その娘はバーチャルウマ娘でした   作:もにゃし

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  シルトマイヤー<セカライ3期生> @shiltMeyer

   この前は寝坊してごめんなさい!!!
   その罰として明日は朝から久しぶりに朝活配信します!
   こ、今度こそ寝坊なんてしないんだからね!

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#16 前編

 

 窓の外が暗くなり、そろそろ晩御飯を食べようかという時間。

 いつものように後日行う配信と晩御飯の用意を手早く済ませた私はとある約束をするため電話をかけていた。

 

『お祝い?』

 

「うん、そう! はーちゃんのG1勝利記念とかどうかなぁって!」

 

 ウマホの画面に写るのは私と似た黒鹿毛のウマ娘、どうやら部屋に居るらしく後ろには参考書やトレーニンググッズに紛れてぱかプチも見えます……あ、あれ私のぱかプチだ!えへへ……わざわざゲームセンターで取ってきてくれたんでしょうか?

 

『唐突に連絡をしてきたと思ったら……相変わらず思い付きで行動するんだから』

 

「えぅ……ご、ごめん」

 

『あ……別に怒ってないよ、お祝いしてくれるのは嬉しいし……ありがと、お姉ちゃん』

 

 画面の中で微笑んでくれるカワイイ妹とか天使かな? 天使だったわ。

 そう、今私が会話しているのは別に妄想の存在とか空想のイマジナリーシスターではもちろんなくて、トレセン学園に通う実の妹なんですよ。

 名前はクラウハーゼン、ダメダメな私とは違って小さい頃からウマ娘としての名前を知っていたとっても優秀な妹なんですよ!

 しかもなんとなんと!ジュニア級でありながらこの間行われたウマ娘のG1レースであるホープフルステークスで見事に1着に輝いたとっても強いウマ娘なんですから!

 枠は大外、さらに同期で逃げウマ娘であるクリストマフさんの仕掛けるハイペースでのレース展開。

 でもでも!はーちゃんは冷静にレースを見ていたんですね~!前のレース同様後ろに位置取りしていたはーちゃんは無理をしてついていった先行集団がたれて来る事を予測してコース取りをあえて大外に変更したんです。

 そして先頭が仕掛けるよりも先に最終コーナー手前からのロングスパートで一気にごぼう抜きにして最後の直線へ入ってきたんです!

 最後は逃げながらも見事な末脚で粘るクリストマフさんとそのクリストマフさんをマークして2番手で好位追走を見せていたウルプルストさんとのしのぎ合い。

 最後まで誰が勝ってもおかしくなかったレースはクビ差で見事にはーちゃんが勝利を収めました!1着から3着まで1バ身どころかハナとクビ差しかないという写真判定必須の展開は見ていてハラハラしましたよ~。

 3人とも体力を使い果たしたのか減速するや否や芝生に倒れこんでしまったのにはひやっとしましたけど、他のウマ娘達に助けられて立ち上がっていました。

 結果的に4着以降に3バ身差をつけたその3人の走りには来年のクラシックへの期待が膨らみますね!

 3人の後ろも1バ身あるかどうかの大混戦となりレースはG1である事以上に盛り上がりました。

 どの娘も勝つために懸命に走っていた姿はどれを切り取っても称賛に値するもので、それはレース場にいたどの観客もわかっていたようで。

 レース終了後には全てのウマ娘達に健闘と応援の拍手歓声が巻き起こり、レースに出たウマ娘達も最初こそ驚いていましたが嬉しそうに手を振ったり泣き出したりする娘がいたりと反応は様々。

 最後はみんな笑顔で地下バ道に戻っていきました、うーん優しい世界ですねぇ!

 それにしても……昔は私が走る後ろをちょこちょこついてきては途中で疲れて泣き出しちゃうような娘だったのに、今ではもう世代を代表する立派なウマ娘に育って……お姉ちゃんは嬉しいです。

 

『お姉ちゃん……なんか変なこと考えてない?』

 

「どぅぇえ!? そそそそんにゃことないよ!?」

 

『はぁ……それで、お祝いってなにをするの?』

 

「あ、うん……それで、なにがいいかなぁって」

 

『……それ、本人に聞くの?』

 

「あ、あはは……」

 

『ノープランも相変わらずなんだから……もう、しっかりしてよお姉ちゃん』

 

「ご、ごみぇん……」

 

『ん~……そうだなぁ』

 

「言ってくれればご飯でもプレゼントでも用意するから!」

 

『そうはいっても……別に困ってる事も無いし…………あ』

 

「ん、なになに? なにかあった?」

 

『その……今度の日曜日に一緒に買い物に……行って欲しいんだけど、いいかな?』

 

「買い物?なにか欲しいものがあるの?」

 

『あ~……まぁ、その……そんなとこ』

 

「えへへ、それくらいお安いご用だよ!それじゃ今度の日曜日に府中駅で待ち合わせですね!」

 

『うん、じゃぁそれで』

 

「それじゃ楽しみにしててくださいね!」

 

『うん……楽しみにしてるね、お姉ちゃん』

 

 嬉しそうに微笑みながら手を振るはーちゃんにおやすみの挨拶をして通話を終えてから、私は早速次の日曜日に行く場所についてあれこれ調べることにしました。

 たぶんはーちゃんは何事にも準備をするタイプだから自分で調べてくるかもしれませんけれど、ここはひとつお姉ちゃんもやる時はやるんだって所を見せなくっちゃ!

 なんて、張り切っちゃったのがいけなかったのか……気がつけば晩御飯も忘れ寝ることもなく朝を迎えてしまい、慌てて仮眠をとったら今度は予定していた配信に寝坊する始末……。

 配信が始まらないため電話してきたマネさんに罵られたり待機枠のコメント欄に同期一同が押し寄せてお祭り騒ぎになっていたり、気がつけば素材が用意されていてその場で謝罪会見配信となったりと……うぅ、どうしてこうなってしまったのでしょうか?

 ま、まぁそんな細かいことはいいんです!無事に約束の日曜日になったので早速待ち合わせのために府中駅まで向かいました。

 あれから何度かメッセージをやり取りした結果、なんと今日ははーちゃんが外泊届けを出して私の部屋にお泊まりすることになったんですよ!

 ですから今日はまずは一緒に駅前でウィンドウショッピングなどして、帰りは商店街で晩御飯の買い物をして帰る予定です。

 姉妹で過ごすなんて思い返してみるとずいぶんと久しぶりですね~……私が家を出てはーちゃんもトレセン学園に入ったから中々会う時間がとれなかったんですよね。

 

「それにしても……やっぱり府中駅はウマ娘さんが多いですね」

 

 府中駅はトレセン学園から一番近くて大きな駅ということでトレセン学園の生徒さんが多いですが、それ以外にもウマ娘専門のお店を目当てに近隣からもウマ娘さんが訪れているみたいですね。

 ちらほらとレースで目にしたことのあるウマ娘さんが見えますが、さてはーちゃんは……と、いました!

 

「ご、ごめん!遅れちゃった……」

 

 足早にこちらに来て謝るはーちゃん、駅前の時計を見ると待ち合わせの時間より10分ほど遅れてますね……はーちゃんにしては珍しいですね。

 

「全然大丈夫ですよ?それより何かあったんですか?」

 

「あ~……その、ちょっとルームメイトがね……」

 

「ん?」

 

「な、なんでもない!それよりお姉ちゃんこそ周りのウマ娘に夢中だったんじゃないの?」

 

「そ、そんなことないですよぉ~?」

 

 そりゃ確かに周りにはちらほらと有名なウマ娘さん達がいますけど……そ、そんなに節操無しな訳ではないですからね?

 

「むぅ……」

 

「そ、それよりも!今日の服ははーちゃんに良く似合ってますね、カワイイです!」

 

「あぅ……まぁ、その……ありがと……そ、それよりお姉ちゃん!いい加減その呼び方はやめてよ!」

 

「えぇ~?でもカワイイじゃないですか」

 

 幼い頃から私と違って既にクラウハーゼンと言う名前を得ていた妹をどう呼ぼうかと考えた末に、幼い私が考えた呼び方がはーちゃんなんですけど……最近はなにかと恥ずかしがって呼ばせてくれないんですよね。

 

「もぅ……私はもうG1ウマ娘なんだよ?それなのに……その、はーちゃんなんて……格好がつかないじゃん」

 

「えぇ~でもカワイイのに……ダメですかぁ?」

 

 私としてはとても思い入れのある呼び方ですので……ちょっと寂しいです。

 

「うぅ……その……ほ、他にヒトがいなければ……いいけど」

 

「えへへ、ありがとうございます。それじゃ今日はクランって呼びますね?」

 

「あ、うん……なんか、そう呼ばれるのも新鮮でいいかも」

 

「なにか言いましたか?」

 

「なんでもない!ほら、早く行こお姉ちゃん」

 

「はい!ふふふ、クランと一緒にお出掛けなんて久しぶりですね、昔みたいに手も繋ぎましょうか?」

 

「う!……その、うぅ……お、お姉ちゃんがはぐれて迷子になったら困るから!仕方なく……仕方なく繋ぐんだからね!」

 

「ふふ、はい!迷子にならないようにちゃんと繋ぎましょう」

 

 そんな風に始まった私とクランの久しぶりの姉妹でのお出掛け、向かった場所は府中駅のすぐ近くにあるショッピングモール「うらら」さん。

 普段の買い物はもちろんのこと、市内で一番大きい映画館やゲームセンターにウマ娘用の服を扱うブランドのテナントもあってただ遊びに来ただけでも十分楽しめるラインナップがズラリ勢揃い。

 しかも、最近では名前繋がりと言うことであの国民が愛するウマ娘ハルウララさんが一日店長……のはずだったのに気がつけば1ヶ月店長なんていうとんでもイベントをしたことでも有名なんですよ。

 

「あ、お姉ちゃん!あれカワイイよ!」

 

「そうですねぇ、クランに良く似合いそうです」

 

「そ、そんなこと……お、お姉ちゃんだって絶対似合うから!」

 

「ふふ、ありがとう。でも私にはそのぉ……ふりふりはちょっと」

 

 そう、クランが見ているのはいかにも~なふりふりレースのついた服で、なんというかそのぉ~……わ、私が着るにはいささか勇気がいるといいますか、解釈不一致ともうしますかぁ……。

 

「そんなことないよ!お姉ちゃんがこれを着たら絶対……」

 

「絶対?」

 

「あ~……その、とにかく似合うの!妹の私が言うんだから間違いないの!」

 

「あはは、ありがとねクラン」

 

「むぅ……大体お姉ちゃんはいっつも服が野暮ったいんだよ、その帽子だっていつまで被ってるの?」

 

「え~?でもこの帽子はクランがプレゼントしてくれたものじゃないですか……?」

 

「それって小学生の頃だよ?そんな昔のやつじゃなくても……」

 

「そんなこと無いですよ?あの頃は大きくてブカブカでしたけど今はほら!私にちょうどいい大きさですし、クランはあの頃から先見の明があったんですねぇ~」

 

「そんなわけ無いでしょ……まったくもう、ほら!せっかくだからお姉ちゃんに似合う服を私が選んであげるから、いくよ!」

 

「わわわ!?く、クランまってくださいぃぃ~~!?」

 

 

 

~*~*~*~

 

 

 

 side:クラウハーゼン

 

 

 

 先頃行われたウマ娘ジュニアクラスのG1レースであるホープフルステークス。

 万全の準備と最高のコンディションで挑んでもなお、仕掛けどころを少しでも間違えていれば負けていたかもしれない、そんなレースだった。

 同学年ではトーラと並ぶ逃げウマ娘であるクリストマフさん、そして同じクラスで親交のあるウル(ウルプルストさん、クラスではみんなウルやウーちゃんって呼んでいます)はやはり別格だった。

 そんなレースを終えて数日後、ウマホに着信があり見てみればお姉ちゃんからの電話。

 何かあったのかと話を聞いてみれば私のG1勝利のお祝いって……まったく、お姉ちゃんはいつも唐突というか思い付きで行動するんだから……。

 

『えぅ……ご、ごめん』

 

 お小言をいえば画面のなかで耳がしょぼんと萎れる、別に怒ってる訳じゃないけどこうなんていうか……萎れるお姉ちゃんもちょっとかわいい(真顔)。

 もちろんお祝いしてくれるのは嬉しいんだよ?うーん、なにか欲しいものかぁ。

 トレセン学園は入学費こそ高額だけど入ってしまえば学費はほとんどかからないし、ご飯だってカフェで食べ放題だしなんなら寮にある食堂に申請すれば自炊だってできる。

 靴や蹄鉄、その他の消耗品だって学園側に申請すれば新しい物に交換してもらえる、もちろんオーダーメイド品は無理だけど。

 外出の際の私服も今あるもので十分だし、これといって不足はないんだけど……あ、そういえば今度の日曜日はトレーナー合同視察会だから自主練以外は無いんだった、これは一緒にお出掛けのチャンス!

 お姉ちゃんが家を出て、私も入学して寮に入ったため今まで以上に一緒にいることも少なくなっちゃって……昔はなにかとお姉ちゃんの傍にいたけど、最近ではたまに電話で話す程度。

 はっきり言おう、私は今お姉ちゃん成分が欠乏しているのだ!お姉ちゃんの傍でしか補給できない物がそこにはあるんだよ!

 

「その……今度の日曜日に一緒に買い物に……行って欲しいんだけど、いいかな?」

 

『買い物?なにか欲しいものがあるの?』

 

「あ~……まぁ、その……そんなとこ」

 

『えへへ、それくらいお安いご用だよ!それじゃ今度の日曜日に府中駅で待ち合わせですね!』

 

「うん、じゃぁそれで」

 

『それじゃ楽しみにしててくださいね!』

 

「うん……楽しみにしてるね、お姉ちゃん」

 

 無事にお姉ちゃんとのお出掛けの約束を取り付けた私はさっそく準備を開始、きっとお姉ちゃんの事だから下調べをしてもあちこち抜けが出るだろうからね!私の方でしっかりばっちり調べないと。

 それからは出掛ける日まで入念な準備と下調べの日々、学校ではそれとな~くその手の行き先に詳しいリギルの先輩に話を聞いたり、学園近くの本屋で最新の情報をゲットするなど抜かり無しだね。

 なんだか変な方向に勘違いされたのかマルゼンスキー先輩やヒシアマゾン先輩にあれこれ世話を焼かれちゃったけど……ま、まぁいいでしょ。

 いささか寝不足気味にはなったけど、無事当日を向かえた私はうきうきと出掛ける準備をする姿を怪しむトーラからの追撃を振り切り待ち合わせ場所へ。

 着いてみればいつも通りの服装のお姉ちゃん……ま、まぁいいでしょう、姉妹の買い物なんですから普段通りが普通で……あれ、もしかして私掛かって……る?

 でもでも誉めてもらえたから結果オーライだね!

 

「それにしても……まだあの帽子を使ってくれているんだなぁ」

 

 今私たちがいるのはウマ娘専門の洋服店、少し離れた場所でお姉ちゃんが私に似合いそうな物を探してくれているんだけど……その頭に被っている少し大きいキャスケット、それは私が小学生の頃に誕生日プレゼントとしてあげたものだ。

 当時から大きな音にウマ娘一倍敏感なのにイヤーキャップを着けたがらないお姉ちゃんのために、お父さんと相談して決めた物。

 本当だったらお父さんが選んだサイズがちょうどいい帽子だったんだけど、私がこっちのデザインが良いとわがままを言って買った帽子は結局サイズがブカブカ。

 それでも跳び跳ねて喜んでくれたのを今も覚えている……とはいえ、まだ使ってるなんて。

 見れば所々すりきれてるし色褪せてもいるじゃない……ま、まぁそこまで大事に使ってくれているのは嬉しいけどさ。

 

「とにかく、今日こそは似合う服を着せなくっちゃ!」

 

 お姉ちゃんは化粧っけも無くて普段はオーバーサイズ気味の服で野暮ったい印象だけど、磨けば美人だしスタイルだって良いんだから!

 きっと似合う服を着れば……着れ、ば……。

 

「……ナンパされちゃう?え、ダメダメそれは駄目お姉ちゃんチョロいしぽやぽやしてるからホイホイついていってあんなことやこんなことに!?」

 

「クランどうしました?」

 

「ぴぃ!?」

 

「わわ!?どどど、どうしたんですクラン!?どこか具合でも悪いんですか!?」

 

「なななななんでもないよお姉ちゃん!?それよりほら、コレとかどうかな!」

 

「え、えっと……これ、ですか?」

 

 困惑するお姉ちゃんの顔を見てとっさに手に取った服を見ると……それはノースリーブハイネック、しかも丈が短いのでおへそが見えてしまうデザイン。

 

「えっと……ま、まぁその……」

 

「……うん、これはないね。違うものにしよう」

 

 お姉ちゃん的というより妹的にアウトだよ!?こんな際どい服をお姉ちゃんに着させられない!いや着てる姿を見てみたいけどいやでも……お部屋の中で着てもらう用でこっそり買っとこうかな。

 その後は無難な服を選び合って予算内で買えるものを購入した、お姉ちゃんがこれで少しでもおしゃれに目覚めてくれればいいんだけど……お姉ちゃんが選んでくれた服はセンスがいいし、その辺の感覚がずれているということはないはずなんだけどなぁ……。

 お店を出た後はリギルの先輩であるエル先輩とグラス先輩おすすめのハンバーグ専門店で美味しいご飯を食べて、今度はお姉ちゃんが予約してくれていた映画を鑑賞。

 内容もお姉ちゃんにお任せしたんだけど、見たのは小さなオオカミが様々な困難を乗り越えて群れのリーダーになっていくアニメ。

 実はこれ私が小さい頃から好きだったテレビアニメのリメイクで、お姉ちゃんは私がこれを好きなのを覚えてくれていたんだ。

 

「良い映画でしたね!」

 

「あぃ……えぐ、ずずず」

 

「ふふ、クランは涙もろいですねぇ~……ほら、せっかくの可愛い服が汚れちゃいます」

 

「あぅ……ずず、ふぐ……」

 

「そういえば、昔からこのアニメを見る度に大泣きして大変でしたねぇ」

 

「だっでぇ……えぐ、オオカミさんがぁ……」

 

「ほらほら、涙を拭いてください。そろそろお夕飯の買い物をしに行きますよ?」

 

「ぐしゅ……あぃ」

 

 結局そのあともしばらくは泣き止むことができずに子供みたいにお姉ちゃんにハンカチで拭いてもらって……うぅ、さすがにこれは恥ずかしいよぉ……。

 その後どうにか持ち直した私をつれてお姉ちゃんは夕飯の買い物のために自宅近くの商店街へ案内してくれた。

 

「へぇ……トレセン学園の近くにも商店街はあるけど、こっちも色々揃ってるんだね」

 

 トレセン学園の近くにある商店街は、もともとその場所にあった商店街に学園とその統括を勤めるURAが掛け合って融資と誘致を行った結果かなり大規模な、かつウマ娘にとって利便性の良い場所になっています。

 それと比べれば見劣りしますが、昔ながらの商店街といった雰囲気ですごく落ち着きますね。

 ウマ娘もほとんど歩いていないから気を遣わずにすむというのもありがたいです。

 

「はい!特にそこのお肉屋さんのコロッケは絶品なんですよぉ~」

 

「そうなんだ……あ、ここのスポーツ用品店はウマ娘用も扱ってるんだね」

 

 ウマ娘用の商品まで網羅するスポーツ用品店って普通の商店街で需要あるのかな?

 

「そうですよ、それとその隣の八百屋さんでは秋になると焼きたての焼きいもを売ってて、ほっくほくで甘くて美味しいんですよねぇ」

 

「へぇ……あ、このアクセサリーかわいい、お姉ちゃんに似合いそうだよ!」

 

 お店とお店の間にあった露天に並ぶシルバーアクセサリー、しかもこちらにもウマ娘が普段使い出きるようにイヤーキャップとセットになったものもある。レースではもちろん使えないかもしれないけど普段使いのおしゃれとかなら十分かも……いいなぁ、ちょっとほしいかも。

 

「そうですねぇ、お値段は……っぐ、えとその……か、買うのはまたの機会にしましょう……あ、ほらクラン!あっちのラーメン屋さん!餃子がとっても美味しくてですね、にんにくの変わりに生姜をたっぷり使ってるからさっぱりしてて何個でも食べられちゃうんですよねぇ」

 

「そっか……わぁ、ここのスーパー大きいなぁ……ここならなんでも揃ってそうだね」

 

 しばらく歩いていくと開けた場所にある巨大なスーパー……スーパーでいいのかな?もうこれデパートとかそういう感じじゃないの?

 入り口の案内板をみれば食品から雑貨、衣類に寝具に玩具となんでもあり……やっぱりこれもうデパートなんじゃ?でも看板にはスーパーマーケットって……えぇ?

 

「そうですね、ここは私も特売日でよくお世話になってますよ?それにここに入ってるテナントさんで個人でやってるドーナツ屋さんがとっても美味しいんです!」

 

「ふーん……この店頭にある化粧品ってルドルフ会長とシービー先輩がCMで出てたやつだね、私もこれレースの時とかに使ってるんだよ?」

 

 ウマ娘だって女の子、よく見られたいと言うのは日常だけじゃなくレースでも一緒なので走る際にはレース用のメイクとか、あとウィニングライブ用のメイクとかあるんだから。

 

「そうなんですか?あ、それとそこにあるたこ焼き屋さん!一個一個が大きくて外はカリカリなかはとろ~り!タコも大きくて美味しいんです!せっかくだから買っていきましょう!」

 

「…………お姉ちゃん」

 

「どうしました?あ、たい焼きの方がいいですか?こっちも薄皮であんこがたっぷり入ってて美味しいんですよねぇ」

 

「いや…………さっきから食べ物の事ばっかりなんだけど?」

 

「あ、あぁ~…………えへ?」

 

「…………もっちりマイヤーちゃん(ぼそり)」

 

「ちょ!?だだだ、大丈夫ですから!しっかりと運動だってしてるんですから!!」

 

「本当に~?」

 

「ほ、本当ですよぉ~……?」

 

「そっかぁー…………じゃあこのぷにぷにな二の腕はなにかなぁ~?」

 

「そんなことないですよ!?ちょ、さわ!?」

 

「んーこれは見事なぷにり具合だねぇ~……大丈夫なのお姉ちゃん?いくらヴァーチャルとはいってもさぁ」

 

「だ、大丈夫ですよ?」

 

「本当に~?3D化だってもうすぐなんでしょ?」

 

「うぐっ……だ、大丈夫だし……3Dのトラッキングには影響ないはずだし……」

 

「どうかなぁ~……お腹のあたりとか」

 

「はー!?ちょ、それはさすがにライン!ライン越えますからね!?いくら姉妹と言えどもそれはね!?」

 

「あー……嬢ちゃん達?……結局買っていくのかい?」

 

「「あ、たこ焼きください!たい焼きもあんことカスタード二つずつで!」」

 

「……あいよ、おまけしとくぜ」

 

 なんていうやり取りがあったりしつつ、無事買い物も済ませた私たちはお姉ちゃんの家へと向かうのでした。

 

 

 

 To be next story...

 

 

 




なんか、最近思い付いて書くと決まって文章量が多くなってしまう病気が発病してる気がします……長々とすみませぬぅぅぅぅ。
後編は26日の00時ですでに予約してますので、お楽しみに!
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