構わないで!上原さん!   作:希望光

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どうも、ご無沙汰しております。
希望光でございます。
今回は、みたいと言う声をSNS上で頂いた御影の誕生日回です。
誰得でしょうかね?しかも遅刻というおまけ付きです(((
と、前置きはこの辺で本編をどうぞ。




前回までのラブ↓ライブ!↑
あまりにも爆破され過ぎた結果、幽○紋(スタ◯ド)に目覚めました(大嘘)


祝福と呪怨は表裏一体?

 何事もなく幕を開けたその日、自分は自転車に跨って学校を目指していた。10月になったせいか突然寒くなってきて困ってます。風切って進んでるけど、冷たさゆえに自転車漕ぐの嫌になってきたよ。

 

「手袋探しておこ……」

 

 防寒具の準備を早急に行うことを決めつつ、なんとか学校へと辿り着く自分。自転車を止めたりなんだりして教室へと赴く自分。よーし、今日も1日頑張るぞい! 

 野郎が述べると恐ろしく似合わないセリフを呟きつつ、教室内へと進んでいく。

 

「あ、御影君おはよう!」

「ピャッ」

 

 ほぼ不意打ちのような形で背後から声をかけられた自分は短く悲鳴を上げる。我ながらピャッってなんよピャッって。自身の発言に戸惑いながらも、声の方へと向き直る。

 

「上原さん……おはようございます」

 

 振り向いた先には同じクラスに在している自分の唯一にして無二たる推しこと上原さんの姿が。眩しい……眩しいよこの人。そしていつも言ってますが、朝イチから食らう眩しさじゃないのよ。いつまで経っても慣れない、ほんと。

 

「なんか今変な音しなかった?」

「自分は何も聞こえませんでしたけど……?」

 

 先の悲鳴についてであろう問いかけを華麗にスルーした自分は、自席へと向かい荷物を下ろす。それから徐ろに教室内を一望する。

 

「どうかしたの?」

 

 辺りを確認し終えたところで、荷物を置いたらしい上原さんが自分の席へとやってくる。いや、えっと上原さん……何故にこんな頻繁に自分の方へとやってきてしまわれるのですか? 迷惑なんてことは絶対にないんですけども、自分の精神衛生的に死ぬほどよろしくはないんです。推しから話しかけてもらえるとかこれ以上にないことだし、我々の業界ではご褒美を通り越して寵愛(ちょうあい)のレベルなんですけども。というかそんなものを受けてる自分、さては重罪だな? うーん、これは自刃不可避。

 そんな感じで自刃することを脳内会議で可決しながら、上原さんの問いかけに対し応答していく。

 

「その、高咲さんがいないのにまだ慣れてなくて」

 

 1学期までは同じクラスに在していた高咲さんだが、今現在彼女の姿はない。なんせ、2学期始まる前に転科試験受けて合格もらって転科しちゃってますからね。でももう、2学期始まって1月は経ってるのよ。なのに高咲さんがいないことに慣れてない……いや、高咲さんがいないことによって上原さんが以前よりも多くこちらへ接点を持ってくるということに慣れていない、と述べる方が正解だ。

 高咲さんと一緒に登校してきて、そのままの流れで始業までお話してるって感じの2人を見てるのが至高だったのに、今その対象がこっちになってるんですよ? おかしいよね? 絶対におかしいよ! 

 

「……正直私も、まだちょっと慣れてないんだ」

「……え?」

 

 上原さんの言葉に思わず驚く。そんな風に感じているなど全く思ってもみなかった。どこが寂しげに笑みを浮かべる上原さんに見惚れていると、予鈴が鳴り響く。

 

「もうこんな時間。じゃあ私、席に戻るね」

「あ、はい」

 

 唐突に現実へと引き戻された結果、間の抜けた返答をする。本当にアホじゃん自分。こうして本日の学校生活は、幕を開けた——

 

 

 

 

 

 迎えた昼休み。お昼を持ってそそくさと教室を離脱しようとしたら、上原さんに捕まって、お昼ご一緒することになりました。どぉしてだよぉ! 

 それで現在、高咲さんも合流して3人でお昼食べてます。中庭にて。自分は、どうして……こんなことになっているのだろう。

 嘆きと共にお弁当モシャモシャしてると、背後に人の気配を感じ咄嗟に肘鉄のモーションを取ってしまう。

 

「曲者……って、え?」

 

 肘鉄をフェイクと思わせるように止めながら、背後へ視線を向けるとあらまあなんとびっくりとても見慣れたお方が。

 

「あ、彼方さん」

「彼方ちゃんだよー」

 

 自分の背後に立っていたのはなんと近江さん。アイエー?! 近江さん?! 近江さんナンデ?! ……割と真面目になんでここにいるんだこの人。というかその高咲さんと上原さんに手を振る動作可愛いと思いますよ。まあ、推し変はしないのですが。

 

「推し変しないの?」

「しませんよ。ついでに地の文読まないでください」

 

 近江さんの問いかけに手短に答えた自分は、お弁当の中身を口に運ぶ。その際、そっと隣へ視線を移してみると高咲さんと上原さんが首を傾げていた。ほらー、変なこと言ったからお2人が不思議そうにしちゃってるじゃん。御影、お前有罪な。

 己の罪を認識しながら口内に含んでいたものを飲み込んだ自分は、近江さんへ問いかける。

 

「それで、近江さんはどうしてこちらに?」

「ん〜、あ、そうそう」

 

 何かを思い出した、と言った表情を見せた後手にしていた袋をこちらへと差し出してくる近江さん。その行動に首を傾げて見せると、理由を述べてくれる。

 

「はい玲君。彼方ちゃんからのプレゼントだぜ〜」

「プレゼント……?」

 

 ……はて? なんで自分にプレゼントを? 浮かび上がった素朴な疑問に対して思考を回転させているとその答えも述べてもらった。

 

「今日、玲君誕生日でしょ?」

「……あ」

 

 近江さんに言われハッとなり、腕に巻いていたデジタル時計に視線を向ける。そこに記された日付をよく見ると『10月10日』と浮かび上がっていた。

 

「そうじゃん、今日誕生日じゃん」

「え、御影君自分の誕生日忘れちゃってたの?」

 

 今更ながら自分が生まれた日であることを思い出していると、高咲さんから驚きの声をいただきました。そうだよね、普通誕生日って忘れないよね。なんで忘れてたんだろ自分。

 

「今言われるまで完全に忘れてましたね……」

「ええ……」

「ところで彼方さんは御影君に何をあげたの?」

 

 自分の言葉に困惑する高咲さんの傍ら、上原さんが近江さんへと問いかける。すると近江さんは微笑してみせる。

 

「玲君、開けてごらん?」

 

 近江さんに促された自分は、頂いた物の中身をそっと取り出してみる。すると、灰色の毛編みのマフラーが姿を現した。

 

「これ、もしかして彼方さんの手編みですか?」

「うん。時間があまり取れなくてマフラーになっちゃったんだけどね〜」

 

 高咲さんの問いに答えた近江さんは、心なしか気恥ずかしそうな様子であった。え、というか待って。これ近江さんの手編みのマフラー? こんなもの貰っちゃっていいの自分? 流石に自分には勿体なさすぎるんですが? 

 

「良いんですか……こんな素敵なものを貰ってしまって?」

「勿論だよ。だって、玲君にあげるために編んだんだから」

「ありがとう、ございますッ!」

 

 近江さんの言葉に間髪入れず感謝の土下座を行う自分。ありがとう……それしか言葉が見つかりません……いやほんと。今日も朝防寒具探そうかなってところだったからすごく嬉しい。

 

「そんな大袈裟だよー」

「いえそんなことは。むしろこんなんじゃ足りないくらいありがたいです。大事にします」

「ふふっ。喜んでもらえたみたいで良かったよ」

 

 近江さんに全力全開で謝意を述べていると、不意に隣から暖かな視線を感じる。……そういえば自分、上原さんと高咲さんとご飯食べてたんだよな? 錆びた機械のように視線を横に向けると、見守るような笑顔でこちらを見る御二方の姿が。あ、見られた……。

 

「ピョア……」

 

 羞恥がオーバードーズした自分は、謎のセリフと共に意識を失ってしまうのだった。

 その後、放課後になってから上原さんと高咲さんに誕生日プレゼントと称して遊びに誘ってもらって爆発したり、家に帰って家族に祝ってもらって笑ったり、寝る前に上原さんからメッセが来て滅されたりするのだが、それはまた別のお話。




閲覧ありがとうございました。
次回こそは本編の方を更新したいと思います。
それではまた次回の更新でお会いしましょう。さよなら!

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