この白狐の戦士に祝福を   作:仮面大佐

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第158話 それぞれの決意

 アクセルの街にセレスディナとギャングライダーが現れてから、しばらくが経過した。

 

冒険者「セレナ様のお言葉が聞けるそうだぞ!急げ!」

冒険者「おいこっちだ!急がないとセレナ様のご尊顔が見れなくなるぞ!」

 

 アクセルの街の様子は、おかしな雰囲気になっていた。

 セレスディナは今や、この街の聖女として崇められていた。

 ちなみに、アクアのギルドへの出入り禁止措置は解かれた。

 

アクア「…………ねえちょっと。この私が屋敷に封印されていた間に、一体この街に何があったの?」

カズマ「封印とか、何かかっこいい言い方してんだ引き篭もり。お前が感心している間に、あの女はこの街の顔になったんだよ。」

 

 久しぶりに見る街の様子の変貌にアクアが驚いていると、カズマはそう突っ込む。

 それを見ていためぐみんとダクネスが口を開く。

 

めぐみん「…………どうしてだか、胡散臭いと感じる女です。まあ、私はカズマが関わるなと言うなら、何もしませんし、言いませんが。」

ダクネス「…………まあ、行い自体は褒められるものだしな。…………こんな事を言うのも何だが、なぜだか無性に気に食わないのだが。しかし私も、カズマが言うなら大人しくしていよう。何だかんだで、お前の忠告はいつだって的を射ている。私はもう、お前の言葉を無視して勝手な事はしないさ。」

 

 めぐみんとダクネスはカズマに話しかける。

 どうやら、カズマはめぐみん達には、セレスディナの正体は明かしていないみたいだな。

 それを見ていた俺たちのパーティーとアクセルハーツは。

 

リア「何なんだ、あの人は?」

シエロ「それにしても、すごい人気ですよね。」

エーリカ「人気過ぎて、寧ろ怖いくらいだけどね。」

 

 リア達はそう話す。

 リア達からしても、違和感を感じているみたいだな。

 そんな中、俺たちは。

 

湊翔「皆、大分様子がおかしいよな…………。」

トウカ「そうね…………。いくら何でも、怪しいわよ。」

白夜「どいつもこいつも、あのセレスディナって奴に回復魔法をかけられた面子ばかりだが…………どうなってやがる?」

朱翼「このままでは、冒険者達はあの人に逆らえなくなりませんか?」

武劉「だとすると厄介だな…………。」

 

 俺たちはそう話す。

 恐らく、セレスディナが何かをしたのは間違い無いのだろうが、原理が分からないんだよな。

 すると。

 

冒険者「セレナ様ー!すいません、討伐の最中にコイツが怪我しまして……!かなりの重傷でして……!どうか助けて貰えませんか!?」

 

 そんな叫び声と共に、街の入り口から冒険者が入ってきた。

 2人の冒険者が、即席の担架で運ばれていた。

 かなりの重傷であり、寝かされた冒険者は視線も虚ろで、荒い息を吐いていた。

 すると、負傷した冒険者が聞き取れるか聞き取れないかくらいの微かな声で口を開く。

 

冒険者「……クア……、アクア……の姉ちゃん……の所に……。」

アクア「私ならここにいるわよー!任せなさいな!そんな傷、一瞬で完治させてあげるわ!」

 

 その冒険者は、アクアに助けを求めていた。

 それが聞こえたアクアは、頼りにされたのが嬉しかったのか、嬉々としてその冒険者に駆け寄ろうとする。

 だが、どういう訳か、セレスディナの取り巻きの連中に遮られた。

 

アクア「あっ、ちょっと何よ!あんな達邪魔よ!ゴッドブローで総入れ歯にされたいの⁉︎早くその人を癒さないと…………!」

白夜「何やってんだ、アイツら。」

朱翼「どうしてアクアの邪魔を…………⁉︎」

 

 セレスディナの取り巻きがアクアの事を邪魔したのを見て、白夜と朱翼はそう言う。

 アクアは回復魔法は優秀なので、邪魔をする理由にはならない筈だ。

 セレスディナは、その冒険者に屈み込むと。

 

セレスディナ「ヒール!ヒール!ヒール!」

 

 セレスディナは、何度もヒールをかけていく。

 その冒険者の傷が塞がっていく中、その冒険者は口を開く。

 

冒険者「あ………ありがとうございますセレナ様……!」

 

 その冒険者は、ハラハラと涙を溢しながら、セレスディナの事を様付けしていた。

 

トウカ「何で回復魔法をかけられただけで、様付けをするの?」

湊翔「回復魔法をかけられて…………まさか。」

 

 トウカがそう呟く中、俺はある事に気づきつつあった。

 冒険者がクエストの中で負傷し、魔法で傷を治してもらう事は日常茶飯事だが、涙を零して様付けするまでもない。

 実際、アクアも蘇生が出来るというのに、割とぞんざいな扱いをされているわけだし。

 それに、セレスディナの行動に関しては、プリーストとしては当たり前の行動だ。

 もちろん、それに感謝するのは当たり前なのだが、様付けをするほどかと言われると、何とも言えない。

 それを見て、セレスディナの能力の一端に辿り着いた気がする。

 そんな中、アクアはその冒険者に手をかざしていた。

 どうやら、セレスディナの力では、完治とまではいかなかったようだ。

 アクアがそれを癒そうとした瞬間、重傷を負っていた冒険者によって、アクアの手が払われる。

 

アクア「えっ………。」

冒険者「俺はセレナ様に癒して貰いたい。余計な事はしないで放っておいてくれ。」

 

 アクアがそんな風に呆然としながら小さな声を出す。

 すると、重傷を負っていた冒険者は、そうキッパリと告げた。

 それを聞いて、アクアは肩を落としてトボトボと帰ってきた。

 それを見ていた俺たちは。

 

エーリカ「何よ、あの言い方⁉︎いくら何でも無いんじゃ無いの⁉︎」

シエロ「流石にアクアさんが可哀想ですよ…………。」

リア「どうなっているんだ……?」

白夜「あいつ…………。」

トウカ「あんな言い方されたら、誰だって傷つくわよ………。」

武劉「……………。」

朱翼「アクア……………。」

湊翔「……………そういう事か。」

 

 アクアに対して、明確な拒絶の言葉を投げかけた冒険者に、エーリカは苛立ち、シエロはアクアに同情をし、リアは困惑していた。

 実際、かなり違和感がある光景だからな。

 それに、普段、アクアと仲が悪い筈の白夜でさえも、何とも言えない表情を浮かべていた。

 俺がそう呟くと、武劉が反応する。

 

武劉「どういう事だ?」

湊翔「アイツ…………冒険者達に借りを作らせたんだ。」

白夜「どういう事だ?」

湊翔「恐らくだけど、対象を傀儡とさせる為には、セレスディナに借りを作る必要があるんだと思う。さっきの冒険者も、セレスディナに回復魔法をかけられた事で、借りが出来たんだろうな。」

朱翼「そういう事ですか…………!」

 

 武劉がそう聞くと、俺はそう答える。

 恐らく、傀儡と復讐を司る神であるレジーナの力で、セレスディナに借りを作った人物は、セレスディナの傀儡として操られるのだろう。

 だが、何故そんな事をするのか。

 分からない点がそこだ。

 何故、セレスディナは冒険者達を傀儡にしていっているのか。

 すると、武劉が口を開く。

 

武劉「…………まさか。そういう事か。」

湊翔「どうした?」

武劉「セレスディナの目的は…………アクセルの街への襲撃の手引きじゃないか?」

トウカ「どういう事?」

武劉「以前、デュークが言っていただろう。この街を最重要攻略拠点に据えると。」

 

 武劉は何かを察したのか、そんな風に言う。

 俺がそう聞くと、武劉はそう言う。

 トウカの問いに対して、武劉はデュークの名前を挙げた。

 確か……………。

 

デューク『既にこの事は魔王様の下へ報告書を送っている。いずれこの街は、魔王軍の最重要攻略拠点となるだろう。』

 

 デュークは、そんな事を言っていた。

 という事は…………!

 俺が察した表情を浮かべると、武劉は口を開く。

 

武劉「ああ。雷ジャマト祭りの時と同じだ。アクセルの街が滅亡すれば、冒険者達は鍛え上げることが出来なくなり、戦力の増強が行われず、人類は滅亡する可能性が高まる。」

白夜「ちっ!いやらしい奴だな…………!」

トウカ「冒険者を傀儡にしているのは………!」

朱翼「冒険者の抵抗を少しでも減らす為でしょうね…………。」

 

 武劉はそんな風に語る。

 ジャマトグランプリの雷ジャマト祭りの時と同じく、人類存亡の危機に直面しているという事か。

 セレスディナが傀儡を増やしているのも、それが理由か。

 そんな風に会話をしている中、カズマにセレスディナがカズマにしか聞こえない声で話しかける。

 

セレスディナ「取引は覚えているな?もし約束を破ったら、お前達のせいでこの街に災厄が降りかかると思いな。でも、随分と苦しそうな顔をしてるなあ。…………そういえば、お前には金を貸してもらった借りがあったな。お前一人だけで邪魔をするなら、街を人質には取らずに魔王軍幹部として、堂々と相手してやるよ。……………だが、お前はこっちよりの人間だ。そんな事を出来ないはずだ。」

 

 セレスディナはそんな風に語る。

 街を人質にとった事で、優位に立っているつもりなのだろう。

 カズマを煽る様にそう言う。

 すると、セレスディナは俺の方にも近寄ってきて、小声で話しかける。

 

セレスディナ「お前は……………どうやら、仲間には話したみたいだが…………まあいいさ。お前のその行動で、ギャング達はこの街に襲いかかり、全てを蹂躙するだろうな。男は殺されたり、奴隷として売り払われ、女はギャング共に犯され、性処理道具となるだろうなぁ。お前は仲間に私の事を話したという行動を後悔していろ。お前のせいでこうなったんだからな。」

 

 セレスディナは、俺がセレスディナの事をトウカ達に話した事を察していたのか、そんな風に言う。

 まるで、俺の心をへし折ろうとせんとばかりに。

 セレスディナはそう言い終えると、取り巻きを引き連れて去っていく。

 そんな中、カズマは。

 

カズマ『くそっ!どうしたらいいんだよ………!ああ畜生…………!』

 

 カズマはそんな風に苦悩していた。

 この状況をどうすればいいのかと。

 実際、セレスディナの事をめぐみんやダクネス達に明かせていないというのもあり、悩んでいた。

 すると。

 

カズマ「……………な、何でしょう。」

めぐみん「………………。」

 

 カズマが苦悩するかの様な表情を浮かべている中、めぐみんが無言でカズマの右腕に手をそっと置く。

 カズマがそう聞いても、めぐみんは無言でカズマを見つめていた。

 すると。

 

ダクネス「……………。」

カズマ「お前まで何だよ。何だよ二人とも。言いたい事があるなら言ってくれよ。」

 

 ダクネスもカズマの左腕に手を置き、無言でカズマを見つめる。

 カズマがそう聞く中、二人は何も答えなかった。

 すると、アクアがカズマの服の背中の部分を掴む。

 

カズマ「…………なんだよ、お前まで。いい加減、何か言ってくれよ…………。」

 

 カズマはアクアに対して、そんな風に言う。

 すると。

 

アクア「カズマさん、カズマさん。…………私、この街にいらない女神ですか?」

 

 アクアは普段とは違い、小さな声でそんな風に言ってくる。

 恐らく、先ほどの冒険者に手を払われた事が余程応えたのだろう。

 その顔は、泣きそうな表情だった。

 それと同時に、俺は。

 

湊翔「………………。」

トウカ「湊翔…………大丈夫?」

リア「湊翔…………。」

 

 黙り込んでしまった俺を見て、トウカとリアは不安げにそう言う。

 

湊翔「大丈夫だよ。俺はもう動じない。皆が居るからな。」

 

 俺はそう答えて、安心させる。

 だが、覚悟は決まった。

 すると、カズマが話しかけてくる。

 

カズマ「……………湊翔、話がある。」

湊翔「ああ。」

 

 カズマは何か決意を決めた表情を浮かべながらそう言うと、俺はそう答える。

 俺たちは、デザイア神殿の待機場へと移動する。

 デザイア神殿の待機場は、デザイアグランプリに参加している人しか入れない為、セレスディナの傀儡となった冒険者達は、入れない筈だ。

 そこで俺たちは、色々と話をする事に。

 

めぐみん「どうしたのですか、カズマ。」

ダクネス「いつにもなく真面目な表情で………。」

カズマ「お前らに話す事がある。」

 

 めぐみんとダクネスが訝しげな表情を浮かべる中、カズマはそう切り出す。

 俺たちは、話をしていく。

 セレナことセレスディナの正体は、魔王軍幹部のうちの1人である事。

 俺の過去に因縁がある須郷大介と新川礼一がギャングを率いて現れた事。

 ジットと呼ばれる存在が接触してきた事。

 それらを全てぶちまけた。

 まあ、ギャング達とジットについては、カズマにも話していなかったが。

 

めぐみん「あのセレスディナという女が魔王軍幹部⁉︎」

ダクネス「何故、それを早く言わないんだ⁉︎」

湊翔「すまん。アイツを殺したら、殺した相手は愚か、その周辺にもとびきり強力な呪いが振りかかる。街全体が人質に取られているんだ。」

ダクネス「そ、そうだったのか…………。」

 

 俺とカズマの話を聞いていためぐみんとダクネスは、そんな風に話す。

 実際、人質に取られていたのは事実だし。

 すると、アクアが近づいてきた。

 俺とカズマが顔を見合わせると。

 

アクア「何でアンタら…………黙ってたのよ‼︎」

 

 そう言って首を絞めてきた。

 待って、待って!

 

めぐみん「アクア!落ち着いて下さい‼︎」

カズマ「おい!やめろよ‼︎」

ギロリ「お、落ち着いてください…………!」

 

 カズマの首を絞めている中、めぐみんとカズマはそう叫び、ギロリさんはアクアを止めようとする。

 すると。

 

???「湊翔…………。」

???「その話は本当なの?」

湊翔「っ!父さん、母さん…………!」

 

 そんな声が聞こえてきて、俺は振り返る。

 そこには、父さんと母さんの姿があった。

 

ギロリ「私が呼んだんだ。あの二人は君の過去の因縁に関係しているのだから、彼らにも話しておくべきだ。」

湊翔「ギロリさん…………。うん。」

 

 俺が驚いている中、ギロリさんはそう説明する。

 確かに、以前にも、父さんと母さんに迷惑をかけたく無いから、虐められていた事を黙っていたからな。

 すると、父さんと母さんが俺を抱きしめる。

 

聡介「そうやって、何でも一人で抱え込もうとするのは悪い癖だぞ。」

朱美「そうよ。私たちはあなたの両親なのよ。少しくらい、迷惑をかけたって気にしないわ。むしろ、思う存分に頼ってほしい。」

湊翔「うん…………。ありがとう。」

 

 父さんと母さんの二人はそんな風に言う。

 確かに、二人には迷惑をかけたからな。

 俺は正直に話す事にした。

 

聡介「そうか…………。」

湊翔「でも、父さんと母さんは無理しないでくれ。相手は仮面ライダーなんだから…………。」

朱美「大丈夫よ。私たちも仮面ライダーなんだから。」

白夜「湊翔の両親も仮面ライダーだったのか⁉︎」

 

 父さんがそう言う中、俺はそう言う。

 相手は仮面ライダーだ。

 すると、母さんがそう言うと、父さんと一緒にデザイアドライバーを取り出す。

 IDコアが装填されている場所には、父さんはシーカーに似ているが、山猫っぽい見た目の、母さんはハクビシンの様なIDコアが装填されていた。

 

聡介「とにかく、その二人に関しては私たちに任せてほしい。」

朱美「色々と、許せないから。」

武劉「……………なら、他のギャング達は俺に任せて欲しい。」

 

 父さんと母さんはそんな風に言う。

 すると、武劉はそう言う。

 

朱翼「武劉さん…………。」

武劉「そのギャング達に、この街を好き放題にはさせない。倒すだけだ。」

白夜「大丈夫なのか?」

武劉「心配ない。ある物を受け取ったからな。拓巳経由でフォルテからな。」

トウカ「フォルテから?」

 

 朱翼と白夜の二人がそう聞くと、武劉はそう語る。

 フォルテから、何かを受け取ってたのか?

 そこから、武劉は語っていく。

 昨日、寝る前に武劉は拓巳の元に訪れていた。

 

武劉「何だ?渡したい物というのは?」

拓巳「ああ。フォルテから、お前の為にある物を受け取っていたんだ。」

武劉「フォルテから?」

 

 武劉がそう聞くと、拓巳はそう答える。

 フォルテが、武劉の為に新たなレイズバックルを用意していたのだ。

 拓巳は、あるレイズバックルを武劉に渡す。

 その見た目は、戦闘機が全体に来る様な見た目のレイズバックルだった。

 

武劉「これは…………?」

拓巳「オーレギオンレイズバックル。前にフォルテの世界で、武劉はオーレギオンを使っていたが、その時の操作データを元に、フォルテが開発をして、俺たちが調整を施した。」

 

 武劉がそう聞くと、拓巳はそう答える。

 オーレギオンレイズバックル。

 別の世界にて、山野淳一郎がAX-000と呼ばれるコアスケルトンの専用のアーマーフレームとして開発されたオーレギオンと呼ばれるLBX。

 動力部には、無限のエネルギーを生み出す永久機関「エターナルサイクラー」を搭載しており、更にはオーレギオンが誕生するまでに存在していたLBXの固有武装が組み込まれており、まさに究極のLBXと呼ぶに相応しい物だ。

 その世界でのオーレギオン自体は、ミゼルに奪取されてしまい、ミゼルオーレギオンとなり、最後は山野バンのオーディーンMK-2と大空ヒロのアキレスD9の合体必殺ファンクションであるダブルレイウィングによって破壊された。

 だが、フォルテはデューオと呼ばれる存在からオーレギオンの設計データを受け取り、色々あって、完成に漕ぎ着けたのだ。

 ハンドレッドとの戦いの後、武劉はオーレギオンを操作したのだが、その際のデータと、仮想世界でオーレギオンLBCSを纏い闘ってもらい、戦闘データを蓄積して、それらのデータを元に、オーレギオンのレイズバックルを生み出したのだ。

 

武劉「何故だ?何故、今頃これを渡すんだ?」

拓巳「これから、魔王軍やロキ達との戦いは更に苛烈になるだろう。これを使って、世界平和に役立てて欲しい。山野博士の構想の様に。」

武劉「……………ああ。分かった。」

 

 武劉は、オーレギオンレイズバックルを渡す理由を聞く。

 拓巳は、山野博士がミゼルから世界を守る為にオーレギオンを開発した事を併せて、そう語る。

 それを聞いた武劉は、オーレギオンレイズバックルを受け取る。

 

カズマ「そんな事があったのか…………。」

武劉「ああ。チンピラ如きに負けるわけがないが、油断しないでおく。闘轟の話によると、ジャマトの細胞を埋め込まれている様だから、他のメンツにも埋め込まれている可能性がある。」

湊翔「分かった。頼んだぞ。」

 

 カズマがそう呟く中、武劉はそう言う。

 確かに、何かある可能性は十分にある。

 俺がそう言うと。

 

カズマ「それじゃあ、俺はセレスディナの事を任せてくれないか?」

めぐみん「カズマ…………!」

カズマ「あいつに舐められたまま引き下がれるかよ!頼む!」

 

 カズマはそんな風に言う。

 確かに、セレスディナは、カズマが自分に何も出来ないと高を括ってる状態だからな。

 気持ちは分かる。

 

湊翔「頼む。それと…………セレスディナの傀儡化だけど、俺の力なら解除出来るかもしれない。」

白夜「本当か⁉︎」

湊翔「ああ。やれるだけの事はやるさ。」

トウカ「……………。」

 

 俺はカズマにそう言うと、それと同時に、セレスディナの傀儡化を解除出来るかもしれないと伝える。

 俺の創世の力なら、どうにか出来るかもしれない。

 ただ、トウカは俺の事を見つめていた。

 

白夜「それじゃあ、俺たちは傀儡化している連中を抑えればいいんだな。」

朱翼「そうですね。出来る限りは傷つけない様にしないと…………。」

ダクネス「分かった。めぐみんも協力してくれ。」

めぐみん「分かっていますよ。爆殺魔人を倒した事ですし、カズマにも譲りますよ。」

 

 白夜達はそう話す。

 すると。

 

トウカ「…………ごめん。私、ちょっと用事があって…………。」

アクア「えっ⁉︎」

ダクネス「どうしたのだ?用事というのは?」

ギロリ「私から話します。実は…………以前、黒崎将輝達と共に戦ったバトルロワイヤルにて暗躍していたファイアが復活しました。」

カズマ「はっ⁉︎」

 

 トウカはそんな風に謝りながら言う。

 アクアとダクネスがそう反応すると、ギロリさんはそう語る。

 マジでか。

 ギロリさん曰く、ファイアは無限地獄に囚われていたが脱走して、脱走した後、信者達を煽り、戦争を起こそうとしており、王都に攻め込もうとしていたのだ。

 

カズマ「なんて傍迷惑な事してんだよ…………。」

トウカ「それで、私もその手伝いをしないといけなくて…………。」

ギロリ「申し訳ないが、ファイアに対処する為にも、彼女にも手伝ってもらう必要が出来たんだ。」

湊翔「そっか…………分かった。そっちは頼む。」

トウカ「うん。」

 

 それを聞いたカズマは、呆れながらそんな風に言う。

 傍迷惑極まりないからな。

 ギロリさんが謝りながらそう言うと、俺はそう言う。

 恐らく、トウカも女神として参加するのだろうからな。

 すると、武劉が口を開く。

 

武劉「しかし、何で神の一人が封印されていたんだ?それに…………話を聞いた限りだが、以前に出てきたファイアとは性格が違う様だが。」

白夜「確かにな…………前に会った時はチンピラみたいな感じだったが、さっき見せてもらった演説だと、カリスマ性を感じたが。」

ギロリ「……………実は、それには訳がありまして。」

 

 武劉はそう語る。

 武劉は、ファイアとは遭遇していないが、話を聞いており、違和感を感じていたのだ。

 白夜も同意すると、ギロリさんは口を開く。

 実は、ファイアはデストロイヤー開発者が活動していた頃よりも遥か前の時代に、何度も何度も地上に降りて世界に闘争を呼び込もうとしていたのだ。

 その際に天界の天使のほとんどがファイアの元に従い、地上を変革する準備をしていた。

 それを事前に察したゼウスと仲間達がなんとか阻止し、二度とこのような事が起こらないようにと記憶を抹消しようとした。

 だが、ファイアの自我が強すぎて、封印しか出来なかったという。

 そして、念には念をでファイア以外の神々の記憶も改竄したらしい。

 些細なキッカケで、ファイアの記憶を取り戻さない為に。

 

朱翼「そんな事があったんですね…………。」

ギロリ「はい。その為、今のファイアは記憶が解かれた状態かと。」

ダクネス「まあ…………トウカだけが何故、ファイアの方に向かう理由が分からないが、とにかく、私たちはセレスディナの方をどうにかしよう。」

白夜「ああ。」

 

 朱翼がそう言うと、ギロリさんはそう説明する。

 そうして、俺たちはセレスディナへの対決の為に体を休める事にした。

 そんな中、俺はジーンの元に向かった。

 

ジーン「やあ、湊翔。どうしたんだい?」

湊翔「ジーン。今の俺の力で、レジーナの傀儡化を解除出来るか?」

ジーン「っ!」

 

 ジーンが俺が入ってくる事に気づいて、そう話しかけると、俺はそう答える。

 それを聞いて、ジーンは驚愕の表情を浮かべる。

 すると、ジーンは口を開く。

 

ジーン「……………正直、分からない。ただ、レジーナは神だ。君の力で解除するとなると、場合によっては……………君は意思なき神に成れ果てる可能性がある。」

 

 ジーンはそう答える。

 意思なき神…………つまり、道具に成り果てる場合があるのか。

 

湊翔「……………そうか。」

ジーン「君は怖くないのか?意思なき神に成り果てたら、奴らの道具にされかねない。そんな事を…………!」

湊翔「……………俺、覚悟を決めてたんだ。」

 

 俺がそう呟くと、ジーンはそう叫ぶ。

 確かに、意思なき神にされたら、そうなるかもしれないな。

 俺がそう言うと、ジーンは驚愕の表情を浮かべる。

 

ジーン「えっ…………?」

湊翔「創世の力なんて、人間には大それた力を手に入れた時からな。それに…………俺に出来る事をやりたいだけだ。あと、アイツらの道具に成り下がる気はない。」

ジーン「それが君の……………仮面ライダーギーツとしての覚悟か。」

湊翔「ああ。」

 

 ジーンがそう呟くと、俺はそう答える。

 実際、葛葉紘太/仮面ライダー鎧武も、極アームズの力……………黄金の果実の一欠片の力を手に入れてから、人でなくなり始め、最終的に始まりの男になった。

 恐らく、俺の創世の力も、人間だと扱い切れない可能性がある。

 もちろん、ロキ達の道具に成り下がる気はこれっぽっちも無いが。

 俺の覚悟を聞いたジーンは。

 

ジーン「……………分かった。万が一の時には、俺がサポートする。これを使って。」

湊翔「それは?」

 

 ジーンはそう言うと、ある物を取り出す。

 それは、レーザーレイズライザーをヴィジョンドライバーの様な形にしたベルトだった。

 

ジーン「レーザーレイズドライバー。俺の新たな力だ。万が一の時には、これで完全に意思なき存在になるのを遅らせる。」

湊翔「ああ。頼む。」

 

 ジーンはそう説明する。

 つまり、多少の猶予はあるという事か。

 俺はジーンにそう言うと、部屋から出ていく。

 その際、ジーンの呟きが聞こえた気がする。

 

ジーン「君には……………人としての幸せを掴み取って欲しかったけど…………そう上手くはいかないんだね……………。」

 

 そんな呟きが。

 俺が歩いていると、トウカが話しかける。

 

トウカ「湊翔。」

湊翔「トウカ……………。」

トウカ「本気で言ってるの?」

湊翔「ああ。レジーナの力で傀儡化された冒険者達を元に戻すには、それしかない。」

 

 トウカは真面目な表情でそう聞いてきて、俺はそう答える。

 すると、トウカは俺の服を掴む。

 

トウカ「何で…………なんでそんな事を決意出来るのよ!あなたが居なくなったら、悲しむ人が居るでしょ‼︎」

湊翔「……………っ!」

 

 トウカは俺の服を掴み、頭を俺の体に当てながら、そんな風に叫ぶ。

 確かに、俺は一人じゃ無い。

 それは分かっている。

 でも……………。

 

湊翔「ごめんな、心配かけて。でも、セレスディナをどうにかするには、アイツが傀儡にしている冒険者達を助けないといけないんだ。」

トウカ「………………約束して。」

湊翔「えっ?」

トウカ「絶対に…………戻ってきて。」

湊翔「ああ。」

 

 俺はトウカに謝りつつ、そう語る。

 レジーナの傀儡化を解除する為には、こうするしかないのだろう。

 すると、トウカはそう言う。

 俺はトウカの約束に答えると決意する。

 俺が歩いていると、カズマと遭遇する。

 

湊翔「カズマ……………大丈夫か?」

カズマ「ああ…………あの後、アクア達にかなり絞られたよ。ったく。俺があの魔王軍幹部から守ろうとしてやったのによ。」

 

 俺がそう聞くと、カズマはそんな風に言う。

 苦労したんだな。

 そうだ。

 

湊翔「カズマ、お前にこれを渡そうと思ってな。」

カズマ「あ?これって…………ブーストマークIIIか⁉︎」

 

 俺はある事を思い出して、カズマにある物を渡す。

 カズマはそう反応した。

 そう、渡したのはブーストマークIIIレイズバックルだった。

 

湊翔「それはあくまで俺の力で生み出した複製品。一回しか使えないから、使い所は見極めるんだぞ。」

カズマ「マジか…………でも、なんで?」

湊翔「……………カズマの力になりたいだけさ。」

カズマ「そっか…………なら、受け取っておくわ。」

 

 俺はそう言う。

 カズマに渡したのは、俺の力で生み出した複製品で、一回しか使えない使い捨て仕様だ。

 流石に何度も使えるのはどうかと思うし。

 カズマの問いに俺がそう答えると、カズマはそう言う。

 そんな中、セレスディナは。

 

セレスディナ「さて…………こいつも傀儡にして良いのか?」

ジット「ああ、思う存分に使え。所詮はその程度しか価値がない存在だからな。」

 

 セレスディナはそんな風に問いかけると、ジットはそう答える。

 二人の視線の先には、目が虚になった桜井要の姿があった。

 桜井要は、セレスディナの傀儡になっていたのだった。

 

セレスディナ「それで、大丈夫なんだろうね?」

ジット「ああ。別の勢力が動いて、戦力は割かれるだろうからな。あとはお前次第だな。」

セレスディナ「へっ!」

 

 セレスディナがそう聞くと、ジットはそう答える。

 それを聞いて、セレスディナがそんな風に鼻を鳴らす中。

 

ジット『お前の役目はもうすぐ終わる。せいぜい、上手くやってくれよ。』

 

 ジットはそんな風に考えていた。

 その真意とは。

 一方、ファイアの方は。

 

ファイア「さあ、もうすぐ王都の腐り果てたギャング共を焼き尽くし、新たな世界を!新たな秩序を!作り上げる時だ!」

 

 ファイアはそう叫ぶ。

 すると。

 

ファイア「あ?何だ?……手紙か?」

 

 ファイアの元に手紙が飛んできた。

 ファイアがそれを開けると。

 

『ここに一人で来い。もし来なかったら燃えカスって呼ばせてもらうわ』

 

 手紙には場所の座標が書かれており、そんな風に書かれていた。

 

ファイア「ほう…………アイツら、生意気な事抜かしやがる。普通に考えりゃ、これは陽動だな。だが、これを無視するのは戦士として恥だ。そんなに構ってもらいたきゃ相手してやるよ……クソニート共!」

 

 ファイアは手紙を握りしめ、燃やしながらそんな風に叫んだ。

 それぞれの決意が固まる中、アクセルや世界の命運を賭けた戦いが始まろうとしていた。




今回はここまでです。
今回は、それぞれの決意が描かれる話です。
セレスディナは、何も出来ないと高を括って、煽っていきましたが、それが逆にトリガーになってしまったという。
それぞれの相手を、それぞれが対応することに。
湊翔の両親は、自分の息子を苦しめていた二人と対峙する。
そんな中、湊翔はある決意をする。
次回は、いよいよ、セレスディナとかの戦いが始まります。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
明日、ドゥームズギーツレイズバックルとパワードビルダーバックルのメモリアル版の予約が開始されるとは。
これで、一般販売された大型レイズバックルは全て、メモリアル化しましたね。
あとは、クロスギーツとプロージョンレイジですね。
それらが出たら、ギーツのメモリアルはひと段落ですかね。
今後のこの小説の展開でリクエストがあれば、活動報告から承っております。
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