この白狐の戦士に祝福を   作:仮面大佐

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第7話 魔剣の勇者との邂逅

 魔王軍幹部のデュラハンが襲来した日の翌日、俺たちは、ギルドに集まっていた。

 

湊翔「よし。デュラハンに備えるぞ。」

「「「「「!?」」」」」

 

 俺がそう言うと、皆が驚いた表情を浮かべてくる。

 

湊翔「ん?何で驚くんだ?」

めぐみん「湊翔、今すぐあのデュラハンの所に行かなくていいんですか?」

カズマ「あいつ、今なら油断しているはずだからな。」

 

 ああ、そう言う事か。

 だが、今はダメだ。

 

湊翔「いや、あいつはかなり高いステータスを有しているだろう。今の俺たちじゃとても変身しないと勝てない。」

ダクネス「それでいいじゃないか?」

湊翔「いや、あいつと同じくらい強くならないとダメだと思う。それにあいつは奥の手を隠してそうだしな。」

トウカ「確かに、備えあれば憂いなしって言うしな。」

 

 俺とトウカの言葉に、全員が納得してくれた。

 めぐみんが質問してくる。

 

めぐみん「それで、実際、何をしますか?」

湊翔「あいつは、一週間の猶予をくれた。」

カズマ「一週間?何でだよ。」

 

 あいつは、俺に一週間後に死ぬ呪いをかけた。

 だがまあ、実際には解呪された訳だが。

 あいつは、解呪された場面は見ていない。

 あの真面目なデュラハンが、少なくとも一週間は待ってくれる。

 それを伝えると。

 

めぐみん「なるほど。一週間の間に強くなってしまおうという事ですね。」

湊翔「あぁ。多分、一週間も来なかったら、あっちから来るだろうし。」

 

 会議を終えて、デュラハン…………ベルディアを倒す為に動く。

 まずは、ギルドに報告して、王都からの救援をお願いした。

 戦法も、ベルディアには俺達仮面ライダーが相手をし、その他の相手を後の冒険者に任せるという事にした。

 ただ、ベルディアが来た時に、ジャマトまで来られたら、厄介なんだがな。

 役割分担をして、めぐみんとアクアには、ベルディアの情報を集めて貰う。

 魔王軍の幹部といっても、弱点がない訳じゃないだろうしな。

 すると。

 

ツムリ「おめでとうございます!」

湊翔「ツムリ。」

ツムリ「厳正なる審査の結果、トウカさん。貴女は選ばれました!今日から貴女は、仮面ライダーです!」

 

 ツムリはそう言って、ビックリミッションボックス001を渡す。

 トウカが開けると、デザイアドライバーとIDコアが入っていて、見た事のないライダーのIDコアだった。

 

湊翔「…………これは?」

ツムリ「仮面ライダーラウンズのIDコアです。」

トウカ「仮面ライダーラウンズ………!ありがとう!」

ツムリ「いえ。それでは。」

 

 ツムリはそう言って、姿を消す。

 本当に、神出鬼没だよな。

 こうして、トウカもまた、仮面ライダーになる事になった。

 ただ、やっぱり思うのが、トウカが、アテナとそっくりなんだよな。

 まあ、他人の空似か?

 そんなこんなで、トウカのレイズバックル集めにも協力する事に。

 基本的には、小型レイズバックルや、出来れば大型レイズバックルを集める事だ。

 この5日間、色んなクエストを受けてきて、トウカは、ウォーター、ハンマー、チェーンアレイ、シールド、そして、大型のカリバーバックルを手に入れた。

 カズマ、めぐみん、ダクネスもまた、レイズバックルを手に入れた様で、カズマはシールド、チェーンアレイ、めぐみんはウォーター、アロー、ダクネスはハンマー、チェーンアレイ、ウォーターだ。

 ベルディアの弱点も調べて、ベルディアが来るまで残り1日となった。

 すると、アクアが言う。

 

アクア「クエストを受けましょう!」

湊翔「どうしたんだ、薮から棒に。」

カズマ「多分、金が欲しいんだろ。」

アクア「お願いよおおおおお!もうバイトばかりするのは嫌なのよお!コロッケが売れ残ると店長が怒るの!頑張るから!今回は、私、全力で頑張るからあぁっ!」

 

 そう言って、カズマに泣きつく。

 そう、アクアを除いた全員は、懐は潤っているのだ。

 現状、ベルディアのせいで高難易度クエストしか残っていないので、無理して受ける必要はない。

 その後、アクアが掲示板に行き、カズマが見に行った。

 ていうか、俗物すぎるだろ。

 女神として、それはどうなんだよ。

 まあ、女神とは思ってないけど。

 すると、めぐみんが話しかける。

 

めぐみん「湊翔。」

湊翔「何だ?」

めぐみん「以前、ジャマトとやらが襲ってきた時に、湊翔が手に入れてたレイズバックル…………。」

湊翔「ブーストの事か?」

めぐみん「それです!そのブーストレイズバックルは、どんな物なのですか?」

 

 ブーストレイズバックルの事か。

 すると、ダクネスやトウカもこちらを見てくる。

 まあ、話しておくか。

 俺は、ブーストレイズバックルを見せながら、話しだす。

 

湊翔「ブーストレイズバックルは、他のレイズバックルとは比にならない力を秘めてる。」

ダクネス「…………つまり、強力という事か?」

湊翔「そうだ。ただし、必殺技を使ったら、ブーストレイズバックルは使えなくなる。」

トウカ「必殺技を使ったら、使えなくなるのね…………。」

めぐみん「何ですか、それ!紅魔族の琴線に激しく触れますよ!」

湊翔「まあ、ベルディアの攻略には、ブーストも鍵となると思うしな。」

 

 そう。

 魔王軍の幹部を倒す為には、己の戦闘技術だけでなく、ブーストレイズバックルも重要だろうしな。

 そんな話をしていると、カズマとアクアが戻ってくる。

 クエストが決まった様で、湖の浄化クエストを受ける事に。

 その際、アクアをモンスター捕獲用の檻に入れて湖に放り込むらしい。

 なぜ、アクアを檻に放り込むのかというと、浄化をしていると、ブルータルアリゲーターというモンスターが邪魔しに来ると思われるので、それの対策としてだ。

 ちなみに、檻に入ったアクアは。

 

アクア「………私、今から売られる希少モンスターか、出汁を取られる紅茶のティーパックの気分なんだけど。」

 

 そう語る。

 俺たちは、目的の湖へと向かい、檻に入ったアクアを湖に放り込む。

 その間、アクアを見守りながら、対ベルディア戦の作戦を立てる。

 

湊翔「…………こんな感じで、ベルディアを倒すには、これらのレイズバックルが鍵を握ると思うんだ。」

 

 そう言って出したのは、アクアジェット、ウォーター、ブーストの三つだ。

 そうして、俺は皆に作戦を伝える。

 すると、全員が納得の表情を浮かべる。

 

カズマ「なるほどな。これなら、アイツに勝てるかもしれないな。」

めぐみん「そうですね。」

湊翔「まあ、その作戦は、上手くいけばの話だからな。」

ダクネス「上手くいけば?」

湊翔「不確定要素があるからな。」

トウカ「君たちが戦った、ジャマトって奴か?」

湊翔「ああ。」

 

 そう。

 それが、不確定要素と言えるのだ。

 もし、ベルディアが来た時に、ジャマトも襲ってきたら?

 そして、ベルディアが強化されたら?

 それだけが不安なのだ。

 まあ、臨機応変で行こう。

 すると。

 

アクア「アアアアアアァァァァ!!!」

「「「「「!?」」」」」

 

 アクアの悲鳴に俺たちは反応して、見てみると、アクアの周囲に大量のブルータルアリゲーターが湧いてきていた。

 

アクア「なんか出た!なんか出てきたァァァァァァァ!!助けて!皆助けてェェェェ!!」

 

 浄化開始から、4時間が経過した。

 出てきたワニはアクアが入っている檻を破壊しようとしている。

 アクアはそれはもう一心不乱に自前の浄化能力と浄化魔法を使ったとな。

 

アクア「ピュリフィケーション!ピュリフィケーション!ピュリフィケーション!」

 

 だがそんな事をすれば、ワニは更に怒る訳であって。

 次第に檻からヤバい音がし始めてきた。

 

アクア「ヒイィィィィィ!!ピュリフィケーション!ピュリフィケーション!」

湊翔「………ギブアップなら、言ってくれ。すぐ引き揚げるからな!」

 

 流石に助け舟を出しておく。

 なんか、可哀想に思えてきた。

 だが、アクアの返事は。

 

アクア「い……嫌よ!ここで諦めたら、報酬が貰えない!」

 

 アクアってビビりなのに変な所で意地を張るよな。

 だが現実は甘くはなく、ワニが力を込めて顎を閉じると、鉄格子が音を立てて、曲がり始めた。

 

アクア「イヤァァァァァァァ!!メキッって言った!今、檻から鳴っちゃいけない音がしたァァァァァ!!」

湊翔「………………やれやれ。」

 

 俺は、マグナムシューター40Xを取り出した。

 

カズマ「おい!?湊翔、何するんだ?」

湊翔「これで、変なトラウマを刻まれると、面倒臭い。助けるだけだ。」

カズマ「いや、アクアが頑張れば、ワニはどっか行くだろ。だから、悪いけどアクアにもうちょい頑張ってもらおうぜ。」

 

 確かにな。

 

湊翔「あいつらの討伐金も出るからいいだろ。それに。」

カズマ「それに?」

湊翔「見てて、良心が痛む。」

カズマ「はぁ、しょうがねぇーな。」

 

 俺はマグナムシューター40X、カズマはニンジャレイズバックルの武器、ニンジャデュアラー、めぐみんはレイズハンマー、ダクネスはゾンビブレイカー、トウカはカリバーレイズバックルの武器、ソードエクスカリバーで、ある程度ブルータルアリゲーターを倒す。

 適度にマグナムシューター40Xで銃撃して、威嚇しておく。

 威嚇の効果もあってか、ブルータルアリゲーターが中々近寄らなくなった。

 それをやってて、浄化を開始してから7時間が経過した。

 残っていたアリゲーターも何処かへ気配が散っていく。

 アクアは、檻の中で体育座りをしていた。

 

湊翔「アクア。アリゲーターは居なくなったぞ。」

アクア「ハァァァァ………。終わった……。」

湊翔「この後色々奢るからさ。」

アクア「そうね!………ていうか、出れないんですけど。」

カズマ「何でだ?」

トウカ「ああ………。アリゲーターに齧られて、鍵穴が変形したんだな。」

アクア「えええ!?」

 

 他の隙間も試してみたが、無理だった。

 仕方ないので、ギルドまで中に居てもらう事にしよう。

 一応、俺とトウカが中に入って、ババ抜きの相手をする事に。

 ただ、アクアを檻に入れたままにする、この判断を、俺は後悔した。

 

???side

 

 僕の名前は御剣響夜(ミツルギキョウヤ)

 どこにでもいる普通の高校生だった。

 だがある日、自分でも訳が分からない内に命を落としてしまった。

 そんな時、美しい女神と出会い『魔剣グラム』を与えられ、この世界に転生した。

 今は上級者クエストの『エンシェントドラゴンの討伐』を終えて、ギルドに報告に行っている。

 

フィオ「流石、私のキョウヤよね。エンシェントドラゴンを一撃で倒すんだから。」

 

 彼女はフィオ。盗賊に就いている。

 

クレメオ「な!!ちょっと、誰が貴女の物よ!キョウヤは私の物なんだから!」

 

 彼女はクレメオ。戦士の女の子だ。

 慕ってくれるのはありがたいんだけど、事あるごとに喧嘩しないでほしいな。

 そんな2人と一緒に日々冒険者として頑張っている。

 必ずこの世界を救って見せる。

 女神様との約束だから。

 

ミツルギ「………うん?」

 

 その時、僕の耳に聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

アクア「よ〜し、勝負よ!」

ミツルギ「この声って?」

 

 声のする方向に向かうと、そこには荷車に檻を乗せた冒険者の一団がいた。

 檻には、男性が1人、女性が2人いた。

 見た感じ、話をしているようだ。

 だが、女性の方は僕が知っている人だった。

 

ミツルギ「め………女神様!!」

 

湊翔side

 

アクア「よ〜し、勝負よ!」

トウカ「本当に大丈夫?」

アクア「大丈夫よ!」

湊翔「それじゃあ、行くぞ。」

 

 ババ抜きを引いて行って最終的には。

 

アクア「また負けたァァァァ!!」

 

 見事にアクアの20連敗だった。

 ちなみに俺とトウカはどっちかというとトウカの方が勝っている。

 

めぐみん「そもそも、ババ抜きは、運も大事ですし、ポーカーフェイスも大事です。」

カズマ「まぁ、その所では、湊翔とトウカには勝てないよな。」

 

 そう。ババ抜きは、ジョーカーを引いても、動じない心と、ジョーカーを感づかれないポーカーフェイスも必要だ。

 アクアは、ジョーカーを引くたびに大袈裟にリアクションするから、分かりやすい。

 その時、後ろから。

 

ミツルギ「女神様!女神様じゃないですか!」

「「「「「「!?」」」」」」

 

 そう言って1人の男が檻を素手で強引に広げてしまった。

 

カズマ「な!?」

ダクネス「おい!これは鋼鉄製の檻だぞ!」

 

 俺では少し厳しいかな。

 まぁ、コイツには檻の弁償をしてもらおう。

 

湊翔「おい、君の事を女神様って呼んでるから、君の関係者だろ。」

アクア「え〜っと。………とりあえず話を聞いてみるわ。」

 

 え。まさか覚えてないのか!?

 コイツ100%転生者だろ!

 流石に覚えておこうぜ。

 アクアはその男が広げた隙間から外へと出て言った。

 

アクア「それで、私に何の用かしら?………て言うかあんた誰?」

ミツルギ「な!僕ですよ。御剣響夜(ミツルギキョウヤ)です。貴女にこの魔剣グラムを頂き、この世界に転生した御剣響夜です!」

アクア「え?」

ミツルギ「え!?」

湊翔、カズマ「え?」

 

 まさか本当に覚えてないのか?

 

アクア「………ちょっと待ってね。」

 

 アクアは何処からともなく手帳を取り出してめくっていく。

 

アクア「ミツルギ……ミツルギ……あ!あったわ。ごめんなさい、沢山この世界に転生させたから、すっかり忘れてたわ。」

ミツルギ「あ〜、はい、そうですか。お久しぶりです女神様。ところで、女神様はどうして檻の中に居たんですか?」

 

 そう言って、俺とカズマを睨む。

 これは、説明しないといけなさそうだな。

 俺とカズマは、経緯を説明する。

 すると。

 

ミツルギ「はぁ!?女神様をこの世界に連れて来ただけでなく、檻に閉じ込めて湖につけた!?君は一体何を考えているんだ!!そして、君も君だ!何故、そんな事を許すんだ!」

 

 そう言って、俺とカズマの胸ぐらを掴む。

 ていうか、お前に文句を言われる筋合いは無い。

 

アクア「ちょっ、私としてはこの世界に連れてこられたのはもうそんなに気にしてないし、毎日楽しい日々を過ごしてるし、今回のクエストだって私が言い出しっぺなんだから。」

ミツルギ「女神様、この2人にどう唆されたのか知りませんが、貴女は女神様なんですよ。こんな扱いで良いんですか?」

 

 言いたい放題だな。

 この男、俺達が黙ってるのを良い事に言いまくるじゃないか。

 俺達の事を知らないだろ。

 年下にこんなに言われるのはムカつくな。

 

ミツルギ「ちなみに女神様は何処で寝泊まりしているんですか?」

アクア「え〜っと、馬小屋で……。」

ミツルギ「はぁ!?」

 

 と、更にキツく締めて来た。

 

アクア「ちょっと!」

ダクネス「おい貴様、いい加減にしろ。」

トウカ「初対面の相手に失礼だろ。」

 

 流石に無視できなくなったのか、ダクネスとトウカがミツルギの腕を掴んで止める。

 ダクネス達の方を見たミツルギは。

 

ミツルギ「君達は……クルセイダーにアークウィザード、ソードマスター……成程。パーティメンバーには恵まれているようだね。君達は、こんな優秀な人達がいるのに、女神様を馬小屋に泊らせるなんて、恥ずかしく思わないかい?」

 

 ええ………。

 そんな事言われても………。

 ミツルギの言う事は、説得力が全くないな。

 まあ、俺もギーツの力を貰った事で、お金にはあまり苦労していないから、人の事を言えないけどな。

 つまり、五十歩百歩だ。

 だが、俺は文句の一つも言ってやらないと気が済まない。

 

湊翔「お前さ、説得力が無いんだよ。まあ、俺もお前の事はとやかくは言えないけどさ。だからって、冒険者全員が、お前みたいに宿に泊まれると思うなよ?大体、アクアが馬小屋なのは、アクアの金遣いが荒いからだ。」

ミツルギ「…………そんな言い訳をするんじゃない。それに、そうやって責任を女神様に擦りつけるのか?」

 

 ダメだ、人の話を聞きやしない。

 思い込みが激しいタイプか?

 アクアの事を知っている俺からしたら、アクアの自業自得だとしか言えないのだが、それを言ったら、火に油を注ぐような真似になるだろうな。

 すると、アクア達に同情の視線を向ける。

 

ミツルギ「君達。今まで苦労したね。今日から、ソードマスターである僕の所に来ないかい?高級な装備を買い揃えてあげるよ。」

 

 剰え、こちらのパーティーから、トウカ達を抜き取ろうとしていた。

 ていうか、言い方が援助交際を求める中年親父じゃねぇか。

 アイツからしたら、悪者である俺とカズマから、アクア達を救う感じなんだろうな。

 

「「「「…………。」」」」

アクア「ねぇ、あの人ヤバくない?あの人本気でひくぐらいヤバいんですけど。て言うか勝手に話進めるしナルシストも入ってる系で、怖いんですけど。」

ダクネス「どうしよう、あの男は何だか生理的に受けつけない。攻めるよりも受けるのが好きな私だが、あいつだけは何だか、無性に殴りたいのだが。」

めぐみん「撃っていいですか?あの苦労知らずのスカしたエリート顔に、爆裂魔法を撃っても良いですか?」

トウカ「…………見たところ、あの魔剣グラムって奴に頼りっきりだな。そんな奴についていく義理はないな。」

 

 すごい不評だな。

 まあ、援助交際を求める中年親父みたいな言い方だったからな。

 悪印象なのは間違いない。

 俺も、ミツルギの印象は最悪だ。

 こちらの事情を考えずに言ってくる奴など、仲良くなれないな。

 

湊翔「…………まあ、そんな事で、仲間達は、お前のパーティーには、入りたくないそうだ。」

カズマ「じゃあ、俺たち、ギルドに報告があるから。」

 

 そう言って、俺たちは移動しようとする。

 だが。

 

ミツルギ「待て!」

湊翔「うん?」

 

 ミツルギが、俺たちの前へと回り込み、通せん坊する。

 

湊翔「何の用だ?」

ミツルギ「悪いが、女神様をこんな境遇に置いてはおけない。」

 

 こいつ、しつこくないか?

 そして、こう言った後には大体………。

 

ミツルギ「僕と勝負だ!」

 

 やっぱり。

 

ミツルギ「僕が勝ったら、女神様はこちらに引き渡してもらおう。君が勝ったら、言う事をなんでも聞こうじゃないか。」

 

 勝手に話を進めやがって。

 しかも、こっちは負けたらアクアが奪われるのに、そっちが負けても、大した損害じゃない。

 完全に不公平その物じゃないか。

 すると。

 

カズマ「湊翔。こんな奴、お前が相手をするまでもないぜ。」

湊翔「カズマ?」

カズマ「俺にやらせてくれ。」

 

 カズマは、そう言った。

 冒険者であるお前が、ソードマスターであるミツルギには勝てない。

 反射的に、そう言おうとするが、口を閉じる。

 アイツは、仮面ライダータイクーンなのだ。

 信じるとするか。

 

湊翔「…………分かった。」

カズマ「おう。」

ツムリ「お待ち下さい。」

 

 俺が、カズマを信じる事にした瞬間、ツムリが現れる。

 ルールに抵触するとか、そんな感じだろうか。

 

ツムリ「仮面ライダーが、他の人に攻撃するのは、ルール違反です。即座に退場となりますよ?」

ミツルギ「仮面ライダー?」

カズマ「そ、そうなのか…………。いや、でも、決闘の場合は、どうなんだよ?」

 

 カズマがそう聞くと、ツムリは、カズマに顔を近づける。

 

ツムリ「…………両者の合意がある決闘なら、セーフです。」

カズマ「そっか………。なら、問題ないよな?」

ミツルギ「構わないさ。冒険者である君に、ソードマスターである僕が負ける筈が無いからね。」

 

 そう言うミツルギ。

 絶対後悔する事になるよな。

 ツムリは、気がついたら、いつの間にか姿を消していた。

 カズマは、デザイアドライバーを腰に装着して、ウォーターレイズバックルを取り出して、デザイアドライバーに装填する。

 

SET

 

 デザイアドライバーの右側にウォーターレイズバックルを装填すると、右側に青色の蛇口と英語でWATERという文字が現れる。

 カズマは、変身ポーズを取り。

 

カズマ「変身!」

 

 そう言って、ウォーターレイズバックルの蛇口の部分を捻る。

 

ARMED WATER

REDAY FIGHT

 

 カズマは、タイクーン・アームドウォーターに変身して、右手にレイズウォーターという水鉄砲が出現する。

 それを見たミツルギは。

 

ミツルギ「な、何だ、それは!?」

カズマ「仮面ライダータイクーン。それが、この時の俺の名前だ。」

ミツルギ「す、姿が変わったって!」

 

 ミツルギは、魔剣グラムで、カズマを攻撃する。

 カズマは、レイズウォーターで、魔剣グラムを受け止めて、打撃する。

 レイズウォーターは、水の供給が無ければ、ただの水の入っていない水鉄砲だ。

 一応、レイズウォーター本体は、強固なトラス構造で設計されている。

 その為、魔剣グラムの攻撃を、難なく受け止めている。

 ミツルギは、魔剣グラムの攻撃を受け止められている事に焦っていた。

 

湊翔「アクア。あの魔剣グラムって、どんな能力なんだ?」

アクア「え?確か…………あの痛い人が使うと、何でも斬れる剣よ。」

 

 アクアがそう答えた。

 なるほど。

 ミツルギが焦っている理由は、レイズウォーターが、グラムで斬れない事か。

 よっぽど、グラムに頼りっきりなのが分かってくるよな。

 すると、殴打攻撃をしていたカズマが動く。

 

カズマ「さてと!クリエイト・ウォーター!」

ミツルギ「ッ!?」

 

 カズマは、クリエイト・ウォーターを発動して、ミツルギは身構える。

 だが、カズマのクリエイト・ウォーターは、レイズウォーターに吸い込まれていく。

 そして、ウォーターレイズバックルの蛇口を捻る。

 

WATER STRIKE

 

カズマ「オラァァァァァ!!」

ミツルギ「グワァァァ!!」

 

 カズマが、ウォーターストライクを発動して、高圧の放水をして、ミツルギは吹っ飛ばされる。

 ミツルギは盛大に吹っ飛ばされ、壁に激突する。

 幸いにも、ミツルギ自身が受け身を取った事で、気絶はしてはいない。

 だが、高圧放水を食らったのだ。

 そう簡単には立てないだろ。

 

トウカ「勝負ありだな。カズマの勝ちだ!」

 

 トウカは、そう宣言する。

 すると。

 

取り巻き「ひ………卑怯者!!」

「「「「「「うん?」」」」」」

取り巻き「卑怯者!卑怯者!卑怯者!」

湊翔「はい?」

 

 なんか、カズマがミツルギの取り巻きに非難されてる。

 

ミツルギ「クレメオ、フィオ!何を!?」

カズマ「あんた達、コイツの仲間か?」

クレメオ「そうよ!この卑怯者!」

トウカ「………一応聞くけど、なんでだ?」

 

 いや、卑怯呼ばわりされる様な事はしてないだろ、カズマは。

 

フィオ「そんなのを使うなんて、卑怯よ!」

クレメオ「そうよ!無効よ!無効!」

カズマ「あのな。魔剣使いのソードマスターが、巷では最弱職と呼ばれてる冒険者に勝負を挑む方が卑怯だろ。」

トウカ「大体、其処のそいつは、決着方法を碌に説明していなかった。そして、カズマは持てる力を使って、勝負に挑んだ。卑怯どころか、正々堂々としてるだろ。」

ダクネス「それに関しては、どうなんだ?」

ミツルギ「………いや、彼は正々堂々と戦って勝った。………僕の負けだ。」

クレメオ、フィオ「キョウヤ!!」

 

 意外と潔いな。

 どうやら、頭に登ってた血が下がったみたいだな。

 

カズマ「さて、と。取り敢えず、その魔剣でも頂こうかな。」

ミツルギ「え!?」

カズマ「うん?」

ミツルギ「ま、待ってくれ!出来れば、この魔剣以外で………。」

 

 ミツルギは、焦りながらそう言う。

 さっき、何でも言う事聞くって、言ってただろ。

 

カズマ「いや、お前、さっき、負けたら何でも言う事を聞くって、言ってただろ。」

ミツルギ「そ、それは………。」

カズマ「都合が良すぎるんじゃ無いか?」

ミツルギ「うっ…………。」

 

 ぐうの音も出ない正論だな。

 まあ、助け舟を出すか。

 

湊翔「カズマ。魔剣は諦めて、檻の修理費を払ってもらおうぜ。」

カズマ「何でだよ?」

湊翔「明日、ベルディアが来る。一応、こいつも戦力として参加させるぞ。それに、こいつから魔剣を取ったら、一気に弱くなるからな。」

ミツルギ「なっ!?」

カズマ「どういう事だよ?」

 

 首を傾げるカズマに、俺は説明した。

 レイズウォーターが斬れなかった時の反応から、魔剣グラムに頼る戦闘スタイルなのが分かった。

 レベル自体は、カズマより先に来ている事もあって、高いだろうけどな。

 

ミツルギ「な、何故、最弱職の冒険者に、この僕が!?」

湊翔「今、負けただろ?それに、カズマは強くなろうとして、努力している。魔剣頼りのお前は、勝てない。」

ミツルギ「……………。」

 

 その後、ギルドに共に向かい、ミツルギに檻の弁償代20万エリスを払わせた。

 ミツルギは、俺の言葉を聞いてから、妙に思い詰めていた。

 取り巻きの女の子2人が話しかけるが、ほとんど上の空だ。

 一応、明日魔王軍幹部が来るから、街には居るように伝えたが、ミツルギは、ギルドを出て行った。

 後はあいつ次第だ。

 俺は、明日に備えて寝た。

 

ー翌日ー

 

 俺達は早くに合流して、その時を待っていた。

 その時。

 

ルナ「緊急!緊急!冒険者の皆さんは直ちに武装して正門前に集まって下さい!特に、サトウカズマさんと桐ヶ谷湊翔さんのパーティメンバーは絶対に来て下さい!」

 

 遂に来たか。

 俺は冒険者達に壁になってもらい、カズマ達が先頭に向かう。

 そこにはやはり、ベルディアが居た。

 ベルディアはプルプルと震えていて遂には。

 

ベルディア「何故城に来ないのだ、この人でなしどもがああああああっ!!」

 

 と、絶叫した。




今回はここまでです。
トウカが、オリジナル仮面ライダー、ラウンズに変身します。
ラウンズは、トウカが手に入れた、カリバーレイズバックルと、相性が良いです。
ちなみに、ラウンズ、カリバーレイズバックルは、アクアジェットレイズバックルと同じく、転生したら一般人だった件さんから、リクエストを頂いた物です。
次回とその次の回は、ベルディア戦です。
1人、リクエストを頂いたオリキャラを出す予定です。
ミツルギは、タイクーンに変身したカズマに負けました。
さて、彼はどうなるんでしょうね。
現在、ミツルギはダパーンかギンペン、ダストはメリー、リーンはシローに変身して欲しいという意見が来ていますが、ミツルギは、どちらに変身させた方が良いですかね?
アンケートは、ベルディア戦まで続けます。

アクアは変身するか否か

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  • 変身させない
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