ダイナマイトの騒動があったものの、俺たちは、出発する準備を終えていた。
ちなみに、ゼル帝はウィズ達に無理矢理押しつけたらしい。
カズマは大きく叫ぶ。
カズマ「武器よし、食べ物よし、装備よし!各種アイテムの準備もよし!」
カズマはそんな風に叫んでいた。
すると、アクアがカズマに聞く。
アクア「カズマってば、こないだはあんなに嫌がってたのに、何だか気合十分ね。一体どういう風の吹き回しなの?」
白夜「まあ、やる気があるのは良いんだけどな。」
湊翔「その理由は?」
カズマ「あれから冷静になって今回の戦いに関して考えたら、結構勝率が高い事に気が付いたからな。」
アクアがそう言う中、白夜はそう言い、俺がそう聞くと、カズマはそう答える。
カズマ曰く、ベルゼルグ王国の騎士達やチート持ち冒険者が多数居る様で、今回参戦した魔王軍の幹部さえいなければまず負ける事はないらしい。
まあ確かに。
湊翔「今回は、テレポートが使えるゆんゆんも居るしな。」
トウカ「確かにね。」
そう。
ゆんゆんもレベルアップを重ねて、テレポートが使える様になったそうだ。
すると、ゆんゆんが俺に話しかける。
ゆんゆん「が、頑張ります!荷物持ちだってしますし、食事の支度に夜の見張り当番に戦闘の切り込みまで、何でもやりますから!」
湊翔「気合いが入ってるな。」
トウカ「むしろ、気合いが入りすぎじゃ無い?」
リア「そうだな。」
ゆんゆんがそう言うと、俺はそう言う。
すると、トウカとリアは、何とも言えない表情を浮かべる。
嫉妬とも取れそうな感じの。
こういうのに首を突っ込んだら、痛い目を見そうなのでやめておく。
そんな感じに話す中、ゆんゆんは叫ぶ。
ゆんゆん「みなさん、準備は良いですか?忘れ物は無いですか?ハンカチとちり紙は私が持ってますから、必要な方は言ってくださいね!」
めぐみん「お願いですから、ちょっと落ち着いて下さい!遠足前の子供じゃ無いんですから。」
ゆんゆんがそう叫ぶ中、めぐみんはそう言う。
確かに、遠足前の子供に見えるな。
狼菜はというと。
狼菜「皆でお泊まりか……………。良いわね。」
白夜「こっちもこっちか。」
朱翼「ですね。」
狼菜も、ゆんゆんほどでは無いがソワソワしており、白夜と朱翼はそう言う。
まあ、無理もないが。
狼菜もゆんゆんも、こうして旅をするというのはあまり慣れていないだろうからな。
ちなみに、ゆんゆんのテレポートで行く事にしていたが、流石に大人数過ぎるので、デザイア神殿を介して、向かう事にした。
アイリスが、アクセルに向かった時の手法を用いたのだ。
俺たちが王都に着くと、門の前だった。
兵士達も、大して驚いていない様に見えた。
すると、カズマが口を開く。
カズマ「よし。俺たちは既に旅支度を終えてるから、本来ならすぐに最前線の砦に向かっても良いんだが、まずはあの連中から情報収集してくる。俺に考えがあるんだ。」
湊翔「大丈夫か?」
カズマ「大丈夫だって。」
カズマがそう言う中、俺はそう聞くが、カズマはそう答える。
兵士達にも、カズマが見下されてる可能性はあるからな。
俺たちは、カズマを見ながら話をする。
湊翔「大丈夫か?」
トウカ「まあ、見下される可能性はあるよね。」
白夜「だな。」
朱翼「いざという時は、私たちも話に入りましょう。」
武劉「ああ。」
俺たちはそんな風に話す。
カズマと兵士達の話は、遠くて良く聞こえないが、途中、カズマが顔を顰めた。
まあ、そうなるよな。
だが、カズマは持ち直して、何か話をする。
しばらくすると、カズマは地図を持ってこっちに戻ってきた。
カズマ「……………見ろ。俺の交渉により、砦までの地図とモンスター情報を手に入れてきたぞ。」
アクア「なかなかやるじゃないカズマ。遠くて話は聞こえなかったけど、鮮やかな交渉術ね。」
めぐみん「カズマが予想外にやる気で驚きましたよ。では参りましょうか!」
カズマがそう言う中、アクアとめぐみんはそう言う。
俺たちは、砦に向かって出発した。
その間、カズマから戦況を聞いた。
武劉「そうか。戦況はかなり悪いのか。」
白夜「みたいだな。まさか、敵の攻撃で怪我した冒険者を後退させてるとはな。」
朱翼「敵の攻撃が、余程激しいという事でしょうね。」
トウカ「そうみたいね。」
湊翔「何にせよ、警戒するに越した事はないな。ジャマトも動き出す可能性はある。」
俺たちは、そんな風に話す。
すると、ゆんゆんが口を開く。
ゆんゆん「あの、皆さん!お腹とか空いたら言ってくださいね!おやつはたくさん持ってきてますから!それと、私も初級魔法を覚えたんですよ。なのでいつでも綺麗な水を出せますから、喉が渇いたら言ってください!あっ、ちょっとめぐみん!そっち行くと危ないわよ!道が崩れやすくなってるから!」
めぐみん「うるさいですよさっきから、初めて遠足に出かけた子供ですか!今日は夜遅くまで歩くのですから、今からそんなにはしゃぐと大変ですよ。」
狼菜「まあ、気持ちは分かりますけどね。」
ゆんゆんは饒舌気味にそう叫び、めぐみんと狼菜はそう言う。
大人数での旅がそんなに嬉しいのか、目が輝いている。
浮かれているのは、もう1人いた。
アクア「ねえねえ、これって何かしら。アクセルの近くでは見た事がない綿毛がフワフワ浮いてるんですけど!」
リア「あぁ。それはケサランパサランという綿毛の精霊だ。」
シエロ「それは大変無害なのでそっとしておいた方が……………。」
エーリカ「ちょっと!あんたシエロの話を聞いてたの!?」
ダクネス「言ってる側から!!」
アクアはそう言いながら、綿毛を追いかけていた。
リア達が止めようとするが、無駄だった。
すると、めぐみんがボソッと言う。
めぐみん「ケサランパサランは雪精の亜種とも言われる毛玉の精霊ですから、あまり虐めるとと、元締めの大精霊が襲撃に来ますよ?」
カズマ「それはそうと、そいつ連れてきて良かったのかよ?」
湊翔「確かにな。連れてきて大丈夫なのか?」
めぐみんがボソッとそう言うと、俺とカズマはそう聞く。
そいつとは、ゆんゆんの足元を歩いているちょむすけだ。
めぐみん曰く、この黒い毛玉が役立つ時が来るかもしれないと言って、連れてきたのだ。
めぐみん「それは現地に着いてから分かる事です。というか、もしかしたらその子が居てくれるだけで、魔王の幹部への牽制になるかもしれません。」
めぐみんはそれ以上は言わなかった。
後ろからは。
リア「おいアクア。それ以上は不味いから、そろそろ放してやったらどうだ?」
アクア「もうちょっとだけ触らせて。この子のふわふわの毛が遠く離れたゼル帝の事を思い出させるの。」
白夜「ゼル帝とは、今朝別れたばかりだろ。」
そんな風なやり取りが聞こえてくる。
平和だな。
すると。
???「待ちな、そこの冒険者!ここから先は通さねえぜ!金と荷物を置いてきな!」
そんな台詞と共に、俺たちの前に現れたのは、武装した男たちの集団だった。
無精髭を生やし、薄汚れた服を着ていた。
山賊の類か。
すると、アクアが口を開く。
アクア「カズマ、湊翔!山賊よ!私、山賊なんて初めて見たんですけど!モンスター蔓延るこの世界で、山賊なんて非効率な事をする人がいるだなんてビックリよ!」
白夜「お前は何を言っているんだ。」
武劉「そうだな。」
アクアがそう言う中、白夜と武劉は呆れた様にそう言う。
確かに、この世界では山賊なんて見た事が無かったな。
そりゃあ、モンスターが大量にいる外で、山賊をやるなんて、非効率的だ。
死と隣り合わせなんだから。
すると、めぐみんとゆんゆん、狼菜が口を開く。
めぐみん「カズマ、カズマ!カモネギよりもレアだと言われる人型モンスター、山賊が現れましたよ!」
ゆんゆん「本当だ、山賊だ!一人旅は何度もしたけど、私、生の山賊の人を見るのは初めてなんだけど!紅魔の里に帰ったら、皆に自慢しよう!」
狼菜「山賊は初めて見ましたね。不器用に生きていく人たちですね!」
その3人はそんな風に言う。
俺たちに関しては、現実主義者だったのか、山賊が現れても、大して反応していなかった。
トウカ「山賊が出るなんてね……………ダクネス?」
トウカがそんな風に言う中、ダクネスの方を見る。
ダクネスは小刻みに体を揺らしていた。
まさか。
すると、山賊の1人が叫ぶ。
山賊「おいお前ら、舐めてんのか!?とっとと金を出せって言ってんだ!」
そんな風に脅してくる。
まあ、こっちは仮面ライダーだしな。
すると、ダクネスが前に出ると、大きく叫ぶ。
ダクネス「お前たちの様な、碌に風呂も入ってはおらず、とても男臭そうで!山中の禁欲生活の為か、欲望にギラギラと目を輝かせ!相手がか弱い女であろうとも、力尽くで無茶をしそうな山賊どもに!このダスティネス・フォード・ララティーナ、女騎士の端くれとして引くわけにはいかぬ!」
トウカ「ダクネス………………?」
ダクネスはそんな風に叫ぶ中、トウカはそんな風に呟く。
親友の痴態に、唖然となっていた。
すると、その名乗りを聞いた山賊たちは。
山賊「ダスティネス…………?」
山賊「お、おい、アイツ今、ダスティネスって言ったか?」
山賊「ダスティネスってあのダスティネス一族か?そういえば、あいつ金髪で目が青いぞ!ありゃあ貴族の特徴だ!」
山賊たちはそんな風に話す。
どうやら、ダスティネス家の事は認識している様だな。
すると、どよめく山賊達を気にも留めず、ダクネスは口を開く。
ダクネス「金と荷物を置いていけと言っていたが、どうせそれだけでは収まらないのだろう?私たちを見るその視線で分かるとも、武装を解除させた貴様達はきっとこう言うのだ!『おい、良く見ればこいつら上玉ばかりじゃねぇか!へっへっ、こいつはきっと高く売れるぜ……………!』」
シエロ「だ、ダクネスさん……………?」
エーリカ「なんか変な事言いだしたけど……………。」
リア「えっ………………。」
ダクネスがつらつらとおかしな事を口走る中、アクセルハーツの面々はドン引きして、山賊たちは蜘蛛の子を散らす様に逃げ出した。
トウカや白夜達に関しては、完全に頭を抱えていた。
山賊たちが逃げ出した事に気づいていないダクネスは。
ダクネス「もちろんそこで終わるはずもない!『お頭、売り飛ばす前に俺たちにも味見させて下さいよ』と!そして頭と覚しきお前はニヤニヤしながらこう言うのだ!『おう、もちろんだ。こんな上玉を前にして指を咥えてられる訳が……………』……………お、おいどうした。突然どこへいく、何のつもりだ!?」
ダクネスはそんな風に言っていたが、逃げ出した事に気づいたのか、戸惑う。
すると。
山賊「貴族がいるって事は、近くに騎士団が控えてるに違いない!お前ら逃げろ!」
山賊「しかも今気づいたが、あの紅目、紅魔族だ!」
ダクネス「お、おい待て!妙齢の女達を目の前にしてお前達はそれで良いのか!?大丈夫だ、騎士団なんていない!待て、山賊としての誇りを……………!」
トウカ「その前にあなたは女性としての誇りを思い出して!!」
山賊達がそう言いながら逃げていく中、ダクネスはそう言いながら追いかけようとしたが、トウカはそう叫びながら、ダクネスを取り押さえる。
その後、ダクネスが何度も山賊退治を提案した結果、中継地点に辿り着けなかった。
その為、野宿をする事になったのだ。
カズマ「まったく。お前があの連中をしつこく追いかけようとするもんだから、こんな事になったんだぞ。」
ダクネス「う……………。だ、だが、私は騎士として、民に害を与える存在を野放しにしておく事など出来なかった訳で……………。」
トウカ「それは表向きで、本当は性癖の為でしょ?」
カズマがそう言う中、ダクネスは申し訳なさそうにそう言うが、トウカはジト目でそう言う。
親友の痴態を見て、恥ずかしく思ってそうだな。
すると、めぐみんが口を開く。
めぐみん「でも、私としても、山賊退治がしたかったですね。あのレアモンスターは倒すとお金を落とすのですよ。」
武劉「やめておけ。相手が犯罪者とはいえ、こっちも犯罪者になる。」
めぐみんがそう言う中、武劉は冷静にそう突っ込む。
確かに、それは強盗になるな。
そんな中、シチューを作っていたのだが、アクアがかき混ぜながら口を開く。
アクア「ところで、外でお泊りって事は、見張りがいるわよね?モンスターを警戒しないといけないし。」
リア「そうだな。モンスターに襲われたらたまったもんじゃないからな。」
ダクネス「う、す、すまない。見張りなら私がやろう。体力には自信がある。皆は眠っていてくれれば良い。」
ゆんゆん「ダクネスさん、私はキャンプみたいで嬉しいですよ!大丈夫、私が見張りをやります!任せてください!」
アクアがそう言うと、リアも同意する。
ダクネスは申し訳なさそうにそう言うと、ゆんゆんは嬉しそうにそう言う。
すると、めぐみんがポツリと言う。
めぐみん「……………あなたはこれ以上の徹夜はダメですよ?どうせ今回の旅が楽しみで、昨日の夜から一睡もしていないでしょうから。」
ゆんゆん「ど、どうして分かったの!?」
狼菜「まあ、正解ね。」
めぐみんがポツリとそう言うと、ゆんゆんは驚き、狼菜は苦笑する。
すると、カズマが口を開く。
カズマ「見張りなら俺がやるよ。なんせ、夜型の人間だからな。それに、俺には敵感知スキルや暗視スキルがある。飯を食ったら焚き火は消して、モンスターに見つからない様にしよう。」
白夜「そうだな。悪いが頼めるか?」
カズマ「おう。」
カズマがそう言うと、白夜はそう言う。
確かに、敵感知スキルとかは、俺たちには使えないからな。
すると、ダクネスが口を開く。
ダクネス「すまないカズマ。元はと言えば私の迂闊な行動が原因なのに……………。」
カズマ「本当だよ。お前ももう良い大人なんだから、知らないおっさんにホイホイ付いて行こうとするんじゃないぞ?」
ダクネス「大丈夫。先ほどは山賊だなんて言う、女騎士の天敵みたいな連中が現れたから、理性を持っていかれただけだ。私はもう、特定の相手にしか嬲られたりはしないと心に決めているからな。」
トウカ「ちょっと何言ってるのか分からないし、分かりたくもないんだけど。」
ダクネスが申し訳なさそうにそう言うと、カズマはそう言う。
ダクネスの言葉に対して、トウカはそんな風に言う。
そうして、俺たちはカズマに見張りを任せて、寝る事にした。
しばらくすると、カズマが起こしてくる。
湊翔「どうした、カズマ?」
カズマ「おい、何か来てる。多分だがアンデッドだ。白夜はアクアを起こしてくれ。」
白夜「おう。アクア、起きろ!起きろ!!」
俺がそう聞くと、カズマはそう答える。
そうだった。
アクアが居るってことは、アンデッドが引き寄せられるって事だ。
俺たちは起きて警戒する中、白夜はアクアを起こそうとしていた。
すると。
アクア「眠いから……………今日のところは見逃してあげるわって言っといてー……………。」
白夜「何寝ぼけてんだこのやろう!」
アクアがそう言うと、白夜はそう突っ込む。
すると、でかい気配を感じる。
これはマジでやばいかもしれん。
俺たち全員、冷や汗を流す。
何せ、目の前に居たのは、ドラゴンゾンビだったからだ。
これはやばい。
それを見た俺は、アクアに話しかける。
湊翔「アクア、早く起きろ!!ドラゴンゾンビが現れたんだぞ!早くしろ!!」
アクア「んー……………。ドラゴンゾンビくらい……………ゼル帝の手にかかれば…………。」
白夜「寝ぼけてないで早く起きろ!!」
トウカ「何言ってんの!!」
アクアに向かってそう叫ぶ中、アクアは五月蝿そうに寝返りを打ちながら、そんな風に言う。
白夜とトウカもそう叫ぶ。
その後、アクアが起きて、ターンアンデッドでドラゴンゾンビを倒した。
だが、ダクネスはドラゴンゾンビの攻撃を受けて、気絶してしまった。
白夜とカズマは頷くと、アクアの方へと向かう。
すると、アクアが口を開く。
アクア「ふふん!ドラゴンゾンビといえど、この私の敵では無かった様ね。カズマ達。私を崇め奉ってくれても良いわああああああーっ!?」
アクアがそう言う中、最後の方が変になった。
何故なら、白夜がプロレス技をかけ、カズマがドレインタッチを発動したからだ。
アクア「ちょっと、何すんのよ!?いきなりそんな事されたら抵抗出来ないじゃないの!」
白夜「抵抗されない為に不意打ちしたんだよ!お前がもうちょい早く起きてたら、ダクネスは気絶せずに済んだんだよ!お前が呼び寄せたんだろうが!!」
カズマ「本当だよ!呼ばれたらとっとと起きろ!俺が見張りで眠れなかった分、お前の体力を分けてもらうからな?」
アクア「ええっ!?い、嫌よっ!今は不意打ち食らったけど、次からはアンタのドレインタッチぐらい簡単に抵抗してやるからね。本家リッチーのドレインにすら抵抗した私から、吸えるもんなら吸ってみなさいな!」
湊翔「自己中かテメェは!!」
アクアがそう叫ぶと、白夜とカズマはそう言う。
すると、変なポーズを取りながらアクアはそう言う。
どこまでも自己中なんだこいつは。
アクアとシエロがダクネスを治している中、武劉が口を開く。
武劉「まずいな。今の戦闘でモンスター達が引き寄せられてるかもしれん。移動するぞ。」
湊翔「分かった。」
カズマ「だな。敵感知スキルにも反応がある。」
武劉はそう言うと、遠くから何かが近づいてくる気配を感じた。
そりゃあ、誘き寄せられても無理ないか。
俺たちは、強行軍で移動を開始する事にした。
そして、何とか中継地点に到着する事が出来た。
ちなみに、温泉があるらしく、女性陣が全員で入って、カズマを除いた俺たちが女性陣の後に入り、最後にカズマが入った。
俺たちは寝た。
その翌朝、ちゃんと休む事が出来た俺たちは、砦へと向かう。
カズマは上機嫌で、めぐみんがカズマに聞く。
めぐみん「カズマ、今日は何だか機嫌が良いですね。昨夜は遅くまでお風呂に入ってましたが、何かいい事があったのですか?」
カズマ「まあな。昨夜、お前らや湊翔達の後に温泉に入ったら、以前アルカンレティアの街で知り合った、偉い美人のお姉さんに再会してな。」
めぐみんがそう聞くと、カズマはそう答える。
そんな事があったのか。
それを聞いためぐみんとダクネスは、若干動揺していた。
それを見ていると、白夜がカズマに話しかける。
白夜「そういや、気になったんだけどさ、お前って好きな女性のタイプって何なんだ?」
カズマ「タイプ?そうだな……………。強いて言えば、ロングのストレートで胸が大きくて俺の事を甘やかしてくれる人かな。」
湊翔「そうなんだな。」
白夜がそう聞くと、カズマはそう答える。
そんな他愛のない話をしながら、俺たちは砦へと向かっていく。
そして、到着した。
その大きさは、王城と変わらないくらいだ。
すると、カズマが口を開く。
カズマ「この砦がたった1人の魔王の幹部に落とされそうだってのか?いくら幹部だからって、流石に無理があるんじゃないのか?」
ダクネス「私もそう思うのだが、魔王軍の幹部クラスとなると、1人で都市を滅ぼしかねない連中ばかりだからな。」
武劉「本来、俺たちがあっさりと倒してきた事自体がおかしい………………か。」
カズマがそう言うと、ダクネスと武劉もそう言う。
確かに、ベルディア、ハンス、シルビア、バニル、ウィズ。
これまでに出会した幹部は、どれもこれもが強力な奴らばかりだ。
すると、砦の見張りが俺たちを見つけたのか、数人の騎士が現れる。
騎士「そこの冒険者。ここは魔王軍を食い止める為の砦だ。一体この地に何用で来た?」
カズマ「俺たちはこの国の危機を知り、援軍にやって来た冒険者ですよ。上級職が多いんで、役に立つと思いますよ?」
騎士「上級職……………なるほど、それはありがたい。だが、身元を証明出来る物を拝見させて頂きたい。魔王軍幹部がこの周辺に潜伏している可能性がありまして、どうかご協力を。ええっと、まずは…………………。」
騎士の1人がそう聞くと、カズマはそう答える。
騎士は冒険者カードの提示を求めて来て、めぐみんは渡す。
それを見た騎士は固まった。
騎士「……………め、めぐみん……………さん……………ですか?」
めぐみん「私の名前が何か?」
騎士「いえ!何でもありません、失礼しました。結構です、ではそちらの……………ゆんゆんさん、ですか。」
ゆんゆん「は、はい……………それは本名で、ゆんゆんと申します……………。」
めぐみん「おい、さっきから私たちの名前に何か関して言いたい事があるなら聞こうじゃないか!」
騎士は、めぐみんとゆんゆんの名前を見て、そう反応すると、めぐみんとゆんゆんはそんな風に反応する。
まあ、紅魔族の名前はかなり特殊だからな。
すると、騎士は口を開く。
騎士「いえ大丈夫です、すいません!お次の方は……………サトウカズマ。……………サトウ、カズマ?」
騎士は、めぐみん達に謝りながら、カズマのカードを確認する。
訝しげな表情を浮かべていた。
すると。
騎士「サトウカズマ!あの、悪名高いサトウカズマか!王都ではアイリス様に余計な事を吹き込み、クレア様やレイン様に散々迷惑をかけ追い出された、あの凶悪な……………!」
カズマ「おい待ってくれ。」
騎士はそんな風に口を開く。
まあ、色々とアイリスに吹き込んだのは事実だな。
あんまりな言われ方だが。
騎士「申し訳ありません。この砦は魔王軍との最前線を守る重要拠点なんです。ですので、知らない人物を中に入れるわけには……………。」
カズマ「アンタ、俺の名前を知ってたじゃないか。」
白夜「お前、何したんだよ?」
騎士がそんな風に言う中、カズマはそう言い、白夜はそう言う。
すると、隊長と思しき男が前に出ると、カズマを見下しながら口を開く。
隊長「貴様があの悪名高いサトウカズマか。冒険者の分際で、何だその態度は?不審人物としてここで斬って捨ててもいいんだぞ?下賎な低レベルの冒険者風情が!とっとと立ち去るがいい!」
隊長はそう言いながら、剣の柄に手をかけながら威圧する様に脅してきた。
流石に言い過ぎじゃないか?
武劉は顔を顰めていたが、特に何も言おうとはしなかった。
俺は口を開く。
湊翔「流石にそれは言い過ぎじゃないですかね?カズマも頑張っているんですよ?」
隊長「何?貴様は桐ヶ谷湊翔とやらだったな。上級職だからといって王都の私たちにただの平民が歯向かう気か!」
俺がそう言うと、隊長はそんな風に言い、周囲の騎士達も、剣の柄に手をかける。
ダクネスやシエロを除いた貴族は、人の命や人権を軽視している様な気がするな。
それを見ていたリア達は。
リア「カズマは何をしたんだ……………?」
エーリカ「というより、剣を向けるなんてないんですけど!?」
シエロ「武劉さんは冷静ですね。」
武劉「まあな。カズマも頑張っているのは事実だが、最弱職と呼ばれる冒険者に就いている以上、その様なイメージダウンは免れないだろう。」
狼菜「それもそうですよね。最弱職と上級職なら、上級職を選ぶでしょうし。」
リアとエーリカがそう言う中、シエロがそう聞くと、武劉と狼菜はそう言う。
かなりドライな反応だった。
それは裏を返すと、現実を見る事が出来ているという事だ。
すると。
カズマ「控えろ!このお方をどなたと心得る!その名も高きダスティネス家のご令嬢、ダスティネス・フォード・ララティーナ様だ!一同頭が高い!面を下げよ!」
騎士達「なっ!?」
カズマがそう言うと、騎士達だけでなく、めぐみんとゆんゆんも跪く。
何でやねん。
めぐみんとゆんゆん曰く、場の雰囲気に流されたのと、ゆんゆんはダクネスが貴族だと知らなかったからだそうだ。
すると、隊長が恐る恐る口を開く。
隊長「ほ、本当にダスティネス卿ですか…………?いえその、申し訳ありませんダスティネス卿、我々は貴方様のお顔を存じ上げておらず、とんだご無礼を……………!その、疑う訳でもないのですが、これも仕事なので、一応確認を取らせて頂いても……………。」
隊長はそんな風に言う。
それに対して、ダクネスは家紋入りのネックレスと冒険者カードを取り出す。
それを見た隊長の顔は、青を通り越して、蒼白になる。
隊長「ももも、申し訳ありませんっ!ダスティネス卿とはつゆ知らず、あなた様とお連れの方にとんだ無礼を!」
カズマ「おおっと、これはとんだ掌返しですな!いやー、あとちょっとで斬られるとこだったかと思うと心が痛むわー。一生物のトラウマ植え付けられた気分だわー。ああっ、さっきのやり取りを思い出したら胸が苦しく…………!」
隊長は平謝りする中、カズマはわざとらしくそう言う。
それを見ためぐみんとアクアは隊長に話しかける。
ちなみに、俺も参加してやろうかなと思ったが、流石にアクアと同類になるのはなんか嫌なので、黙っておく。
それに、あまり煽り過ぎると、後々面倒な事になりそうだし。
めぐみん「おっと、これはいけませんね!全く、ウチのララティーナお嬢様のお供によくもまあ随分な態度を取ってくれましたね!」
アクア「謝って!私たちを攻撃しかけた事を謝って!ほら早く、ごめんなさいって謝って!」
白夜「いや、鬱憤を晴らしたいのは分かるけどよ………………。」
朱翼「あんまりやりすぎない方が…………。」
めぐみんは鬱憤を晴らすと言わんがばかりに、杖で隊長の頬をぐりぐりし、アクアには肩を掴まれて揺らされる。
隊長の顔をチラリと見ると、こめかみをひくつかせながらも無抵抗のまま静かに目を閉じ、恥ずかしそうに頬を染めて震えていた。
ダクネスの手前、無礼なことは出来ないのだが、煽られているのだから、堪えているのだろう。
参加しなくて正解だったな。
すると、隊長は口を開く。
隊長「も、申し訳ない。本当に、申し訳ない。ダスティネス卿のお連れ様に危害を加えそうになった事、本来ならばこの行為は切腹ものです。しかしながら、その……………。」
カズマ「いやいや、俺もそこまでは求めてないですよ。そちらさんもお仕事なんでしょうしね。ですが、俺たちもここまでの旅で疲れてましてね?誠意を見せろとは言いませんが、ここに留まる間、部屋を用意して欲しいなーなんて……………。」
隊長「それはもちろんご用意させて頂きますとも!ダスティネス卿とそのお供の方に相応しいお部屋を!」
隊長がそんな風に言うと、カズマは馴れ馴れしく隊長の肩に手を置きながらそう言う。
隊長がそう叫ぶ中、ダクネスは恥ずかしそうに頭を下げた。
その頃、別の場所では。
武「ほう。あいつらも来たか。」
闘轟「やっとまともに動けるな。」
ロキ「初めてもいいのではないか?」
アルキメデル「ベロバ様!」
ベロバ「分かってるわよ。さあ、始めるわよ!ジャマトグランプリを!」
武、闘轟が俺たちの姿を見るとそう言い、ロキとアルキメデルがそう言うと、ベロバはそう叫ぶ。
それを少し離れた場所で見ていたある女性は。
???(一体、何を企んでいるの?)
その女性は赤髪で、猫科を思わせる様な黄色い瞳だった。
そして、また別の場所では。
???「……………大規模な戦闘が起こりそうだな。工作兵を送れ。場合によっては、ドライバーを回収する事も視野に入れろ。」
???「はっ!」
その男がそう言うと、部下と思われる男がそう言いながら移動する。
その男は口を開く。
???「この世界もいずれ、我らハンドレッドの手中に入るのだ。」
その男はそう言う。
ロキ側だけでなく、ハンドレッドも動き出そうとしていた。
この時の俺たちは、暗躍する存在に気付くことはできなかった。
今回はここまでです。
今回は、砦に到着するまでです。
ドラゴンゾンビなどの襲撃がありながらも、無事に砦に到着。
隊長に見下されるものの、ダクネスのおかげで切り抜ける。
カズマが見下される事は多いですが、最弱職である冒険者に就いている以上、そういうイメージダウンは免れないんですよね。
冒険者自体、本職には及ばないですけど、全てのスキルを覚える事が出来る職業ですからね。
そして、動き出すロキ陣営とハンドレッド。
果たして、どうなるのか。
いよいよ、戦国ゲームの幕が上がります。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
レインボーガッチャードの挿入歌が来ましたが、良い曲でした。
今後の展開や4人のエースと黒狐、最強ケミー☆ガッチャ大作戦、ジャマト・アウェイキングなどのリクエストは絶賛受け付けています。