生きやすいのだか、生きにくいのだかわかったものでは無いね、本当に。まぁでも、悪くは無かったよ 作:メヴィ
「おい来たぞアル!!」
「お、お邪魔します。あ、アルお姉ちゃん」
インターホンも鳴らさずにドアを開けて入ってきた勝己と出久にため息を溢しながらジュースやお菓子を用意する。今日は手作りのパウンドケーキだ。
ヴィオラ・ヴァンリエル・アルシェリーナ
それが私の本名……だったはずだうん。本当はもうちょっと長かった気がしないでもないが……先二つが家名で、アルシェリーナが私の名前だ。
あの日から二人は山に行くよりも私の家で遊ぶようになった。
まぁ他の子供達と一緒の時は相変わらずだけれど。
森に入る、遊び場を変更する場合は私に一言言ってから、と言うのがこの子達のルールになったらしい。
まぁ私としても子供はそんなに嫌いではないから良いのだけれどね。元気よく挨拶や返事をするのは見ていて気分が良い。
「ん、こら勝己、出久から取るんじゃない。まだあるから食べたければ私に言え」
「
「飲み込んでから話せ、出久は?」
「ぼ、僕は大丈夫です…」
二人の皿を持って台所へ行って冷蔵庫から追加のケーキをさっきより少なめに移す。
あまり食べさせ過ぎたら
「はい、召し上がれ」
しかしまぁ人間は、特に子供はいつになっても良く食べる。よくそんなに腹に入るものだね。作る側としては作り甲斐があるから良いのだけれど。
そんな事を考えながら使った皿やコップを洗っていると出久カウンターから頭をひょっこりと顔を出した。
突然の事に全く動じずに手を動かしながらアルシェリーナは口を開いた。
「どうした二人共?」
「さっきの、何ですか?」
「……何、か?私が作ったパウンドケーキだけれど……口に合わなかった?」
「そ、そうじゃなくて、その、トマトみたいな味がしたから…」
声を小さくしながらもじもじと話す出久にアルシェリーナは少しだけ驚いたような顔をした。
「おや……良く気づいたね」
アルシェリーナは以前引子から出久がトマトを嫌って食べてくれない、と言う相談を受けていた。ケチャップ等平気だが、トマトの食感や風味が嫌いだという。引子はトマトそのものが食べられるようになって欲しいらしい。
トマトの味が濃すぎたか?それとも他の材料の比率が少なかったか……いずれにせよ、少しずつ慣らしていく予定だったんだが……早すぎたかな。おかわりをしなかったのもこれが原因だね。
「あまり美味しく無かったかな、ごめんね出久」
「あ、いや、お、美味しかった、よ?でも前食べたトマトと味が違くて…」
「……ん?」
味が違う?そんな筈は……うん、
アルシェリーナは籠に入っていたトマトを一つ噛って味を確認するが、普段アルシェリーナが食べている味だった。
味が違う原因を考え始めたアルシェリーナの隣にいつの間にか移動していた出久はトマトが入った籠を覗くと「スッゴいまっかっか!」と言った。
「トマトは赤いものだろ?それより、危ないから勝手に入るんじゃない」
「ご、ごめんなさいアルお姉ちゃん…でも、お家で見るトマトよりもまっかっかなんだよ!」
お家のよりまっかっか……あぁ、なるほど。つまり
出久がトマトを嫌っている理由がわかったアルシェリーナは試しに、と先程噛ったトマトの綺麗なところを小さく切って出久の前に差し出した。
当然出久は困惑した。アルシェリーナが他のトマトとは違うから食べて見てと言うと出久は恐る恐るとトマトを口にした。
「あまい!」
「このトマトなら食べられそう?」
「うん!」
残りのトマトもパクパクと食べる出久をアルシェリーナは微笑ましそうに見ていた。
アルシェリーナは出久の脇の下から腕を通して抱き上げてリビングへ戻ると勝己は床に直に寝転がり寝ていた。抱き上げられている出久もウトウトと船を漕いでいた。
窓からはそよ風が入ってきてとても心地よい環境になっていて、アルシェリーナ自身も眠気を感じていた。
今日は良い天気だね……二人は寝かせるとして…たまには私も一緒に寝てみるか。
アルシェリーナは転がっている勝己を敷いた毛布の上に移動させて出久もその上におろし、首が痛まないように腕枕をしてやって眠りについた。
このまま続ける?
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小話出してけ
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絡んでけ
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原作入れ