クリスマスということでクリスマスのお話を書いたつもりだったのですか……この話、なんか変(◯穴さん)
とりあえず、頭は空っぽにして読んでくださいとだけ……前置きはこの辺にて本編どうぞ。
前回までのラブ↓ライブ!↑
改札の向こう側に居た子の名前をバカにしたら所属している組織が壊滅させられた(大嘘)
雪舞降る——という夢を見た年の瀬。馬鹿みたいな晴天の元、相変わらず冷たい東京湾の潮風に吹かれながら自分、御影玲は歩いていた。
この時期は冷え込みが厳しくて困るっピねぇ……寒いのは懐だけにしてクレメンス。あ、懐はあったかい方がいいか……。
「寒すぎて、サムs——」
「御影くーん」
あまりの寒さに定番のギャグ飛ばそうと思ったら呼びかけでキャンセルされました。こんな朝の時間帯から自分に声をかけてくる物好きは一体全体どなたなんでしょうね……あ? なんか艶やかな朱髪が見え……上原さんじゃん?!
「お、お、お、おはようございますゥ……」
「おはよう」
満面の笑みを携えて挨拶を返してくれる上原さん。はぁー、マジ天使。クリスマス当日に天使が降りてきちゃったよもう……あれ、そういえば今日ってクリスマスか?
あとなんか、上原さん今日上機嫌な気がするね。上原さん検定10級の自分が言うのだから間違い……しかないかも。自信ないわ。調子乗ってごめんなさい。切腹します。
まあ分からないのなら直接訊いてみればいいって古事記にも書いてあるからね。訊いてみましょうか。不敬罪が同時に成り立つのですけれども。
「……何かいいことでもありました?」
「……ふぇ! そう、見える……?」
意表を突かれた様な反応をする上原さん。……うん。これは多分踏んではいけない何かを踏んだな。間違いない。私がそう判断した。あー、誰か自分のことを『やめなさい!』って言ってフレッシュトマトにしてくれないかなー。
「なんとなく、そう見えたかな……と」
「えーっと、ね」
上原さんの言葉に正直に頷くと、なにやら上原さんが話し始めてくれました。推しとお話ししてるだけでもなかなかエグいんですけど、そんな推しの
「昨日私の家で侑ちゃんとクリスマスパーティをしたんだ」
「二人で?」
「うん」
自分の問い返しに頷いてくれる上原さん。えー、はい。神回確定のセリフ来ましタワー。濃厚な
「それでね、侑ちゃんとプレゼント交換したんだ」
「あら良いですねー。因みに何を貰ったかを聞いても?」
てぇてぇの波に浄化されつつも応答していく自分。はー、尊み秀吉案件。良さの晶子でも可。クリスマスの朝だからってこんな素晴らしい話を聞いちゃって良いのかな? やっぱ今日自分の命日なんじゃねぇだろうか。
「今着けてるこのネックレスを貰ったんだ」
「へぇー、ネックレス。素敵な贈り物をもらいましたね」
上原さんが見せてくれたネックレスを眺めながら感想を述べていく。御影にはアクセサリーが分からぬ。故に小学生並みの感想しか言えなかったのである。あれ、目から汗が……。
「そういえば、上原さんからは何を差し上げたのです?」
「私からはブローチをあげたんだ」
「ブローチ……あー、胸元とかにつける」
「そうそう」
自分の返しに首を縦に振る上原さん。はぇー、お互いにアクセサリーを渡し合ったってことだよね。ええなぁ、ええなぁ。推しとその想い人が仲睦まじげに贈り物しあってるの想像して楽しくなってきちゃったよ。お巡りさんコイツです。
アレというかさ……ネックレスとブローチって贈り物としての意味合いだとそれぞれクソでか感情が乗るんじゃなかったっけ?
ブローチの方は確か、『幸運のお守り』としての側面が強いけど、その下の方に『あなたと過ごしたい』とか『独占欲』的なのが生えてくるんじゃなかったけかな?
で、ネックレスの方は古くは『魔除け』や『お守り』として。現代だと『絆』や『永遠』みたいな意味があって、さらに『独占欲』がある……だったはずなんだよな。
つまり今のことが本当であれば……最高の純愛。限界を超えた相思相愛。不滅の二人、みたいな状況が出来上がっているのでは?
はぁ……なんだよ神回なんて生ぬるいもんじゃなくて人類史に残さなきゃいけないレベルの話になってんじゃん。もう早く結婚しちゃえよ……。
「どうかしたの?」
「あ、いえなんでも。すいません」
一人で思慮に耽ていたら上原さんに呼ばれて現実に引き戻されました。朝からとんでもない話されて頭パンクしそうだよ。なんなら年越す前に脳死しちゃう気がするよ。
自身の先行きを不安に感じつつも歩んでいると学校に到着していた。あらら、もう学校着いちゃったよ。お話してたせいか時間が一瞬で溶けちゃったよ。
「さーてと、今日頑張れば冬休みだ」
「そうだね」
校門を潜りながら呟いた自分はわざとらしく肩を回す。尚呟きは上原さんに拾ってもらえました。感謝感激雨御影。この反応に加えてね、濃密な推しの幸せの話を与えてもらったおかげでね、元気百倍オミカゲマン状態になり申した。お陰様で今日一日は難なく乗り越えられそうな気がする。ありがとう上原さん。ありがとう高咲さん。ありがとうクリマクス……あ、違う。これは某テーマの
心の中でこの世の全てに感謝をしながらも、上原さんと共に昇降口で靴を履き替えた。そうしていざ教室に向かおうとした時だった。
「ねぇ、御影君」
「はい?」
「今日の放課後って、空いてる?」
少し気恥ずかしそうに問うてくる推しの姿を前にした自分は硬直する。……は? え、何、これ。今自分、クリスマス当日に推しから何かのお誘いを受けてる……? ゆ、夢だよな……これ? 一条店長、嘘でもいい夢と言ってくれ。地下1,050年労働とかでも喜んでやるから嘘だと言って目の前の状況を否定して欲しい。
「空いては、いますよ……アルバイトとかは入れてないし」
「じゃあ、少しお出掛けしない? 御影君からもプレゼント欲しいな……なんて」
そう言って悪戯な笑みを向けてくる上原さん。お客様! 不用意な笑顔の投げかけは人が死ぬのでおやめください! 待って待って待って。何、自分からもプレゼント欲しいって? いやそのセリフは反則だよ。勝てるわけないじゃん。なんなら推しのお願いにNOは突きつけられないでしょ?
自分の負け。なんで負けたのか年越しまでに考えておいてください。そうすれば何かが見えるかも。ほな逝ってきまーす。
「分かり……ました」
「やった」
NOという択を取らない自分はおずおずと頷いた。すると嬉しそうな表情を浮かべる上原さん。……なーして? 今のどこに喜ぶ要素があったの? マジでどこ? 誰か教えてー?
「じゃあ、
「アッ、えと、ハイ」
自席へ向かっていく上原さんの背を眺めながら、自分もまた席に着く。えーっと、今日ことクリスマスである25日の放課後に、上原さんと二人で、お出掛け? 裁判長ー、コイツに
画して自分は、全く穏やかじゃない心持ちで、二学期最後の登校日を始めて行くのであった。
この日の放課後、上原さんとお出掛けしてプレゼントをあげたら逆にプレゼントを貰って死んでしまうのは別のお話。