この白狐の戦士に祝福を   作:仮面大佐

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第122話 エルロードでの観光

 俺たちは、エルロードに到着した。

 エルロードは、カジノ大国と呼ばれている国であり、人で賑わっていた。

 ちなみに、シエロの実家があるのも、ここエルロードらしい。

 

アクア「ねえカズマ、アクセルのお祭りレベルに人が居るんですけど!一体、どこからこれだけの人が集まってきたのかしら!」

湊翔「おい、アクア。今回はあくまでお忍びなんだぞ。あんまり注目を集める様な真似はやめろ。」

トウカ「すでに手遅れっぽいけどね…………。」

 

 アクアがそう言う中、俺はそう言うが、トウカはそう呟く。

 何せ、既に周囲の人たちからクスクスという笑い声が聞こえてきたのだから。

 田舎者だとか思われているのだろう。

 すると、カズマが口を開く。

 

カズマ「これは王都を賑わっている様に見せつけるための広報戦略だな。ほら、あそこの角を曲がっていった人が居るだろ?あいつ、きっとぐるっと回ってまたここに来るぞ。つまりはサクラだ。こいつらきっと意味もなく歩いているだけの雇われ人だ。」

アクア「カズマさんってば、流石の洞察力ね。私も何かおかしいとは思っていたのよ。だってこれじゃあ、私たちが拠点としているアクセルが田舎になっちゃうもの。」

白夜「お前らは何を言ってるんだ。」

朱翼「さあ……………?」

武劉「バカな事を言ってるんじゃない。」

 

 カズマとアクアがそう言う中、白夜達は呆れ気味にそう言う。 

 確かに、あるかもしれないけどさ。

 宿に到着すると、ダクネスが口を開く。

 

ダクネス「さあ、ここが手配していた宿だ。皆。まずは部屋に行き荷物を置いてくるといいだろう。アイリス様と王子との顔合わせは明日になる。今日はゆっくりと観光でもして旅の疲れを癒すとしよう。」

アイリス「私は、明日の会談に向けての準備があります。私は宿で休んでいるので、皆さんはどうか観光をしてきて下さい。」

 

 ダクネスがそう言うと、アイリスは自分の分の荷物を手に取り、そう言う。

 すると、ダクネスが口を開く。

 

ダクネス「アイリス様、ここに来る事を楽しみにしておられたのでは?私たちは護衛です。アイリス様が残るというのであれば…………。」

アイリス「だ、ダメです!皆さんはちゃんと体を休めてください。せっかくのカジノの国なのですから、宿に留まられては私が安心して休めません!」

 

 ダクネスはそんな風に言うが、アイリスはそう言う。

 アイリスって、周りへの気配りをするタイプだから、俺たちが居たら休めないだろうな。

 

トウカ「ダクネス。アイリス様もそう言ってるんだし、私たちも羽を伸ばそう。」

ダクネス「う……………わ、分かった…………。」

 

 トウカはそう言うと、ダクネスは納得していない様な表情を浮かべつつも、頷いた。

 アイリスはそう言って休む事に。

 俺達は部屋に荷物を置いて、カズマ、アクア、めぐみん、ダクネスのチーム、白夜と朱翼のコンビ、俺とトウカのコンビ、武劉は単独で観光する事に。

 部屋に荷物を置いている間、めぐみんとカズマは話をする。

 

めぐみん「それじゃあ、一緒に行きましょうかか。」

カズマ「おい、そんな堂々とするのかよ。」

めぐみん「良いじゃないですか。付き合っているのですから。」

 

 2人はそんな風に話す。

 この時の2人は気づいていなかった。

 

アイリス「えっ……………!?」

 

 その話をアイリスが聞いていた事に。

 そうして、俺たちはそれぞれで別行動をする。

 

トウカ「それじゃ、行こっか。」

湊翔「あぁ。それじゃあ、どこに行こうか?」

 

 俺達は2人で観光をする事になった。

 途中、トウカがナンパされかけたが、トウカが俺の腕に自分の腕を絡ませて、『ごめんなさい。私、この人と一緒に観光するから。』と言ってナンパ師を退けた。

 

トウカ「まったく、私をナンパするなんていい度胸じゃない。」

湊翔「だからって、民間人に剣を向けるのはどうかと思うんだけど……。」

 

 トウカが呆れ気味にそう言う中、俺はそう呟く。

 そう、トウカはしつこいナンパ師に対しては、ソードエクスカリバーを向けて脅したのだ。

 その影響もあって、トウカをナンパする人は居なくなったが。

 

トウカ「まあいいじゃない。それよりさ、手を繋いでくれない?」

湊翔「良いけど……。」

 

 俺はトウカと俗に言う、恋人繋ぎをした。

 あれ、やばい。

 すっげぇドキドキする。

 周囲から少し噂されている。

 男性からは俺を妬む声、女性からはトウカを羨む声が聞こえてきた。

 すると。

 

カズマ「俺のターン!俺のターン!ずっとずっと俺のターン!」

湊翔「ん?カズマ?」

 

 そんな声が聞こえてきて、そちらに向かう。

 すると、対戦相手を泣かしていたカズマを見つけた。

 

湊翔「カズマ?何やってんだ?」

カズマ「湊翔か!実はな、このカードゲームがここにもあったから、やってるんだよ!」

トウカ「へぇ……………。」

 

 俺がそう聞くと、カズマはホクホク顔でそう言う。

 ちらりとデッキを見ると、あるデッキを使っているのが分かった。

 それは、日本では禁じ手とされているデッキだったのだ。

 恐らく、転生者辺りが広めたのだろう。

 対戦者、可哀想。

 カズマが対戦者に話しかけるが、対戦者はお金を置くとそのまま泣き顔で去っていく。

 エルロードは、ゲーム一つをとっても、賭け事がついて回るらしい。

 カズマが嬉々として対戦者を求める中、俺とトウカは苦笑しながらその場を去る。

 その後、レストランにて食事をすることにした。

 すると、ある会話が聞こえてくる。

 

男性「いやあ、今日も儲かった、儲かった!エルロードに乾杯だ!」

男性「全くだ!これだけ景気が良いと何やっても上手くいく!国王陛下が長期間他国に出向く事になると聞いた時は心配したもんだが、なかなかどうしてあの王子もやるじゃないか。」

男性「まったくだ。ずっとバカ王子とか言われてたのになあ。」

 

 そんな会話が聞こえてくる。

 俺とトウカは、小声で話をする。

 

湊翔「なあ、エルロードは財政難とか言ってなかったか?」

トウカ「ええ。ダクネスの話だと、財政難って話を聞いたんだけど……………。」

 

 俺とトウカはそう話す。

 ダクネス曰く、エルロードが財政難の為、攻勢に出る為の資金や防衛費の支援自体を止めたいと言い出した。

 その交渉の為に、アイリスが使者として向かう事にしたそうだ。

 そんな風に話す中、男達は話を続ける。

 

男性「でもよ、これだけ景気が良いのも、全部宰相様が取り仕切ってるかららしいぜ。例のバカ王子にも政治に関する決定権はあるそうなんだが、殆ど何もせずに遊んでると聞いた。」

男性「それじゃあ、エルロードに乾杯じゃなく、宰相殿に乾杯だ!」

「「「おお、宰相殿に、乾杯!!」」」

 

 男性達はそう話す。

 それを聞いて、俺とトウカは顔を見合わせる。

 エルロードの政治を仕切っているのは、宰相とやららしい。

 なんかきな臭いな。

 その後、ゆんゆんとリアへのお土産を買い、時間を潰して、夕方にカズマ達と合流した。

 

めぐみん「あ、湊翔達も帰ってきましたか。」

 

 カズマ達と合流したのだが、様子がおかしい。

 アクアは体育座りをしながら開き直った様にそっぽを向いており、ダクネスは満足げな顔でホコホコと湯気を上げていて、めぐみんもどこかスッキリ気味だった。

 どうやら、めぐみん達はナンパされていた様だが、その男達も1人は煤けた表情でじっと動かず、もう1人は何かトラウマでも植え付けられたのか、ボソボソと膝を抱えて震えながら呟いていた。

 

白夜「おい、お前ら何があった?」

めぐみん「……………ええと、まず最初にここに居ない方がですね。私たちがここに着いたばかりだと言う事を聞きまして、旅の疲れを癒す為、高級保養施設があるからまずはそこで、皆でゆっくりしようと言い出しまして。」

朱翼「……………それで?」

ダクネス「それで、保養施設とやらに案内されたのだが、なんとそこには私が大好きな砂風呂があってな。砂風呂というのは、YUKATAという服を着て地に寝そべり、熱した砂で埋めてもらうという素敵な物なのだが……………。その男が何を思ったのか、私の後にホイホイと付いてきたのだ。そして、『よーし、俺、ダクネスちゃんより長く残って、根性あるかっこいいとこ見せちゃうぞー』とか言い出したので、私もついつい本気になり…………。」

めぐみん「気がつけば、その人は瀕死になっていたそうでして。それに気づいた従業員の人に、病院に連れて行かれました。」

トウカ「よりにもよって、ダクネスに我慢くらべを挑んじゃったのね……………。」

 

 白夜がそう聞くと、めぐみんとダクネスはそう説明する。

 ダクネスって、耐久力あるからな。

 なんで挑んだんだろうか。

 すると、次はめぐみんが口を開く。

 

めぐみん「……………その、ですね。その方が皆をとっておきの場所に案内するよとか言い出しまして。連れて行かれたところが街から離れた場所にある川だったんですよ。…………で、その男の人が、『どうだい見てごらん、この町で有名な観光名所、カモネギの養殖所だよ。可愛いだろう』とか言って、なんとカモネギの群れを自慢げに見せびらかしてきまして。知っての通り、カモネギは高い経験値を得られるモンスターです。そんなのが居たら、爆裂魔法で一掃するしかないじゃないですか。…………そうしたら、その人がショックを受けたらしく、ずっとこのままで……………。」

武劉「お前……………。」

湊翔「やりやがったな……………。」

 

 めぐみんはそんな風に説明して、俺と武劉はそう呟く。

 カモネギの群れを爆殺されて、落ち込んでるのか。

 俺は、自分は何も悪くないと言わんがばかりの態度のアクアを見ながら、口を開く。

 

湊翔「……………それで、アクアは何をやったんだ?」

男性「この姉ちゃんは、この街1番の高級店でたらふく酒を飲んで酔っ払ったと思ったら、『私の超凄い芸を見せてあげるわ!』とか言い出して、店の高級な調度品を勝手に使って芸を始めたんだ。いや、そりゃ確かに凄かったさ。凄かったんだよ。でもさ、本当にタネも仕掛けもない芸だったなんて、誰も思わないじゃないか!なあ、ハンカチに包まれて消えたグランドピアノだのはどこ行ったんだ!?大きさ的にもハンカチに収まるはずがないんだよ!」

 

 俺がそう聞くと、男性のうちの1人がそう叫ぶ。

 マジかよ。

 というより、アクアって時折、変な能力を使うよな。

 ダイナマイトもどきを小さくしたり。

 

男性「それで、その高級店から芸に使った調度品やピアノの請求が来てさ…………。あと、カモネギ養殖所からも…………。全額とは言わないから、弁償金の半額だけでもってこの人たちにずっとお願いしてるんだけど……………ああっ!おい待ってくれ!このままじゃ親に叱られんだって!せめて三分の一だけでも…………!」

 

 男性がそんな風に言うと、カズマ達は耳を塞いで、その場から走って去っていく。

 逃げやがった。

 流石に可哀想だったので、弁償金の三分の一を俺たちが払う事に。

 

湊翔「……………ナンパするなら、相手をしっかりと見た方がいいぞ。」

男性「はい。本当に身に沁みました。ナンパなんてやめます。」

 

 俺がそう言うと、男性は身に沁みたのか、ナンパはしないと宣言した。

 俺達が宿に戻ると、アイリスが出迎えてくれた。

 

アイリス「エルロードはどうでした?皆さん、羽は伸ばせましたか?」

湊翔「あぁ。アルカンレティアよりも遥かにマシだな。」

アクア「ちょっと湊翔。あんた、後で覚えてなさいよ。」

白夜「色々と楽しめたな。」

朱翼「色々と新鮮でした。」

武劉「ああ。」

 

 アイリスがそう聞いてくると、俺たちはそう答える。

 まあ、最後のやつがなければな。

 その後、俺達は休む事になった。

 ちなみに、その前に白夜と武劉によって、アクアとめぐみんはしこたま怒られた。

 ダクネスに関しては、相手の自爆なので、ノータッチだ。

 だが、ニラムから言われていた事がある。

 それは、レインとダクネスがカズマを寝かせようとする事だ。

 気持ちは分かるが、そんなにする事か?

 一応、トウカにも伝えてあり、部屋でのんびりしていると。

 

カズマ「こいやオラァ!」

ダクネス「お、お前!」

カズマ「おっ、どうしたどうした?やっぱり口だけかよお嬢様!そりゃそうだよな、日頃散々俺の事をヘタレだの何だの言ってるが、頰にキス一つしただけで照れるお嬢様だもんな!」

ダクネス「上等だ、貴様の様な平民にこれ以上舐められてたまるか!言った事はちゃんと守る、体で労ってやろうではないか!」

 

 と、カズマとダクネスの叫び声が聞こえてきた。

 マジでうるせぇな。

 この宿にはアイリスもいるんだぞ。

 うるさいと文句を言いに行く。

 途中、めぐみんとトウカとも合流して、部屋に突入する。

 

めぐみん「さっきからバタバタと喧しいですよ!一体何をやってるんですかあなた方は!」

湊翔「近所迷惑だからやめろ!」

カズマ「湊翔、トウカ、めぐみん助けて、犯される!」

ダクネス「ああっ、お、お前!?」

 

 俺たちがそんな風に叫びながら入ると、ダクネスはあまりにも露出の激しいネグリジェを着用して、カズマにのしかかっていた。

 カズマはそんな風に叫んだ。

 その後、めぐみんが口を開く。

 

めぐみん「まったく、一体何を考えているんですかダクネスは。この宿にはアイリスだっているんですよ?せめてそういう事は家に帰ってからして下さい。」

ダクネス「ち、違うんだめぐみん!こ、これはだな!」

 

 めぐみんがそんな風に言う中、ダクネスはそんな風に言う。

 すると、カズマが口を開く。

 

カズマ「何が違うんだよ。俺に薬まで盛ろうとした癖に。グラスに眠り薬でも塗ってあるんだろ?そんな事してないと言うつもりなら、お前が持ってきたグラスで酒を飲んでみろよ。薬で眠りに就かせた後、俺の体に悪戯するつもりだったんだろ?お前には前科があるからな。」

ダクネス「ちちちち、違…………!そうではなくて、これにはちゃんとした理由が…………!」

 

 カズマがそんな風に言うと、ダクネスはそう慌てる。

 なるほどな。

 そんな風に薬を盛るつもりだったのか。

 すると、トウカが口を開く。

 

トウカ「何が違うのよ。そんなに露出度が激しいネグリジェを着ているのに。本当の事を言いなさいよ。」

 

 トウカは呆れ気味にそう言う。

 今のダクネスはネグリジェ姿なので、説得力が無いのだ。

 

ダクネス「これはその!……………うう、これは…………明日の顔合わせでおかしな事をされては堪らないので、カズマに薬を盛ってしばらくの間眠らせようと思ったのだが……………娯楽大国であるこの国で眠ったままだというのも少しだけ可哀想な気がしたので……………。」

めぐみん「なるほど、せめてものサービスとしてその格好をしたというわけですか。どうせあわよくばそのままいっそ…………!と少しだけ期待していたのでしょう。まったく、本当にいやらしい貴族令嬢ですね!」

トウカ「私のあの純粋だった親友はどこに行ったのかしら……………。」

 

 ダクネスはそんな風に言うと、めぐみんはそう言い、トウカはそんな風に嘆いた。

 まあ、分からんでもないが。

 親友がそんな大胆な事をするとは思わなかったんだろうし。

 その後、ダクネスはカズマにダスティネス家のペンダントを渡した。

 一応は信用したのだろうな。

 そうして、俺たちは寝る事にした。

 色々と不安な点はあるのだが。

 カズマがやらかさないか、その宰相という人物だったり。




今回はここまでです。
今回は、エルロードの観光の話です。
そんな中、宰相の存在を聞いて、嫌な予感をする湊翔。
そして、ナンパ達がアクア達によって返り討ちに遭っていた。
アクア達の性格を見抜けなかったが故に。
ダクネスの夜這いに関しても、失敗に終わりました。
次回は、交渉を開始する感じです。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
アウトサイダーズでジーンゲイザーが登場しましたが、このすばとギーツでも、出そうかなと考えています。
ジーンゲイザーをどのタイミングに出して欲しいというのがあれば、リクエストを受け付けています。
場合によっては、ケケラ、キューン、アーン、クロスの4人もゲイザーみたいな状態にさせようかなと思います。
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