生きやすいのだか、生きにくいのだかわかったものでは無いね、本当に。まぁでも、悪くは無かったよ   作:メヴィ

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出会い【子供】

 緑谷 出久と爆豪 勝己が()()に出会ったのは、暑い夏の日だった。

 

 その日は勝己がカブトムシを取りに行くと言って、出久に沢山の虫かごを持たせてカブトムシを探していた。

 

 数時間もすればかごの中には沢山のカブトムシが入っていてカサカサと動く音がよく聞こえるようになった。

 

 「か、かっちゃんもう帰ろうよ…もう暗くなってきたってぇ…」

 「うっせぇデク!!そんなに帰りたきゃ一人で帰れよ!!」

 「そ、そんなぁ…」

 

 出久の意見は勝己によってすぐさま却下されるが、勝己も内心は同じだった。

 

 (どこだよここ……!!くらくてわかんねぇよ!)

 

 カブトムシを追いかけながら進んだ結果、山の深い場所まで来てしまったらしく、普段遊んでいる場所の目印を探してみるが何も無い。

 勝己でさえ、もう家に帰れないのでは無いかと涙を溢しそうになったその時、二人の真後ろの茂みからガサガサとナニかが動く音がした。

 

 「!か、かっちゃん!」

 「お、おいなんだ!出てッ!?」

 グルルルルッ……!

 

 

 巨大な熊が威嚇をしながら二人を睨み付けていた。

 出久は勝己の服を掴んで震え、勝己自身も恐怖で後ずさるが、躓いて二人で尻から転んでしまう。

 

 ガシャンと、大きな音が鳴った。出久の持っていた虫かごだ。

 大きな音で刺激された熊は興奮して二人に向かって走り出した。

 

 ッ!!グォォォオッ!!!

 「ヒッ!?や、やぁぁぁあ!?!?」

 「こ、こっちくんなぁぁあッ!!」バゴォンッ!!

 

 

 出久はガクガクと震える足でよたよたと逃げ出し、勝己は【爆破】で熊に向かって咄嗟に攻撃をした。それが、いけなかった。爆破によってさらに刺激された熊は巨体を持ち上げ二足歩行となり、前足を振り上げる。

 

 グォアァァァァア!!!

 「ヒッ!?」

 「やぁぁあ!!!」

 

 二人が本能的に死を感じ、お互いの体を抱き合って強く目を閉じた瞬間。ふわりと、暖かいものが二人を包みこんだ。

 

 「__この子達は迷い混んだだけだ。許してやっては、くれないかな」

 グ、グォォ……グゥ……

 

 鈴のような声と、先程のような勢いが無くなった熊の声が聞こえ、恐る恐ると二人は目を開けると見えたのは灰色の目優しい目だった。

 

 「もう、大丈夫だよ。彼じ(彼女)…熊はもういないよ」

 

 そう言われ二人はキョロキョロと回りを見渡し本当にいないことを確認すると少女の胸に顔を埋めてわんわんと泣き出した。

 

 「うん。怖かったね、良く頑張った。えらい、えらい」

 

 少女は二人の背中や頭を安心させるように撫でながら抱き締められるのに答えるように強く抱き締め返した。

 

 

 

 

 二人が目覚めたのは翌日の自室だった。

 何故家にいるのか訳もわからずに困惑していると自身の母親が部屋に入ってきた。

 

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 爆豪家side

 

 「このバカ!!」

 

 バチンと破裂するような音が部屋に響く。

 勝己の頬には赤く手形が付き、当の本人は訳もわからずにぽけっとしていた。

 

 「心配、したんだからッ!!!」

 

 母親に泣きそうな声で抱き締められて昨日起こったことを思い出すとボロボロと涙を溢した

 

 「ご、ごめッ、ごべんな"!ざい"!」

 

 

 

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 緑谷家side

 

 「良かった出久ッ…!!」

 「お、おかぁざん!!」

 

 ただ強く、強く抱き締められ生きてて良かったと、二人で涙を溢した

 

 

 

 

 

 

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 「……ねちゃった、かな」

 

 私の服を掴みながらすやすやと寝息をたてる子供二人を見下ろしてふぅ、とため息を溢す。

 

 さっきまであれだけ泣いたから、仕方ないけれど。これからどうするか……彼女はもう大丈夫だろうけど。

 

 

 少女の言う()()とは先程の熊だ。

 彼女は子連れ熊だったのだ。

 勝己と出久は気づいていなかったが彼女の後ろには二頭の小熊がいた。新米母熊の彼女は初めて見る人間から子供を守ろうとしただけだったのだ。

 

 

 「あれを食らっていたら確実にこの子らは死んでいたね…」

 

 恐らく私の服の背中は血塗れとなり、無惨なことになってるだろう。伸ばしていた髪もだが………命二つに比べたら安いもの、だ。

 まぁ私のことはどうでもよろしい。

 早く()()()()()()()()()を家族の所へ帰してあげなきゃいけない。

 

 

 私の家はこの山の浅く入った場所だ。

 同時にそこはこの子達の遊び場の近くで良く窓から見ていた。だからこそ、今回の事に気づけた。

 

 

 

 

 『すいません、うちの子見てませんか!?』

 『え、ええと…』

 

 

 切羽詰まったように家に押し掛けてきたのは、良く見る子供達と良くにている女性二人だった。

 

 緑の髪に、ベージュの癖毛……確か、

 

 『かっちゃん、と、デク…君、ですか?』

 『『知ってるんですか!?』

 

 

 

 二人に詰め寄られ、初めて知った。

 

 『もう7時過ぎているのに、まだ家に帰ってきて無いんです……!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 懐中時計で確認すると7時48分を示していた。

 

 ……少し、時間をかけすぎたかな。さっさと霧で探していればこんなことにはならなかったのかもしれないな…

 親にとって子供と言うのは己の事よりも大切で、何にも変えがたい宝だ。生死がわからない時間なんて、考えただけでも辛い時間だ。

 

 二人を持ち上げ、背中から翼を出し跳躍する。

 

 「帰ったら、存分に叱られ、反省するんだよ」

 

 

 

 

このまま続ける?

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