俺たちが宴会で盛り上がっている中、カズマとめぐみんは。
カズマ「ははははは!見ろよめぐみん!一撃熊が増えてるぞ!」
めぐみん「増えてません、増えてませんよ!カズマ、ひょっとしなくてもかなり飲んでいるのでしょう!」
カズマはそんな風に高笑いをして、めぐみんはそう叫ぶ。
二人は今、それぞれの基本フォームに変身していて、一撃熊に追われていた。
カズマ「飲んではいるけど、酔ってない!だから大丈夫、大丈夫!」
めぐみん「ちっとも大丈夫には見えませんよ!いつものカズマなら、一撃熊に会ったら悲鳴を上げている筈です!」
カズマがそう言う中、めぐみんはそう叫ぶ。
実際、今のカズマはかなり酔っ払っているのか、テンションが上がっていた。
とはいえ、千里眼による暗視と逃走スキルの力で、特に転ぶ事なく逃げていた。
カズマ「ヘイヘイ熊公、ビビってんの⁉︎俺がカズマだ!追いかけてみろよ!」
めぐみん「酔ってますよね!実はめちゃめちゃ酔ってますよね‼︎」
一撃熊「バオオオオオオオオッッ‼︎」
カズマは挑発するようにそう言い、めぐみんがそう叫ぶと、一撃熊は怒ったのか、そんな風に雄叫びをあげる。
すると、カズマはニンジャレイズバックルを操作する。
『
カズマ「オラァァァァァ‼︎」
一撃熊「ブオオオオオオッ⁉︎」
カズマは必殺技を発動すると、分身が2体出現して、ニンジャデュアラーを振るうと、一撃熊はそんな断末魔を出して、倒れる。
めぐみん「今夜のカズマはどうしたんですか⁉︎走ったせいで酔いが更に回ったのですか⁉︎」
カズマ「ふっ。俺を誰だと思ってるんだ?やる時はやるカズマさんだぞ!所詮は獣…………俺の敵ではない様だな。」
めぐみん「その自信が普段からあれば、もっと冒険出来るのですが……………。」
めぐみんは、様子がおかしいカズマに対してそう聞くと、カズマはカッコつけながらそう言う。
それを聞いて、めぐみんは呆れる様にそう言う。
すると、敵感知を使っていたのか、カズマが口を開く。
カズマ「よし、こっちだめぐみん。大物の気配がするぞ。」
めぐみん「大物じゃなくてもいいですよ!一体今夜はどうしたのですか⁉︎酔っているにしてもおかしいですよ!」
カズマ「お前、いつもは大物大好きっ子の癖に。」
めぐみん「そりゃあ、大物大好きですよ!ですが、それは皆がいて、カズマがまともな時での事です!」
カズマがそう言うと、めぐみんはそう叫ぶ。
そんなやりとりをする中、荒い息遣いが聞こえてくる。
すると。
カズマ「おいでなすったな。さあ、次の相手は俺を満足させられる相手かな?」
めぐみん「バカな事言ってないで逃げますよ、カズマ!闇に輝く青い瞳!あれは孤高の狼にして森の覇者、フェンリルですよ!」
カズマはそんな風に言うと、めぐみんはそう叫ぶ。
二人の視線の先には、銀色の巨大な狼の姿があった。
ただ、二人のことを舐めているのか、警戒する様子もなかった。
カズマ「舐められてる様だな。いいぜ、武刃の錆にしてやるよ!」
めぐみん「カズマ⁉︎カズマの妙な自信は本当にどこからやってくるのですか⁉︎」
カズマはそう言うと、ブジンソードバックルを取り出して、めぐみんはそう叫ぶ。
カズマは、デザイアドライバーにブジンソードバックルを装填する。
『
その音声が鳴ると、待機音が流れてきて、カズマは、ブジンソードバックルの刀状のパーツであるバッケントリガーを操作する。
すると、タイクーンのIDコアの上に、狸の絵が浮かび上がる。
『
『
『
その音声が鳴ると、カズマの前に巻物の絵と英語でBUJIN SWORDと書かれたロゴが現れ、それが二つに分かれると、アーマーへと変化して、カズマへと装着され、ブジンソードに変身する。
それを見て、フェンリルも警戒したのか、低い唸り声を出す。
カズマ「ふっ。どうやら、俺の事を警戒している様だな。さあワン公、深夜の舞踏会の始まりだ!俺と一緒に踊ろうか!」
めぐみん「その自信は本当にどこから来るのですか⁉︎フェンリルですよ⁉︎ただでさえ危険な白狼の上位互換に当たるモンスター、ベテラン冒険者でも全滅しかねない大物ですよ!あと、ちょっとかっこいいのが悔しいです!」
カズマはそんな風に言うと、めぐみんはそう叫ぶ。
すると、カズマが武刃を抜刀すると同時に、フェンリルがカズマに襲いかかる。
カズマ「オラァァァァァ‼︎」
カズマはそう叫びながら、武刃を一閃する。
お互いに反対側に着地すると。
めぐみん「何をやってるんですか⁉︎普段のダクネスみたいに外さないでください!」
めぐみんはそう叫ぶ。
実際、お互いにダメージは入っておらず、フェンリルも困惑しているのか、何とも言えない表情を浮かべていた。
だが、フェンリルもすぐに気を取り直したのか、再びカズマに襲いかかる。
すると。
カズマ「オラァァァァァ‼︎」
フェンリル「ガウッ⁉︎」
カズマはカウンター気味に武刃を一閃して、フェンリルを真っ二つに斬る。
すると。
めぐみん「カズマが…………フェンリルを倒しました…………!」
カズマ「ふっ。酔拳っていうだろ?相手を油断させて、隙をついたんだよ。」
めぐみん「かかか、かっこいいです!今夜のカズマはカッコよすぎます!」
めぐみんが、カズマがフェンリルを倒したのを見て、そんな反応をすると、カズマはそんな風に言う。
この場合は、正しくは酔拳ではなく、酔剣なのだが。
すると。
カズマ「あだっ⁉︎」
めぐみん「……………やっぱり、こうなるんですね。返して下さい!『今夜のカズマはかっこいい』という私の言葉を返して下さい!」
カズマの頭に、最初に外した時に切れた木の枝が落ちてくる。
カズマが悶えている中、めぐみんはそんな風に叫ぶ。
すると、めぐみんは口を開く。
めぐみん「でも、おかしいですね。フェンリルはもっと、森の奥にいる筈なのに…………。」
カズマ「ふっ。強敵の気配…………つまり俺を察知して出てきたんだろうな。」
めぐみん「この酔っ払い!」
めぐみんは首を傾げながらそう言う。
本来、フェンリルは森の奥に生息しているので、こんな所にまで現れるのは不自然だったのだ。
カズマがそう言うと、めぐみんはそんな罵声をあげる。
すると、カズマは口を開く。
カズマ「さっきのフェンリル以上の気配を感じる。今度こそ当たりかな?」
めぐみん「もういいです!好きにして下さい!こうなったら、最後まで付き合いますよ!フェンリルだろうが、ドラゴンだろうが、爆殺魔人が相手だろうが…………!」
カズマがそう言うと、めぐみんはヤケクソになったのか、そんな風に叫ぶ。
すると、カズマは親指を立てて笑いかける。
カズマ「よく言った!今夜の標的は爆殺魔人もぐにんだ。浮かれた名前しやがって!そんなもんぶっ飛ばしてやる!」
めぐみん「もぐにんと略すのはやめて下さい!何だか、私の名と被りますから!というか、自分で言っておいて何ですが、正気ですか⁉︎」
カズマはそう叫ぶ。
ターゲットは、爆殺魔人もぐにんにんだったのだ。
めぐみんがそんな風に言うと。
カズマ「俺には生憎、頭がおかしいと言われ続けた仲間が居てな!」
めぐみん「言ってくれましたね!ええ!やってやりましょう!やってやりますとも!ようやくカズマの意図が分かりました!最初から言ってくれれば良かったのに!全く!そんなあなたが大好きですよ!」
カズマ「そんな事とっくに知ってるよ!俺がフェンリルより上な所を見せたんだ!今度はお前が見せる番だぞ!」
めぐみん「いいでしょう!私こそが爆殺魔人の名に相応しい事を、カズマに見せつけてあげますよ!」
カズマはそう言うと、めぐみんは吹っ切れた様な笑顔を見せる。
すると、めぐみんはファンタジーレイズバックルを取り出す。
『
その音声が鳴ると、めぐみんの周囲に剣が突き刺さり、背後には魔法陣が現れ、右横には、魔法陣の絵と英語でFANTASYという文字が現れる。
待機音が鳴る中、めぐみんはレイズバックルを操作する。
『
『
その音声が鳴ると同時に、アーマーが生成されて、めぐみんに装着される。
めぐみんは、ファンタジーフォームに変身する。
そこから、二人は爆殺魔人もぐにんにんの元に向かう。
カズマ「…………なるほど。確かに、ニンニンだな。」
めぐみん「にんにんがどうかしましたか?しかし、見て下さいカズマ!あのピカピカした光沢と、独特のフォルムを!倒したら持って帰りたいところですよ。」
カズマがそう言うと、めぐみんはそんな風に言う。
二人の視線の先には、二足歩行のロボットがいて、見た目は忍者の様な見た目だった。
すると。
カズマ「あれ?あいつが消え…………?」
めぐみん「カズマ!来てますよ!」
突如、爆殺魔人もぐにんにんが消えた。
カズマが困惑していると、めぐみんはそう叫ぶ。
すると、もぐにんにんがカズマに迫っていた。
カズマ「俺の潜伏を見破るとは大した奴だ!行くぞ、オラァァァァァ‼︎」
めぐみん「全く!行きましょう!」
カズマはそう叫ぶと、武刃を抜刀する。
めぐみんも、中腰の姿勢をとる。
カズマ「おらっ!ハァァァァァ!」
めぐみん「ハァァァァァ!」
カズマは武刃で、めぐみんはファンタジーエフェクトで生成した剣で攻撃していく。
だが、爆殺魔人もぐにんにんは、二人の攻撃を悉く躱していく。
カズマ「くそっ、なかなかやるじゃねぇか…………!モロロロロロロ…………。」
めぐみん「こんな時に何をやっているんですか!走り回ったから悪酔いしたのですね!」
カズマはそう言うと、耐え切れなくなったのか、リバースをする。
めぐみんがそう突っ込むと。
カズマ「のわっ⁉︎」
めぐみん「カズマ⁉︎」
カズマが吐いている隙を逃さないと言わんがばかりに、もぐにんにんはカズマに接近して、カズマの腹に掌底と蹴りを叩き込む。
カズマが倒れる中、めぐみんはファンタジーエフェクトで盾を生成する。
そして、めぐみんがカズマに覆い被さる様に乗っかってくる。
カズマ「おい、何してんだよ!」
めぐみん「あれはにんにんが使う特殊な爆発魔法の構えです!カズマが食らったら、死体も消えてしまいます!」
カズマがそう言うと、めぐみんはそう叫ぶ。
もぐにんにんは、黒髪黒目の人には攻撃するが、紅魔族には攻撃をしない特性があり、それを活かして、カズマを守ろうとしていた。
すると。
もぐにんにん『タイプ・チートハーレム型リア充日本人と確認。改造被験体紅魔族の個体が離れ次第、爆殺処理を実行します。』
カズマ「今、聞き捨てならない事を言いやがったな!チートハーレム?チートハーレムってか!お前を作ったやつはチート持ちのハーレム野郎抹殺を狙ったのか!それなら俺を狙うのはお門違いだぞ、コラァ!」
めぐみん「何がカズマの逆鱗に触れたか知りませんが、お願いですからジッとしていてください!」
もぐにんにんはそんな声を出す。
それを聞いたカズマがそう叫ぶと、めぐみんはそう叫ぶ。
もぐにんにんは、チート持ちのハーレム野郎抹殺を狙って作られた存在なのだ。
すると。
カズマ「めぐみん、あいつは何だってジッとしてるんだ?サッと襲いかかって俺を攻撃すれば、簡単に殺せるだろうに?」
めぐみん「爆殺魔人は爆殺するから爆殺魔人なんです。黒髪黒目でパーティーメンバーを女性ばかりで構成していると、『爆発せよ!』と言いながら、殺戮を行う恐ろしいモンスターで…………!」
カズマ「ただのリア充狩りじゃねーか、アホらしい!」
カズマは、いつまでも動かないもぐにんにんを見て、めぐみんにそう聞く。
それを聞かれためぐみんは、そんな風に説明すると、カズマはそう叫ぶ。
カズマの言う通り、要はリア充狩りが目的なのだ。
カズマ「まだ痛いけど…………あんな奴に爆殺されてたまるか!めぐみん!一緒に行くぞ!」
めぐみん「ちょっ⁉︎全く!」
カズマはそんな風に言うと、立ち上がり、爆殺魔人に向かっていく。
めぐみんも、カズマと共にもぐにんにんと戦っていく。
カズマ「オラァァァァ!」
めぐみん「ハァァァァァ!」
カズマは、爆殺魔人もぐにんにんの攻撃を、背中のデルードマントで無力化して、ジーナグラスで的確にもぐにんにんにダメージを与える。
めぐみんも、簡易的な爆裂魔法の様な技を放ち、もぐにんにんにダメージを与えていく。
カズマとめぐみんの猛攻に、もぐにんにんは耐え切れずにいた。
カズマ「よし、めぐみん!決めちまえ!」
めぐみん「言われるまでもありませんよ!せっかくですし、フォルテから教わったあの爆裂魔法を使いましょう!」
カズマがそう叫ぶと、めぐみんはそう言いつつ、詠唱をする。
もぐにんにんが足を引き摺る中、めぐみんが口を開く。
めぐみん「本来なら、あなたはこんな物ではないはずなのに、どうしたのですか?私の爆裂魔法でダメージを受けていたとは言え、何だか動きもぎこちなかったですよ?」
めぐみんはそんな風に言う。
それを聞いたカズマは、驚愕の表情を浮かべる。
めぐみん「…………爆発を愛する同志として、あなたの事は嫌いじゃないのですが、仲間を標的にされてしまっては、流石に放置もできない物で…………。トライエクスプロージョン!」
めぐみんは小さく苦笑を浮かべて、そんな風に叫ぶ。
めぐみんがフォルテから教わった爆裂魔法が発動すると同時に。
もぐにんにん『コウマゾクにオケル最大魔力ヲ感知。予想サレタ魔力を超えた個体が現れた事で、改造計画は成功と判断。コレを最終データとしてノイズ王国本部へ送信シマス。』
もぐにんにんはそう言うと、めぐみんによって、今は亡きノイズ王国と製作者の元に送られたのだった。
そんなことがあった翌朝。
俺とゆんゆんは、ある場所に向かっていた。
ゆんゆん「めぐみんにカズマさんは、何をしたんでしょうか。」
湊翔「さぁな。」
俺とゆんゆんはそう話す。
俺たちが一緒に眠って、朝を迎えると、カズマとめぐみんが、捕まったと聞いて、俺たちはすぐに留置所へと向かう。
留置所に着くと。
めぐみん「それ以上チクチクと説教するなら、私にも考えがありますよ。あなたが好意を寄せているそけっとに、ぶっころりーから罰と称したセクハラされたと泣きついてくれます。」
ぶっころりー「なんて事言い出すんだ!最近はタダでさえ、そけっとの様子がおかしいんだ。僕を占ってやると言って呼び出したかと思うと、水晶の前で何度も首を傾げた挙句、追い返されたり、此間なんて、里の周りを警戒していたら、稽古つけてあげるとか言って、襲いかかって来たんだからね。」
めぐみんとぶっころりーの二人はそんな風に話をしていた。
ぶっころりーは、泣きそうな顔で切々と訴えていた。
すると、俺たちに気付いたのか、めぐみんが口を開く。
めぐみん「次期族長様ではないですか。何ですか、私を笑いに来たのですか?牢にいられた無様な私を、笑いたくば笑うがいいです!」
ゆんゆん「あははははは!めぐみんが牢に入ってる!」
めぐみん「本当に笑いましたね!いいでしょう!今こそ決着を付けてやりますよ!ぶっころりー、この牢を開けてください!さもなくば、爆裂魔法をぶっ放しますよ!」
めぐみんがそう言うと、ゆんゆんは勝ち誇ったかの様にめぐみんを指差して笑い出す。
それを見て、めぐみんは激昂する。
いや、お前が笑えって言ったんだから…………。
俺はカズマの方を見る。
カズマ「何だよ?お前も笑いに来たのかよ?」
湊翔「いや、笑わないよ。何をして捕まったのかで困惑してるんだから。」
カズマが、某地獄兄弟の兄貴みたいな事を言い出すと、俺はそう言う。
実際、困惑が勝っている。
何をしたんだ。
すると、ゆんゆんはため息を吐くと、ぶっころりーに口を開く。
ゆんゆん「はぁ…………。全く、本当に何やってんのよ…………?あの、ぶっころりーさん…………。ここは私が見てますから、ちょっとめぐみんと話をしても良いですか?」
ぶっころりー「構わないよ。僕もこう見えて、色々とやることがある身だしね。」
ゆんゆん「見回りという名のそけっとのストーキングに、警戒という名の散歩でしょうに。」
ぶっころりー「うるさいよ!里の周辺の警戒は意外と馬鹿に出来ないんだからね!ここ最近、魔王軍がおかしな動きばかり見せてるんだ。此間だって、里の近くで、目の赤いゾンビやゴーレムが彷徨いていたし…………。」
ゆんゆんはため息を吐くと、そんな風に言う。
ぶっころりーの言葉にゆんゆんがそう言うと、ぶっころりーはそんな気になる事を言って、ゆんゆんに鍵を渡して去っていく。
目の赤いゾンビやゴーレムね…………。
俺がそう考える中、ゆんゆんは他に自警団が居ないのかを確認すると、牢の前に立つ。
ゆんゆん「…………で、昨日の夜は何があったの?」
めぐみん「あなたに差をつけられたので、ムシャクシャして気晴らしをしに行ったのですよ。」
ゆんゆんがそう聞くと、めぐみんはそう答える。
すると。
ゆんゆん「ふ〜ん…………。」
めぐみん「何ですか、その生返事は。何か言いたい事があるなら聞こうじゃないか。」
ゆんゆんはそんな生返事をして、めぐみんはそう言う。
流石は親友だな。
何か分かったのだろう。
すると、どことなく不機嫌そうな、ちょっとだけ嬉しそうな不思議な表情を浮かべて、口を開く。
ゆんゆん「別に?ただ、長い付き合いだから知ってるんだけど。めぐみんは紅魔族の中でも特殊なのか、嘘吐くと、目の色が青くなる事に気づいてる?」
湊翔「え?」
めぐみん「本当ですか⁉︎ちょっと待ってください!初耳ですよ!私は紅魔族の中でも特別製の、選ばれた者だったという事ですか!」
ゆんゆんはそんな風に言うと、めぐみんは両手を戦慄かせながらそう叫ぶ。
一瞬、俺は首を傾げたが、ゆんゆんのブラフである事に気づいた。
ゆんゆんが牢屋の中に入ると。
ゆんゆん「アンタ、普段は賢いのに、たまに馬鹿になるのをどうにかしなさいよ。」
湊翔「なるほど、ブラフか。」
めぐみん「はっ!ハメましたね!この私を騙くらかしてくれたんですね!カズマ、私の目を見てください!」
カズマ「おっ、どうした?見ろと言うのならまあ見るが。」
ゆんゆんがそんな風に言うと、俺はそう言う。
すると、めぐみんはカズマにそう話しかける。
めぐみん「カズマ、湊翔。紅魔族の体には、バーコードと呼ばれる縦縞模様のアザがあるのです。ちなみにゆんゆんには、うち太もものそれはもう際どい部分についています。………どうですか?私の目は赤いですか?青いですか?」
ゆんゆん「アンタ、湊翔さんもいるのにいきなり何言ってんのよー!そこは嘘ついて確認する流れでしょおおお⁉︎」
湊翔「えっ?そうなの?」
カズマ「いつも通りの赤い色だ。つまり本当の事なんだな。」
めぐみんはそんな風に意趣返しすると言わんがばかりに、そんな事を暴露する。
ゆんゆんがそう叫ぶ中、俺とカズマはそう言う。
ゆんゆんが顔を両手で覆う中、めぐみんは口を開く。
めぐみん「ちょっとだけ溜飲が下がりましたが、こんな所に何しに来たんですか?」
ゆんゆん「……………冒険者カード、見せて。」
めぐみんがそう聞くと、ゆんゆんは気を取り直したのか、めぐみんの隣に座り、そんな風にぶっきらぼうに言い、片手を突き出す。
めぐみん「嫌ですよ。なぜ、ライバルにカードを見せなくてはいけないのですか?というか、湊翔という彼氏が居るのに、寂しいからと言って、一緒に牢に入るのはどうかと思います。」
ゆんゆん「いくら何でも、そこまで拗らせてないから!討伐モンスターの欄だけでいいわ。疾しい事がないならちょっと見せて。」
めぐみんがそう言うと、ゆんゆんはそんな風に言う。
子供からの付き合いだから、カズマとめぐみんが、昨夜に何をしていたのかは、察しているのだろう。
湊翔「それで、どうなんだ?」
カズマ「ふっ。まあ、色々あったんだよ。」
めぐみんとゆんゆんが話をする中、俺はカズマにそう聞くと、カズマはそう答える。
すると。
ゆんゆん「ああもう!そんな事はどうでもいいからカード見せてよ!ねえ、本当は爆殺魔人が居たんでしょ?それで、カズマさんと一緒に狩ったんでしょう⁉︎」
めぐみん「何ですか、いきなり。狩るわけないじゃないですかそんな物!あれが紅魔族を襲わないのは知っているでしょう?もしにんにんを狩るのであれば、安全な紅魔族の相棒を連れて行きますよ。」
ゆんゆんが痺れを切らしたのか、そんな風に問い詰める。
それに対して、めぐみんはしれっとそんな風に言う。
ゆんゆん「毎日、爆殺魔人が爆殺魔人がって騒いでたのに?」
めぐみん「毎日、爆裂魔法が爆裂魔法がと騒いでいるのが私ですから。」
ゆんゆんがそう聞くと、めぐみんはそんな風に言う。
頑なに認めようとしないめぐみんに対して、ゆんゆんは口を開く。
ゆんゆん「…………三つの試練を受けて、先に次期族長の資格を得たのは私だから、負けたとは思ってないからね?」
めぐみん「言っている意味が分かりませんね。私は紅魔族の落ちこぼれだそうですし、最初から勝負にもなりませんよ。よかったじゃないですか。これで紅魔の里でずっとチヤホヤされますよ?」
ゆんゆんとめぐみんはそんな風に言い合う。
そう、俺はある事に気づいていた。
それは、次期族長になったのだから、紅魔の里に留まる必要があるのだ。
里の運営を学ぶ為に。
俺がそう考える中、めぐみんとゆんゆんは。
ゆんゆん「……………これで勝っただなんて、思わないでね。」
めぐみん「……………分からない人ですね。勝ったのはあなたではないですか。」
めぐみんとゆんゆんは、そんな風に話す。
性格や生まれた環境、体型など、何もかも正反対な二人がライバルになるのは、必然だったのかもしれないな。
その後、牢を後にした俺とゆんゆんは。
湊翔「……………それで、どうするんだ?」
ゆんゆん「…………少し、両親に会って来ます。」
俺がそう聞くと、ゆんゆんはそう答える。
まあ、そうなるか。
その後、俺はカズマとめぐみんを連れて、皆の元に向かう。
アクア「全く、カズマは全く!めぐみんも全く!二人は何か問題を起こさないと気が済まないんですか?今回は問題も起こさず、ずっと品行方正だった私を見習いなさいな!」
ダクネス「アクアの言う通りだぞ、カズマ。めぐみんはもう手遅れだが、お前が止めなくてどうするんだ。」
カズマとめぐみんは、昨夜、酔い潰れていたアクアとダクネスに説教を喰らっていた。
理不尽極まりないな。
白夜「品行方正って…………どの口が言ってるんだ。」
武劉「そうだな。常日頃から問題を起こしているお前が言えるセリフではないな。」
アクア「何ですってぇ〜⁉︎言ったわね!アンタ達に聖なるグーを喰らわしてやるわ!」
朱翼「落ち着いてください!」
白夜と武劉がそんな風に言うと、アクアは二人に掴み掛かろうとして、朱翼に抑えられる。
そんな中、トウカとリアが話しかける。
トウカ「湊翔、ゆんゆんはどうしたんだ?」
リア「まさか、湊翔は紅魔の里にゆんゆんを置いていくのか?」
湊翔「いや、ゆんゆんはもう答えは出てるはずだ。」
トウカとリアがそう聞くと、俺はそう答える。
ゆんゆんならきっと…………。
俺がそう考えていて、ダクネスとめぐみん、アクア、白夜、武劉が話をしていると。
ゆんゆん「めぐみん!」
そんな声が聞こえてくる。
俺たちが振り返ると、そこには、肩で息をしているゆんゆんの姿があった。
朱美「ゆんゆんちゃん。」
聡介「どうしたんだ?」
湊翔「…………な?」
トウカ「そうね。」
リア「ああ。」
父さんと母さんがそう言う中、俺はそう言い、トウカとリアも頷く。
すると。
ゆんゆん「私も、アクセルに帰るから!私も、魔王を倒してみせるから!こんな、譲られた勝ちじゃなくて…………魔王を倒して、最高の功績を手に、ちゃんと族長になってみせるから!もう、お父さんや里の皆に宣言したから!」
ゆんゆんはそんな風に叫ぶ。
その表情は、吹っ切れたかのように満面の笑みを浮かべていた。
狼菜「ゆんゆん…………。」
めぐみん「……………そうですか。せっかくリア充になれたのに、またぼっちにならなければいいですね。…………まあ、魔王を倒すのはこの私ですが。」
狼菜が嬉しそうな表情を浮かべる中、めぐみんはそっぽを向きながら、興味なさそうにそう言う。
だが、嬉しいのを隠し切れないのか、耳がピクピクと動いていた。
シエロ「めぐみんさん、本当は嬉しいんですよね?」
エーリカ「そうね。目も真っ赤だし。」
めぐみん「うるさいですよ!」
シエロとエーリカがニヤニヤしながらそう言うと、めぐみんはそう返す。
そこから、めぐみんが冒険者カードの魔物討伐一覧を見せて、ゆんゆんが絶叫するのを、俺たちは苦笑しながら見ていた。
こうして、俺たちはアクセルの街へと戻る事に。
だが、この時の俺たちは気づいていなかった。
拓巳「ふぅ〜…………。」
ウォルバク「拓巳。石井樹はどうなの?」
ある部屋から、拓巳が一息つきながら出てくる。
ウォルバクがそう聞くと、拓巳は口を開く。
拓巳「ああ。拷問に耐えかねたのか、吐いてくれた。どうやら、ジャマトの侵食を抑える血清があるようだ。まずは、ここで隔離している紅魔族が変貌したジャマトに使う。知恵の樹の方は、確保次第、血清を使って解放する。」
ウォルバク「分かったわ。」
拓巳はそう答える。
拷問の末、ステージ2になってしまった紅魔族を助けれる血清があると判明した。
まずは、隔離している紅魔族を救う為に動きだす。
すると。
ギロリ「拓巳!」
拓巳「どうしたんだ?」
ツムリ「大変です!火の女神ファイアが、またもや脱出しました!」
拓巳「何っ⁉︎」
そこに、ギロリさんとツムリがやってくる。
すると、以前にダークライダーのバトロワを開催したファイアが脱走したと判明した。
拓巳「どういう事だ⁉︎」
ツムリ「それが…………私たちも石井樹に気を取られてしまって、ジットによって暴れられ、ファイアを解放されてしまいました。」
ウォルバク「石井樹を囮にしたわけね………!」
拓巳「また問題が増えたか…………。」
拓巳がそう聞くと、ギロリさんはそう答える。
石井樹を囮にして、ジットが乗り込んできたのだ。
拓巳は頭を抱える。
そんな中、ジットはというと。
ジット「これが今の桐ヶ谷湊翔がいる場所だ。」
ジットはある二人組にアクセルの街の座標が書かれた紙を渡す。
???「へぇ〜…………あいつがねぇ。」
ジット「桐ヶ谷湊翔に対しては、どうするのかはお前達に任せる。」
???「どうします?」
???「決まってんだろ。久しぶりに会いにいくぞ。俺たちの金蔓に。」
1人がそう言うと、ジットはそう言う。
腰巾着のような男がそう聞くと、1人の男はそう言う。
果たして、何者なのか。
今回はここまでです。
今回は、カズマとめぐみんのもぐにんにんとの対決です。
時折、締まらない事がありつつも、ファンタジーフォームの力で強化されたトライエクスプロージョンで、もぐにんにんを葬る事ができました。
ゆんゆんも、アクセルの街に戻る事になり、紅魔の里での一件は終わりました。
そんな中、火の女神ファイアがまた脱走し、ジットは誰かと接触していた。
その2人は、湊翔の事を知っているようだが。
次回で、14巻の内容は終わります。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。