千束ちゃんに救われ激重感情を向けるTS転生者の話。   作:クール系鈍感高身長TSオレっ娘大好き侍

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主人公はボクの性癖で(ry


撃ち抜かれた心臓、射ぬかれた心。

──人は誰しも“必ず死ぬ瞬間”ってヤツからは逃げられない。

 

理由はなんでもいい。寿命でも、事故死でも、自殺でも、他殺でもなんでもいい。兎に角多くの人間はそれらの死から逃げられず、それが決まった人間はそれがどれだけ理不尽な瞬間であろうと必ず死ぬ。

 

そしてオレの場合、それが今だった。

 

ただ、それだけの話だった。

 

だが不思議な事に、人間の中には奇跡的に死から逃れられた奴が出てくることがある。

 

それが例えソイツが望んでいなくとも

 

どうやらオレは、そんな人間だったようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふらつく体を気力だけで支えながら、廊下をゆっくりと歩く。

 

やはり子供の体は不便だ。多少無茶しただけであっさり限界を越えそうになる。

 

「──ただいま。」

 

気を抜くと一瞬で墜ちそうになる意識を気合いと根性で保ちながら部屋に戻る。

 

するとそこには──眩しい程の笑顔(ひかり)が居た。

 

「あ、おかえり!」

 

オレの存在に気が付いた眩い笑顔(ひかり)、そしてオレの妹分のような存在でもある錦木(にしきぎ) 千束(ちさと)が華のような笑顔を浮かべ──あいや違うわコレ、ぶちギレてる笑顔(いかくのひょうじょう)だコレ。

 

え、なんでキレてんの?

心当たり無いんですけど…プリン?いやでも食ったのオレじゃないし…

 

「聞いたよ千鶴(ちづる)姉ぇ~?まーた無茶して怪我したんだって~??」

 

ごめんバリバリあったわ。

 

「…仕方がなかったんだ、今回は相手の方が─」

 

「じゃあ約束破ったからお仕置きするね?」

 

「えっ」

 

どこから出したのだろうか、千束のかわいらしい小さなお手てにはいつの間にか頭皮マッサージ機器──やられるとゾワゾワしてヤバいアレ──が確りと握られているではないかッ!!

 

に、逃げなければ…!!

 

「あれ~どこに行くのかな千鶴姉ぇ?千鶴姉の部屋はここだよ~?」

 

しかし まわりこまれて しまった!

 

「ま、まて千束!今オレは動けな…!!」

 

「はーいお客さ~んじっとしててね~」

 

「待ってくれ千束!頼む!ま──」

 

 

 

 

 

 

 

「──ってくれ!!…あ?」

 

ガバッと起き上がったオレはしばらく放心した後、自分が夢から飛び起きた事に気付くまでに十数秒ほど放心していた。

 

「……はぁ~~~…」

 

ボスッとベッドに倒れ込み息を吐く。

 

随分とまあ、懐かしい夢を見せてくれるじゃあないか。つーかこれじゃオレの方がアイツが恋しいみたいじゃ…

 

「いや、恋しいのか、オレは…」

 

──まだ、()()は見付からない。適合者だって、まだ見つかっていない。何にしてもアイツは…千束は特別すぎた。アイツに適合できる程の()()なんてすぐに見付からないとは思っていたが、まさかここまでとは…

 

…そうか、“アレ”を探し始めて、もう十年近く経つのか。時間の流れってのは早いな。

 

……タイムリミットまで、あと二年。

 

「いいや、諦めねぇぞオレは。」

 

“もしソレがオレなら”、“そうだったらどんなに良かった事か”。そんな事はもう何百回も考えた。

 

だがそんな事はもう済んだことだ。オレが今やるべきなのは、そんなことじゃねえ。オレは次に進むぞ、千束。

 

──…なあ、千束。お前はどうなんだ?

お前は次に、進めそうか?

 

「!」

 

その時、携帯のバイブレーションが起動して机を振動させた。

 

電話だ、相手は──楠木(くすのき)司令。

 

即座に通話状態にする。司令とはキチンと約束したのだ、だからもしかしたらと淡い期待を少し考えながら電話に出た。

 

皆崎(みなざき)です。」

 

『休憩中悪いな、任務だ。』

 

「…構いません、指令を。」

 

“やはりか…”と最早様式美となりつつある失望を感じながらも通話を続ける。正直今すぐにでもすべてを投げ出してやりたい気分だが我慢する。

 

そうして千束が助かるならそうするが、そうしても事態は微塵も動かない。ならソレはオレがするべき行動なんかじゃない。

 

『話が早くて助かるよ、何処ぞの問題児と違ってお前は聞き分けが良い。とはいえその()()は勘弁してほしいがな。』

 

「いいから早く命令を、時間が勿体ない。」

 

『…今送った地点へ早急に迎え。今回は狙撃支援が仕事だ、ただし標的を殺すなよ、生け捕りにしたい。』

 

「了解。これより急行します。」

 

ベッドから起き上がり制服を着用したオレはボストンバッグを背負いアパートの一室──セーフハウスから外に出た。

 

「いってきます。」

 

そんな誰も反応しない言葉を残して。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんなハズじゃ…!

そんな感情で頭が支配されるが一刻を争う事態でそれは悪手だった。思考が空回りしてどうにも動きが鈍くなってしまう。

 

敵に捕まり銃口を突き付けられている仲間を窓から覗き見ながら必死に考える。空回りする頭が行き着いたのは先程から砂嵐しか聞こえないインカムから聞こえるハズの命令──指令部からの命令を待つ事だった。

 

だが砂嵐しか聞こえないのだ、当然いつまでたっても命令は来やしない。

 

「クソッ!!こんな時に通信障害なんて…!」

 

悔しさに唇を力強く噛んでしまうがそれで事態が変わる訳もなく、ただタイムリミットが迫ってくるだけだった。

 

「ど、どうするの!?」

 

「…直前にされた命令は待機だ、勝手な作戦行動はできない……!!」

 

「でもそれだとエリカが…!!」

 

銃を握る手に無駄に力が入る。

そうだ、このままではエリカが…!

 

聞いてンのかテメェら!!よくもこんなに殺ってくれたなァ…!!」

 

「十秒時間をやる!!その間にそっから出てこい!!じゃねえとコイツの頭が吹っ飛ぶぞゴラァッ!!」

 

ガッと力強く頭に突き付けられる銃口。引き金は既に引かれる寸前だ。

 

「…ッ!フキ!!」

 

「命令は待機だッ!!」

 

唇を精一杯噛みしめ堪える。正直今すぐにでも飛び出して鉛弾をブチこんでやりたい所だがそれじゃどのみちエリカは助からない。

 

人間はすぐ死ぬ訳じゃない、例え頭に撃ち込んで殺した場合でも引き金が引かれない可能性はゼロではないのだ。

 

最悪、エリカの頭に穴が空くことになる。

 

だがこうしてる間にもカウントダウンは進んでいる、引き金に掛かる力も強まっている。

 

他班で射殺されたリコリスが居る事から相手に躊躇する感情は無い、ブラフという可能性はゼロに等しいだろう。

 

エリカの命を確実に救う方法は…無い。

 

「三!二ィ!一ッ!!」

 

最早無理かと銃のセーフティを外した瞬間

 

“ジャキンッ”と、銃がコッキングされたような音が横から聞こえた。

横を見てみれば──そこにはマシンガンを構える井ノ上(いのうえ)たきなの姿があった。

 

…は?

 

「たきな!?ま──」

 

バリンッと窓が割れた音とナニカが撃ち抜かれたような甲高い音が鳴り響く。

今度はなんだ!?ごちゃごちゃになり最早正常な判断が出来そうにもない頭で標的を見る。

 

「があッ…!?」

 

あれは、まさか──銃が、いや、引き金が撃ち抜かれている…?そんな精密射撃を実行する班なんて居──ってそんなこと考えてる場合じゃない!

 

「伏せろエリカぁ!!」

 

そう叫んだ瞬間、爆音が炸裂した。

 

ズダダダダダダダダダダダダダダダダダァンッ!!!!

 

 

 

 

 

 

「あーあ、ありゃ全滅だな。」

 

分解したライフル──SR-25をボストンバッグに詰め込んでいるととてつもない騒音、おそらくマシンガンの銃声が鳴り響いていた。

 

あれじゃ生き残りは居ないだろうな。

 

「ミカさん、スポッターありがとうございました。後は自分でなんとかします。」

 

オレの言葉にミカさん──長髪で厳つい体格の眼鏡で黒人な人──は双眼鏡から目を離した。

 

「ああ…だが、私は必要だったか?」

 

「ええ、必要ですよ。スナイパーにスポッターは必要不可欠、ある無しでの差は歴然です。」

 

風向きやその強さ、重力、標的の動き等々を全て自分一人で予測して狙撃するのと分担して狙撃するのとでは狙撃に対する集中力がまったく違う。

 

それにミカさんはそういった方面も人並み以上にデキる人らしく狙撃のスムーズさが同僚たちには悪いがリコリスとは段違いだった。

 

流石は訓練教官を勤めただけはある。

 

「じゃあ増援の人への説明は頼みます。自分は…フキたちのフォローに回った方が良さそうだ。」

 

マシンガンによる制圧が終わり死体を確認しているリコリス──井ノ上たきなにどういう感情と言葉をぶつけるべきか悩むフキたちの姿を見ながらそんな言葉を放つ。

 

「……いいのか?千束とは──」

 

「──“先生”。」

 

「っ、……いや…なんでもない。」

 

申し訳なさそうな表情で顔を反らすミカさん。全面的に悪いのはオレなのに、本当にイイ人だよアンタは。

 

「ミカさん…千束の事、頼みますよ。」

 

「!…ああ、元よりそのつもりだ。」

 

階段を駆け足で降りる。

 

さて、どう言いくるめたものかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ先生?任務は?」

 

「丁度今終わった、機銃掃射でな。」

 

「えぇーッ!?それじゃ私が走った意味まったくないじゃ──ん~…?」

 

「…?千束?」

「…千鶴姉と会ったんだ、先生。」

 

「ち、千束?顔が怖いぞ?」

「どこ?どこにいるの?千鶴姉は?」

 

「千鶴?千鶴はもう帰…千束?おい何処に行くんだ!?千束!?」

 

「帰ってたんだ……こっちに、東京に帰って来てたんだ、千鶴姉!」

「なのに、なんで?なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで!!」

 

「なんで、私に会いに来てくれないの…?」




主人公プロフィール

名前 皆崎(みなざき) 千鶴(ちづる)
身長 178cm
年齢 18歳
趣味 ゲーム(主に携帯型ゲーム等)

高い身長につり目+男勝りな口調のせいで怖がられやすく敬遠されやすいが非常に仲間想いかつ気遣い上手な性格のギャップにやられるリコリスが多い。
体は程々に鍛えられており脂肪が少ないため腹筋が割れてる。ちなみに胸は平均的、尻は良いぞ。
格闘術に長けており近接格闘での成績は常にトップを維持している。
それで射撃が下手なのかと言えばそうでもなく近~超遠距離射撃での成績では常に上位に食い込んでいる万能に突出した“天才”。

奇襲や強襲等の攻勢作戦を比較的苦手としており暗殺や隠密などの任務を得意としている。

基本設定
リコリス全体で最も最年長なリコリス。年齢のわりに成熟した精神を持っていて上記にもある通り気遣い上手、しかもファーストリコリスの中でもトップクラスの実力とカリスマ性があるため非常に有名。本人のクールでカリスマ溢れる印象を受ける噂話から作戦中等でしてくる気遣い上手な面などのギャップが人気。
甘いものが好き。


使用武器

メイン
・H&K HK45
45ACP弾を使用する45口径ピストル。消音器との相性が良く命中精度もそこそこ、なにより45口径とその大きさが手に良く馴染むので愛用している。ちなみに銃取引の押収品を貰ったもの。

サブ1
・Glock26
9×19mmパラベラム弾を使用する小型ピストル。これだけは鞄ではなく服の中に仕舞っておりメインウェポンが使用不能でも対処できるようにと隠し持っている。こちらは自腹で購入した。

サブ2
・SR-25
7.62×51mmNATO弾を使用するセミオートスナイパーライフル。射程距離が600mとライフルにしては短いがその分精度が高く、連続した狙撃支援に最も適した銃と言える。そもそもビルの多い東京で超射程のライフル等性能を持て余しているも同然、それなら即座に次の目標(ターゲット)を狙えるこれ(SR-25)で十分事足りる。ちなみにこれも押収品。

ナイフ
なんの変哲もない折り畳み式ナイフ。本当はフルタング(持ち手の中に刃の芯がある非折り畳みナイフの事)のナイフを使いたいが隠し持つのに便利なので小型の折り畳み式ナイフを袖の中のポケットに入れて隠している。


備考
──彼女には秘密がある。
隠す必要も無い、ほんのささいな事。
しかし誰にも話す事の出来ない彼女だけの重要な秘密だ。
当然、彼女がそれを誰かに話した事はその生涯の中で一度も無い。

たとえそれが血を分けた姉妹のように思っている相手だったとしても、だ。
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