この白狐の戦士に祝福を   作:仮面大佐

51 / 188
第38話 魔石とジャマトの謎

 魔石の本体を獲得した後、俺たちは廃墟から撤収して、ウィズの店に向かう。

 その際、再びアクアからカケラを借りて、本体に嵌める。

 それを見たバニルは。

 

バニル「おお……………!見事な輝き、素晴らしい魔力…………!」

めぐみん「カケラを嵌めてみたら、また光ってますね。」

ダクネス「ああ、実に不思議だ。」

湊翔「一体、これは何なんだ?」

バニル「なかなかの品を手に入れてきたな。我輩の見立てでは、これは間違いなく魔石である。約束通り、一千万エリスで買い取らせてもらおう。」

 

 やっぱりか。

 というより、本当にこの魔石は何なんだ。

 そう思う中、アクアが叫ぶ。

 

アクア「か、カケラは私のなんだから!悪魔なんかには売らないわよ!早く返して!」

朱翼「まだ言ってますね……………。」

バニル「そうか?しかし、不完全な状態では、若干のお値引きを願う事になるが…………。」

アクア「はあ?悪魔の癖に随分とケチな事を言うじゃない!最初の約束と違うんですけど!」

湊翔「いや、それは普通だろ……………。」

 

 そりゃあ、揃っていなかったら、値引きされても仕方ないだろ。

 中古で売る際には、特撮系の玩具とかは、箱無しや、欠品があると、安くなるし。

 俺がそう言う中、アクアは叫ぶ。

 

アクア「良いわ!腹いせにこの店のポーション、全部叩き割って……………ぷげっ!?」

白夜「営業妨害はやめろよ!それに、揃ってなかったら、値引きされて当然だろうが!」

アクア「何すんのよ!そこの悪魔が約束を守らないからでしょ!?」

白夜「約束を守ってないんじゃなくて、バニルは当然の対応をしてるだけだろうが!!」

朱翼「け、喧嘩はやめなさいよ!」

ウィズ「ふ、2人とも、落ち着いて!」

 

 そう言って、アクアと白夜は口喧嘩を始める。

 それを見て、朱翼はオロオロしていた。

 そんな中、俺とカズマは、バニルに聞く。

 

湊翔「それにしても、そんな値段で仕入れて大丈夫なのか?」

カズマ「確かに。買う奴なんて居ないだろ。」

バニル「小金稼ぎの得意なニート冒険者にギーツよ。良い目の付け所であるな。」

カズマ「小金稼ぎで悪かったな。」

バニル「何を言う。これは我輩なりの褒め言葉だぞ?人間とは、欲に塗れてこそ。その意地汚なさには、敬意さえ表する所だ。デザイアグランプリも、欲を釣るには都合が良い存在であるしな。」

 

 まあ、デザイアグランプリって、デザ神になると、理想の世界が叶うからな。

 そういう意味では、欲を釣るには都合が良いんだろうけどさ。

 

湊翔「はいはい。それで?どうするんだよ?儲からない物を仕入れても、損になるだけだろ?」

バニル「貴様らの言うとおり、確かにこの魔石単体での販売は難しいであろうな。しかし、魔力を抜き取って、大量のマジックアイテムを生産するのであれば、話は別だ。生産見込み数から考えれば、先日表示した一千万エリスをこれに投資したとしても、十分に回収可能である。」

 

 なるほど、そういう事か。

 確かに、あれから魔力を抜き取れば、マジックアイテムを大量に作れそうだしな。

 

ダクネス「なるほど、アイテムに込める魔力の原料として使おうという事か。」

トウカ「確かに、これだけの魔力を秘めてるんだから、大量に作れそうだよな。」

バニル「さよう。」

めぐみん「随分、大量の魔力を見込んでいるんですね。」

バニル「うむ。街一つを粉微塵に吹っ飛ばすほどのパワーはあろうな。」

 

 え、それ、普通にやばくね?

 街一つを吹っ飛ばすって、かなりやばいだろ。

 ジャマト側に渡ってなくてよかった。

 

めぐみん「おおおお……………そっ、そんな魔力がこの魔石の中に……………!」

ダクネス「凄まじいな、それは……………。」

カズマ「それにしても、めぐみんのテンションの上がり方が、半端じゃなかったな。」

めぐみん「だ、だって!街一つ粉微塵に出来る魔力なんて、そう出会える物ではありませんよ!魔法を扱う者として、これが大人しくしていられようか!」

湊翔「お、おう……………。」

カズマ「完全に目の色が変わってやがる……………。」

 

 めぐみんは、そう力強く言う。

 まあ、魔法使いなら、そういうのに興味を示してもおかしくはない………………のか?

 

アクア「で、どうするの?売るの?売らないの?カケラはもちろん売りませんけど!」

カズマ「あのな、アクア。一ついい事を教えてやる。」

湊翔「カケラをアクセサリーにして売るよりも、カケラを魔石につけて、満額で買い取ってもらった方が高くなるぞ。」

アクア「え?」

白夜「お前には、難しすぎたか。」

アクア「失礼ね!分かるわよ、それくらい!でも、嫌な物は嫌なの!」

 

 悪魔嫌いもここまで来るとはな。

 まあ、女神(?)なんだろうけどな。

 俺は未だに、アクアが女神であるとは、一切信じていない。

 そんな中、めぐみんが口を開く。

 

めぐみん「街が吹き飛ぶ魔力……………確かに、簡単に売り払ってしまうのは、少し惜しい気がします……………。」

カズマ「げっ、めぐみんまで……………。」

めぐみん「だ、だって、この魔力を使えば、更に強力な爆裂魔法を撃てるかもしれないんですよ!それにそれに……………アークウィザードとして、これがどんな構造で作られているのか、じっくり観察したい……………!」

朱翼「なるほどね。」

 

 まあ、そういうもんか。

 紅魔族として、気になるという事か?

 そんな中、カズマが呆れ声を出す。

 

カズマ「お前らな…………。折角見つけたのに、ここで売らないなら、何の為に廃墟まで行ったんだよ。」

アクア「カケラさえ残ってれば、売っていいって言ったじゃない!」

めぐみん「だ、ダメです!売るの、反対!」

湊翔「見事に割れたな。」

白夜「というか、魔石をカケラと一緒に売らないと、一千万エリスにならないだろ。」

 

 アクアとめぐみんで、意見が割れたな。

 そんな中、ダクネスとトウカが声を出す。

 

ダクネス「ま、まあ、今ここで決めなくても、一度落ち着いてゆっくり相談しても良いんじゃないか?」

トウカ「確かに。埒があかないからな。」

カズマ「そうだな。一度ギルドに行って、話し合うか。」

湊翔「というわけで、バニル。悪いんだけど、一旦保留という形で良いか?」

バニル「うむ。こちらとしては、いつでも買い取りに応じるぞ。決めたらいつでも持ってくるが良い。」

 

 そうして、俺たちはギルドへと向かう事になった。

 俺たちがギルドに到着すると、そこそこ混んでいた。

 

アクア「さ〜て、どこの席が空いてるかしらね〜?」

クリス「やあ、皆。」

 

 俺たちがどこに座るか考えていると、クリスが声をかける。

 

ダクネス「クリス!」

トウカ「クリスか。」

カズマ「よっ、久しぶりだな。」

湊翔「まあ、メイプル達との迷宮脱出ゲームでも会ったがな。」

クリス「そうだね。ここんとこ、ちょっと王都の方で稼いでたから。」

ダクネス「王都であれば、忙しかっただろう?」

トウカ「もう大丈夫なのか?」

クリス「ああ、まーね。やっとひと段落したって所かな。あたしも同席して良い?」

白夜「ああ。良いぞ。」

 

 そう言って、クリスは俺たちの近くに座る。

 稼いだっていうか、神器回収をしてたんじゃないのか?

 すると、魔石を目にして、クリスが話しかける。

 

クリス「どーも。って……………あれ?君の持ってるその石、ちょっと見せてくれる?」

カズマ「これか?良いけど……………。」

 

 そう言って、カズマはクリスに魔石を渡す。

 それを検分していたクリスは、声を上げる。

 

クリス「おお〜、やるね!良い物見つけてきたじゃない!」

朱翼「分かるんですか?」

クリス「勿論!……………ていうか、あなたは?」

朱翼「申し遅れました。私は、白鳥朱翼と言います。」

クリス「新たなパーティー仲間?」

湊翔「まあ、そんなとこだ。」

クリス「そっか。まあ、それはそれとして、これはね、封魔の魔石って呼ばれてる物なんだ!」

 

 封魔の魔石っていうのか。

 そう思っている中、クリスとカズマの会話が続く。

 

カズマ「封魔……………?」

クリス「そう!中には膨大な魔力が封じ込められてるんだって。物凄く価値があるお宝だよ!」

白夜「へぇ、すげぇな。」

アクア「通りで、膨大な魔力を感じたわけね。」

クリス「ああ、魔法を使う者なら、喉から手が出る程欲しい代物だろうね。」

ダクネス「流石は盗賊だな。情報通だな。」

 

 なるほどな。

 流石は、神器回収を女神エリス様から任せられるだけはあるよな。

 というか、エリスとクリス、アテナとトウカが似ている気がするのは、本当に気のせいだろうか?

 そんな中、めぐみんが呟く。

 

めぐみん「封魔の魔石…………封魔…………。」

湊翔「めぐみん?」

 

 めぐみんの目がキラキラしだした。

 すると、めぐみんはカズマに話しかける。

 

めぐみん「カズマ、カズマ。」

カズマ「ん?」

めぐみん「この魔石、売らずに家宝にしませんか?」

湊翔「言うと思った……………。」

カズマ「は、はあ?お前は何を言ってんだ?」

めぐみん「だ、だって……………街を消し去るパワーを手の内に隠し持つというのは、非常に琴線に触れる物があります!それに……………名前がかっこいいですし。」

白夜「お前、そういうの好きそうだよな。」

めぐみん「はい!わくわくします!」

 

 それでワクワクするんじゃないよ。

 まあ、厨二病で、アークウィザードであるめぐみんからしたら、魅力的なんだろうけどな。

 すると、アクアが叫ぶ。

 

アクア「ダメよ!売らないと贅沢出来ないじゃない!」

めぐみん「で、ですが、紅魔族としては、そのような美味しいアイテムを、簡単に手放す訳には……………!」

アクア「ダ〜メ!売りますー!あ、でもカケラは売ったりしませんからね!」

白夜「いや、カケラも売らないと一千万にはならないぞ。」

めぐみん「アクアー!ずるいです、ずるいです!」

アクア「ダメったらダメ〜!もうきーめーまーしーたー!」

湊翔「顔がゲスいぞ。」

 

 俺と白夜が突っ込む中、アクアとめぐみんは喧嘩を始める。

 ていうか、カケラも売らないと一千万にはならない事を忘れたのか?

 どんだけカケラを手放したくないんだよ。

 

カズマ「なんだ、この子供の喧嘩は。」

ダクネス「どうやら、簡単には決着が着きそうにないな。」

トウカ「どうしたもんかな。」

クリス「あははは……………。だったら、もう一個見つけてくれば良いんじゃない?」

 

 俺たちが呆れながら見ていると、クリスがそう言う。

 それを聞いた俺たちは、クリスに視線を集中させる。

 

カズマ「なあ、クリス。今、もう一個って……………?」

クリス「あれ?そっか、皆、知らなかったっけ。封魔の魔石って、いくつか存在するんだよ。記録に残ってるだけでも、三つか四つ……………あれ?五つだったかな?」

湊翔「つまり、複数個あるって事か?」

クリス「そうだね。」

カズマ「マジか!?」

クリス「うん。何個あるかは分かってないけど、一つだけじゃないはずだよ。」

白夜「まあ、五って字が浮かんだんだ。複数個あってもおかしくないか。」

 

 それもそうか。

 あの五という字は、何個目かというのを示していたのか。

 それなら、複数個あっても良いよな。

 

アクア「もう一個!もう一個って言ったら、アレよね!一千万と一千万で二千万エリスね!シュワシュワ何杯飲めるかしら!ええとええと……………とにかく沢山よね!喜びの花鳥風月!」

湊翔「まだ見つかった訳じゃねえだろ。」

めぐみん「確かに、複数の魔石が手に入るのでしたら、一つだけ手元に残して、あとは売却しても良いですね。手元の魔石は、最終奥義を放つ為の、我が魔力の源になってもらうとして……………わ、私は、新しい杖が欲しいのですが……………。」

ダクネス「ああ……………街を吹き飛ばす魔力……………ぜひ、この身で受け止めたいものだ……………。」

 

 そんな感じに、アクア、めぐみん、ダクネスは己の要望を口にする。

 まだ見つかった訳じゃないんだがな。

 

カズマ「なんだか、話が一気に大きくなってきたな……………。複数あるなら、全部でいくらになるんだ……………?」

白夜「まあ、高くなるのは間違いないだろうな。」

朱翼「そうですね。最低でも五つは存在するのは確かみたいですし。」

トウカ「ああ……………防具を新調するのも、ありかもな。」

クリス「ふふっ、なんだが面白そうだね!あたしももう少し調べてみるよ!」

湊翔「分かった。」

 

 まあ、俺は欲しい物は無いが、生活費として使うのもありだな。

 そうして、この日は魔石一個獲得祝いという事で、乾杯をした。

 その夜、皆が寝静まり返る中、俺と白夜は、リビングに集まっていた。

 

白夜「湊翔?話ってなんだ?」

湊翔「………………昼間のジャマトライダーに関してだ。」

白夜「………………それか。」 

 

 俺と白夜は、廃墟で戦ったジャマトライダーについて話す事に。

 

湊翔「あのジャマトライダー、ミツルギの取り巻きの言葉を話したよな?」

白夜「ああ。バニル戦での言葉だったな。」

湊翔「もしかしてだけど、ジャマトって、退場者と何らかの関係があるんじゃないか?」

白夜「………………そう見て、間違いないだろうな。」

 

 それは気になっていたのだ。

 ジャマトが学習しているのは間違いない。

 だが、どうやって学習しているのかというのがずっと気になっているのだ。

 すると、ある可能性に行き着き、ボソッと呟く。

 

湊翔「………………もしかして、ジャマトは、退場者を使って学習してるんじゃないだろうな?」

白夜「何?」

湊翔「そうだろ。ミツルギの取り巻きはジャマトライダーによって倒されて、死んだ。もしかしたら、利用されてる可能性は十分にあるだろ。」

白夜「…………………あるかもな。」

湊翔「ただ、推測の域を出ないから、確実になるまでは、皆……………特にミツルギには黙っておこう。」

白夜「だな。」

 

 俺と白夜は、そう話す。

 そう。

 まだ確実というわけではない。

 ただ、裏切りの神という存在もいるので、可能性は十分にある。

 用心する必要性があるな。

 ミツルギも、クレメオとフィオがジャマトになっていたと知ったら、面倒な事になりそうだからな。

 そうして、俺と白夜は寝る事にした。

 翌日、俺たちはリビングに集まっていた。

 

アクア「んふふふ〜。」

ダクネス「ふむ………………。」

めぐみん「ほわぁ……………。」

カズマ「ふふふふ…………!」

 

 カズマたちは、そんな風にしていた。

 俺たちは、カズマ達に話しかける。

 

湊翔「随分と浮かれてるな。」

カズマ「そりゃあ、魔石探しなら、あまり危険な目に遭わなそうだしな。」

白夜「ジャマトが現れる可能性もあるがな。」

カズマ「そりゃあ、そうなんだけどな。でも、俺たちも大分強くなったし、大丈夫だって!」

トウカ「まあな。」

 

 まあ、俺たちも強くなったし、大丈夫か。

 馬場武の動向には、気をつけないといけないがな。

 俺がそう思う中、稼いだお金の使い道の話になった。

 

アクア「手に入れたお金、何に使おうかしら?えっと、まずはギルドのツケを払うでしょ?それから高級シュワシュワをケースで…………!」

白夜「おい、ギルドにツケがあるなんて、初耳だぞ。」

めぐみん「もし、複数手に入ったらですが…………やはり一つは家宝に隠し持ちたいです。そして、ここぞという時に、魔力を解き放ち、我が人生最大の爆裂魔法を撃つのです!」

湊翔「めぐみんはブレないな……………。」

カズマ「それで?ダクネスはどうしたいんだ?」

ダクネス「その、か、考えていたんだが…………めぐみんが爆裂魔法を撃つのなら…………わ、私がその直撃を受けても良いだろうか?」

トウカ「ダクネスはブレないな……………。」

 

 アクア、めぐみん、ダクネスは、大していつもと変わらない気がするな。

 俺が呆れながらそう思っていると、アクアが聞いてくる。

 

アクア「人の話ばっかり聞いてるけど、アンタ達はどうするの?」

白夜「俺は……………トレーニンググッズをもう少し買い集めたいな。体を鍛えるのに使えるからな。」

朱翼「私は………………特に欲しい物は無いですかね。」

トウカ「私は、防具を新調したいと思ってるから、それで使うよ。」

湊翔「俺は普通に生活費に回すかな。特に欲しいって物がないから。」

カズマ「俺か?決まってるだろ!それだけ金があったら、働かないで……………引きこもる!」

「「「「「「「…………………。」」」」」」」

 

 俺たちがそう言う中、カズマはそう言う。

 俺たちは、呆れの視線をカズマに向ける。

 まあ、カズマらしいといえば、カズマらしいのだがな。

 ちなみに、当の本人曰く、『ジャマトのミッションが来たら、普通に出るわ!』との事。

 そんな会話をして、ギルドへと向かう。

 ギルドへ向かう理由としては、魔石に関する情報収集だ。

 

カズマ「さてと……………まずは、聞き込みだな。」

アクア「聞き込み?」

湊翔「確かに。この魔石について、何か知ってる人が居るかもしれないからな。」

ダクネス「なるほどな。噂の一つや二つが広まっているかもしれないからな。」

めぐみん「闇雲に歩いても無駄ですからね。ギルドで情報を集めましょう。」

朱翼「ですね。」

トウカ「ああ。」

アクア「ふ〜ん……………何だか面倒くさそうね……………。あっ、お姉さん!シュワシュワ一つ!」

白夜「おい。自分だけ関係ないみたいな感じで注文するな。お前も聞き込みを手伝え!」

 

 俺たちはそう話す。

 アクアは、我関せずと言わんばかりに、シュワシュワを頼んでいた。

 少しは手伝えよ。

 すると、ルナさんが話しかけてくる。

 

ルナ「カズマさん、湊翔さん。」

湊翔「ルナさん、どうしたんですか?」

ルナ「実は……………皆さんに相談がありまして。」

アクア「よろしくないわよ。私たち、忙しいの。」

めぐみん「そうですね。当面、ギルドのクエストを受ける余裕はありません。」

 

 ルナさんの相談を、アクアとめぐみんの2人はあっさり断る。

 そう言ってやるなよ。

 そう思う中、ルナさんは戸惑う。

 そんな中、俺、トウカ、白夜が助け舟を出す。

 

湊翔「おい、そう言ってやるなよ。」

トウカ「話を聞くだけでも聞いてやれば?」

カズマ「はぁ……………しょうがねぇな。」

白夜「それで、相談ってのは?」

ルナ「ありがとうございます!実は…………新たなダンジョンが発見されまして……………。」

朱翼「新たなダンジョン?」

 

 ルナさんが、説明する。

 どうやら、新しいダンジョンを発見したそうだ。

 新しいダンジョンを発見するというのは、たまにあるらしい。

 

湊翔「へぇ。新しいダンジョンね。」

トウカ「だが、それなら、わざわざ私たちに頼む理由って、無くないか?」

ルナ「それが……………別の冒険者達に依頼して、調査に向かったんですが、重傷を負って帰ってきまして………………。」

朱翼「重傷ですか……………何があったんですか?」

ルナ「それが…………そのダンジョンで、ジャマトと遭遇したようで………………。」

白夜「ジャマトだと!?」

 

 ジャマトと遭遇したのか。

 まあ一度、とあるダンジョンに行った際に、ジャマトと遭遇したので、あまり驚かないのだがな。

 とはいえ、ジャマトのダンジョンか。

 厄介な事になりそうだな。

 

アクア「ねえ、カズマ。そのダンジョン、行かなくて良いわよね?どうせ、湊翔達辺りが行ってくれるでしょうし!」

湊翔「俺たちが行く事前提かよ。」

カズマ「ジャマトか……………。」

めぐみん「どうしましょうか?」

ダクネス「ふむ。デザイアグランプリに参加している以上、ジャマトは倒さなければならないだろう?」

 

 まあ、そうなるわな。

 すると、スパイダーフォンに連絡が入る。

 見てみると、『ジャマトのダンジョンの探索を行い、可能であれば、ダンジョンを破壊せよ。』と書いてあった。

 俺は、カズマにそれを見せる。

 

湊翔「………………だってよ?」

カズマ「はぁ……………分かったよ。」

ルナ「ありがとうございます!」

???「ちょっと良いかな?」

湊翔「ん?」

 

 俺たちが引き受ける事にすると、後ろから声をかけられる。

 後ろを向くと、三人組がいた。

 

???「君たち、高難度クエストに挑戦する気なの?」

湊翔「まあ……………そうかな?」

カズマ「そうかも?」

???「そっか……………あの、もし良かったら何だけど……………私たちも、君たちのパーティーに入れてくれないか?」

 

 その三人組のうち、真ん中にいる黒髪ロングの子が、そう言う。

 真ん中にいる黒髪ロングの子は、日本人みたいな顔立ちだが、どうなのか。

 分からないな。

 

湊翔「君たち、誰?」

???「そ、それもそうか。まだ自己紹介をしてなかったな。」

???「アタシ達の自己紹介を特と聞きなさい!」

???「恥ずかしいけど、頑張ります!」

???「では、皆、行くよ。」

 

 三人はそう言って、何かを合図する。

 すると、黒髪ロングの子から、自己紹介を始める。

 

リア「み、見た目はクール。中身はホット!リアでほっと一息ついてね!」

シエロ「僕の事知りた〜い?教えろ、教えろ、シエロちゃん!」

エーリカ「世界中の可愛いが大集合!可愛さ100%!エーリカです!」

三人「三人合わせて!アクセル発の踊り子ユニット!アクセルハーツです!」

 

 三人は、そう自己紹介をする。

 すると、周囲には人だかりが出来ていて、歓声を上げていた。

 俺は、トウカに聞く。

 

湊翔「なあ、アクセルハーツって、知ってるか?」

トウカ「噂に聞いた事がある。アクセルではそこそこ有名だからな。」

湊翔「なるほど。」

カズマ「踊り子が三人いても、戦力にならない。冷やかしなら他を当たってくれ。」

リア「ま、待ってくれ!踊り子は普段の仕事であって、冒険者としての職業はちゃんとあるんだから!」

 

 俺とトウカがそう話す中、カズマがそう言うと、リアは慌ててそう言う。

 俺たちのパーティーで、リア達の方の話を聞く事になった。

 ちなみに、カズマ達の方には、ウィズが来ていた。

 アクセルハーツの面々の話によると、リアはランサー、エーリカはレンジャー、シエロはアークプリーストだそうだ。

 リアは、槍の扱いが上手く、槍の武術大会で優勝した成績もあるそうだ。

 パーティーとしては、申し分ない。

 

湊翔「実力としては、申し分ないな。」

トウカ「だが、何で高難度クエストに挑もうとするんだ?」

白夜「確かに。何かあるのか?」

リア「実は……………衣装代や、ステージ代とかを稼がなくてはならなくてな。」

シエロ「僕達も、やっと有名になり始めたから……………。」

エーリカ「それで、高難度クエストで稼がなきゃって思って。」

 

 なるほどな。

 よほど真面目にやってるんだな。

 熱意が伝わってくるな。

 だがなぁ……………。

 

白夜「その熱意は分かった。だが、俺たちがこれから行くのは、ジャマトっていう怪物が彷徨いているダンジョンだぜ。」

朱翼「流石に、危険では……………?」

リア「それなんだが、私たちも仮面ライダーなんだ。」

 

 リアがそう言うと、デザイアドライバーを取り出す。

 

湊翔「デザイアドライバー!?」

トウカ「ツムリから受け取ってたのか!?」

シエロ「そ、そうです。ついさっき受け取ったんです。」

エーリカ「で、そのツムリって人から、湊翔という人に頼ってくれって言われたのよ。」

 

 なるほど。

 確かに、ついさっき受け取ったばっかりでは、レイズバックルは所持していないはずだ。

 ていうか、ツムリ、俺に押し付けたな。

 まあ良いけど。

 ちなみに、それぞれ、リアがキュビー、シエロがスマッシュ、エーリカがタンツェンだそうだ。

 だが、リアのキュビーは俺のギーツ、エーリカのタンツェンはめぐみんのナーゴと似ていたのだ。

 すると、カズマ達が戻ってくる。

 

カズマ「そっちの方はどうだ?」

湊翔「まあ、申し分ないし、了承したよ。それで、ウィズの用事って何なんだ?」

カズマ「それなんだがな………………。」

 

 カズマは、ウィズの用事を伝えた。

 どうやら、バニルが魔石探索器を作ってくれた模様で、それを受け取ったそうだ。

 バニルの事だから、なんか企んでそうな気がするよな。

 それで、魔石の場所が分かったのは良いのだが、問題は、魔石のある場所だ。

 何と、ジャマトのダンジョンの中にある可能性が高いそうだ。

 何てこった。

 まあ、色々と好都合なので、行く事にした。

 俺たちがそのダンジョンに向けて出発する一方、ギルドでは。

 

ゆんゆん「こそこそ………………め、めぐみん達は……………あれ?い、居ない?」

 

 ゆんゆんが、俺たちを探していたが、居なくて戸惑っていた。

 

ゆんゆん「私も連れてってほしいんだけど……………あ、あれ〜っ?どこに行ったの〜!?」

 

 ゆんゆんは、そう言う。

 その後、ルナさんから事情を聞いて、俺たちの後を追った。

 一方、ゼウスの方では。

 

ゼウス「………………黒石拓巳君。君に、少し頼みたい事がある。」

拓巳「何ですか?」

ゼウス「君には、デザイアグランプリのサブゲームマスターを頼みたい。」

拓巳「サブゲームマスター?」

ゼウス「ああ。」

 

 ゼウスは、拓巳に説明した。

 ゼウスはゲームマスターである事を。

 だが、裏切りの神が現れ、ゼウスとしては、こちら側のヴィジョンドライバーを奪われるわけにはいかない。

 それに、仕事が多くてそう簡単には離れられない。

 そこで、サブゲームマスターを出す事になり、選ばれたのが黒石拓巳という事だ。

 

ゼウス「………………以上だ。」

拓巳「はぁ………………何で俺が選ばれたんですか?」

ゼウス「君は、前世ではホワイトハッカーとして活躍していて、稼いだ金を自分の育った施設や世話になった人達になどに仕送りしていたな。」

拓巳「まあ、な。」

ゼウス「それに、裏で悪事をする者達を出来る限り法に従ったやり方で罪を炙り出し裁く真っ当さ、子供達に向ける優しさなどがサブとはいえ、ゲームマスターとして相応しいと思ってな。」

 

 ゼウスは、そう語った。

 ゼウスは、拓巳を選出する際に、彼の素性を確認していた。

 拓巳は、ホワイトハッカーとして活躍していたが、不治の病にかかり、亡くなってしまった。

 ゼウスは、拓巳に頼み込む。

 

ゼウス「頼む。私たちに、力を貸してもらえないだろうか?」

拓巳「…………………良いだろう。」

 

 ゼウスの頼み込みに、拓巳は少し考える仕草を見せて、了承した。

 

ゼウス「そうか。なら、君にはこれを渡しておこう。」

 

 ゼウスがそう言って渡したのは、ヴィジョンドライバーと、右側が白で左側が黒の衣装と手袋、仮面だった。

 

拓巳「これは?」

ゼウス「ヴィジョンドライバーと、サブゲームマスターとしての衣装だ。受け取ってくれ。」

拓巳「ああ。」

 

 拓巳は、ゼウスから受け取って、その服に着替える。

 拓巳は、ゼウスに聞く。

 

拓巳「ていうか、何で手袋をつける必要性があるんだ?」

ゼウス「ヴィジョンドライバーは、指紋認証で変身する。それの対策だ。」

拓巳「なるほどな。というより、ヴィジョンドライバーの使い方なんて、知らないんだが。」

ゼウス「だろうな。だからこそ、今ここで実演しようと思う。」

 

 ゼウスはそう言って、自分用のヴィジョンドライバーを取り出す。

 

拓巳「アンタも持ってんだな。」

ゼウス「まあな。早速だが、行くぞ。」

拓巳「おう。」

 

 ゼウスは、腰にヴィジョンドライバーを当てて、装着する。

 

VISION DRIVER

 

 そして、ゼウスは、ヴィジョンドライバー上部のバイオメトリクサーに親指を触れさせる。

 

GAZER, LOG IN

 

 そんな音声が流れると、待機音が流れて、右腰のプロビデンスカードを取り出して、言う。

 

ゼウス「変身。」

 

 そう言って、プロビデンスカードをヴィジョンドライバーへスキャンする。

 

INSTALL

INNOVATION & CONTROL, GAZER

 

 そんな音声が流れて、ゼウスは変身する。

 姿は、ロキが変身したグレア2と似ているが、装甲は白と金になっていて、下地のスーツは紺色をベースとした気品のある明るいカラーリングになっており、電子回路のような幾何学模様のラインが施されていた。

 

拓巳「それは一体……………!?」

ゼウス「仮面ライダーゲイザーだ。さて、次はこれだな。」

 

 ゼウスがそう言いながら、再びバイオメトリクサーに親指を置く。

 

HACKING ON CRACK START

 

 その音声が流れると、ゲイザーの胸と両肩の装甲が外れ、近くにいた仮面ライダーに被さる。

 すると、その仮面ライダー達は、ゲイザーの側による。

 

拓巳「それは?」

ゼウス「ヴィジョンドライバーには、ハッキング能力があってな。君にはおあつらえ向きだろう?更に。」

 

 拓巳の質問に、ゼウスはそう答えながら、マグナム、ニンジャ、ゾンビのレイズバックルを取り出して、左腰にあるアップグレードアッセンブルに装填する。

 

SET UPGRADE

REMOTE CONTROL MAGNUM

SET UPGRADE

REMOTE CONTROL NINJA

SET UPGRADE

REMOTE CONTROL ZOMBIE

 

 ゼウスが、アップグレードアッセンブルに装填したレイズバックルを操作すると、周囲にいた仮面ライダーに、自動的にそれぞれのレイズバックルのアーマーが装備される。

 ちなみに、レイズバックルは、ハッキングした仮面ライダーのデザイアドライバーに自動的に転送されていた。

 

ゼウス「とまあ、こんな風に、ハッキングした仮面ライダーを強化させる事も可能だ。」

拓巳「なるほどな………………。」

ゼウス「拓巳も変身してみろ。」

拓巳「ああ。」

 

 ゼウスに促され、拓巳も変身する。

 拓巳は、右手の手袋を外して、バイオメトリクサーに翳す。

 

GLARE, LOG IN

 

 そんな音声が流れるて、拓巳は右の腰にあるプロビデンスカードを取り出して言う。

 

拓巳「変身。」

 

 そう言って、ヴィジョンドライバーにスラッシュする。

 

INSTALL

DOMINATE A SYSTEM, GLARE

 

 その音声が流れ、拓巳は仮面ライダーグレアに変身した。

 姿は、ロキが変身したグレア2に似ているが、全身に赤いノイズ、あるいはバグを起こした画面のような意匠が追加されているグレア2に対して、グレアはノイズやバクが無い紫と赤のラインが施されていた。

 グレアとグレア2の共通装甲であるヒュプノレイも、グレア2とは違う。

 

拓巳「これが……………仮面ライダーグレアか。」

ゼウス「その通りだ。さあ、かかってこい。グレアとしての性能を活かしてな。」

拓巳「ああ。」

 

 ゼウスと拓巳は、仮面の下で不敵な笑みを浮かべ、お互いに戦いあう。

 俺たちが魔石探索を行う中、ゼウス達の方にも、動きがあったのだった。




今回はここまでです。
アクセルハーツが登場しました。
アクセルハーツも、ツムリからデザイアドライバーを受け取っている事が判明しました。
ちなみに、リアのキュビーは湊翔のギーツ、エーリカのタンツェンはめぐみんのナーゴの色違いです。
ちなみに、シエロのスマッシュは、モチーフはハリネズミです。
次回のジャマトのダンジョンの探索で、アクセルハーツと相性が良いレイズバックルを獲得させる感じです。
そして、ゼウスがゲイザーに、拓巳がグレアになりました。
ゼウスと拓巳は、しばらくそんな感じに特訓を続けていきます。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今回のギーツは、ナーゴとキューンの連携が良かったですね。
ただ、祢音は今後、どうなっていくのか。
次回は、景和がメインな感じがしますね。
そして、創世の女神の正体は、英寿の母親であるミツメだと判明。
アルキメデルも、何を考えているんでしょうかね。
アウトサイダーズも配信されましたね。
デザストはかっこよかったです。
そして次回、橘さんとまさかの蛮野が復活!?
一番、復活させたらダメな人が復活してしまいましたね。
デザストの変身アイテムだけでなく、タッセルダークのワンダーライドブックも発売が決定して、覇剣ブレードライバーも再販が決定しましたね。
欲しいですね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。