この白狐の戦士に祝福を   作:仮面大佐

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第29話 アルカンレティアの決戦

 宿の外には、アクシズ教徒が宿を取り囲んでいた。

 

アクシズ教徒「女神の名を騙る不届き者が!」

アクシズ教徒「簀巻きだ!簀巻きにしろ!!」

アクシズ教徒「誰の許可を貰って髪を青くしてんのよ!!」

 

 そんな風に、アクシズ教徒が叫ぶ。

 そんな中、俺たちは。

 

アクシズ教徒「偽アクアが逃げたぞ!」

 

 このままではアクシズ教徒に取り囲まれる可能性が高いので、アクアの羽衣をパラシュートみたいに大きくして、その上に俺達が乗って、宿から脱出した。

 俺達は路地裏で今後の行動を相談していた。

 

アクア「源泉が怪しいと思うの。」

湊翔「まあ、確かに。温泉の汚染と言う事は、源泉も汚染されてそうだしな。」

トウカ「そうだけど、この状況どうするんだよ?」

白夜「今、お前が何を言っても信じて貰えないだろうからな。」

アクア「まあ、そこを浄化すればこの街は救われるの!」

 

 そういうもんなのか?

 大体、お前が変にそういう事を言うから、こんな面倒な事になってるんだろ。

 すると。

 

アクシズ教徒「偽アクアが居たぞー!」

 

 見つかってしまったので、俺たちは、源泉の所に向かいつつ、逃走する。

 

カズマ「あんな事言ってる奴らなんて放っておけば良いだろ!」

アクア「ううー……………!でも、私の可愛い信者達が…………!」

白夜「まだ言うか……………。」

 

 そうこうしている内に、源泉が湧いている所に到着したが、そこには見張りが居た。

 俺たちは、中に入れてもらえないか交渉する事にしたのだが……………。

 

アクア「だから!私、アクシズ教のアークプリーストなのよ!通して頂戴!」

見張り「いや、いくらアクシズ教のアークプリーストとは言え、ここを通す訳にはいかないんですよ。」

見張り「ええ、この先には、温泉の管理を行なっている人しか立ち入れないので。」

 

 と、説得は難航していた。

 まあ、無理もない。

 しばらくアクアに押し付けるか。

 

アクア「汝、敬虔なるアクシズ教徒よ………。聞きなさい、これは必要な事なのです。正しい行いなのです。貴方方がここを通す事で、この街が……………。」

見張り達「あ、自分らエリス教徒なんで。」

 

 エリス教徒かよ。

 一応、エリス教徒も住んでるんだな。

 まあ、大半がアクシズ教徒だろうけど。

 

アクア「何でよ〜!この街で生活してるくせに、エリス教徒やってるだなんて!ねえ、お願いよ!通して!この先の源泉が危ないの!」

見張り「ダメな物はダメです、ほら、帰った帰った!」

 

 しばらく、俺たちは見ていたが、説得は難航していた。

 そこで、信じて貰えない女神よりも信じて貰えるこの人を使う事にする。

 

カズマ「ほら、行くぞダクネス、数少ないお前の出番だ。」

ダクネス「数少ない!?おい、私だってちゃんとたまには役に立っているぞ!」

 

 カズマがダクネスを前に出すと、めぐみんが叫ぶ。

 

めぐみん「控えろ!この方をどなたと心得るのです!ダスティネス家の御令嬢、ダスティネス・フォード・ララティーナお嬢様ですよ!」

見張り「ええっ!?」

カズマ「ほらお嬢様、その胸元に隠している、証拠のペンダントを!お嬢様、抵抗なさらず…………ほら、とっとと寄越せお嬢様!」

アクア「カズマ、しっかり押さえてね!今私が!あっ!痛い痛い!ダクネス痛い!誰でも良いから今のうちにペンダントを取って!」

めぐみん「ほら!早く!」

ウィズ「ごめんなさい!ごめんなさい!ダクネスさん、ごめんなさい!」

 

 揉み合いの末に、ペンダントを見せる事に成功して、俺達は先に進める事になった。

 ちなみに、先に進む際に、温泉の管理人のお爺さんが中に入った事を伝えられる。

 源泉に向かう中、ダクネスは頬を膨らませる。

 

ダクネス「ムゥゥゥゥ!」

湊翔「ダクネス、落ち着け。」

カズマ「お前さ。お嬢様として扱われて欲しいのか仲間として扱われたいのかハッキリしろ。面倒臭いな。」

ダクネス「面倒臭いとか言うな!」

湊翔「ちゃんと仲間として認めてるからな。」

ダクネス「そ、そうなのか。それならいいんだがな。」

 

 それを聞いたダクネスは、あっさり機嫌を良くした。

 それを見ていた俺たちは。

 

『……………チョロいな。』

ウィズ「み、皆さん!」

 

 俺たちがそう言う中、ウィズがそう叫び、ダクネスは首を傾げる。

 源泉に向かって行軍していると、1人の男がそこにいた。

 その男は今にも飛び込み自殺をしようとしているように見えた。

 

カズマ「おい!」

湊翔「早まるんじゃねぇ!!」

???「あ。」

 

 その男は、腕を源泉に突っ込んでいて、そこは汚染されていた。

 

「「……………。」」

 

 それを見て、俺たちは顔を見合わせる。

 まさか、この男、魔王軍関係者か?

 アクア達も合流して、その男から事情を聞く事にした。

 

???「何ですかあなた方は?ここは温泉の管理人以外立ち入り禁止です。どうやってここへ?」

アクア「アンタ何しらばっくれてんの!?よくもこの街の温泉を台無しにしてくれたわね!成敗してあげるから覚悟なさい!」

???「一体何のことですか?何なら、今ここで私の荷物を調べますか?毒薬なんて絶対に出てきません……から……?」

ウィズ「うーん?どなたでしたっけ?この方、確かに見覚えが………。」

 

 ウィズが見覚えあるって事は、高確率で魔王軍幹部だ。

 白夜もそれを察したようだ。

 その男は、ウィズに対して、背を向ける。

 

???「と、とにかく、私もこの騒ぎの調査に来ただけなので、その………。」

ウィズ「ああーっ!ハンスさん!あなたはハンスさんですよね!?」

 

 ゴニョゴニョという男に、ウィズはそう叫ぶ。

 ハンスって言うんだ。

 

ハンス「ハ、ハンスとは誰の事ですか?私は、この街の温泉の管理人……。」

ウィズ「ハンスさん!お久しぶりです!私ですよ!ウィズです!リッチーのウィズですよ!」

ハンス「ちょっと何を言ってるのか分かりませんね。………………と、とにかく。私は毒など持ち合わせておりませんので、何の証拠にも……………。」

ウィズ「あっ、毒と言えば!確かハンスさんは、デッドリーポイズンスライムの変異種でしたね!ひょっとしてハンスさんが源泉に毒を入れたんですか?」

 

 ウィズとしては、世間話をしているノリだろうけれど、ハンスという奴からしたら、たまったもんじゃないだろう。

 ていうか、ウィズって、口が軽い?

 デッドリーポイズンスライムって、名前的にもヤバそうだよな。

 猛毒使ってきそう。

 

ウィズ「そう言えば、ハンスさんは擬態が出来ましたよね!温泉の管理人のお爺さんに擬態してここまで来たんですか?」

ハンス「あー!そう言えば用事があったのを思い出しました!それでは……。……………そこを通してくれませんか?」

 

 そのハンスが逃げようとする中、そのハンスの進行先には、アクア達が先回りしていた。

 

ダクネス「何処へ行こうというのだハンス?」

アクア「ここは通さないわよハンス!」

めぐみん「そんな言い訳が通じると思うのですかハンス。」

トウカ「詳しく聞かせてもらうぜ、ハンス。」

白夜「逃すかよ!ハンス!」

アフロディテ「そうですね、ハンス。」

龍「さっさと認めた方が良いぞ、ハンス。」

 

 トウカ達は、先回りして逃さないようにしていた。

 思わず後ずさるハンスに、俺とカズマは。

 

カズマ「悪あがきはやめろよ。ハンス。」

湊翔「正体表せ!ハンス!」

ハンス「ハンスハンスと、俺の名前を気安く呼ぶなクソ共!どうしてここにウィズがいやがる!街に店を出すとか言ってたじゃねぇか!とっとと働きやがれ!!」

ウィズ「ひどい!私だって働いていますよ!何故か働けば働く程貧乏になっていくだけで、ちゃんと働いていますよ!」

 

 俺とカズマの叫びに、ハンスはもう誤魔化せないと思ったのか、本性を現し、ウィズにそう叫ぶ。

 まあ、働くべきなのは、同意だな。

 というより、何でウィズは働けば働くほど貧乏になるのだろうか。

 ウィズって、天然なのかな。

 すると、ハンスは腰を落として身構える。

 

ハンス「ウィズ。どうする?俺とやり合うか?それとも、このまま見逃すか?」

湊翔「折角の感動の再会の所に水を差すようで申し訳ないが、お前を倒す。俺達を甘く見ない方がいいぜ。ベルディアとバニル討伐をしたのは俺たちのパーティだ!」

ハンス「何!?……………まさか、貴様ら、仮面ライダーとか言った奴らか!」

 

 どうやら、魔王軍の中で、広まっているみたいだな。

 という事は、魔王軍の中でも警戒されていると見た方が良いだろうな。

 

カズマ「そうだぜ!俺達がお前を倒す!」

 

 カズマがそう言う中、ウィズを除く全員が、デザイアドライバーを装着して、それぞれのレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が、龍の横には、大型の戦艦の絵と英語でFLEETという文字が現れる。

 全員が変身ポーズを取り、叫ぶ。

 

「「「「「「「変身!」」」」」」」

 

 俺たちは、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

BEAT

ZOMBIE

CALIBER

LIGHTNING

FLEET

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、カズマはタイクーン・ニンジャフォーム、めぐみんはナーゴ・ビートフォーム、ダクネスはバッファ・ゾンビフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォーム、白夜はライコウ・ライトニングフォーム、龍はムメイ・フリートフォームに変身する。

 ウィズが変身していない理由は、恐らく、同じ魔王軍幹部の奴と戦うのに躊躇いがあるからだろう。

 それを見たハンスは、叫ぶ。

 

ハンス「なるほどな。いいだろう!この俺が相手になってやろう!魔王軍幹部のこの俺がな!」

 

 やっぱり魔王軍幹部か。

 という事は、スライムとか言ったけど、油断出来なさそうだな。

 さっき、ウィズがハンスの事をデッドリーポイズンスライムと言ってたな。

 どう倒すか。

 だが、気になった事があるので、聞いてみる事にする。

 

湊翔「そう言えば、お前、温泉の管理人のお爺さんはどうしたんだ?」

 

 そう。

 見張りの人が言っていたのだが、ここには、温泉の管理人のお爺さんが入ってきたと言っていた。

 だとすれば、それは、ハンスの擬態の可能性が高い。

 すると、それを聞いたハンスは端的に言った。

 

ハンス「あぁ?食った。」

カズマ「え?今なんて?」

トウカ「食ったって言ったよな?」

ハンス「だから食ったと言っている!俺はスライムだ!食べる事が本能だ!そもそも、食った相手じゃないと……………。」

 

 なるほどな、そういう事か。

 前世でのファンタジーゲームあるあるで、スライムは、食った物に擬態できるというお約束があるのだ。

 そう思う中、ハンスは『擬態出来ない。』と言おうとした瞬間、背後から強烈な冷気が流れ込んできた。

 その主は、顔を俯かせていた。

 

湊翔「ウィズ!?」

ウィズ「カースド・クリスタルプリズン!」

ハンス「なっ!?ぐわぁぁぁぁ!!」

 

 ウィズが魔法を発動させた結果、ハンスの左腕が、丸ごと凍結された。

 ウィズは、自らの身体から冷気を放っていって、いつもの温厚な姿は感じられない。

 その姿は、まさにアンデッドの王、リッチーに相応しい貫禄だった。

 

ウィズ「確か、私が中立でいる条件、魔王軍の方には手を出さない条件は、冒険者や騎士など、戦闘に携わる者以外の人間を殺さない方に限る、でしたね?」

ハンス「ウィズ!やめろ!魔法を解け!」

ウィズ「冒険者が戦闘で命を落とすのは仕方がない事です。彼らだって、日夜モンスターの命を奪い、それで生計を立てていますから、自らも逆に狩られる覚悟は持つべきです。」

 

 ウィズが歩み出すと、その足元が直様凍結していた。

 それには、俺たちは気圧される。

 

ウィズ「そして、騎士もそうです。彼らは税を取り、その代価として住民を守っている。代価を得ているのですから、命のやり取りも仕方ありません。ですが…………。」

ハンス「ウィズ!本気で俺とやり合う気か!?ここでまともにやり合えば、この辺り一帯は完全に汚染され……!」

ウィズ「ですが、管理人のお爺さんには何の罪もないじゃないですか!」

 

 ウィズはそう叫び、腰にデザイアドライバーを装着して、ジェットレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、ウィズの横には戦闘機の絵とJETの文字が現れる。

 変身ポーズを取って、ウィズは叫ぶ。

 

ウィズ「変身!」

 

 そう叫んで、ウィズはレイズバックルを操作する。

 

JET

REDAY FIGHT

 

 ウィズはホーク・ジェットフォームに変身する。

 それには、トウカ達も気圧されていた。

 

トウカ「ウィズが本気でキレると、怖いな…………。」

湊翔「ああ。温厚な人ほど、怒らせると怖いからな…………。」

白夜「それより、行くぞ!」

龍「ああ。」

 

 俺たちも、ウィズと同じく戦闘態勢を取る。

 すると、ハンスは悔しそうに言う。

 

ハンス「氷の魔女と恐れられているお前を相手にするには……………やむを得ん!」

 

 そう叫んで、凍結させられた腕を千切る。

 すると、紫色の粘性の物が出てくる。

 そして、ハンスはポツリと呟く。

 

ハンス「本能のままに喰らい尽くす!」

 

 そう叫ぶと、ハンスの姿が、人型から本来のスライムの姿になっていく。

 だが、それはあまりにも巨大だった。

 

ダクネス「これは!何と見事なスライムだ!惜しい!毒さえなければ持って帰り、我が家のペットにする所だ!」

湊翔「こんな状況下で何言ってんだ!!」

 

 ダクネスの少しズレた発言に、俺はそうつっこむ。

 既にハンスは、アクセルにある屋敷程の巨大なサイズとなっていた。

 そして、ハンスは周囲に毒が混じった自身の身体をばら撒き、温泉を汚染していく。

 毒が飛び散った方を見ると、地面が削れていた。

 よっぽど強力な毒なのだろう。

 それを見たアクアは。

 

アクア「あああ!」

 

 そう叫んで、汚染されている源泉へと向かっていく。

 

カズマ「危ないぞ!早く戻れ!」

湊翔「まずい!アクシズ教徒まで追いついちまった!」

 

 そう。

 後ろを見ると、アクシズ教徒が追いついてしまったのだ。

 状況はあまり良くない。

 

アクシズ教徒「何だあれ!?」

アクシズ教徒「あいつが温泉を汚してたのか!」

 

 アクシズ教徒達が、ハンスの存在に気づく中、アクアは源泉に手を突っ込む。

 アクアは涙目になりつつも、浄化魔法を発動する。

 

アクア「ピュリフィケーション!ピュリフィケーション!アァァァァァ!!熱い!ピュリフィケーション!ピュリフィケーション!」

カズマ「おい!もう源泉は諦めて、こっちに戻ってこい!」

白夜「毒が命中したらどうするんだ!?」

アクア「だってだって!ここを守らないと、私の信者達が…………!!」

 

 くそ!

 何だって、普段はビビリなのに、こんな時に限って逃げないんだよ!

 すると、アクシズ教徒達が動く。

 

アクシズ教徒「見ろ!」

アクシズ教徒「あの青髪の子が言っていたのは本当だったのか!?」

アクシズ教徒「やっつけろ!!」

 

 ここでアクアの話が本当だと分かったアクシズ教徒も色々な物をハンスに投げつけるが、当たった瞬間に溶けている。

 相当強力な毒だな。

 

アクシズ教徒「ヒール!ヒール!ヒール!」

 

 一部のアクシズ教徒は、アクアに大量に回復魔法をかけまくって、支援している。

 

アクア「熱い、熱い………!」

 

 すると、それを見ていた少女が声を張り上げる。

 あの、善意に付け込んで、入信させようとした女の子だ。

 

女の子「お姉ちゃん!頑張って〜!」

白夜「危ねぇ!」

 

 だが、その女の子に毒が迫り、白夜が救出する。

 

女の子「お兄ちゃん……………。」

白夜「死にたいのか!?さっさと下がれ!」

女の子「う、うん!」

 

 女の子は、白夜の言葉にビビりながらも、素直に下がる。

 

カズマ「ウィズ!アイツを凍らせる事は出来ないか!?」

ウィズ「今のハンスさんのサイズでは、魔力が足りません!」

トウカ「確かに、大きすぎるしな。」

めぐみん「ならば、私の爆裂魔法でアイツを木っ端微塵にしてくれます!」

アクア「止めてぇ!この山自体が汚染されちゃう!」

龍「湊翔、どうする?」

アフロディテ「湊翔さん。」

湊翔「…………………。」

 

 これ、詰みじゃね?

 白夜や龍、アフロディテから聞いた話によると、この世界のスライムは、物理攻撃が殆ど効かず、魔法の耐性も高い。

 何回か、マグナムシューター40Xで撃ったのだが、効いたような気配がしない。

 どうしようかと思案していると。

 

アクシズ教徒「俺たちの温泉を汚しやがって!」

アクシズ教徒「この罰当たりのすっとこどっこいが!!」

 

 アクシズ教徒は、引き続き、石鹸や洗剤、アルカン饅頭を投げていた。

 すると、ハンスは、周囲に転がっている饅頭を食べ始めた。

 だが、律儀に石鹸や洗剤は避けていく。

 

湊翔「スライムでも、選り好みするんだな……………。」

 

 俺がそう呟く中、カズマが何かに気付いたのか、声をかけてくる。

 

カズマ「おい、湊翔!あれ!」

湊翔「ん?……………遺体?」

 

 そう。

 ハンスの中に、白骨化した遺体があったのだ。

 それを見たアクシズ教徒達は。

 

アクシズ教徒「ああ!温泉の管理人さん!」

アクシズ教徒「あの野郎!食ったのか!許せねェ!!」

 

 なるほど、管理人か。

 そういえば、アクアから聞いたのだが、復活魔法は存在するらしく、遺体が残っていれば、復活出来るそうだ。

 それを思い出して、案が浮かんだ。

 

湊翔「アクア!遺体が残ってれば蘇生出来るんだよな!?」

アクア「え?出来るわよ!」

湊翔「ウィズ!あいつの大きさが小さくなれば凍らせられるんだな!?」

ウィズ「ええ。今の半分くらいになれば……………!」

湊翔「めぐみん!爆裂魔法の準備をしておけ!」

めぐみん「撃っていいんですか!?どう言おうと撃ちますからね!」

湊翔「皆!ハンスをあの近くの穴に誘導して、一斉攻撃でハンスの体を削って、ウィズに凍結させるぞ!」

カズマ「分かった!」

湊翔「じゃあ、念の為に、強い形態になっておけ!」

アフロディテ「私は、皆のサポートをするわ!」

 

 そう言って、俺たちは強化形態になる事にする。

 ちなみに、アクアに頼んで、フィーバースロットレイズバックルを使う人には、ブレッシングという幸運値を上げる支援魔法を使わせた。

 フィーバーフォームになる確率を少しでも上げる為だ。

 俺は、マグナムレイズバックルを抜いて、龍から受け取った、ワンダーレイズバックルを両側から装填して、中央部にマグナムレイズバックルを装填する。

 トウカは、トレインレイズバックルを装填する。

 カズマ、ダクネス、めぐみん、白夜、ウィズは、デザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 そして、フィーバースロットレイズバックルを取り出して、装填する。

 龍は、蜘蛛の様なメカメカしいロボットの形の大型レイズバックルを装填する。

 

SET

SET FEVER

 

 待機音が流れる中、俺たちはレイズバックルを操作する。

 

DUAL ON

NINJA

LIGHTNING

BEAT

ZOMBIE

JET

WONDER MAGNUM

GET READY FOR TRAIN & CALIBER

HIT FEVER NINJA

HIT FEVER LIGHTNING

HIT FEVER BEAT

HIT FEVER ZOMBIE

HIT FEVER JET

GET READY FOR FLEET & SPIDER

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・ワンダーマグナムフォーム、トウカはラウンズ・カリバートレインフォーム、カズマはタイクーン・フィーバーニンジャフォーム、白夜はライコウ・フィーバーライトニングフォーム、めぐみんはナーゴ・フィーバービートフォーム、ダクネスはバッファ・フィーバーゾンビフォーム、ウィズはホーク・フィーバージェットフォーム、龍はムメイ・フリートスパイフォームに変身する。

 ワンダーマグナムフォームの外見は、フィーバーマグナムと似ているが、フィーバークロステールが無く、現実的な見た目になっている。

 作戦は、ハンスを穴に誘導して、一気に必殺技と爆裂魔法を叩き込み、ウィズの魔法で凍結させる物だ。

 そして、アフロディテの歌によって、支援された。

 龍は、下半身のレイズバックルの力で、周囲に糸を張り巡らせて、岩と組み合わせて、アクシズ教徒を守る壁を作る。

 誘き寄せる為にもアクシズ教徒からアルカン饅頭を借りた。

 そして、アルカン饅頭を投げる。

 

湊翔「お前の餌は俺達だ!」

カズマ「さっさと来いやー!!」

トウカ「お前の相手は私たちだ!」

 

 俺たちはそう叫んで、穴に向かっていく。

 ハンスは釣られて、俺たちの方へと向かっていく。

 既に残りの面子は必殺技の準備を完了している。

 

湊翔「お前の運の尽きはこの街に来た事じゃない!」

カズマ「俺達を相手にした事だ!」

トウカ「追える物なら追ってみろ!」

 

 俺たちはそう叫んで、飛び降りる。

 トウカは、空中に線路を敷いて、俺の手を掴んで、そのまま離脱する。

 カズマも、ニンジャレイズバックルの力で、丸太と入れ替わる。

 ハンスが穴に飛び込んだのを確認して、俺たちは必殺技を放つ。

 

WONDER MAGNUM VICTORY

CALIBER TRAIN VICTORY

GOLDEN FEVER VICTORY

FLEET SPIDER VICTORY

 

めぐみん「行きます!エクスプロージョン!」

湊翔「ハァァァァァ!!」

トウカ「ハァァァァァ!」

白夜「虎雷烈神速撃!」

カズマ「オラァァァァァ!!」

ダクネス「てぇぇぇい!」

龍「フッ!」

ウィズ「ハァァァァ!」

 

 俺の巨大化したマグナムシューターから極太ビームを放ち、トウカは列車のエネルギーをまとった斬撃を放ち、白夜は蒼と金色の雷を全身から放出しながら纏い、まさに閃光の如き突進でハンスを貫き、カズマはニンジャデュアラーから緑色の斬撃波を放ち、めぐみんは爆裂魔法と同時に、音符状のエネルギーを放ち、ダクネスはゾンビブレイカーから紫色の斬撃波を放ち、ウィズはジェットフォームのアーマーから、ミサイルなどを放ち、龍は四方八方から攻撃する。

 ハンスの残骸は、攻撃した際に焼けたか、龍が設置した壁に阻まれ、アクシズ教徒には被害は出ていない。

 そしてウィズも止めを刺す。

 

ウィズ「カースド・クリスタルプリズン!」

 

 ウィズが魔法を発動すると、ハンスの周囲に魔法陣が現れ、そこから氷が現れ、砕けると同時に、ハンスの周囲を冷気が取り囲む。

 

ウィズ「ハァァァァ!!」

 

 ウィズが手を握ると、一気に冷気がハンスを包み込み、ハンスは凍結する。

 そして、すぐにその氷は砕け散る。

 

ウィズ「魔力を限界まで使いましたけど、これで倒せた筈……。」

トウカ「倒せたのか?」

湊翔「油断するなよ。」

白夜「ああ。」

 

 俺達が油断する事無く構えていると、氷の方からハンスの声がしてくる。

 

ハンス「よもやここまで追い詰める奴が現れるとはな。」

 

 氷の上に小さくなったハンスがいた。

 

ハンス「だが、まだだ。今ここで貴様らを食らって回復してやる。なんだ……?」

 

 ハンスが俺達を食おうとして近づこうとすると何かの声が聞こえてきた。

 そこに居たのは…………アクアと大量のアクシズ教徒であった。

 

アクシズ教徒達「悪魔倒すべし。魔王しばくべし。悪魔倒すべし。魔王しばくべし。」

アクア「悪魔倒すべし。魔王しばくべし。」

ハンス「何だ……………?」

アクア「………ゴッドブローォォォォォォ!」

 

 アクアのゴッドブローがハンスに炸裂するも、あまり効いていない様に見える。

 それもそうだ。

 スライムには、物理攻撃は効かないのだから。

 

ハンス「その様な拳で倒そうというなどと舐めるな!ヘナチョコプリースト!」

女の子「お姉ちゃん!」

 

 その時、アクシズ教徒が何かを言い出した。

 

アクシズ教徒「アクシズ教!教義!」

アクシズ教徒「アクシズ教徒はやれば出来る!出来る子達なのだから、上手く行かなくてもそれはあなたのせいじゃない!上手く行かないのは世間が悪い!」

アクシズ教徒「汝、老後を恐れるなかれ!未来のあなたが笑っているか、それは神ですら分からない。なら、今だけでも笑いなさい!」

アクシズ教徒「悪魔倒すべし!魔王しばくべし!悪魔倒すべし!魔王しばくべし!」

アクシズ教徒「エリスの胸はパッド入り!」

 

 ………何だろう。

 本人達は良い事を言っているのかもしれないが、側から見ると、物凄く下らないことを言っている様にしか見えない。

 現実逃避じゃん。

 ダメ人間のセリフじゃねぇか。

 

アクア「可愛い信者達が大切にしている温泉を汚すとは万死に値するわ!喰らえ!ゴッドレクイエム!!」

ハンス「グワァァァァ!!まさかあいつらが崇めている女神とは……………お前かアァァァァァ!!」

 

 こうして、ハンスはアクアによって浄化された。

 

???side

 

 まさか、ハンスまでもが倒されるとはな。

 すると、誰かが入ってくる。

 

???「お前か。馬場武。」

武「それにしても、まさか、ハンスまでも倒すなんてな。奴らは確実に強くなっている。」

???「だろうな。強くなって貰わないと、面白くないからな。」

武「ちょっかい出して良いか?」

???「いや。今、奴らがいるアルカンレティアに、サボテンナイトジャマトが向かっている。下手なちょっかいは出すな。」

武「へいへい。アンタも、随分と変わってるよな。自分が盛り上がる為に、神々を裏切ったんだから。なあ、ロキ。」

ロキ「ふん。これまでのデザイアグランプリでは、とてもじゃないが、つまらん。」

 

 そう言って、俺は机の上に置いている黒と紫のドライバーを見つめる。

 苦労して、複製した甲斐がある。

 これを使えば、デザイアグランプリのルールに介入出来るのだからな。

 まあ、完全に乗っ取る事は不可能だが。

 すると。

 

武「まあ、どうするのかは、アンタに任せるわ。あの湊翔とかいう奴と、もう一度戦ってみようかね。」

ロキ「好きにしろ。ただ、サボテンナイトジャマトの後にしろ。」

武「へいへい。」

 

 馬場はそう言って、どこかへと向かう。

 さあ、どうする、仮面ライダー達よ。

 

ゼウスside

 

 私は今、地上に降りているアテナことトウカと、ツムリと連絡を取っていた。

 

ゼウス「……………つまり、魔王軍幹部であるハンスを撃破した、という事か?」

トウカ『はい。これで、残る魔王軍の幹部は、5人です。』

ゼウス「そうか。ジャマトの動きはどうなっている?」

ツムリ『はい。強大な力を持つジャマトが観測されました。いつ出現しても、おかしくないかと。』

ゼウス「そうか。」

 

 サボテンナイトジャマトは、アクセルの領主であるアルダープの屋敷に出現して以降は、行方を眩ませていたが、現れるかもしれん。

 それに、ここ最近、デザイアグランプリのルールが、少しずつ書き変わっている気配がする。

 

ゼウス「分かった。ツムリは引き続き、ジャマトの動きを監視しろ。」

ツムリ『分かりました。』

トウカ『では、私はこれで…………。』

ゼウス「アテナ。少し話がある。」

 

 ツムリが通信を切って、トウカも切ろうとする中、私は呼び止める。

 

トウカ『何でしょうか?』

ゼウス「湊翔君の様子はどうだ?」

トウカ『彼は大丈夫です。過去に触れなければ、ですが。』

ゼウス「そうか。…………アテナ。」

トウカ『あ…………はい。』

ゼウス「お前が、湊翔君の事を気になっているのは承知している。」

トウカ『っ!?』

ゼウス「だからこそ、守り、共に強くなれ。」

トウカ『……………はい!それでは。』

 

 アテナは若干顔を赤くするが、決意の籠った表情を浮かべ、通信を切る。

 私はそれを見届け、椅子に深く座る。

 

ゼウス「……………さて。ヴィジョンドライバーの候補者は、あと少しで見つかりそうだな。だが、ヴィジョンドライバーを複製されたのは、痛いかもしれないな。」

 

 まさか、ヴィジョンドライバーを複製されてしまうとはな。

 どうにかせねばな。

 それに、湊翔君は、アテナを惚れさせるとはな。

 もしもの時は、覚悟を見せてもらおうか。




今回はここまでです。
ハンス戦は終わりました。
ただ、まだ戦いは終わっていません。
何故なら、サボテンナイトジャマトが、アルカンレティアに向かっているからです。
そして、ゼウス達を裏切った神、ロキが登場しました。
ロキは、複製されたヴィジョンドライバーを所持しています。
今回のギーツで、新たな仮面ライダー、ゲイザーが登場しましたね。
そして、次回、チラミがグレアに変身。
今回と次回の情報を見て、一つ思いついたのが、MOVIEバトルロワイヤルに相当する話で、ゼウス側のグレアと、ロキ側のグレアを戦わせようかなと思いまして。
ゼウス側の方はギロリの、ロキ側の方はチラミのグレアで。
ゲイザーは、いずれ出します。
あと、色々と、アテナの物語をやって欲しいという意見があるので、『アテナの回想録』というタイトルでやろうかなと思います。
ダクネス、クリス、トウカの3人の冒険の話、デザイアグランプリの開催理由、トウカの湊翔に対する第一印象という感じに。
果たして、ゼウスの言う湊翔に求める覚悟とは。
まあ、湊翔のヒロインは、トウカだけでなく、ゆんゆんとリアも居るんですが。
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