ウィズがデュークの言葉を勘違いして、起こった告白騒動。
それから数日が経過した。
ウィズ「わぁぁぁん!酷いです!あんまりですぅぅぅぅぅ!」
魔道具店の中には、さめざめと泣き続けるウィズの姿と、必死に笑いを堪えているバニルの姿があった。
このところ、バニルは実に艶々としていた。
湊翔「バニルの奴、生き生きしてんな。」
トウカ「ウィズから出てくる悔しさの悪感情でご満悦なんでしょ?」
朱翼「これはなんというか…………。」
武劉「哀れだな。」
白夜「……………。」
俺たちはそう話す。
いくらなんでも、傷口に塩を塗りすぎなのではとは思うからな。
すると、アクアがウィズに話しかける。
アクア「ほら、ウィズ。ウチで採れたお野菜分けてあげるから、元気出して?大丈夫、あんたは根は良い子なんだから、きっと良い人現れるわよ。」
ウィズ「うっ、うっ、アクア様…………。本当ですか?このままどんどん時間だけが経っていくだけなんじゃあ……………。」
アクアはそう言うと、庭で採れた野菜をウィズに渡す。
カウンターに突っ伏していたウィズがアクアの方を見ながらそう言うと。
アクア「時間が経っても大丈夫よ。だって、そもそもあんたは不老不死じゃない。つまりは、老化を恐れて妥協する必要がないの。これはとっても大きいわよ?」
トウカ「そんな適当な慰めで…………。」
アクアはそんな風に言う。
あまりにも適当すぎるだろ。
トウカがそう苦言を呈そうとすると。
ウィズ「そ、そうですよね!私は歳を取りませんからね!焦る必要もなければ、妥協する必要もなかったんですよね!」
湊翔「あっ。意外とどうにかなった。」
バニル「老化しないだけで、戸籍上の年齢はちゃんと増え続けているがな。」
アクア「ちょっと、ヘンテコ悪魔!余計な事言わないでよ!ウィズがまた泣き始めたじゃない!」
武劉「容赦ないな……………。」
ウィズは顔を明るくすると、そんな風に言う。
そんなんで良いんかい。
だが、上げて落とすと言わんがばかりにバニルがそう言うと、アクアはそう叫び、武劉はそう呟く。
鬼かよ。
湊翔「それにしても、アクセルの街が最重要攻略拠点になるなんてな。」
トウカ「今の所は大丈夫そうだけど…………。」
武劉「いずれにせよ、警戒するに越した事はないな。」
朱翼「ですね。」
白夜「……………。」
俺たちはそう話す。
それは、デュークが言っていた事だ。
デュークは、俺たちの拠点であるアクセルの街を最重要攻略拠点に据えると言っていた。
今の所は、特に動きはないが、用心するに越した事はないな。
すると。
バニル「ええい!いつまでピーピー泣いているのだ失恋店主め!いい加減泣き止んで、とっとと店番でもするがいい!我輩との約束を果たすのだろう?このままの経営状態では、我がダンジョンを作るのに一体、何百年かかるか分かっているのか?我輩も不死ではあるが、ダンジョンができる前に人類に滅んでしまっては意味がない。」
バニルは悪感情を食べて満足したのか、早く立ち直るように言う。
すると、ウィズは口を開く。
ウィズ「そんな事は、言われなくても分かってますよ…………。どうせ、リッチーなんて存在は、たとえ誰かと結ばれたとしても、いつかは相手に先立たれ、孤独に朽ちていく運命なんです……………。人類が滅んだ後、きっと私はひとりぼっちで…………。」
ウィズは、今回の一件がよっぽどショックだったのか、そんなネガティブ発言をしていた。
まあ、無理もないが。
すると、バニルはため息をつく。
バニル「はぁ…………全く。不老不死は汝だけではない。我々悪魔族も不老であり不死なのだ。いつかダンジョンが完成し、冒険者に討ち取られるその日まで、せめて我輩がかまってやるから、機嫌を直すがいい、我が友人よ。」
バニルはため息を吐くと、そんな風にウィズに言う。
バニルなりの慰め方なのだろう。
すると、ウィズはバニルをチラリと見ると。
ウィズ「…………つまり、ダンジョンがいつまでも完成しなければ、バニルさんはずっと一緒にいてくれるという事ですか?」
バニル「よし、当面の目標としては、貴様から経営権を奪う事だな。いいだろう、あの程度の相手ではさぞかし不完全燃焼だった事だろう。久しぶりに相手をしてくれるわ!」
ウィズがバニルに対してそう言うと、バニルはそんな風に言いながら、ウィズの襟首を掴み、店の外へと連れて行こうとする。
ウィズ「待ってください、バニルさん!今のはちょっと言ってみただけです!すいません、ごめんなさい!私、頑張ります!頑張りますから許して下さい!」
ウィズは泣き声でそんな風に叫んだ。
すると。
白夜「いや、バニル。ちょっと、ウィズと話があるから、待ってくれ。」
バニル「何?……………そうか。まあ、その方が早く立ち直れるやもしれぬからな。行ってくるがいい!」
白夜「おう。ウィズ、朱翼。話がある。来てくれ。」
朱翼「えっ?ええ…………。」
ウィズ「は、はい…………。」
白夜は、ウィズを連れて行こうとするバニルに待ったをかけて、朱翼とウィズと共にどこかへと向かう。
めぐみん「どうしたんでしょうか?白夜は。」
ダクネス「さぁ…………?」
アクア「何かありそうね。ついていきましょうか!」
湊翔「待て。あいつらの問題だ。第三者が首を突っ込む事じゃない。」
カズマ「お前、白夜の用事が分かってるのか?」
湊翔「まぁ…………な。」
めぐみんとダクネスがそう話す中、アクアは野次馬根性を見せたのか、ついて行こうとするが、俺はすぐに止める。
水を差すわけにはいかないからな。
カズマがそう聞くと、俺はそう答える。
白夜はウィズと朱翼を連れて、人気がない場所に着いた。
ウィズ「あ、あの…………こんな所で話というのは?」
朱翼「……………。」
ウィズが困惑する中、朱翼は顔を赤くしていた。
そんな中、白夜はずっと黙っていたが、頭を掻きむしると、口を開く。
白夜「……………ダメだ。特にこれだと言う言葉が浮かばねぇ。……………2人に伝えたい事があるんだ。」
ウィズ「伝えたい事…………ですか?」
朱翼「……………。」
白夜「…………俺は、2人のことが好きだ。」
白夜は何かを考えていたようだが、そんな風に言う。
ウィズがそう聞く中、白夜は2人に対して、そう言う。
ウィズ「えぇぇぇぇ!?」
朱翼「っ!」
白夜「ウィズに関しては、傷心中な所を付け込むような感じがして申し訳ないが、これが俺の気持ちだ。俺……………あのデュークって奴にウィズが気を向けたり、朱翼がデュークに逆ナンを仕掛けると聞いてから、ずっとモヤモヤしてたんだ。色々と考えてみたが…………湊翔に教えて貰ったさ。2人の事が好きだってな。」
ウィズが驚く中、朱翼は半ば予想していたのか、顔を赤くしつつも、動揺していなかった。
白夜「…………それで、どっちを選ぶかを考えたけど…………俺としては、片方を泣かせるのは気が進まなくてな。だから…………その…………。」
白夜はそんな風に顔を赤くしながら語っていく。
すると、ウィズが口を開く。
ウィズ「本当にいいんですか…………?私、リッチーなんですよ?アクア様が敵意を向けるアンデッドで、魔王軍幹部の1人なんですよ?それに……………白夜さんとは、一緒にいられるわけじゃないんですよ?」
白夜「そんな事、言わないでくれ。俺はウィズという1人の女性に惚れたんだ。だから…………その…………そんな自分を卑下するような事を言わないでくれ。」
ウィズはそんな風に聞くと、白夜はそう答える。
すると。
朱翼「いいじゃないですか。ウィズさん。」
ウィズ「朱翼さん…………?」
朱翼「私も、白夜の事が好きだし、ウィズさんの事も好き。それに…………この世界は一夫多妻でも問題ないんですから。」
ウィズ「……………い、いいんですか?」
白夜「ああ。」
朱翼は、ウィズの背中を押すようにそう言う。
それを聞いたウィズはそんな風に聞くと、白夜はそう答える。
ウィズ「……………こ、こちらこそ、よろしくお願いします。」
朱翼「私も、よろしくお願いします。」
白夜「ああ。」
ウィズと朱翼は白夜にそう言い、白夜はそう答える。
こうして、白夜、ウィズ、朱翼の3人は付き合う事になったのだった。
その後、ウィズは機嫌を直したのか、仕事へと戻って、白夜と朱翼は、俺たちの元へと戻った。
湊翔「よぉ。話はついたか?」
白夜「ああ。ありがとうな。」
湊翔「気にすんなって。」
俺と白夜はそう話す。
どうやら、その様子だと、うまく行ったみたいだな。
朱翼「私…………白夜と付き合えた。」
トウカ「よかったわね。」
朱翼とトウカは、そんな風に話していた。
すると。
アクア「何?なんの話なの?」
武劉「まあまあ。部外者は口を突っ込まない方がいい。」
アクアは空気を読まずにそう聞こうとすると、武劉はそう言う。
俺たちは、一緒に途中で買い食いをしたりして、ゆっくりと屋敷に帰っていく。
すると、めぐみんが口を開く。
めぐみん「…………結婚ですか。ダクネスは貴族の家の一人娘なのですから、こういった事は他人事ではないでしょう?」
めぐみんがそう呟くと、ダクネスは挙動不審気味な態度を取り、カズマの方をチラチラと見ながら口を開く。
ダクネス「わ、私はお父様が理解がある方だから、その辺はまあ、他の貴族よりは自由になるというか…………。しかし、年齢的にそろそろ考えなくてはならないな。まあ、年齢の事を言ったら、一番はアクアが…………。」
アクア「ねえ、皆。最近知った面白い話を教えてあげるわ。あのね、ダクネスの部屋にはね。私たちの日々を綴った、微笑ましい日記があるの。でも、本題はそれじゃなく、日記の置いてある場所の下には、変な仕掛けがしてあって、そこにはダクネスの妄想を綴った…………。」
ダクネス「アクア、ちょっとこっちに来るんだ!しっかり鍵はかけてるのに、いつの間に部屋に入った!?一体どこまで知っている!?」
ダクネスは、カズマの方をチラチラと見ながらそう言うと、アクアはそう言う。
ダクネスは、アクアを連行していった。
相変わらずだな。
すると、トウカが口を開く。
トウカ「ねぇ、湊翔は、私とゆんゆんとリアも含めて、子供はどれくらい欲しいの?」
湊翔「えっ!?」
トウカは小声でそんな風に聞いてくる。
俺は驚いた。
湊翔「なっ!?いきなり何を…………!?」
トウカ「私、分かってるんだから。バニルからエチケットアイテムを色々買ったって。」
湊翔「えっ?」
俺がそう聞くと、トウカはそう聞いてくる。
見抜いてたのかよ…………!?
すると。
トウカ「私たちの体を気遣ってくれたんだよね?まだ早いかもだけど…………その時が来たら頑張るよ……………。」
トウカはそんな風に言う。
かわいい。
カズマとめぐみんが何かを話している中、屋敷に着くと、玄関先に大仰な手土産を持ったゆんゆんの姿があった。
めぐみん「ゆんゆんではないですか。遊びに来たものの、私たちがいないので待っていたのですか?今日は何して遊びましょうか?今の私は久しぶりに他人の爆裂魔法を見て昂っています。ここは湖に行って、どちらが多く魚を獲れるか勝負でも…………。」
白夜「ていうか、どうしたんだよ?」
めぐみんがそう話しかける中、白夜はそう聞く。
ゆんゆんの様子がおかしいな。
すると。
ゆんゆん「あの、その…………湊翔さんに、お願いが…………。」
湊翔「お願い?」
ゆんゆんはそう言ってきて、俺がそう聞くと、めぐみんは口を開く。
めぐみん「一体どうしたと言うのですか?そんなに真剣な表情を浮かべて…………。」
ゆんゆん「あんたのせいで試練に2回も落ちたから、後がないのよおおおおおおお!!」
めぐみんがそんな風に聞くと、ゆんゆんはそんな風に叫ぶ。
それには、俺たちも困惑していた。
その頃、デザイア神殿では。
ゼウス「……………不穏な動きが確認されている?」
拓巳「ああ。ここ最近、とある2人の仮面ライダーを筆頭に、不良団のような物が構成されつつあり、牛島闘轟からの情報提供によると、ナッジスパロウこと石井樹も不穏な動きを見せている。まだ準備をしているのか、目立った動きはないが…………。」
ギロリ「何だと?」
ゼウスがそう聞くと、拓巳はそう答える。
どうやら、2人の仮面ライダーによって、チンピラの集団が出来つつあり、石井樹の事も聞いていたのだ。
ギロリがそう聞くと、ウォルバクは口を開く。
ウォルバク「これは…………何かあるかもしれないわね。」
ツムリ「いかが致しましょうか?」
ゼウス「…………ひとまずは様子見だ。何が目的なのか分からない以上、不用意には動けない。」
拓巳「……………分かった。それで、凱装武劉には、あれを渡すのか?」
ウォルバクがそう言う中、ツムリがそう聞くと、ゼウスはそう言う。
相手の出方を見て、判断する事にしたのだ。
拓巳がそう聞くと、拓巳の視線の先には、戦闘機の様な見た目のレイズバックルがあった。
ゼウス「……………このレイズバックルか。いずれ、渡す時が来るさ。………………フォルテから受け取った、究極のLBXの力を宿したこれをな。」
ゼウスはそう呟く。
別世界の存在であるフォルテから、そのレイズバックルを受け取っていたのだ。
果たして、そのレイズバックルとは。
その頃、ジーンは。
ジーン「……………湊翔はギーツIXの力を手に入れたか。俺も……………そろそろこれを使う時が近いのかもね。」
ジーンはそう呟く。
その手には、レーザーレイズライザーをヴィジョンドライバーやジリオンドライバーと同じ形状にしたドライバーがあった。
そのドライバーとは…………?
今回はここまでです。
今回は、エピローグ的な感じなので、短めです。
遂に、白夜がウィズと朱翼に告白しました。
そんな中、ゆんゆんが来訪して、ゼウス達とジーンのシーンが映りました。
フォルテから受け取っていたレイズバックル。
実は、描写していませんでしたが、新たなレイズバックルも受け取っています。
それは、武劉が使う事を前提としたレイズバックルです。
そして、ジーンもあるドライバーを手にする。
それは一体。
次回からは、このすばの14巻のエピソードに入ります。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
14巻のエピソードでは、パラサイトゲームをやろうかなと考えてはいますが、どんな感じにやるのかで悩んでいて。
思いついているのは、魔法使いである紅魔族の知識を手に入れるというものですな。
リクエストがあれば、活動報告から承っております。