王だと?私は神だアアアアアアアアアアーーー!!!! 作:SOD
元の世界で文明を発展させ、趣味の遊戯王も敵無し。高身長、高収入、整った顔立ち。まさに完璧な男だ。お前たちも私の才能にひれ伏すが良い。手始めに高評価を入れておくように10点だぞ!10点!!
さすれば遊戯王OCGで使える三幻神採用の神のデッキの姿を拝ませてーー「はーい、本編始めるよー」まだ神が喋っている途中だろうがアアアアアアアアアアーーー!!!!
地上とは異なる異質な空間で、一人の少年が不思議な鏡を視ている。
「………………。」
鏡に映っているのは、願いと希望を踏みにじられた隻眼の英雄の憤怒だ。
ようやく死ねる。ようやく終わる。そしてようやく、始まる。
そんな英雄ーー否、盲目の少年の救いを、無惨に、無知に踏みにじったのは見習いの閻魔の少女だった。
盲目の少年はそんな閻魔に強い憎しみを抱いている。
これが普通の退屈な人生を歩んだ高校生の行く末であれば、閻魔はただの夢を叶えてくれた女神さまで済んだはずだ。閻魔もその程度の認識で彼を死後、異世界に連れ込んでいる。
何故自分がここまで虐げられているのか、閻魔の少女は分からなかった。
割合、そこは平和な世界なのだ。少年のスペックを考えれば、以前の世界よりもずっと生きやすい場所なのだ。
そんな
何でここまでされなければならないのか……多少強引ではあったが、既に死んだ彼にもう一度生きるチャンスを与えたわけでもあるし、なにもここまで酷い扱いをしなくとも……。
そんな少女の憤りは、彼女が唯一異世界に持ち込めた閻魔の力。生者の行いが記された閻魔帳を閲覧したことで、一変した。
『…………………わ………わた、わたし………なんて……ことを……っっっ!!?』
閻魔帳を持つ手が震えた。あまりの自身の愚かさに目眩を覚えた。
自分の行いの残酷さに、吐いてしまった。足に力が入らなかった。
『あ……アアアアア……!!
ーーうぐっ……ゲェッ……!!!ゲホッ!ゲホッ…!!
ッッ…………………!!!!』
罪悪感で狂ってしまいそうだった。
それでも正気を保っていたのは、彼女の精神力の強靭さと……この罪から絶対に逃げては行けないという、犯した罪に対してのせめてもの贖罪の気持ちゆえに。
『ごめん……なさい……鳴海、翔護さん……わたし……っっ、ごめんなさい……っっ!!』
ガタガタと震えるカラダで抱きしめた閻魔帳を涙で濡らしながら、乱れた呼吸を整える。せめてその少年が帰ってくるその前に、普段の自分に戻っておくために……少年に最大の理不尽と絶望を無自覚に叩きつけた自分が、ほんの僅かでも永く、彼の心の闇を受け止め続けるために。
「…………………鳴海翔護……か。まるで聖人のような胆力だったな。」
鏡を見終えた少年が、ポツリと感想をこぼした。
そんな誰に向けたわけでもない言葉に、返答した人物がいる。
「フフフ……恐ろしい男だよね。生まれながらに神に祈りを捧げる信心を持ち、裏切られた。
大切な人を失い続けた彼が望んだのは、再会だった。
その為だけに、死神
だが、魔王の継承者としての力に常に襲われ続けた彼の体感時間は、計算上は千年を下らないと言われているよ。
ゆえに、彼の英雄は我々ーー三千世界の管理者【Cosmos】をして『千年の英雄』と敬意を込めて呼ばれているんだよ。」
「それで…?私にわざわざこのような三流の悲劇を観賞させて、キミは何がしたいのかね?自称死神さん?」
「アハハハ。キミの住む世界では到底実現し得ないような非現実の数々を見せられても、まだわたしを偽物の死神と思うのかい?」
「当然のことだよ。
もし、仮にキミが名乗ったのが地獄の裁定者、天国の天使だったなら、特別疑いはしなかった……が!!死神であろうと、女神であろうと、神と名の付くものを私は容認しない。
何故ならば、神とはこの私自身の存在を指し示すことが最も相応しい名称だからだ。
かつて、ここに足を踏み入れた者がどれだけいる?理不尽な運命に下るでも無く、涙で枕を濡らすでもなく、首を吊るでもない!!
少年は、自身満々に笑いながら、両手を広げて己そのものを崇めるかのように天を見上げた。
この中二病が抜けきっていないかのような自惚れた発言を恥もなく語る少年。
名を
生まれた次元はメタバースの中でも、遊戯王というアニメが放映され、武藤遊戯を始めとした人物がフィクションであることが当たり前の世界。
つまり、彼の世界にはデュエルモンスターズは『遊戯王OCG』として販売されているし、デュエルディスクはせいぜいごっこ遊びかコスプレ程度にしか役に立たないプラスチックの玩具でしかない。
カードパックは150円(税別)、強力なカードでもレア度を気にしなければ一枚がせいぜい1500円(税別)も出せば買える。それ以外にもギャザがあり、デュエマがあり、ポケカがあり、ヴァンガがあり、奇跡的にゲートルーラーも近々新弾が出るような、当たり障りのない詰まらない世界だ。
「そんな平和な世界から、わざわざそんな無粋な鉄の鎧で、よくこの魂を審判する【裁定の場】に来られたものだよねぇ……」
「フハハハハハハ!!!!なんとでも言うが良い!!
私はこの神の才能を使って世界の技術を千年は進歩させた!だァが、あの世界は狭すぎるし、何より神である私にはつまらない!!
よって私は開発したのだよ!!二次元世界へ赴く神の発明を!!
全ては、この『神のデッキ』を存分に振るう相手を探すために!!」
「ふむふむ。キミは実にユニークだね。
【次元の奇跡】を宿す訳でもない、通常の生命体が、一方通行とは言え、三千世界の境界を越えることに成功したというのに、その理由がなんとデュエルでの遊び相手が欲しいなどというものだったのだから。
神でもぼっちは辛かったのかい?」
「ーー少しはオブラートに包め痴れ者がアアアアアアアアアアーー!!!!
当たり前だろう!!私が頂点であることに異論は無いが、人間はIQに30程度開きがあると会話が成立しない!!言わばあの世界の連中と私は、猿と人間の関係性しか生み出せないことが約束されているようなものなのだよ!よって私はこの神の才能を使い、私に相応しい新天地を開拓するのだ!」
「なるほどなるほど。そう言う事なら、やはりわたしが今見せて上げたGX世界は一見の価値ありだよ。何せ今あの世界には
『戦闘狂が行き過ぎて
『英雄としての評価故に
『予定に無い死を迎えたが故に天国にも地獄にも受け入れ先が無いがゆえに間に合わせで
きっとキミのような才能を持て余した絡みたくないタイプの中二病にも、デュエル仲間が出来ることだろう。」
「包むオブラートが足りていないぞちゃんと使う前に計測したのか、これだから凡夫というやつは……」
「とにかくだ。キミはその神のデッキを存分に振るいたいわけだから、せっかくだし『ヴィラン』としてあの世界に向かうと良い。」
「ヴィランだと?違うな…私は神だ!!ゆえにあの世界で決闘王ならぬ決闘神としてこの存在を崇め奉られるためにーー」
長々と語り続ける清貴の足元が突如、空洞に変わり……
「かの地に足を踏み入れ踏む大地が消えたアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーーーー!!!!!」
落下していく。どうやらこの異空間でも重力は仕事をしているらしい。
「それじゃあ折角だから、一番決闘を受けやすい彼の元へ送ってあげるからね〜バイバイ、厄介者さん。」
「貴様アアアアアアアアアアーーーー!!!!次に会う時には覚えておけよオオオオオオオオオオオオオオーーーー!!!!!」
こうして、神は穴に落ちて星になったのだった。きらーん。
読者諸君、神の才能こと私だ!!今回のところは所詮は小手調べ。だが、次回は鳴海翔護という英雄と呼ばれる男との決闘だァ!!
腕が鳴るぞ……なにせ大会以外のフリー対戦などやったことが無いからな。私が神過ぎで、下々はみんな敬遠していってしまうのだ!!
だが、あの男なら逃げはすまい!!私には分かる、鳴海翔護……頼まれたら断れないタイプと見た!!!!
次回、『殴れ!!!!轟け!!!!焼け!!!!神の力を見るが良いイイイイイーー!!!!』
「流石は神だね清貴くん。ネーミングセンスが地下排水の泥だけを詰め込んでいるかのように秀逸だ。」
方便を使うなら便器からはみ出して来るんじゃなアアアアアアアアアアーーい!!!!
好きな神を選ぶがいい!!!!
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オベリスクの巨神兵
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オシリスの天空竜
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ラーの翼神竜
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ヲーの翼神龍
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余計なもの入れたのは誰だアアアー!!!