この白狐の戦士に祝福を   作:仮面大佐

110 / 188
第97話 邪神ウォルバク

 カズマとアクアの勝負があった翌日、俺たちは家にいた。

 まあ、カズマとアクアも、なんやかんやでいつの間にか仲直りしていたからな。

 ダクネスがカズマに話しかける。

 

ダクネス「カズマがこんな時間から起きるとは珍しいな。どういう風の吹き回しだ?またクエストにでも行く気になったのか?」

カズマ「今までずっと起きてただけだよ。この季節は暑いからな。こんな時は、部屋をキンキンに冷やして、朝から夕方まで惰眠を貪るに限る。」

白夜「なんか、ここ最近、カズマがだらけてきたよな。」

 

 ダクネスがそう聞くと、カズマはそう言う。

 それを聞いた白夜は、なんとも言えない表情でそう言う。

 確かに、ここ最近、カズマはだらけてきたような気がするな。

 

武劉「あまりだらけていると、体の動きが鈍るぞ。」

カズマ「ふっ。何とでも言うがいいさ。そもそも、俺くらいの実績がある冒険者ともなれば、こうして新聞を読んで常に世界情勢に気を配りながら、いざって時の為に体力を温存していた方が街のためになるんだよ。」

朱翼「屁理屈じゃないですか。」

トウカ「ここ最近、ジャマト側があまり動きを見せないわね。」

湊翔「確かにな。」

 

 武劉がそう苦言を呈する中、カズマはそう言い、朱翼が突っ込む中、トウカがそう言うのに同意する。

 確かに、ここ最近、現れたのはレジェンドミッションとかだったからな。

 運営側から、ハンドレッドという存在が、キバのレイズバックルを盗んだと明かされたが。

 すると、カズマが新聞を読み出す中、アクアがカズマに話しかける。

 

アクア「ねえカズマ、先に私に読ませてよ。見たいのは4コマ漫画だけだから。前回、攫われた雪精を追って旅に出た冬将軍のその後が気になるの。」

カズマ「おい待てよ、俺だってその4コマが気になっているんだ。その為にわざわざ降りてきたんだぞ。」

 

 アクアとカズマがそう言うと、4コマを取り合う。

 4コマ漫画を取り合うなよ。

 俺たちがそう思う中、カズマが何かの記事を見て、口を開く。

 

カズマ「『魔王軍幹部が最前線に参戦し戦況一変。王都の危機』…………?おい、また物騒だな。俺の妹のアイリスは大丈夫なんだろうな?」

ダクネス「アイリス様を勝手に妹にするな無礼者!」

武劉「少し見せてくれ。」

 

 カズマがそう言う中、ダクネスはそう叫ぶが、武劉はそう言い、カズマは武劉に新聞を渡す。

 俺たちは、その記事を見る。

 

トウカ「王都近くの最前線にある砦が、魔王軍幹部の攻撃を受けているみたいね。」

湊翔「なになに……………その幹部は、恐るべき魔法を操る邪神だってさ。」

めぐみん「えっ!?」

 

 俺とトウカがそう言うと、めぐみんがそう叫んで立ち上がる。

 すると、白夜と朱翼、カズマが口を開く。

 

白夜「ど、どうしたんだ?」

朱翼「何かあったの?」

カズマ「ははーん、邪神って言葉が琴線に触れたんだな。お前、以前から自分の前世は破壊神だとか頭の悪い事言い張ってたもんな。」

めぐみん「私の前世は破壊神で合っていますが、その事ではありませんよ!そうではなくて、その邪神に心当たりが……………。」

湊翔「前世が邪神だって事は否定しないのか……………。」

 

 白夜と朱翼がそう聞くと、カズマはそんな風に言い、めぐみんはそう言う。

 俺がそう呟く中、アクアが口を開く。

 

アクア「邪神だか何だか知らないけれど、神を自称するだなんて、罰当たりにもほどがあるわね。」

カズマ「お前だって女神を自称してるだろ。」

白夜「確かにな。」

 

 アクアがそんな風に言う中、カズマと白夜がそう言うと、アクアは二人に襲いかかり、二人は応戦する。

 武劉は、めぐみんに聞く。

 

武劉「めぐみん。その魔王軍幹部は、何という名前なんだ?」

めぐみん「はい……………戦況を一変させた魔王軍幹部は、邪神、ウォルバクとの事…………。」

 

 武劉がそう聞くと、めぐみんはそう言う。

 邪神ねぇ……………。

 神だから、トウカとかも知っていそうな気がするが、どうだろうか。

 その翌日、俺たちは朝食をとっていた。

 上から、カズマとめぐみんが喧嘩をする声が聞こえてきたが。

 

湊翔「……………相変わらず、賑やかだな。」

トウカ「そうね。」

白夜「仲が良いのか悪いのか、よく分かんねぇな。」

 

 俺、白夜、トウカはそう言う。

 朱翼は苦笑、武劉は黙々と食べ進めていた。

 その後、カズマも降りてきて、新聞を読んでいた。

 すると、カズマは大きく叫ぶ。

 

カズマ「冒険者格付けランキング、第3位ミツルギキョウヤ?おいふざけんなよ、何であいつの名前がこんな上位にあって、俺の名前が載ってないんだよ!この記事を書いた新聞社はどのだ、抗議してやる!!」

 

 カズマはそんな風に叫ぶ。

 そんな事言われてもな。

 それは、王都で活躍している冒険者のランキングだからな。

 すると、ダクネスが口を開く。

 

ダクネス「それは王都で活躍している冒険者ランキングだから、この街に引き籠っているお前が載るわけがない。ランキング入りしたかったら、前線に出て活躍するしかないぞ?」

白夜「何なら、援軍にでも行くか?ここ最近暇だったからな。」

 

 ダクネスと白夜は、そんな風に不敵な笑みを浮かべながらそう言う。

 そんなふうに言う中、めぐみんは口を開く。

 

めぐみん「そうそう、ダクネスと白夜の言う通りですよ。ランキング入りしたいのですか?更なる名声が欲しいのですか?なら、共に戦場へと向かいましょう!そして魔王軍の幹部を討ち倒すのです!」

 

 めぐみんはそんな風に叫ぶ。

 ちなみに、俺たちとしては、参加するのはやぶさかではない。

 まあ、俺としては、別にランキング入りしたり、名声が欲しいわけではないのだが。

 そんな中、ゼル帝に芸を仕込もうとして指先を突かれているアクアにカズマが話しかける。

 

カズマ「おいアクア、お前からもこの3人に言ってやれよ。こいつら、最前線の砦を守りに行こうって言ってんだぜ?俺たちが遠出するといつも碌な目に遭わない事をちっとも学習しないらしい。お前だって、魔王軍の幹部と戦うだなんて反対だよな?」

アクア「私は行ってもいいわよ?だって魔王の幹部なんてものが人様に迷惑を掛けているそうじゃない。清く正しく美しいアクア様が、救いを求めている下々の者を放って置けるわけがないでしょう?」

 

 カズマはそう聞く。

 すると、アクアはそんな風に言う。

 清く正しく美しいねぇ……………。

 いつもグータラしてるアクアが言うと、説得力が無いのだが。

 俺たちが心配そうだったり、訝しむ顔でアクアを見る中、カズマが口を開く。

 

カズマ「お前どうしちゃったんだよ急に。いつもならこういうのは真っ先に泣いて嫌がる癖に。」

湊翔「どういう風の吹き回しだ?」

アクア「そりゃあそこら辺のモンスターなら私が出るまでもないんだけどね?今回は私に挨拶もなく、写真とは言え勝手に神を自称する不埒者が相手だもの。ここはアクシズ教団の御神体として痛い目見せてやらないと。」

白夜「縄張り荒らされたチンピラか、お前は。」

アクア「何ですってぇぇぇ!?」

 

 俺とカズマがそう聞くと、アクアはそんな風に言う。

 俺が思った事を代弁した白夜に、アクアが襲いかかり、白夜も応戦する。

 チンパンジー並みに気性が荒いのか。

 すると、カズマが口を開く。

 

カズマ「おい嫌だぞ、俺は絶対行かないからな。そう毎度毎度魔王の幹部なんて相手にしてられるかよ。大体、もっと強い冒険者はいくらでも居るだろ?王都の事はそう言った連中に任せとこうぜ?お前らは何でそんなに生き急ぐんだよ。」

めぐみん「我儘言ってないで諦めてください!往生際が悪いですよ!大丈夫、この私がちゃんと一撃で仕留めてあげますから!今回は何も心配要りません、もしもの事態に備えてついてきてくれるだけで良いんです!」

 

 カズマがそう嫌がる中、めぐみんはそう言う。

 めぐみんが顔を背け、カズマがめぐみんを振り向かせようとしていると。

 

リア「すまない。少し話があるのだが……。」

ゆんゆん「あの、この子を保護したから連れてきたんですが……………。」

 

 ドアがノックされて、人たちが入ってくる。

 そこに居たのは、アクセルハーツとちょむすけを抱いたゆんゆんと孤塚狼菜だった。

 アクアは、リア達にお茶を出す。

 

アクア「粗茶ですけど。」

ゆんゆん「ど、どうも……………。」

狼菜「あの……………これって…………?」

アクア「安めのお茶なんだけど、結構美味しいでしょ?カズマや湊翔から貰ったお小遣いで買ってきたやつなんだけど、最近のお気に入りなの。」

リア「お、美味しいよ……………。」

 

 アクアがお茶を出す中、ゆんゆん達は何とも言えない表情を浮かべていた。

 それもその筈、お湯になっていたのだ。

 また浄化したな。

 気まずい空気が満ちる中、俺はリア達に聞く。

 

湊翔「それで、どうしたんだ?」

リア「まずは、私たちからで良いかな?」

狼菜「良いですよ。」

リア「ありがとう。つい最近、王都でコンテストがあったのだが、そこで優勝したんだ。」

白夜「へぇ。すげぇな。」

シエロ「私達は、それの報告に来たんです。」

エーリカ「まあ?可愛いアタシが居たから優勝出来たもんだけど?」

 

 俺がそう聞くと、リアは狼菜に聞いて、狼菜はそう言う。

 リア達は、それを言いに来た様だ。

 昨日の新聞にも、踊り子のコンテストの写真があったからな。

 

湊翔「おめでとう。」

リア「あ、ありがとうな。」

カズマ「それで、ゆんゆんと狼菜はどうしたんだよ?」

ゆんゆん「あの、近所の公園を散歩していたら、ちょむすけが子供達に捕まっていじめられてるのを保護したんですが……………。」

狼菜「私は、ゆんゆんの付き添い。」

 

 俺はそう言うと、リアは顔を赤くしつつも、そう言う。

 カズマがそう聞くと、ゆんゆんはそう答える。

 ここ最近、ちょむすけの姿を見ないと思ったら、子供にいじめられてたのか。

 まあ、子供の遊び相手にはなったんじゃね?

 すると、めぐみんが大きく叫ぶ。

 

めぐみん「ゆ、ゆんゆん、良いところに来てくれました!実はですね、まあ大した事では無いのですが、ほんのちょっぴりだけまずい事になっているのですよ!」

ゆんゆん「ま、まずい事?」

 

 めぐみんがそう言うと新聞をゆんゆんに渡し、ゆんゆんは嫌そうな顔をして受け取る。

 そういえば、ちょむすけって何者なんだろうな。

 時折、火や雷を吐いたり、空を飛んだりするので、ただの猫ではないと思っている。

 すると、ゆんゆんが叫ぶ。

 

ゆんゆん「うえええええ!?ちょちょ、ちょっと待って!?めぐみん、これって……。」

めぐみん「こ、今度は騒ぎすぎですよゆんゆん!そこまで大袈裟な記事でも無いでしょうに!」

ゆんゆん「いや全然騒ぎすぎでも大袈裟でもないから!だってこの記事にある邪神ウォルバクって元は私たちの里に封印されてた……!」

めぐみん「シーッ!声が大きいですよ、ゆんゆん!」

 

 ゆんゆんはそんなふうに叫び、めぐみんがゆんゆんを落ち着かせようとすると、ゆんゆんはそんな聞き捨てならない言葉を言う。

 

狼菜「今、聞き捨てならない事が聞こえてきたんだけど……………。」

湊翔「えっ?紅魔の里に封印されていた?」

カズマ「どういうことだよ。」

めぐみん「気のせいですよカズマ、この子はちょこちょここういったおかしな事を言うせいで、紅魔の里でもハブられていた程ですから。」

ゆんゆん「あんたちょっと待ちなさいよ!おかしな言動はめぐみんの方が多かったじゃ無い!それより湊翔さん、カズマさん!聞いてください!かつて私達の里には、この邪神ウォルバクが封印されてたんです!ある日何かの弾みでその封印が解けてしまったんですが、めぐみんは里の皆には内緒で、その邪神を勝手に使い魔に…………!」

めぐみん「や、やめろぉ!紅魔族の恥を世間に広めてはいけません!このまま王都近辺で暴れている、邪神を名乗る偽物を退治し、何事もなかったフリをするのです!」

 

 狼菜、俺、カズマがそう聞くと、めぐみんはそう言うが、ゆんゆんはそう叫ぶ。

 めぐみんがそう言う中、カズマとダクネスが口を開く。

 

カズマ「おいダクネス。お前の伝で、警察署から嘘を吐くとチンチン鳴る魔道具を借りてきてくれ。」

ダクネス「い、行ってくる。ああ、どうかこれ以上とんでもない事実が出てきません様に…………。」

めぐみん「わ、私は何も悪い事はしていませんよ!弁護人を!弁護人を要求します!」

トウカ「そんな事を言われても……………。」

 

 カズマがそう言うと、ダクネスは泣きそうな顔で警察署の方へと向かい、女性陣はめぐみんを取り押さえた。

 なんか、話が変な方向にいってないか?

 数時間後、カズマのバインドで拘束されためぐみんに尋問を開始した。

 

湊翔「それじゃあ、隠してる事を答えて貰おうかな。」

カズマ「そもそも、邪神ウォルバクってのは何なんだよ?」

めぐみん「実は私とゆんゆんは、この邪神と因縁があるのですよ。それで気になって、昔、邪神の事を調べた事があるのですが……………。ウォルバクは怠惰と暴虐を司る邪神なのだそうです。」

 

 俺とカズマがそう言うと、めぐみんはそう言う。

 いきなり、話が途方もないな。

 俺達は魔道具をジッと見つめても魔道具は鳴らず、ゆんゆんも無言のままだ。

 

武劉「それで、何故、紅魔の里にその邪神が封印されていたんだ?」

めぐみん「その昔、我々のご先祖様が邪神と激闘を繰り広げた末に、封印に成功して、紅魔の里まで運び込んで厳重に管理する事にしたのです。」

 

 武劉がそう聞くと、めぐみんはそんな風に答える。

 すると。

 

チリーン。

 

 そんな感じに、魔道具から早速音が鳴った。

 俺たちがめぐみんを見つめると、めぐみんは気まずそうに口を開く。

 

めぐみん「……………『邪神が封印されてる地って何だか格好良いよな。』と誰かが言い出し、何処かの誰かが邪神を勝手に拉致し、里の隅っこに再封印して観光名所にしたのです。」

「「「「おい。」」」」

 

 めぐみんはそんな風に言う。

 その説明には、魔道具は何の反応も示さなかった。

 その男性陣の呟きにめぐみんだけでなく、ゆんゆんまでも目を逸らす。

 何でそんな発想になるんだよ!

 邪神を拉致するなよ!!

 紅魔族って、そんな自由奔放な連中ばっかりなのか?

 それを聞いて、ダクネス達が頭を抱える中、トウカと朱翼が口を開く。

 

トウカ「ま、まあ良いわ。やってしまった物はしょうがないしね。」

朱翼「その邪神が紅魔の里に封印された経緯は分かりましたが、何で封印が解けたんですか?封印を解いたのは誰なんですか?」

めぐみん「それはおそらく、封印された邪神が本来の力を取り戻し人類を滅ぼすため、自らの下僕達を操り封印を…………。」

 

 トウカと朱翼は何かを言いたげな表情でそう聞くと、めぐみんはそう言う。

 すると。

 

チリーン。

 

 再び、魔道具から音が鳴る。

 

一同「…………………。」

 

 それを見て、俺たちは無言でめぐみんを見る。

 すると、めぐみんは無言の圧に観念したのか、項垂れてから口を開く。

 

めぐみん「………私の妹が遊び半分に邪神の封印を解いちゃいました。」

ゆんゆん「ちょっと待って!?ねえめぐみん、それって私初耳なんだけど!」

 

 めぐみんがそう言うと、ゆんゆんは驚きの声を上げる。

 すると。

 

チリーン。

 

めぐみん「あれっ!?」

 

 再び魔道具が鳴り、何故か、めぐみん自身も驚いていた。

 すると、手を打つと。

 

めぐみん「そうでした!邪神の封印が解けたのは過去2回。1回目はうっかり私が封印を解いてしまい、通りすがりの謎のお姉さんに助けられて事なきを得たのです。妹が封印を解いたのは2回目でした。」

 

 めぐみんはそんな風に説明する。

 すると、魔道具は何も反応しなかった。

 えぇぇぇぇ………………。

 俺たちが困惑する中、めぐみんが満足そうに頷くと。

 

ゆんゆん「どういう事よおおおおおお!!」

めぐみん「な、何をするかっ!やめっ……!ちょ、やめて下さい!私は大人しく答えてるのですから落ち着くべきです!」

 

 ゆんゆんはそう叫びながら、めぐみんに向かい、めぐみんもそれに応じる。

 それを聞いて思ったのが。

 

カズマ「お前ら紅魔族って、碌な事しないな。」

湊翔「本当だよ。」

 

 カズマがそう言うのに対して、俺も同意する。

 邪神を観光名所にしたり、二度にもわたって封印を解いたり。

 紅魔族は何考えてんだ。

 すると、魔道具を持ったアクアがめぐみんに聞く。

 

アクア「めぐみんめぐみん。あなたはアクシズ教団が好きですか?嫌いですか?めぐみんはアクシズ教徒と何かと縁があるし、強く押せばアクシズ教に入ってくれるかもって、ウチのセシリーが言ってたんですけど。」

めぐみん「いくら押されても入りませんよ!セシリーさんにはいつも迷惑ばかりかけられてますし、問題児集団のアクシズ教徒とは関わり合いになりたくもありません!好きか嫌いかと問われれば、それは勿論嫌い…………!」

 

チリーン。

 

 アクアがそう聞く中、めぐみんはそう叫ぶ。

 すると、魔道具から音が鳴る。

 アクアが表情を輝かせる中、めぐみんは恥ずかしそうに目を逸らしながら言う。

 

めぐみん「……………お世話になった教団員の方も居ますし、まあ、嫌いではありませんが……………。」

 

 めぐみんはそんな風に言う。

 それを見て、カズマ達もめぐみんを揶揄いだすと、ちょむすけを抱いて、背中を撫でているゆんゆんが口を開く。

 

ゆんゆん「あ、あの……………それで結局、その封印を解かれた邪神ってのは、本来この子の事だった筈なんですが、新聞の記事にも邪神ウォルバクって名前があるし、どうなってるんでしょうか……………?」

湊翔「えっ?」

白夜「魔道具、鳴ってねぇぞ?」

リア「えっ!?」

 

 ゆんゆんが思い出したかのようにそう言うと、俺たちは魔道具を見る。

 すると、魔道具は何も反応していない。

 つまり、本当の事だ。

 

カズマ「えっ!?ちょっと待ってくれ、今、聞き捨てならない事が聞こえたんだけど。コイツがその邪神?ちょむすけって本当に邪神なのか!?」

めぐみん「だからこの間からそう言っているではないですか。この子は邪神にして我が使い魔。というか、この子の本当の名を騙る魔王軍幹部は、一体何を考えているのかと思いまして。」

武劉「鳴らないな。」

狼菜「本当なの……………!?」

 

 カズマがそう言うと、めぐみんはそう語る。

 俺たちは魔道具を思わず見るが、何も反応がない。

 マジで邪神なのか。

 俺がそう考える中、カズマとアクアが喧嘩をしていたが、めぐみんが話しかける。

 

めぐみん「……………カズマ、こんな事をお願いしてすいません。私と一緒に来てはもらえませんか?実は、過去に何度もちょむすけを攫われそうになった事がありまして。どうにも、新聞記事のそいつが関わっているとしか思えないのですよ。飼い主としては、そのウォルバクを名乗る自称邪神をどうにかしたいのです。…………ダメですか?」

 

 めぐみんはそう言うと、頭を下げる。

 あの短期で人に頭を下げたがらないめぐみんがそうやるとは。

 すると、カズマは叫ぶ。

 

カズマ「……………しょうがねえなあー!!」

 

 カズマはそんな風に叫んだ。

 素直じゃないな。

 こうして、俺たちも最前線の砦へと向かう事になったのだった。

 ちなみに、アクセルハーツや狼菜も向かう事になった。

 その翌日、俺たちは作業をするカズマを見ていた。

 作っている物が驚きなのだが。

 

トウカ「カズマは何を作っているのかしら。」

武劉「……………俺としては、なんとも言えんな。」

白夜「まあ、無理もねぇけどな。」

朱翼「ですね。」

湊翔「まさか、ダイナマイトを作るとはな……………。」

 

 トウカがそう言う中、日本人組はそう言う。

 カズマが作っていたのは、ダイナマイトだった。

 作り方としては、衝撃を与えると爆発するポーションをスポイトで少しずつ吸い取って、それを何かの植物が腐敗して出来た土に染み込ませて、紙で筒状に包んだ。

 既に三本も作成していたのだ。

 ちなみに、めぐみんにはバレない様に作っていた。

 すると、アクアがダイナマイトの一つを両手で隠す。

 

アクア「カズマ、見て見てー。」

カズマ「ん?」

アクア「小っちゃくなっちゃった。」

カズマ「馬鹿野郎!!」

 

 アクアがそう言うと、そのダイナマイトは二回りくらい小さくなっていた。

 それを見て、カズマはそう叫ぶ。

 どういう原理だよ。

 カズマから受け取って、それを見るが、物理的に小さくなっていた。

 

湊翔「えっ?どういう仕組み?」

カズマ「お前……………!人が時間かけて作った物になんて事してくれんだ!どうすんだこれ、元に戻せるのかよ!?ってか、使えんのかこれ!?」

アクア「戻せるわけないじゃない。」

白夜「悪びれずに言うなよ……………。」

 

 俺が首を傾げる中、カズマがそう叫ぶと、アクアは悪びれずにそう言う。

 白夜が呆れる中、俺はそのダイナマイトをカズマに返す。

 ちなみに、アクア曰く、アクアが作ると三本に一本は小さくなる様だ。

 どういう体の仕組みだ。

 俺たちはそれに呆れる。

 その後、俺たちはめぐみんの爆裂散歩に付き合った。

 余談だが、そこでカズマが作ったダイナマイトを披露して、めぐみんが拗ねた。




今回はここまでです。
今回は、移動を開始する前までです。
砦には、湊翔達も向かいます。
その前に、ちょむすけが邪神であると判明する。
果たして、どうなるのか。
次回は、砦に着くまでを予定しています。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
いよいよ、戦国ゲームが幕を開ける。
戦国ゲームでの展開について、リクエストがあれば、下記から受け付けています。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=303117&uid=373253
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。