽きようと、生きる意思のある者をリリィは決して見捨てない。
「近くまで仲間が来ている、退避するぞ……!」
言って、少女は男を担いだ。
いや、小柄な鶴紗では担ぐとは言い難く半ば肩を貸すような形で引き摺ると表現するのが正しいか。
兎に角、自身が汚れるのも厭わず男の腕を掴んだ鶴紗はよろよろと覚束ない足取りで地獄を戻り始めた。
周囲は既に山火事の様相を呈している。
右を向いても、左を向いても、炎の紅蓮しか見当たらない。
真っ当な逃げ場や脱出経路など存在するようにはとても思えなかった。
(嫌な事を思い出す……!)
しかし、鶴紗は黙々と歩き続ける。
自分が死ぬのは別に構わない。
だが、静岡で戦死した父と背負った男の姿がどうにも重なって見えるのだ。
そうなってしまったら、もう見て見ぬ振りなど出来る筈もない。
避けようの無い死に直面し、それでも尚誰かの為に戦わんとする者を鶴紗は捨て置けなかった。
いや、捨て置いてなるものか。
歯を食い縛り、いよいよ重みを増してきた男を引き摺りなから少女は進み──遂に炎以外の「何か」を視界に収めた。
「……?」
黒銀。
ごうごうと燃え盛る炎の中に、黒銀の棒が4本突き立っている。
焼け焦げた枝を思わせる、細い棒。
しかしそれらは一点に向かって集合するかのように歪に捻れており──少しずつ上を向く鶴紗の視線は、最終的に4本の「足」で以て大地に立つ奇怪な球体の存在を認めた。
「……は?」
それは間違いなく、鶴紗の知識の外に存在する物体だった。
球状の体に足がくっ付いていると言う要素だけ抽出すればテンタクル種のヒュージと同一個体に思えるが、ワイヤーの如き4本の足で頭部を支える姿は古典的なSF映画のエイリアンに近い。
リリィの主敵とは根本が違うエイリアンが、何故だかこの場に現れた。
黄色い1つ目をチカチカと瞬かせ、右往左往している──それこそ、古典的なSF映画のように。
事実、この四脚の球体は
神話に準えキュクロプスと命名された異形は人類では遠く及ばぬ未来の技術によって製造されたアンドロイドであり、機械と生体が高度に融合した戦闘マシーンなのだ。
そして鶴紗を瀕死の重傷にまで追い詰めたのも、この個体。
中空から落下したキュクロプスはその大質量で以て偶然近くにいただけの彼女を吹き飛ばしたのだ。
当然、次は無い。
「────ッ!」
おぞましい結論を瞬時に導き出した鶴紗は、男諸共地に伏せた。
死んだ振りと言う極めて古典的な手法。
だが、死にかけの男を背負ったままでは戦えないのでやり過ごす以外に道はない。
息を殺して、砂埃と熱風に艶やかな金髪を痛め付けられる。
──果たして、自分は一体何をしているのか
そして男は微睡みの中で回想する。
覚えている限りでの最初の周、あの気さくで陽気な先輩は目の前で巨大生物に捕食された。
民間人で一般人だった自分は、呆然と眺めているだけ。
彼が完全に彼らの胃に納まってから、漸く遺された武器を拾う始末。
後少しでも早く銃を手に取れていたら、或いは突き飛ばすでもすれば救えていたかもしれない。
故に、最後の周では躊躇わなかった。
行動を躊躇せず、シャッターが開いたその瞬間には引き金を引いていた。
──我々は戦わねばならない
そうだ。
躊躇なく戦わねばならない。
此処が何処であっても、相手が誰であっても。
救いを求める人がいる限り。
平和を脅かす敵がいる限り。
それがEDFと言う組織なのだから。
──我々は戦わねばならない
腕を動かす。
傷付いた肉体は鉛のように重い。
混濁する意識は途絶と復帰を繰り返す。
それでも、男の左腕は意識を失って尚決して手放さなかった
「あんた、何を────」
明滅する視界の中で振り向いた少女が目を見開く。
そう、守るべき人間がいる。
1歩とて歩ける気はしないが、指はまだ動く。
あの
ならば、男がすべき事はただ1つ。
──ただ引き金を絞るのみ
「な──!?」
轟音が少女の耳を劈き、反動で男の体が跳ね上がる。
それと同時に飛翔した弾丸は毎秒3600mの速度で空気の壁を引き裂き、球体の中心──視覚センサー等が集中する1つ目を貫いた。
だが、単に装甲を貫通するだけでは済まさないのが完成されたライサンダーの真価である。
「■─■■■■───」
白色装甲の内部組織の内側へと侵入した弾丸はその勢いのまま生体組織を粉々に粉砕し、活動能力を喪ったキュクロプスがぐしゃりと潰れた。
ほんの一秒未満の、刹那の交戦。
旧神奈川県の片隅に、森林が焼ける音が取り戻される。
「たお、した?」
だが──鶴紗の驚愕を言葉で表現する事は不可能だろう。
何せ相手のサイズはラージ級ヒュージに匹敵するのだ。
これを為したのがリリィだと言うならまだしも、死にかけの男が放った見慣れない狙撃銃の一撃で討伐したと言うのは俄に信じ難い。
「嘘だろ…」
呆然と呟く少女の目線がバイザー付きヘルメットを被った男の顔と白煙を漂わせる狙撃銃を往復する。
歩兵が用いる兵器の中でこれ程強力なものを鶴紗は知らなかった──それを使うこの男の素性も。
そもそも、この男は一体誰なのか。
何か思い違いをしているのではないか。
武器を持っている事から勝手に防衛軍の人間だと思っていたがこの近辺に軍が展開しているなんて情報は聞いていないし、纏っている濃緑のアーマーも全く見覚えがない。
「……あんた、誰だ?」
月光を背後に鶴紗を見下ろす男は、何も言わなかった。
相変わらず強い意志の籠った瞳で、ただ少女を見詰め続けている。
その指が、再び引き金を絞った。
「うわ……ッ!?」
轟音。
咄嗟に両手で耳を塞いだ鶴紗の中で「何をやってるんだコイツは」と言う疑念と「無言で
しかし銃弾が射抜いたのは敵ではなく、崩れ落ちたエイリアンの足下にあった防空壕の様な施設の制御板。
「251」と書かれたシャッターが三分の一程まで上がり、何かにつっかえたのがぎぃぎぃと耳障りな音を立てる。
深く考えずとも分かる。
男はこの施設に避難しろと言っているのだ、と。
この施設にも覚えはない。
作戦前に地図で周囲の地形や施設は確認した筈だが、この人里離れた森の中に防空壕など存在しなかった筈。
とんでもない威力の銃、それを持つ謎の男、SF映画のエイリアン。
一体何がどうなっているんだ、と鶴紗は額に手を当てて唸った。
──だが、他に行く宛がない
四方から迫る火の手は既に2人から退路を奪い、焼死と言う凄惨な結末を押し付けようとしている。
生きたいのなら、あの得体の知れぬ防空壕に避難するしかないのだ。
結局、深い溜め息を吐く少女は満身創痍の男を背負い直すしかなかった。
──それが混迷の引き金だとも知らずに
「──はいはい真島百由ですよっと。ごめんなさいねー色々調べてたらちょっと寝落ちしかかってて!」
「それで、事情は大体聞いてるわ。鶴紗さんがヒュージとの交戦中に行方不明になった件に…え、違う?」
「──七里ヶ浜に所属不明のロボットが漂着した?しかも大きさがギガント級位ある?ちょちょ、嘘でしょ!?」
「…本当なのね。分かった、すぐ向かうわ」
◯男/???
装備:ライサンダーZ(酷使による破損)
カスケードFA(紛失)
YDX対空インパルス(残弾無し)
EMCX(要請不可)
◯安藤鶴紗
BOUQUET以後「ブーステッド・フレンド」以前。