マーレ国とパラディー島別世界転移物語   作:re-moo

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パ「えっ?なんかたくさんやってきてるんだが…」

マ「気のせいだ…」



転移以前1 マーレ軍侵攻部隊の悪夢

 マーレ大陸とパラディ島の間にあるこの海域は普段なら船舶はほとんど通らず静かであるが、現在多数の艦艇が波を割いてパラディ島へと向かっていた。

 

 

 マーレのパラディ島侵攻は瞬く間に世界各国へと広がり、世界中が注目する戦争になるのであった。

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

 

 マーレ軍パラディ島侵攻部隊 第2/3艦隊旗艦

 

 

 

 「何度見ても素晴らしい光景だ!この艦隊さえあれば何処に行こうが無敵だろう!」

 

 

 「えぇ、これまでの海戦の結果を見ても我々に敵う艦隊は、そう居ないでしょう」

 

 

 取りあえず適当に司令官の言葉に乗ることにした。

 

 

 「そうだろう、で?今回の相手は何だったか?」

 

 

 「エルディアです」

 

 

 「あっ、そうだ!島の連中だったな!ん?待てよ…奴らにまともな艦船は存在するのか?仮に有ったとして、こんなに大規模な艦隊が必要なのか?わざわざ我々第2/3艦隊がでるほどでもないだろう、なんなら、地方艦隊だけでも十分じゃないのか?いくら、奴らが一度我々を退けたからといって、ここまでする必要は感じられん」

 

 

 一見油断しているように見えるが、この司令官はこれまでの海戦において数々の戦果を挙げた大変優秀な将官なのだ。

 

 そんな彼が今回の艦隊派遣に疑問抱くのも無理もなかった。まず、彼らが所属する第2/3艦隊の任務は主に本国であるマーレ大陸近海の警備と哨戒活動、船舶護衛などであった。そのため、最近あまり出番が無かったとはいえこれだけの艦隊を派遣するのは異常だと彼は思っていたのである。

 

 本来なら、相手が戦士隊を退けたとしてもここまでする必要は無いのだ。だが、それは本来ならであって決してそうなることはないのだ。

 

 ここ数年のエルディアは見違えるような発展を遂げており、軍隊の装備に関してはヒィズルの技術支援もあり諸外国と対等に渡り合えるほどになっていたのである。

 

 

 「まぁ、始祖奪還計画は我々の放った無垢の巨人による妨害もあって、4名の戦士しか派遣してないからな。もし、無垢の巨人による妨害が無ければ、今頃パラディ島は我々の手中に収まっていただろうな」

 

 

 「まさか、戦士を3名も失うなんて思いもしませんでしたし、それに、パラディ島勢力は立体起動装置なる物で巨人と対峙していたそうですし、少なくともこの分野においては我々よりも進んでいるといえるでしょう。なんて言ったって、我々には個人レベルの装備はもちろん殆どの火器で巨人を倒すことはほぼ不可能ですので」

 

 

 「確かに、脅威にはなり得る可能性は大いにあるが、それでも、この大規模な兵力と艦隊をどう叩くかだな。まず彼らに戦艦を有した艦隊をいくつ保有、運用しているかだ」

 

 

 「それに関しては、第三国経由でヒィズルから戦艦を含む艦船を数隻格安で購入したとか、多分氷瀑石を狙っての事でしょうが…」

 

 

 「氷瀑石でどのようなことができるのかだが、少なくとも飛行艇の開発には成功しているし、それなりに開発を進めれば大量破壊兵器も生産可能になるかもな」

 

 

 「だからこそ、ヒィズルが独占したいわけだ」

 

 

 そう司令官と話し会っていると、一人の乗組員が彼らの元に駆け寄りパラディ島が見えてきたと報告した。

 

 

 「いよいよ来たか、パラディ島。やはりと思ったが相手は軍艦の運用に人員を割けなかったようだな。ここまできてもなお、支障を来すことなく航行出来ているのだから」

 

 

 彼の話は続く。

 

 

 「今回の相手はこれまで以上に強敵かもしれないが、最後には必ず我が国が勝つ!」

 

 

 そう、自信満々に話す彼の目に映し出されていたのは、艦船から上陸ボートでパラディ島に上陸する多数のマーレ兵たちであった。

 しかし、これから待ち受ける悪夢をこのときは誰も予想できないでいたのであった。

 

 

 

 

 

 マーレ軍 パラディ島侵攻部隊 第6師団

 

 

 第6師団の任務は港を含む南側と南側の…シガンシナ区の攻撃及び制圧をすることであった。

 

 しかし、上陸した時…いや、それ以前にもパラディ島側からの一切の攻撃を受けていないのだ。ごくたまに、島の方から飛んでくる飛行艇の姿はあったが、それだけだった。

 

 そして、上陸したあとも相手からの攻撃も何もなく、いよいよもって相手の意図を掴めずマーレ側は困惑するばかりであった。

 

 

 「なぁ、俺たちって今戦争中だよな?ピクニックか何かの間違いじゃないよな?」

 

 

 「こんな大規模なピクニックがあってたまるか、しかも艦砲付きのな」

 

 

 「ははっ、そうだよな…でも何故敵は反撃しないんだ?自分たちの領土を侵されてるって言うのに」

 

 

 「まぁ、これだけの数を見て逃げ出したとかじゃないのか?実際これを他国にやったとしても他国軍は逃げるだろうよ、」

 

 

 「まさかと思うが罠じゃないよな?映画で見た」

 

 

 「その可能性はあるかもな、だが、そんなことをしても前方の最前列にしか損害を与えられないから意味はないと思うが、」

 

 

 「もし何かあったら、前方の部隊が無線報告してくるだろうし」

 

 

 そう話しながら歩いていると、突如彼等の前方を歩いていた部隊が激しい爆発音とともに吹き飛ばされる。

 

 更には周りの木々から誰彼構わずに打ち込まれる機関銃によって彼らの所属している連隊は3分の1以上の部隊員を一瞬にして失ったのであった。

 

 

 突然の攻撃にマーレ軍は対処出来ないでいた。

 

 

 ただ、マーレ軍も黙ってやられているわけでわなく、数の差を活かして敵がいる方向に向け小銃を乱射し続けた。しかし、立体起動装置を駆使して木々の間から雷槍やら銃弾やらを撃ち込んでいる敵に当てられるわけがない。こういった原因からマーレ軍の被害は拡大する一方であった。

 

 

 「ちくしょぉ、やっぱり潜んでいやがったかぁ、奴ら、空を飛んでいやがる。これじゃあこっちはただの的になるだけじゃないか!クソッ!」

 

 

 「だが、敵の攻撃が薄くなってきたぞ?それに、後方からの支援砲撃も来始めたから少しは戦いやすくなった」

 

 

 最初の奇襲から40分後くらいたった時エルディア側が撤退して事により戦闘は終了した。この戦いでの双方の被害は、

 

 

 

 マーレ側

 

  死傷者数:約2800人

 

 エルディア側

 

  死傷者数:6人

 

 

 

 という、明らかにエルディア側の圧勝であった。今回の襲撃を受けて司令部は森林において絶大な能力を発揮する『顎』と第5/6/8/12師団の計8万人を第2師団のシガンシナ、ウォール・マリア侵攻部隊に派遣することが会議で決まった。

 

 

 

 

 

 マーレ軍対パラディ島侵攻部隊 第2/5/6/8/12師団 作戦司令部

 

 

 彼らの作戦指令部はシガシンナ区から約20~30㎞程離れたところに位置している。現在各指揮官らは、先日の襲撃に対する情報共有と彼らの対策についての会議が行われていた。

 

 

 「ですから、立体起動装置が有効的に運用できないように森林地帯を切り倒すか焼き払うかの方が極めて有効かと、」

 

 

 「森林はともかく、市街地に関しては同じ事はでぎないぞ?それとも、飛行船から空挺部隊を使って電撃的に制圧するつもりか?」

 

 

 「私の第2師団隷下の第14/18/24/29連隊合わせて3000人近い被害が出ているのですよ?それに、相手は『超大型』と『女型』を保有している可能性が極めて高い、うかつな判断でさらなる被害を出したとなれば今後の戦争支持率と継戦にも大きく影響することにもなりかねます」

 

 

 「そこでですが、我が国では虎の子である世界初の飛行機を20機程投入を本国に要請したいと思います」

 

 

 それを聞いた周りからは、驚きの声が上がる。

 

 

 「なるほど、航空機なら奴らの立体機動でも為す術も無くなるわけだ、」

 

 

 「しかし、あれには武装が搭載されていないぞ、一体どういう使い方をするつもりだ?」

 

 

 「そこは、即席で機体の下部に着弾信管式爆弾を1つ搭載します。そして、目標地点に近づいた所で操縦席に取り付けられた爆弾を止める為の装置を引いて爆弾を投下するという物です」

 

 

 この話を聞いた周りからは拍手が沸き起こる。

 

 

 「なるほど、確かにそれなら攻撃と占領を素早く行えるな、この問題はとりあえず解決したか」

 

 

 「仮にこの作戦が成功したとして、壁内全てを占領しても300万人程度ですよ、これなら最初から通常兵器に力を入れていっそのこと世界を征服すればいいのに、世界を支配さえすれば資源なんてどうにでもなりますよ。それに、その氷瀑石?とか言いましたか、その石が一体何の役に立つのかわからないのに」

 

 

 「いや、氷瀑石は航空機から兵器の幅広い分野で転用が可能との事で、政府がそれを取るために正当な理由をこじつけて今こうやって攻めているわけだ」

 

 

 「暇なんですかね、政治家って言うのは、ここ最近始まったばかりのラジオにはいつも『マーレ国万歳!!』だとか、『マーレニア党万歳!!』とか聞こえの良い演説とかしてますが、そこで話している内容は果たしてどれ程が本当のことなのか、」

 

 

 「これは、情報局に勤めている上層部の友達から聞いた話なんだが、半年ごとに出ている国内調査対象になっているGDPや、GNPとか、その他複数の項目だと、大体1~4割くらいまで上乗せするのが普通らしい、とくに最近開発されている都市のマトレアなんかは、6割くらいは上乗せされているんだと、」

 

 

 「はっ!?6割?そんなのほとんど経済成長も発展もしてないのと同じじゃないか!一体いつから我が国は嘘をつく国家に成り果てたんだ?」

 

 

 「国益とか、見栄えの為に嘘をつくのは何処の国も同じ事だよ、ただその中で我が国が突出して酷いだけさ、」

 

 

 「後、軍関係の物質充足率とかは、常に200%を超えているとか言っていたが、あれは嘘だ…正確な情報だと120%にも満たない数値らしい、」

 

 

 これを聞いた周りは特に驚く様子はなく、むしろ『やっぱりか』という雰囲気が多く見られた。

 

 

 「まぁ、予想はしていたがここまで酷い有様だったとはな、通りで一部の予備補充が出来ないわけだ」

 

 

 「まぁ、この問題は最近徐々にではあるが、解決されてきているらしいから大丈夫だろう。それよりも今は、明日の作戦に備えて今日はもうお開きにしよう」

 

 

 そう言い残し警備の兵を除き全員がそれぞれの場所へと戻っていった。

 

 

 明日早くから作戦が開始されるのであった。

 

 

 しかし、それは、、マーレにとって

 

                  終わりの始まり

 

 

                             でもあった。




 マーレが飛行機を所有してるかどうかは知りませんが、この作品においては多めに見ていただけると助かります。

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