リリカルにエロいことしたいんですが、かまいませんね!!   作:He Ike

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 今回は少なめ。というか前二つが多くなり過ぎた。


やだこのエロ主ノリノリだわ

 夜の一族。リリカルなのはの元となった『とらいあんぐるハート3』に出てきた設定らしい。

 らしい、というのは実は俺とらハ3をプレイしたことがないため、二次創作で出てくる設定程度しか知らないのである。

 というか吸血鬼ね。ファンタジーかよ。……良く考えたら魔法も転生者もある世界で今更だな。

 

「ねえ、何をしたのか教えてほしいな?」

 

 教えてほしいな? なんて、可愛らしい聞き方をしているが彼女の目は、ちゃんと答えないと解放しないと物語っていた。

 まあ、予定調和のうちですよ。こんなのは一つの可能性として想定していた。

俺は、これから行動するに当たって彼女たち(オリ主君ら含む)の行動を常にいくつか想定している。何を言えば何を返すかまでたっぷりと考えている。

 

 長期的な行動を成功させるのには、綿密な計画が必要である。そして綿密な計画を練るには、対象について深く知らなければならない、というのが俺の持論だ。当然と言えば当然だが。

 そして困ったことに深く知るために近づくには、これまた綿密な計画を立てないといけないのだ。失敗したらチャンスは絶望的だからね。

 だが問題として対象について穴あきの知識しかないのに計画を立てるという事をしなくてはいけないのだ。だからこそ幾通りものパターンを想定し、細心の注意を払いつつ事を進めなければならない。

 

 これが複数人での行動ならもっと安全かつ楽にやれたんだが、ソロで始めるからこそ得られる愉悦というのは何にも勝るものだから仕方ない。俺は愉悦の奴隷なのさ。

 

 ふと思ったんだが、自身の想像するビジョンが現実のものとなった時。それって、さながら未来視と変わらないものなのかもしれないね。

 レアスキル未来視ってか? 残念ながらエロ主個人に魔法は必要ありませーん。

 

「あの月村さん……? 何をしたって言われても。ちょっとお話をしただけだよ?」

「あのアリサちゃんが仲良くなってすぐの男の子になんでも相談するわけがないの!」

 

 ぴしゃりと言い放つ月村すずか。

 ここは放課後の校舎裏のため、誰かに会話を聞かれる心配はない。

 アリサの心を解放した翌々日、まあ今日なんだが。朝、ふと机の中に見慣れない封筒があったことに気が付いた。漫画ならラブレターにでも使われそうなその白い封筒の裏には、月村すずかの名前があり、放課後にここに来るよう書かれていたのだ。

 いやー、実に心躍る展開ですねぇ。

 

「いや、でも実際に……」

 

 あくまで演技は崩さない。

 これはバニングスさんがこの間のことを(詳細は話せずとも)月村さんに相談したのだろう。しかしそれにしても月村さんはやけに強気だな。何か確信でもあるのか?

 ……もしや俺を同類だと思っているとか。

 バニングスさんに対しての認識は俺も月村さんと同じだ。今までロクに話したことのない相手に相談するタイプじゃないのは付き合いの浅い俺にですら分かることだ。

 それこそ夜の一族のような催眠の類の仕業だと想像しているのではないだろうか。

 この考えだと月村さんは夜の一族だと確定することになるのだが……。まあ、しばらくはそういう体で行こうか。可能性が大きくなった。それだけの話だ。

 

 しかしそれにしても、いささか急だな。考えられる理由を挙げるとすれば、

 ただでさえグループ内での仲裁が大変なのに余計なちょっかいかけてくんな! ってところかな? まあ、月村さんはそんなこと言い方しないだろうけど。

 もしそうだとしたらオリ主君雑だよ。君のグループ穴だらけ過ぎだって。仕方ないから俺が繕ってあげよう。俺の都合の良いようにだが。

 もっとも、あくまで妄想なのでオリ主君が悪いのかは分からないけど。

 

「でも、じゃないよ!」

 

 子供特有の頑固モード。もしくは頭でっかちモードかな。

 落ち着かせてきちんと話し合いをさせることもできなくはないだろうけどそれじゃあ、つまらない。

 普段大人しい子が怒ると怖いって良く言うけどさ、あれって怒り慣れていない子も相応に焦ると思うんだよね。大概は怒られた方がすぐに謝っちゃうけどさ。

 

 こう考えると今の月村さんは焦っているのではないか。怒りながらもどこか冷静な部分で自分の行動を悔いながらも止められないのではないだろうか。

 ならば精神的年長者である俺が月村さんを導かなければ。

 よーし、じゃあそうと決まれば、お兄さんがもっとアクセルを踏んであげよう! 目指せF1レーサーだ。

 

「ぼ、僕にだって分からないよ!」

「なっ!? アリサちゃんが変なのはあなたと会ってからなんだよ!」

「そんなの理由にならないよ!」

「なります!」

「ならないよ!」

「なるんです!」

 

 うん、いい感じに頭が湯だってきたんじゃないかな。冷静にはさせないよ。

 月村さんもバニングスさんと同じで本来は聡明で思慮深い性格だ。……どうしてもバニングスさんは直情的な部分が目立つが。

 そんな彼女にきちんと状況を話し、なおかつ落ち込んだように諭せばきっと落ち着いてくれることだろう。だが反対に説明なんてせず、頭ごなしに否定を続ければ月村さんもむきになることは容易に想像できる。

 いくら聡いとはいえ、子供のケンカなんてものはそんなものだ。精神の真の成熟というのはとても時間がかかるものなのだから。

 

 なんだか最近、他人の思考を勝手に推測して誘導するのが楽しくなってきた気がするけど、気がするだけの気のせいだよね。

 というか俺って前世から友人には黒幕タイプとか言われたんだけど失礼じゃないかね。俺はどっちかというとゆるふわ日常系のギャグタイプだろうに。

 何が狂人思考だっての。俺には俺なりの倫理観があるだけなのにさ。

 

 閑話休題。

 

 おっと、いっけね。つい前世を懐かしんでたよ。

 まあ、今はそんなことはどうでもいい。目の前の仕込みに専念しないとね。

 とはいえ、今日はこの程度でいいだろう。あまり続けても言い争いの平行線になるだけなのは目に見えている。今回は月村さんに敵意を持ってもらったことで終了だ。

 

「もういい! 僕は帰るから!」

「んな! に、逃げるなんて卑怯だよ!」

「ふんっ」

 

 付き合ってられないとばかりに振り返らずに月村さんから離れていく。どうやら追いかけてまで続ける気はないようだ。

 しっかし、逃げるなんて卑怯、ねぇ。ずいぶんと安い挑発だな。最後のセリフがこれな辺り、月村さん御し方は単純そうだ。帰ったらいくつか計画を練り直しておくか。

 普段から主張の少ない月村さんは、個人的に一番時間がかかるかと思ったけど案外一番最初に終わるかもね。

 

 

 個人に対する強い怒りと言うのは執着と同義である。




 しかしこのエロ主、実に外道である。この話を書いている途中で文章の大半が消えて書き直したんだけどずいぶんと内容が変わってしまった。本来ならもっとマイルドだったはずなのに。


 あと前世のエロ主君はそれほど気にしなくて大丈夫です。ぶっ飛んでるのは元からだったというだけの話。むしろ現世のエロ主君はエロスと愉悦のために生きているので心配なく。





 簡単な今後の設定をまとめている時に出てきたワード。
『すずかちゃんマジエロエロ堕天使』
 一体何の暗号なのだろうか……。

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