この白狐の戦士に祝福を   作:仮面大佐

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第103話 それぞれの想い

 魔王軍幹部ウォルバクと、ジャマトの攻撃を退けた俺たち。

 ウォルバクが居なくなってしまった事や俺たちの勢いに乗った冒険者や騎士達の猛攻もあり、魔王軍は半壊した。

 本来なら、派手な戦勝祝いをするのだが、めぐみんの様子がおかしかった。

 その為、俺たちはその戦勝祝いを辞退して、帰路についた。

 まあ、無理もないが。

 現在は女性陣が入浴中だ。

 

湊翔「それにしても、色々とあったよな。」

白夜「ああ。ジャマトグランプリも起こったからな。」

武劉「何にせよ、ジャマト側の戦力を減らす事には成功した。それだけでも十分だろう。」

 

 俺たちはそんなふうに話す。

 まあ、レーザーブーストという新たな力を得る事が出来たからな。

 ブーストマークIIの力を更に引き出す事が出来るかもしれない。

 ちなみに、カズマはちょむすけと戯れていた。

 そういえば、カズマの話によると、ウォルバクはいつの間にか居なくなっていた拓巳が連れて行ったとの事だが、大丈夫なのだろうか。

 俺はそんなふうに思ったのだった。

 一方、カズマはというと、ちょむすけと戯れていた。

 すると、カズマが居る部屋の扉がノックされる。

 

めぐみん「カズマ、まだ起きてますか?皆、お風呂から上がりましたよ。」

カズマ「おお、もうちょっとしたら入るよー。」

 

 外からめぐみんの声が聞こえてきて、カズマはそう答える。

 カズマがちょむすけを撫でていると、めぐみんが部屋に入ってくる。

 

めぐみん「……………こんなとこに居ましたか。姿が見えなかったので探しましたよ。」

 

 めぐみんは嬉しそうに目を細める中、後ろ手に扉を閉めて、カズマが寝ているベッドの端に腰掛ける。

 

カズマ「今は俺の癒やしタイム中なんだ。こいつを持ってくのはもうちょっと待ってくれ。」

めぐみん「別にその子を連れ戻しにきたわけじゃないですよ。宿の外に出たのかと心配しましたが、カズマの元に居るのなら安心ですから。」

 

 カズマがそう言う中、めぐみんはそう言いながら、ちょむすけを撫でる。

 すると。

 

カズマ「……………お、おい。どうしたんだよ、いきなり。」

 

 カズマは戸惑った。

 その理由は、めぐみんはちょむすけを撫でながら、仰向けになっているカズマの隣に勝手に寝そべると、そのままそっと身を寄せてきたのだ。

 ちょむすけは空気を読んだのか、ベットから飛び降りて床に寝そべる。

 

めぐみん「今日はここで一緒に寝ても良いですか?」

 

 めぐみんは頭から布団を被って、小さな声でそう囁く。

 それを聞いたカズマは。

 

カズマ「……………良いわけないだろ、お前は何を口走ってんの?何考えてるのか知らないけど、俺を今までのヘタレだと思うなよ?…………そう、俺はこの宿に泊まった時に誓ったんだ。お前かダクネスが次に中途半端な色目を使ってきたら、その時は押し倒してやるってな。」

 

 カズマは暗い雰囲気にならない様に、冗談めかしてそう言う。

 すると、めぐみんは口を開く。

 

めぐみん「良いですよ?寧ろ、今日はそのつもりで来たのですから。」

 

 めぐみんはくすくすと笑いながらそう言う。

 カズマは凄くドキドキしていた。

 

カズマ「おい、俺だって思春期の健全な男の子なんだからな?この状況でそういう冗談はやめてくれよ。お前、男ってのはな、こういう事されると勘違いするんだよ。モテない男なんてな、手を握られただけでうっかり好きになったりするんだからな。マジで気をつけろ。」

めぐみん「……………私は以前、あなたにちゃんと言いましたよ。私はカズマの事好きですよ、って。」

 

 カズマはそんな風に挙動不審気味にそう言う。

 めぐみんはそんな風に言う。

 カズマは凄く動揺していた。

 カズマの人生に、こんな出来事は一度も無いからだ。

 めぐみんがカズマの体を抱きしめる中、カズマは必死に考えていた。

 すると、めぐみんの目に涙がある事に気付いた。

 

カズマ「お、おい。お前無理して無いか?なんで泣いてるんだよ?」

めぐみん「あっ!ち、違います、これは……………。」

カズマ「……………そういや今夜は、どうして急に訪ねてきたんだ?」

 

 カズマがそう指摘すると、めぐみんは慌てた様に身を起こし、目尻の涙を指で拭う。

 カズマはそんな風に聞く。

 めぐみんは話を始める。

 

めぐみん「あれは、まだ私がこめっこ位の歳の頃……………紅魔の里の邪神の封印。ある日私が、それを解いたのがきっかけでした。」

 

 めぐみんはそう言う。

 かつて、幼いめぐみんがおもちゃで遊ぶ感覚で邪神ウォルバクの封印を解いた。

 突如として、漆黒の巨大な魔獣が現れた。

 それは、力を封じられる前のちょむすけであり、襲いかかってきた。

 その時、ウォルバクが幼いめぐみんを救った。

 その時にウォルバクが使った爆裂魔法が鮮烈に見え、めぐみんはウォルバクから爆裂魔法を教わった。

 長い年月が過ぎ、めぐみんは爆裂魔法を習得して、あの時に助けてもらったお礼を言う為、爆裂魔法を習得できた事を報告する為、ウォルバクを探す事に決めて、旅に出た。  

 だが……………。

 

めぐみん「……………こんな形で会う事になるなんて、思わないですよ……………。恩知らずな形になるなんて……………。」

 

 めぐみんはそんな風に呟く。

 すると、カズマが口を開く。

 

カズマ「……………俺は、自分の国にいた頃、引きこもりのニートをやってたって言ったっけ?」

めぐみん「ええ、それはまあ何度か聞いた事がありますが。それが……………。」

 

 カズマはそう言うと、めぐみんは首を傾げながらそう言う。

 そこから、カズマは口を開く。

 学校をどんな感じにサボっていったのかを。

 引きこもりになっていったのかを。

 そんな話をし終えると、カズマは口を開く。

 

カズマ「お前は自分の事を恩知らずだのと言っているけど、最初にウォルバクの封印を解いてやったのもお前なんだろ?そして、ウォルバクの半身がお前を襲って、そこを助けられて魔法を教わったと。それ、マッチポンプっていうんだぞ。俺の知り合いのチンピラ冒険者がよくやるやつだ。」

 

 カズマはそう言うと、めぐみんはきょとんとする。

 

カズマ「封印を解いてくれた恩人であるお前に、突然襲いかかった半身を止める。それは当たり前な事だし、恩に着る必要もない。………お前、そんな事で悩まされた日には、俺なんてどんな顔して親に会えば良いんだよ。だからまあ……………その、何だ……………何なの?俺なりに慰めようとしてるのに、何で笑ってんの?」

 

 カズマはそんな風に言う。

 すると、めぐみんは堪えきれずに笑いかけて、カズマはそう聞く。

 めぐみんは口を開く。

 

めぐみん「すいません、バカにしている訳ではないんです。ただ、こんな息子を持った親御さんが気の毒だなと思ったのと、真面目な顔でおかしな慰め方をするカズマがおかしくて。」

カズマ「慣れない事して悪かったな!」

 

 めぐみんはそんな風に言うと、カズマはそんな風に言って不貞腐れる。

 すると、めぐみんは口を開く。

 

めぐみん「……………そうですね。私としては、師匠が本当に生きててくれて、本当に良かったです。」

 

 めぐみんはそう言うと、再び泣き出してしまう。

 カズマはそれを見て、少し動揺するが、すぐにめぐみんの頭を撫でる。

 その頃、俺たちは外からその様子を見ていた。

 

トウカ「めぐみん……………。」

白夜「あいつなりに、そんな風に考えていた訳だな。」

朱翼「ですね。」

武劉「……………お前ら、そっとしておくぞ。」

湊翔「ああ。」

 

 トウカ達がそう言う中、武劉はそう言うと、俺たちは気づかれない様に離れる。

 しばらくすると、めぐみんは口を開く。

 

めぐみん「カズマ、こんな話を聞いてくれてありがとうございます。」

カズマ「まあ、お前の狂いはじめた話を聞けるのは、この世で俺だけだからな。」

めぐみん「何ですと?」

 

 めぐみんはそんなふうにお礼を言うと、カズマはそう言って、めぐみんはカズマに怒りながらそう言う。

 すると、めぐみんは口を開く。

 

めぐみん「……………それじゃあ、そんな狂った女を彼女にしてみませんか?」

 

 めぐみんはそんな事を普通に言う。

 それを聞いたカズマは。

 

カズマ「お前、何言っちゃってんの!結構しんみりするシーンだったよね!なんでここでラブストーリーが始まってるんだよ!そんなシーンになるなら、先に確定申告しとけよ!」

めぐみん「そんなの、告白でもなんでもないじゃないですか!まったく情けない男ですね!」

カズマ「ああ!そうだよ!俺は力も特別な力もなくて弱い、こうゆう場面は苦手なクズで、情けない男だよ!」

 

 カズマがそう叫ぶのを皮切りに、2人はそんな風に叫ぶ。

 すると、めぐみんが口を開く。

 

めぐみん「でも、爆裂魔法しか打てなくて、打った後に私をいつでも絶対に1番に助けてくれて、昔、ベルディアとの戦いで小型バックルしか持ってない私に、ブーストバックルを簡単に渡してくれたり、昨日だって、私と師匠の為にコマンドツインバックルを貸してくれたりする人のそんな所が私がカズマを1番好きになった所ですよ!」

 

 めぐみんはそんな風に言う。

 それも良い笑顔で。

 それを聞いたカズマは、照れ臭そうにする。

 すると、めぐみんが口を開く。

 

めぐみん「それで、どうしますか?可愛い美少女が、師匠との対決で傷つき、悲しんでいる所を慰めて、ベタ惚れしているのをゲットするチャンスですよ?」

 

 めぐみんは少しだけ、揶揄うような感じで、カズマにそう言う。

 それを聞いたカズマは、少し考えて、口を開く。

 

カズマ「……………ごめん、正直このままOKして、彼氏と彼女の関係になりたいし、爆裂散歩や一緒に仮面ライダーとして戦ってきて、大切な存在になってるけど、正直まだ、そんな関係になるイメージが湧かないというか、なんというか、こんな師匠の事で弱っている隙をついてそんな関係になるのは、駄目なんじゃないかと思ってる情けない自分がいるんだ。」

 

 カズマはそんな風に言う。

 カズマとしても、考えた末に出した答えだった。

 それを聞いためぐみんは。

 

めぐみん「まったく、相変わらず情けないですね!こんな場面でヘタれるなんて!ですが、本当に色々考えてくれてありがとうございます。

分かりました!では、暫くは友達以上恋人未満の関係でいましょう!これなら、いつでも私に手を出せて、正式な恋人にもなれますよ!」

カズマ「あ、ああ。」

 

 めぐみんは呆れながらそう言うも、そんなふうに提案する。

 それを聞いたカズマは、そんな風に答える。

 話をしようとすると。

 

アクア「カズマ〜!めぐみん〜!ご飯を食べましょうよ〜!」

 

 アクアがそんな風に言いながら部屋に入ってくる。

 そして、俺たちはアクアに対して言う。

 

湊翔「おい!カズマとめぐみんは今、大事な話をしてるって言っただろ!?」

トウカ「邪魔しないであげてよ。」

アクア「だって絶対カズマの事だからめぐみんにロクでもない事すると思ったから止めなきゃと思ったもん!」

カズマ「……………結局、こうなんのかよ、クソッタレ!!」

 

 俺とトウカがそう言うと、アクアはそう言い、カズマはそう叫ぶ。

 カズマとアクアの喧嘩を見ていためぐみんは、ある事を思い出していた。

 

白夜『そういや、気になったんだけどさ、お前って好きな女性のタイプって何なんだ?』

カズマ『タイプ?そうだな……………。強いて言えば、ロングのストレートで胸が大きくて俺の事を甘やかしてくれる人かな。』

湊翔『そうなんだな。』

 

 それは、砦に向かう際、俺、白夜、カズマが話した事だった。

 それを思い出すと。

 

めぐみん(……………髪、伸ばしましょう。)

 

 めぐみんはそんな風に思うのだった。

 その後、俺はのんびりしていた。

 すると。

 

トウカ「湊翔、居る?部屋に入って良い?」

湊翔「ああ、良いぞ。」

 

 そんなふうに声をかけられたので、俺はそう答える。

 すると、トウカだけでなく、ゆんゆんとリアの3人も入ってくる。

 

湊翔「あれ?3人とも、どうしたん?」

トウカ「実はね…………私たち、君の事が好きなの。」

湊翔「………………え?」

 

 俺は3人が入ってきた事が気になりながらもそう聞くと、トウカはそう答える。

 俺は唖然となる。

 

湊翔「ちょっ…………ちょっと待ってくれ。えっ?嘘だろ?」

ゆんゆん「嘘じゃないですよ!」

リア「ああ。君が好きなんだ。」

湊翔「………………マジか。」

 

 俺が混乱しながらそう聞くと、ゆんゆんとリアの2人はそう答える。

 俺は本当に困惑する。

 これまでの人生で、女の子に好かれるというのが経験した事が無かったのだから。

 それも、3人も。

 

湊翔「……………ちょっと待ってくれないか?3人も告白してきて、ちょっと気持ちの整理がしたくて。」

トウカ「そうだよね。私たちは待ってるから。」

 

 俺はそんな風に答えるしか無かった。

 どうやって答えたら良いのかなんて、分からない。

 トウカ達も理解してくれたのか、待ってくれる事になった。

 その一方で、天界側は。

 

拓巳「大丈夫か?ウォルバク。」

ウォルバク「………………ええ。」

 

 拓巳はウォルバクに話しかけていた。

 ウォルバクはそう答える。

 ウォルバクは天界側に保護されていたのだ。

 ウォルバクは、拓巳に話しかけた。

 

ウォルバク「……………それで、何で私を助けたの?あなた達からしたら、敵でしょう?」

拓巳「まあ、助けたのには理由がある。」

ウォルバク「理由?」

拓巳「ああ。ゼウスから、お前がアクシズ教徒によって、邪神認定されたって話を聞いたからな。」

 

 ウォルバクがそう聞くと、拓実はそう答える。

 それを聞いたウォルバクがそう聞くと、拓巳はそう答えた。

 ウォルバクはアクシズ教によって、邪神認定されたのだ。

 

ウォルバク「そうね。」

拓巳「ゼウスから、あんたの人柄は聞いた。ものすごく真面目で、常識的だって。だからこそ、アンタを死なせるには惜しいと思ったんだ。だから助けたんだ。」

ウォルバク「………………っ!そう。」

 

 ウォルバクが頷くと、拓巳はそんな風に言う。

 それを聞いて、ウォルバクは顔を赤くする。

 すると、ゼウスがやってきた。

 

ゼウス「話は済んだかな?」

ウォルバク「ゼウス……………。」

ゼウス「そういう事でな。私たちに協力してくれないか?」

ウォルバク「協力?」

ゼウス「ああ。君を女神に戻すように手配をしよう。どうだ?」

 

 ゼウスがやってくると、ゼウスはそう提案する。

 それを聞いたウォルバクは。

 

ウォルバク「……………良いわ。協力してあげる。拓巳が必要としてくれてるみたいだしね。」

拓巳「ああ。よろしく頼む。」

ウォルバク「ええ。」

 

 ウォルバクはそう言い、拓巳と握手をする。

 ウォルバクが、協力関係になった。

 その頃、ハンドレッドは。

 

???「…………時は来た。今こそ、あの世界を我らの手中に収める。行け!」

???「はっ!お任せを。」

 

 そんな風に、ハンドレッドが動き出そうとしていた。




今回はここまでです。
今回は、後日談的な感じの話で、少し短めです。
そして、カズマとめぐみん、湊翔とトウカとゆんゆんとリアのやり取りとウォルバクの扱いに関してです。
カズマとめぐみんは、仲間以上恋人未満になるのに対して、湊翔は気持ちの整理から。
3人から告白されましたしね。
果たして、湊翔はどうなるのか。
そして、いよいよ動き出すハンドレッド。
果たして、どうなるのか。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今後の展開でリクエストがあれば、活動報告から承っております。
賢者の孫とガッチャードでまもなく、最強ケミー☆ガッチャ大作戦の話が始まるので、リクエストがあれば受け付けています。
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