この白狐の戦士に祝福を   作:仮面大佐

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第155話 爆殺魔人もぐにんにん

 俺たちが宴会で盛り上がっている中、カズマとめぐみんは。

 

カズマ「ははははは!見ろよめぐみん!一撃熊が増えてるぞ!」

めぐみん「増えてません、増えてませんよ!カズマ、ひょっとしなくてもかなり飲んでいるのでしょう!」

 

 カズマはそんな風に高笑いをして、めぐみんはそう叫ぶ。

 二人は今、それぞれの基本フォームに変身していて、一撃熊に追われていた。

 

カズマ「飲んではいるけど、酔ってない!だから大丈夫、大丈夫!」

めぐみん「ちっとも大丈夫には見えませんよ!いつものカズマなら、一撃熊に会ったら悲鳴を上げている筈です!」

 

 カズマがそう言う中、めぐみんはそう叫ぶ。

 実際、今のカズマはかなり酔っ払っているのか、テンションが上がっていた。

 とはいえ、千里眼による暗視と逃走スキルの力で、特に転ぶ事なく逃げていた。

 

カズマ「ヘイヘイ熊公、ビビってんの⁉︎俺がカズマだ!追いかけてみろよ!」

めぐみん「酔ってますよね!実はめちゃめちゃ酔ってますよね‼︎」

一撃熊「バオオオオオオオオッッ‼︎」

 

 カズマは挑発するようにそう言い、めぐみんがそう叫ぶと、一撃熊は怒ったのか、そんな風に雄叫びをあげる。

 すると、カズマはニンジャレイズバックルを操作する。

 

NINJA(ニンジャ) STRIKE(ストライク)

 

カズマ「オラァァァァァ‼︎」

一撃熊「ブオオオオオオッ⁉︎」

 

 カズマは必殺技を発動すると、分身が2体出現して、ニンジャデュアラーを振るうと、一撃熊はそんな断末魔を出して、倒れる。

 

めぐみん「今夜のカズマはどうしたんですか⁉︎走ったせいで酔いが更に回ったのですか⁉︎」

カズマ「ふっ。俺を誰だと思ってるんだ?やる時はやるカズマさんだぞ!所詮は獣…………俺の敵ではない様だな。」

めぐみん「その自信が普段からあれば、もっと冒険出来るのですが……………。」

 

 めぐみんは、様子がおかしいカズマに対してそう聞くと、カズマはカッコつけながらそう言う。

 それを聞いて、めぐみんは呆れる様にそう言う。

 すると、敵感知を使っていたのか、カズマが口を開く。

 

カズマ「よし、こっちだめぐみん。大物の気配がするぞ。」

めぐみん「大物じゃなくてもいいですよ!一体今夜はどうしたのですか⁉︎酔っているにしてもおかしいですよ!」

カズマ「お前、いつもは大物大好きっ子の癖に。」

めぐみん「そりゃあ、大物大好きですよ!ですが、それは皆がいて、カズマがまともな時での事です!」

 

 カズマがそう言うと、めぐみんはそう叫ぶ。

 そんなやりとりをする中、荒い息遣いが聞こえてくる。

 すると。

 

カズマ「おいでなすったな。さあ、次の相手は俺を満足させられる相手かな?」

めぐみん「バカな事言ってないで逃げますよ、カズマ!闇に輝く青い瞳!あれは孤高の狼にして森の覇者、フェンリルですよ!」

 

 カズマはそんな風に言うと、めぐみんはそう叫ぶ。

 二人の視線の先には、銀色の巨大な狼の姿があった。

 ただ、二人のことを舐めているのか、警戒する様子もなかった。

 

カズマ「舐められてる様だな。いいぜ、武刃の錆にしてやるよ!」

めぐみん「カズマ⁉︎カズマの妙な自信は本当にどこからやってくるのですか⁉︎」

 

 カズマはそう言うと、ブジンソードバックルを取り出して、めぐみんはそう叫ぶ。

 カズマは、デザイアドライバーにブジンソードバックルを装填する。

 

SET(セット) AVENGE(アベンジ)

 

 その音声が鳴ると、待機音が流れてきて、カズマは、ブジンソードバックルの刀状のパーツであるバッケントリガーを操作する。

 すると、タイクーンのIDコアの上に、狸の絵が浮かび上がる。

 

BLACK(ブラック) GENERAL(ジェネラル)

BUJIN(ブジン) SWORD(ソード)

REDAY(レディ) FIGHT(ファイト)

 

 その音声が鳴ると、カズマの前に巻物の絵と英語でBUJIN SWORDと書かれたロゴが現れ、それが二つに分かれると、アーマーへと変化して、カズマへと装着され、ブジンソードに変身する。

 それを見て、フェンリルも警戒したのか、低い唸り声を出す。

 

カズマ「ふっ。どうやら、俺の事を警戒している様だな。さあワン公、深夜の舞踏会の始まりだ!俺と一緒に踊ろうか!」

めぐみん「その自信は本当にどこから来るのですか⁉︎フェンリルですよ⁉︎ただでさえ危険な白狼の上位互換に当たるモンスター、ベテラン冒険者でも全滅しかねない大物ですよ!あと、ちょっとかっこいいのが悔しいです!」

 

 カズマはそんな風に言うと、めぐみんはそう叫ぶ。

 すると、カズマが武刃を抜刀すると同時に、フェンリルがカズマに襲いかかる。

 

カズマ「オラァァァァァ‼︎」

 

 カズマはそう叫びながら、武刃を一閃する。

 お互いに反対側に着地すると。

 

めぐみん「何をやってるんですか⁉︎普段のダクネスみたいに外さないでください!」

 

 めぐみんはそう叫ぶ。

 実際、お互いにダメージは入っておらず、フェンリルも困惑しているのか、何とも言えない表情を浮かべていた。

 だが、フェンリルもすぐに気を取り直したのか、再びカズマに襲いかかる。

 すると。

 

カズマ「オラァァァァァ‼︎」

フェンリル「ガウッ⁉︎」

 

 カズマはカウンター気味に武刃を一閃して、フェンリルを真っ二つに斬る。

 すると。

 

めぐみん「カズマが…………フェンリルを倒しました…………!」

カズマ「ふっ。酔拳っていうだろ?相手を油断させて、隙をついたんだよ。」

めぐみん「かかか、かっこいいです!今夜のカズマはカッコよすぎます!」

 

 めぐみんが、カズマがフェンリルを倒したのを見て、そんな反応をすると、カズマはそんな風に言う。

 この場合は、正しくは酔拳ではなく、酔剣なのだが。

 すると。

 

カズマ「あだっ⁉︎」

めぐみん「……………やっぱり、こうなるんですね。返して下さい!『今夜のカズマはかっこいい』という私の言葉を返して下さい!」

 

 カズマの頭に、最初に外した時に切れた木の枝が落ちてくる。

 カズマが悶えている中、めぐみんはそんな風に叫ぶ。

 すると、めぐみんは口を開く。

 

めぐみん「でも、おかしいですね。フェンリルはもっと、森の奥にいる筈なのに…………。」

カズマ「ふっ。強敵の気配…………つまり俺を察知して出てきたんだろうな。」

めぐみん「この酔っ払い!」

 

 めぐみんは首を傾げながらそう言う。

 本来、フェンリルは森の奥に生息しているので、こんな所にまで現れるのは不自然だったのだ。

 カズマがそう言うと、めぐみんはそんな罵声をあげる。

 すると、カズマは口を開く。

 

カズマ「さっきのフェンリル以上の気配を感じる。今度こそ当たりかな?」

めぐみん「もういいです!好きにして下さい!こうなったら、最後まで付き合いますよ!フェンリルだろうが、ドラゴンだろうが、爆殺魔人が相手だろうが…………!」

 

 カズマがそう言うと、めぐみんはヤケクソになったのか、そんな風に叫ぶ。

 すると、カズマは親指を立てて笑いかける。

 

カズマ「よく言った!今夜の標的は爆殺魔人もぐにんだ。浮かれた名前しやがって!そんなもんぶっ飛ばしてやる!」

めぐみん「もぐにんと略すのはやめて下さい!何だか、私の名と被りますから!というか、自分で言っておいて何ですが、正気ですか⁉︎」

 

 カズマはそう叫ぶ。

 ターゲットは、爆殺魔人もぐにんにんだったのだ。

 めぐみんがそんな風に言うと。

 

カズマ「俺には生憎、頭がおかしいと言われ続けた仲間が居てな!」

めぐみん「言ってくれましたね!ええ!やってやりましょう!やってやりますとも!ようやくカズマの意図が分かりました!最初から言ってくれれば良かったのに!全く!そんなあなたが大好きですよ!」

カズマ「そんな事とっくに知ってるよ!俺がフェンリルより上な所を見せたんだ!今度はお前が見せる番だぞ!」

めぐみん「いいでしょう!私こそが爆殺魔人の名に相応しい事を、カズマに見せつけてあげますよ!」

 

 カズマはそう言うと、めぐみんは吹っ切れた様な笑顔を見せる。

 すると、めぐみんはファンタジーレイズバックルを取り出す。

 

SET(セット)

 

 その音声が鳴ると、めぐみんの周囲に剣が突き刺さり、背後には魔法陣が現れ、右横には、魔法陣の絵と英語でFANTASYという文字が現れる。

 待機音が鳴る中、めぐみんはレイズバックルを操作する。

 

FANTASY(ファンタジー)

REDAY(レディ) FIGHT(ファイト)

 

 その音声が鳴ると同時に、アーマーが生成されて、めぐみんに装着される。

 めぐみんは、ファンタジーフォームに変身する。

 そこから、二人は爆殺魔人もぐにんにんの元に向かう。

 

カズマ「…………なるほど。確かに、ニンニンだな。」

めぐみん「にんにんがどうかしましたか?しかし、見て下さいカズマ!あのピカピカした光沢と、独特のフォルムを!倒したら持って帰りたいところですよ。」

 

 カズマがそう言うと、めぐみんはそんな風に言う。

 二人の視線の先には、二足歩行のロボットがいて、見た目は忍者の様な見た目だった。

 すると。

 

カズマ「あれ?あいつが消え…………?」

めぐみん「カズマ!来てますよ!」

 

 突如、爆殺魔人もぐにんにんが消えた。

 カズマが困惑していると、めぐみんはそう叫ぶ。

 すると、もぐにんにんがカズマに迫っていた。

 

カズマ「俺の潜伏を見破るとは大した奴だ!行くぞ、オラァァァァァ‼︎」

めぐみん「全く!行きましょう!」

 

 カズマはそう叫ぶと、武刃を抜刀する。

 めぐみんも、中腰の姿勢をとる。

 

カズマ「おらっ!ハァァァァァ!」

めぐみん「ハァァァァァ!」

 

 カズマは武刃で、めぐみんはファンタジーエフェクトで生成した剣で攻撃していく。

 だが、爆殺魔人もぐにんにんは、二人の攻撃を悉く躱していく。

 

カズマ「くそっ、なかなかやるじゃねぇか…………!モロロロロロロ…………。」

めぐみん「こんな時に何をやっているんですか!走り回ったから悪酔いしたのですね!」

 

 カズマはそう言うと、耐え切れなくなったのか、リバースをする。

 めぐみんがそう突っ込むと。

 

カズマ「のわっ⁉︎」

めぐみん「カズマ⁉︎」

 

 カズマが吐いている隙を逃さないと言わんがばかりに、もぐにんにんはカズマに接近して、カズマの腹に掌底と蹴りを叩き込む。

 カズマが倒れる中、めぐみんはファンタジーエフェクトで盾を生成する。

 そして、めぐみんがカズマに覆い被さる様に乗っかってくる。

 

カズマ「おい、何してんだよ!」

めぐみん「あれはにんにんが使う特殊な爆発魔法の構えです!カズマが食らったら、死体も消えてしまいます!」

 

 カズマがそう言うと、めぐみんはそう叫ぶ。

 もぐにんにんは、黒髪黒目の人には攻撃するが、紅魔族には攻撃をしない特性があり、それを活かして、カズマを守ろうとしていた。

 すると。

 

もぐにんにん『タイプ・チートハーレム型リア充日本人と確認。改造被験体紅魔族の個体が離れ次第、爆殺処理を実行します。』

カズマ「今、聞き捨てならない事を言いやがったな!チートハーレム?チートハーレムってか!お前を作ったやつはチート持ちのハーレム野郎抹殺を狙ったのか!それなら俺を狙うのはお門違いだぞ、コラァ!」

めぐみん「何がカズマの逆鱗に触れたか知りませんが、お願いですからジッとしていてください!」

 

 もぐにんにんはそんな声を出す。

 それを聞いたカズマがそう叫ぶと、めぐみんはそう叫ぶ。

 もぐにんにんは、チート持ちのハーレム野郎抹殺を狙って作られた存在なのだ。

 すると。

 

カズマ「めぐみん、あいつは何だってジッとしてるんだ?サッと襲いかかって俺を攻撃すれば、簡単に殺せるだろうに?」

めぐみん「爆殺魔人は爆殺するから爆殺魔人なんです。黒髪黒目でパーティーメンバーを女性ばかりで構成していると、『爆発せよ!』と言いながら、殺戮を行う恐ろしいモンスターで…………!」

カズマ「ただのリア充狩りじゃねーか、アホらしい!」

 

 カズマは、いつまでも動かないもぐにんにんを見て、めぐみんにそう聞く。

 それを聞かれためぐみんは、そんな風に説明すると、カズマはそう叫ぶ。

 カズマの言う通り、要はリア充狩りが目的なのだ。

 

カズマ「まだ痛いけど…………あんな奴に爆殺されてたまるか!めぐみん!一緒に行くぞ!」

めぐみん「ちょっ⁉︎全く!」

 

 カズマはそんな風に言うと、立ち上がり、爆殺魔人に向かっていく。

 めぐみんも、カズマと共にもぐにんにんと戦っていく。

 

カズマ「オラァァァァ!」

めぐみん「ハァァァァァ!」

 

 カズマは、爆殺魔人もぐにんにんの攻撃を、背中のデルードマントで無力化して、ジーナグラスで的確にもぐにんにんにダメージを与える。

 めぐみんも、簡易的な爆裂魔法の様な技を放ち、もぐにんにんにダメージを与えていく。

 カズマとめぐみんの猛攻に、もぐにんにんは耐え切れずにいた。

 

カズマ「よし、めぐみん!決めちまえ!」

めぐみん「言われるまでもありませんよ!せっかくですし、フォルテから教わったあの爆裂魔法を使いましょう!」

 

 カズマがそう叫ぶと、めぐみんはそう言いつつ、詠唱をする。

 もぐにんにんが足を引き摺る中、めぐみんが口を開く。

 

めぐみん「本来なら、あなたはこんな物ではないはずなのに、どうしたのですか?私の爆裂魔法でダメージを受けていたとは言え、何だか動きもぎこちなかったですよ?」

 

 めぐみんはそんな風に言う。

 それを聞いたカズマは、驚愕の表情を浮かべる。

 

めぐみん「…………爆発を愛する同志として、あなたの事は嫌いじゃないのですが、仲間を標的にされてしまっては、流石に放置もできない物で…………。トライエクスプロージョン!」

 

 めぐみんは小さく苦笑を浮かべて、そんな風に叫ぶ。

 めぐみんがフォルテから教わった爆裂魔法が発動すると同時に。

 

もぐにんにん『コウマゾクにオケル最大魔力ヲ感知。予想サレタ魔力を超えた個体が現れた事で、改造計画は成功と判断。コレを最終データとしてノイズ王国本部へ送信シマス。』

 

 もぐにんにんはそう言うと、めぐみんによって、今は亡きノイズ王国と製作者の元に送られたのだった。

 そんなことがあった翌朝。

 俺とゆんゆんは、ある場所に向かっていた。

 

ゆんゆん「めぐみんにカズマさんは、何をしたんでしょうか。」

湊翔「さぁな。」

 

 俺とゆんゆんはそう話す。

 俺たちが一緒に眠って、朝を迎えると、カズマとめぐみんが、捕まったと聞いて、俺たちはすぐに留置所へと向かう。

 留置所に着くと。

 

めぐみん「それ以上チクチクと説教するなら、私にも考えがありますよ。あなたが好意を寄せているそけっとに、ぶっころりーから罰と称したセクハラされたと泣きついてくれます。」

ぶっころりー「なんて事言い出すんだ!最近はタダでさえ、そけっとの様子がおかしいんだ。僕を占ってやると言って呼び出したかと思うと、水晶の前で何度も首を傾げた挙句、追い返されたり、此間なんて、里の周りを警戒していたら、稽古つけてあげるとか言って、襲いかかって来たんだからね。」

 

 めぐみんとぶっころりーの二人はそんな風に話をしていた。

 ぶっころりーは、泣きそうな顔で切々と訴えていた。

 すると、俺たちに気付いたのか、めぐみんが口を開く。

 

めぐみん「次期族長様ではないですか。何ですか、私を笑いに来たのですか?牢にいられた無様な私を、笑いたくば笑うがいいです!」

ゆんゆん「あははははは!めぐみんが牢に入ってる!」

めぐみん「本当に笑いましたね!いいでしょう!今こそ決着を付けてやりますよ!ぶっころりー、この牢を開けてください!さもなくば、爆裂魔法をぶっ放しますよ!」

 

 めぐみんがそう言うと、ゆんゆんは勝ち誇ったかの様にめぐみんを指差して笑い出す。

 それを見て、めぐみんは激昂する。

 いや、お前が笑えって言ったんだから…………。

 俺はカズマの方を見る。

 

カズマ「何だよ?お前も笑いに来たのかよ?」

湊翔「いや、笑わないよ。何をして捕まったのかで困惑してるんだから。」

 

 カズマが、某地獄兄弟の兄貴みたいな事を言い出すと、俺はそう言う。

 実際、困惑が勝っている。

 何をしたんだ。

 すると、ゆんゆんはため息を吐くと、ぶっころりーに口を開く。

 

ゆんゆん「はぁ…………。全く、本当に何やってんのよ…………?あの、ぶっころりーさん…………。ここは私が見てますから、ちょっとめぐみんと話をしても良いですか?」

ぶっころりー「構わないよ。僕もこう見えて、色々とやることがある身だしね。」

ゆんゆん「見回りという名のそけっとのストーキングに、警戒という名の散歩でしょうに。」

ぶっころりー「うるさいよ!里の周辺の警戒は意外と馬鹿に出来ないんだからね!ここ最近、魔王軍がおかしな動きばかり見せてるんだ。此間だって、里の近くで、目の赤いゾンビやゴーレムが彷徨いていたし…………。」

 

 ゆんゆんはため息を吐くと、そんな風に言う。

 ぶっころりーの言葉にゆんゆんがそう言うと、ぶっころりーはそんな気になる事を言って、ゆんゆんに鍵を渡して去っていく。

 目の赤いゾンビやゴーレムね…………。

 俺がそう考える中、ゆんゆんは他に自警団が居ないのかを確認すると、牢の前に立つ。

 

ゆんゆん「…………で、昨日の夜は何があったの?」

めぐみん「あなたに差をつけられたので、ムシャクシャして気晴らしをしに行ったのですよ。」

 

 ゆんゆんがそう聞くと、めぐみんはそう答える。

 すると。

 

ゆんゆん「ふ〜ん…………。」

めぐみん「何ですか、その生返事は。何か言いたい事があるなら聞こうじゃないか。」

 

 ゆんゆんはそんな生返事をして、めぐみんはそう言う。

 流石は親友だな。

 何か分かったのだろう。

 すると、どことなく不機嫌そうな、ちょっとだけ嬉しそうな不思議な表情を浮かべて、口を開く。

 

ゆんゆん「別に?ただ、長い付き合いだから知ってるんだけど。めぐみんは紅魔族の中でも特殊なのか、嘘吐くと、目の色が青くなる事に気づいてる?」

湊翔「え?」

めぐみん「本当ですか⁉︎ちょっと待ってください!初耳ですよ!私は紅魔族の中でも特別製の、選ばれた者だったという事ですか!」

 

 ゆんゆんはそんな風に言うと、めぐみんは両手を戦慄かせながらそう叫ぶ。

 一瞬、俺は首を傾げたが、ゆんゆんのブラフである事に気づいた。

 ゆんゆんが牢屋の中に入ると。

 

ゆんゆん「アンタ、普段は賢いのに、たまに馬鹿になるのをどうにかしなさいよ。」

湊翔「なるほど、ブラフか。」

めぐみん「はっ!ハメましたね!この私を騙くらかしてくれたんですね!カズマ、私の目を見てください!」

カズマ「おっ、どうした?見ろと言うのならまあ見るが。」

 

 ゆんゆんがそんな風に言うと、俺はそう言う。

 すると、めぐみんはカズマにそう話しかける。

 

めぐみん「カズマ、湊翔。紅魔族の体には、バーコードと呼ばれる縦縞模様のアザがあるのです。ちなみにゆんゆんには、うち太もものそれはもう際どい部分についています。………どうですか?私の目は赤いですか?青いですか?」

ゆんゆん「アンタ、湊翔さんもいるのにいきなり何言ってんのよー!そこは嘘ついて確認する流れでしょおおお⁉︎」

湊翔「えっ?そうなの?」

カズマ「いつも通りの赤い色だ。つまり本当の事なんだな。」

 

 めぐみんはそんな風に意趣返しすると言わんがばかりに、そんな事を暴露する。

 ゆんゆんがそう叫ぶ中、俺とカズマはそう言う。

 ゆんゆんが顔を両手で覆う中、めぐみんは口を開く。

 

めぐみん「ちょっとだけ溜飲が下がりましたが、こんな所に何しに来たんですか?」

ゆんゆん「……………冒険者カード、見せて。」

 

 めぐみんがそう聞くと、ゆんゆんは気を取り直したのか、めぐみんの隣に座り、そんな風にぶっきらぼうに言い、片手を突き出す。

 

めぐみん「嫌ですよ。なぜ、ライバルにカードを見せなくてはいけないのですか?というか、湊翔という彼氏が居るのに、寂しいからと言って、一緒に牢に入るのはどうかと思います。」

ゆんゆん「いくら何でも、そこまで拗らせてないから!討伐モンスターの欄だけでいいわ。疾しい事がないならちょっと見せて。」

 

 めぐみんがそう言うと、ゆんゆんはそんな風に言う。

 子供からの付き合いだから、カズマとめぐみんが、昨夜に何をしていたのかは、察しているのだろう。

 

湊翔「それで、どうなんだ?」

カズマ「ふっ。まあ、色々あったんだよ。」

 

 めぐみんとゆんゆんが話をする中、俺はカズマにそう聞くと、カズマはそう答える。

 すると。

 

ゆんゆん「ああもう!そんな事はどうでもいいからカード見せてよ!ねえ、本当は爆殺魔人が居たんでしょ?それで、カズマさんと一緒に狩ったんでしょう⁉︎」

めぐみん「何ですか、いきなり。狩るわけないじゃないですかそんな物!あれが紅魔族を襲わないのは知っているでしょう?もしにんにんを狩るのであれば、安全な紅魔族の相棒を連れて行きますよ。」

 

 ゆんゆんが痺れを切らしたのか、そんな風に問い詰める。

 それに対して、めぐみんはしれっとそんな風に言う。

 

ゆんゆん「毎日、爆殺魔人が爆殺魔人がって騒いでたのに?」

めぐみん「毎日、爆裂魔法が爆裂魔法がと騒いでいるのが私ですから。」

 

 ゆんゆんがそう聞くと、めぐみんはそんな風に言う。

 頑なに認めようとしないめぐみんに対して、ゆんゆんは口を開く。

 

ゆんゆん「…………三つの試練を受けて、先に次期族長の資格を得たのは私だから、負けたとは思ってないからね?」

めぐみん「言っている意味が分かりませんね。私は紅魔族の落ちこぼれだそうですし、最初から勝負にもなりませんよ。よかったじゃないですか。これで紅魔の里でずっとチヤホヤされますよ?」

 

 ゆんゆんとめぐみんはそんな風に言い合う。

 そう、俺はある事に気づいていた。

 それは、次期族長になったのだから、紅魔の里に留まる必要があるのだ。

 里の運営を学ぶ為に。

 俺がそう考える中、めぐみんとゆんゆんは。

 

ゆんゆん「……………これで勝っただなんて、思わないでね。」

めぐみん「……………分からない人ですね。勝ったのはあなたではないですか。」

 

 めぐみんとゆんゆんは、そんな風に話す。

 性格や生まれた環境、体型など、何もかも正反対な二人がライバルになるのは、必然だったのかもしれないな。

 その後、牢を後にした俺とゆんゆんは。

 

湊翔「……………それで、どうするんだ?」

ゆんゆん「…………少し、両親に会って来ます。」

 

 俺がそう聞くと、ゆんゆんはそう答える。

 まあ、そうなるか。

 その後、俺はカズマとめぐみんを連れて、皆の元に向かう。

 

アクア「全く、カズマは全く!めぐみんも全く!二人は何か問題を起こさないと気が済まないんですか?今回は問題も起こさず、ずっと品行方正だった私を見習いなさいな!」

ダクネス「アクアの言う通りだぞ、カズマ。めぐみんはもう手遅れだが、お前が止めなくてどうするんだ。」

 

 カズマとめぐみんは、昨夜、酔い潰れていたアクアとダクネスに説教を喰らっていた。

 理不尽極まりないな。

 

白夜「品行方正って…………どの口が言ってるんだ。」

武劉「そうだな。常日頃から問題を起こしているお前が言えるセリフではないな。」

アクア「何ですってぇ〜⁉︎言ったわね!アンタ達に聖なるグーを喰らわしてやるわ!」

朱翼「落ち着いてください!」

 

 白夜と武劉がそんな風に言うと、アクアは二人に掴み掛かろうとして、朱翼に抑えられる。

 そんな中、トウカとリアが話しかける。

 

トウカ「湊翔、ゆんゆんはどうしたんだ?」

リア「まさか、湊翔は紅魔の里にゆんゆんを置いていくのか?」

湊翔「いや、ゆんゆんはもう答えは出てるはずだ。」

 

 トウカとリアがそう聞くと、俺はそう答える。

 ゆんゆんならきっと…………。

 俺がそう考えていて、ダクネスとめぐみん、アクア、白夜、武劉が話をしていると。

 

ゆんゆん「めぐみん!」

 

 そんな声が聞こえてくる。

 俺たちが振り返ると、そこには、肩で息をしているゆんゆんの姿があった。

 

朱美「ゆんゆんちゃん。」

聡介「どうしたんだ?」

湊翔「…………な?」

トウカ「そうね。」

リア「ああ。」

 

 父さんと母さんがそう言う中、俺はそう言い、トウカとリアも頷く。

 すると。

 

ゆんゆん「私も、アクセルに帰るから!私も、魔王を倒してみせるから!こんな、譲られた勝ちじゃなくて…………魔王を倒して、最高の功績を手に、ちゃんと族長になってみせるから!もう、お父さんや里の皆に宣言したから!」

 

 ゆんゆんはそんな風に叫ぶ。

 その表情は、吹っ切れたかのように満面の笑みを浮かべていた。

 

狼菜「ゆんゆん…………。」

めぐみん「……………そうですか。せっかくリア充になれたのに、またぼっちにならなければいいですね。…………まあ、魔王を倒すのはこの私ですが。」

 

 狼菜が嬉しそうな表情を浮かべる中、めぐみんはそっぽを向きながら、興味なさそうにそう言う。

 だが、嬉しいのを隠し切れないのか、耳がピクピクと動いていた。

 

シエロ「めぐみんさん、本当は嬉しいんですよね?」

エーリカ「そうね。目も真っ赤だし。」

めぐみん「うるさいですよ!」

 

 シエロとエーリカがニヤニヤしながらそう言うと、めぐみんはそう返す。

 そこから、めぐみんが冒険者カードの魔物討伐一覧を見せて、ゆんゆんが絶叫するのを、俺たちは苦笑しながら見ていた。

 こうして、俺たちはアクセルの街へと戻る事に。

 だが、この時の俺たちは気づいていなかった。

 

拓巳「ふぅ〜…………。」

ウォルバク「拓巳。石井樹はどうなの?」

 

 ある部屋から、拓巳が一息つきながら出てくる。

 ウォルバクがそう聞くと、拓巳は口を開く。

 

拓巳「ああ。拷問に耐えかねたのか、吐いてくれた。どうやら、ジャマトの侵食を抑える血清があるようだ。まずは、ここで隔離している紅魔族が変貌したジャマトに使う。知恵の樹の方は、確保次第、血清を使って解放する。」

ウォルバク「分かったわ。」

 

 拓巳はそう答える。

 拷問の末、ステージ2になってしまった紅魔族を助けれる血清があると判明した。

 まずは、隔離している紅魔族を救う為に動きだす。

 すると。

 

ギロリ「拓巳!」

拓巳「どうしたんだ?」

ツムリ「大変です!火の女神ファイアが、またもや脱出しました!」

拓巳「何っ⁉︎」

 

 そこに、ギロリさんとツムリがやってくる。

 すると、以前にダークライダーのバトロワを開催したファイアが脱走したと判明した。

 

拓巳「どういう事だ⁉︎」

ツムリ「それが…………私たちも石井樹に気を取られてしまって、ジットによって暴れられ、ファイアを解放されてしまいました。」

ウォルバク「石井樹を囮にしたわけね………!」

拓巳「また問題が増えたか…………。」

 

 拓巳がそう聞くと、ギロリさんはそう答える。

 石井樹を囮にして、ジットが乗り込んできたのだ。

 拓巳は頭を抱える。

 そんな中、ジットはというと。

 

ジット「これが今の桐ヶ谷湊翔がいる場所だ。」

 

 ジットはある二人組にアクセルの街の座標が書かれた紙を渡す。

 

???「へぇ〜…………あいつがねぇ。」

ジット「桐ヶ谷湊翔に対しては、どうするのかはお前達に任せる。」

???「どうします?」

???「決まってんだろ。久しぶりに会いにいくぞ。俺たちの金蔓に。」

 

 1人がそう言うと、ジットはそう言う。

 腰巾着のような男がそう聞くと、1人の男はそう言う。

 果たして、何者なのか。




今回はここまでです。
今回は、カズマとめぐみんのもぐにんにんとの対決です。
時折、締まらない事がありつつも、ファンタジーフォームの力で強化されたトライエクスプロージョンで、もぐにんにんを葬る事ができました。
ゆんゆんも、アクセルの街に戻る事になり、紅魔の里での一件は終わりました。
そんな中、火の女神ファイアがまた脱走し、ジットは誰かと接触していた。
その2人は、湊翔の事を知っているようだが。
次回で、14巻の内容は終わります。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
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