この白狐の戦士に祝福を   作:仮面大佐

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第45話 桃源郷への誘い

 ベルディアとハンスを倒した俺たちは、魔石を探す事にした。

 手分けをして探す。

 

湊翔「そっちにはあったか?」

カズマ「いや。そっちはどうだ?」

ダクネス「ふむ……………こっちではないみたいだな。」

ウィズ「こちらでもないみたいです。」

めぐみん「ここにもありません。魔力の気配はするので、遠くはないと思うのですが……………。」

トウカ「こんなに探しても見つからないなんてな………………。」

白夜「もうちょい探すぞ。」

朱翼「ですね。」

龍「ああ。」

アフロディテ「分かりました。」

 

 だが、なかなか見つからずに、苦戦していた。

 カズマは、アクアに声をかける。

 

カズマ「アクアの方はどうだ?」

アクア「うーん……………探索器の反応だとこの辺なんだけど…………あっ!カズマー!こっちこっち!あったわよ!」

カズマ「おー!」

ダクネス「見つかったか。」

湊翔「みたいだな。」

めぐみん「今度の数字は何でしょう。」

白夜「これは………………七だな。」

トウカ「魔石はこれで六個目か。」

朱翼「後一つですね。」

 

 ここまで来たんだな。

 だいぶ苦労したな。

 すると、ダクネスが口を開く。

 

ダクネス「最悪、最後の一個を見つけられなくとも、十分な稼ぎになったんじゃないか?」

めぐみん「ダメです。ちょむすけの分が足りません。」

カズマ「だから猫は入れんな。」

ちょむすけ「なーう。」

めぐみん「カズマ。ここまで着いてきてくれたちょむすけだって、立派な私たちの仲間ですよ。この子にも魔石をもらう権利はあります。」

カズマ「猫に小判だ。必要ないだろ。」

 

 まあ、確かにね。

 ちょむすけに魔石を渡しても、意味はないだろう。

 すると、魔石の光が消えていく。

 

トウカ「魔石の光が消えていくな。」

湊翔「確かに。」

めぐみん「……………もしかして、ダンジョンの幻を生み出すのに、魔石の力を利用していたんじゃないでしょうか?」

朱翼「カズマさんが拾い上げたから、ダンジョンとの繋がりが切れたという事ですか?」

白夜「そうかもな。」

アクア「あ、それってつまり、帰りは楽が出来るって事じゃない!?」

ダクネス「そうか。塔の幻が発生しなくなったのなら、敵が出てくる心配はないな。」

カズマ「そりゃあ、良いな!今日は精神的に疲れたし、早く帰りたい所だったんだ。それじゃあ、さっさとこんな塔から降りるぞ。」

 

 確かに、そうかもしれない。

 だが、なんか嫌な予感がする。

 すると、白夜がウィズに話しかける。

 

白夜「どうした、ウィズ?」

龍「何か気になる事でもあるのか?」

ウィズ「い、いえ……………皆さん、お気づきになってないみたいですけど……………。」

アフロディテ「なんか、塔の壁や床石が透けてきてませんか?」

湊翔「………………え?」

カズマ「はい?」

 

 白夜と龍に話しかけられた2人がそう言うのを聞いて、俺たちは周囲を見渡す。

 すると、塔自体が薄くなってきているのだ。

 

カズマ「おいおい!まさか、塔まで幻影だったってオチか……………!?」

アクア「か、カズマ、それ、どういう事!?」

湊翔「お前、分かってないの!?このダンジョンは、幻を生み出す物なんだよ!」

ウィズ「つまり、魔力供給が切れたので、幻影で出来た塔自体が消えているのでは…………。」

朱翼「あの………………ここって、何階でしたっけ………………?」

ダクネス「分からない位登ってきたな……………。」

ウィズ「あの、そうこうしてる間に、壁が無くなってきちゃいました。」

白夜「壁だけじゃねぇな。」

めぐみん「床ももう見えなくなってきました。」

 

 あれ、これ、やばくね?

 俺たちは、冷や汗を流す。

 すると、アクアが口を開く。

 

アクア「えっと……………つまり?」

トウカ「このままだと、地面に落ちて、ミンチになるな。」

龍「面倒な事になったな……………。」

アフロディテ「ですね……………。」

アクア「いやぁぁぁぁぁ!!カズマさん!カズマさん!落ちるぅぅぅぅ!!」

カズマ「おい、アクア!その羽衣を貸してくれ!」

アクア「嫌よ!これは女神の証なんだから!」

カズマ「うるせぇぇぇ!!地面に叩きつけられたかったら、1人で叩きつけられてろ!」

白夜「ウィズ!なんかサポート頼む!」

湊翔「皆、行くぞ!」

 

 俺たちは、アクアの羽衣をパラシュート代わりにして、塔から脱出する。

 すると。

 

ウィズ「テレポート!」

湊翔「あ。」

 

 そういや、テレポートがあったな。

 すると、俺たちはアクセルにテレポートした。

 なんとか、ミステリータワーからの生還を果たしたのだった。

 龍とアフロディテは、どこかに行ってしまったが。

 そんな中、アクアは唸っていた。

 

アクア「うーん……………おかしいわね……………。」

ダクネス「どうしたんだアクア。難しい顔して。」

アクア「あ、ダクネス。見てよ、この探索器。次の魔石の場所を確認しようと思ったんだけど……………。」

朱翼「どれどれ……………。」

トウカ「目的地が移動してる…………?」

めぐみん「光点が動き回っていますね。」

アクア「どういう事?壊れちゃったのかしら?調子が悪い時はこうやって……………ていっ!」

 

 そう。

 光点が移動していたのだ。

 どういう事かと首を傾げる中、アクアが探索器を叩く。

 

カズマ「おいこら、乱暴に扱うな。」

白夜「壊れたらどうすんだよ。」

アクア「そんな事言っても……………このまま直らなかったら不良品よ?返品して文句言ってやるわ!」

湊翔「まだ言うか……………。」

 

 だが、光点が動いているのは気になるよな。

 有り得るのは、誰かが既に持ち去ったか、あるいは、ダンジョンそのものが動いているのか。 

 後者はあり得るのかは、分からないが、考慮に入れよう。

 すると、クリスがやってくる。

 

クリス「何騒いでんの?」

カズマ「よお、クリス。」

クリス「例の情報、魔石の正体について少し調べてきたんだけどね。面白い事が分かったよ!」

湊翔「面白い事?」

クリス「この魔石なんだけどね、この国で作られた物じゃないんだって。昔、ニホンっていう国から来た冒険者が持ってきたって話だよ。」

カズマ「あー、やっぱりそうか…………。」

クリス「え、カズマ達、知ってたの?」

 

 だろうな………………。

 いかにもドラゴンボール染みた設定だから、だろうなとは思ったけど。

 そんな風に考える中、カズマが叫ぶ。

 

カズマ「そうだ……………そうだよ!こんな駄女神のせいで苦労してるけど、元々転生者は強い筈だろ!そのアイテムさえ手に入れれば、俺だって魔王を倒せる様になるんじゃないか!?」

アクア「ちょっとカズマ?今、ナチュラルに私の悪口を言わなかった?」

白夜「そんな美味い話は無いと思うがな。」

湊翔「確かに。」

 

 俺と白夜はそう思った。

 その後、その魔石の力を使えない事を知り、落胆するカズマだった。

 そして、翌日、トウカからとんでもない事を聞いた。

 

湊翔「は?塔が復活した?」

トウカ「ええ。どうやら、一時的に魔力切れを起こしただけで、魔力が溜まれば、また出現するんだと。」

白夜「マジかよ……………。」

朱翼「なるほど……………。」

トウカ「それで……………ギルドの人から、また調査して欲しいと言われたんだが……………。」

湊翔「どうしたもんかな……………。」

カズマ「ぜってぇに行かねぇからな!!」

 

 俺が悩む中、カズマのそんな叫び声が聞こえてくる。

 どうやら、あの塔は、本当に謎だらけらしい。

 何で出現したのかも分からず。

 その後、ギルドに向かうと、アクアがバニルに掴み掛かっていた。

 

アクア「ここに居たのね、悪魔!肝心な時に店に居ないなんて、役に立たないわね!」

バニル「何だ。騒々しいと思ったら、駄女神ではないか。」

アクア「悪魔の癖にギルドに出入りするなんて非常識よ!おかげで、店まで出入りしちゃったじゃ無い!まあ、ひと暴れさせてもらったから………………ぎゃふん!?」

 

 アクアがバニルに対して文句を言っている中、俺と白夜は、アクアの頭をぶっ叩いていた。

 

アクア「ちょっとアンタ達!何すんのよ!?」

湊翔「それはこっちのセリフだ。」

白夜「お前、バニルに文句を言おうとしたついでに、店で暴れたのか……………!?」

アクア「いいじゃ無い!アンデッドの店なんて、潰しても誰も文句は言わないわよ!」

白夜「お前なぁぁぁぁぁぁぁ!!」

アクア「ぎゃあああああ!?」

 

 すると、白夜はそう言って、アクアにプロレス技をかける。

 そんな中、俺とカズマは、アクアが落とした魔石探索器を拾い、バニルに話しかける。

 

湊翔「悪いな、バニル。うちの狂犬女神が迷惑をかけたな……………。」

バニル「全くだ。まあ、うちのポンコツ店主では、どうにもならないとは思ったがな。」

カズマ「ところで、魔石探索器の表示がこんな風になってるんだが……………。」

バニル「ふむ……………ほう、なるほど。」

 

 俺がバニルに謝りながらそう言うと、バニルはそう吐き捨てる。

 その後、カズマが魔石探索器を見せると、興味深そうに見る。

 すると、白夜の制裁が終わったアクアが叫ぶ。

 

アクア「ほら!壊れてるでしょ!?よく見て!光がずっと動いてるの!故障してるのよ!」

白夜「お前は一回黙ってろ。」

朱翼「それで、どうなんですか?」

バニル「いや、壊れてなどいない。これも仕様である。」

トウカ「仕様?それは一体どういう意味だ?また揶揄ってるのなら、斬るぞ?」

湊翔「トウカ、落ち着け。それで、どういう意味なんだ?」

バニル「文字通りである。指し示すべき目的地が動いているのだ。故に、これに表示される光点も動いているのだ。」

 

 アクアがそう叫んで、白夜が抑えて、朱翼がそう聞くと、バニルはそう答える。

 すると、トウカがバニルを攻撃しようとするので、俺は抑える。

 トウカも、バニルに対しては、あまり信用してないみたいだしな。

 

アクア「はあ?魔石が移動するわけないでしょ!」

湊翔「つまり、魔石があるダンジョンそのものが動いてるってわけか?」

バニル「左様。」

 

 なるほど、そういう事か。

 すると、他の皆が驚いた反応をする。

 

カズマ「ダンジョンが動く!?何だそれ!?」

めぐみん「信じられませんね。そんなダンジョン、聞いた事がありません。」

トウカ「ダクネスは知ってたか?」

ダクネス「いや……………私も動くダンジョンがあるなどとは聞いた事が無いな。初耳だ。」

朱翼「そんな物があるなんて……………。」

白夜「まあ、あの塔だって生成したんだ。そんな事もあり得るんじゃ無いか?」

 

 確かに。

 白夜の言う通り、そんな事もあり得るかもしれない。

 それに、バニルは地獄の公爵だ。

 それ程の力を持つ奴が言うのなら、あり得るかもしれない。

 そんな風に考える中、トウカが肘で突いてくる。

 

湊翔「どうしたん?トウカ。」

トウカ「湊翔、考え事か?」

湊翔「まあな。ダンジョンそのものが動くなんて、前代未聞だしな。」

トウカ「まあ、そうだな。それより、セナさんが来てるぞ。」

湊翔「ああ、悪い。」

 

 セナさんか。

 会うのは、あの裁判以来か?

 すると、サイレンが鳴り響き、冒険者達が集められる。

 集まった中、ダストが口を開く。

 

ダスト「それで?俺たちが集められたのは、どういう理由だ?」

ルナ「このほど、王国の西の荒地に、突如、街の形をしたダンジョンが出現しました。」

カズマ「またか……………。」

トウカ「幻の塔の次は、街の形のダンジョンか……………。」

アクア「今月はダンジョン大増量セールなんじゃないの?」

湊翔「そんなセールがあってたまるか。」

 

 というより、どんだけ新たなダンジョンが出現するんだよ。

 もう十分だわ。

 すると、ダクネスが口を開く。

 

ダクネス「それで、そのダンジョンがどうしたのだ?」

朱翼「また調査が必要という感じですか?」

ルナ「はい、その通りです。こちらも封鎖されていた幻の塔と同様に、複数のパーティーを調査に派遣しました。ですが……………。」

白夜「何かあったのか?」

ルナ「実は………大変言い難て、その………。」

湊翔「何があった?」

ルナ「あー、凄く端的に言ってしまうとですね。……………皆さん、頭の中が子供になってしまって……………。」

カズマ「はい?」

セナ「ありがとうございます。ここからは、自分が説明いたします。」

 

 え、どういう事?

 そんな風に首を傾げる中、セナさんは説明する。

 どうやら、王国からそう遠くない場所に出現したので、騎士達も調査をしに行ったそうだ。

 だが、そのダンジョンは特殊で、入るともれなく幼児退行するそうで、騎士達も幼児退行したそうだ。

 しかも、タチの悪いことに、幼児退行した人たちがやらかしているそうだ。

 街中で駄々を捏ねるわ、お金を払わずに食べ物を食べてしまうわ、道行く女性にママと迫るわ、挙げ句の果てには、全裸になって街を駆けずり回るというのもあるらしい。

 シンプルにやべぇな。

 タチが悪すぎるだろ。

 という訳で、このダンジョンの調査報酬は、国とギルドの両方から出るそうだ。

 

セナ「では、このクエストに挑戦する冒険者は名乗り出て下さい!」

 

 セナさんはそう言う。

 だが、誰も名乗りでなかった。

 無論、俺らも。

 それを見たセナさんは、驚愕の表情を浮かべる。

 

セナ「なっ……………ぜ、ゼロ……………!?」

ダスト「いやー、だって……………なあ?」

カズマ「いくら報酬が多くても、その話を聞いてやりたいとは思わないんで。」

湊翔「幼児退行するのは、ちょっとなぁ……………。」

白夜「俺も……………。」

 

 セナさんが驚く中、俺たちはそう言う。

 というより、幼児退行して、いらん犯罪を犯すのは嫌なんだが。

 そんな中、セナさんが口を開く。

 

セナ「そうですか……………それは残念です。王国から用意された報酬だけで、200万エリスは下らないのですが……………。」

アクア「200万……………!?」

カズマ「おいこら。一瞬で金に目が眩むな。」

セナ「どうですか、サトウさん、桐ヶ谷さん。ぜひ、魔王軍幹部を倒して、ジャマトを倒したあなた達の力を貸して欲しいのですが………。」

 

 アクアは、あっさり釣られそうだな。

 というより、リスクが大きすぎるんだよな。

 幼児退行するのはごめんだ。

 そう思う中、カズマ達は、セナと、そしてバニルと話していた。

 すると、白夜が話しかけてきた。

 

白夜「湊翔。」

湊翔「どうした?」

白夜「バニルによると、そのダンジョンに、魔石があるみてえだ。」

湊翔「え?」

朱翼「しかも、七つを集めた状態で売ると、高値で売ると言ってますよ。」

トウカ「どうする?」

湊翔「………………。」

 

 こりゃあ、俺たちも受ける事になりそうだな。

 まあ、魔石は回収しておくべきか。

 結果として、俺たちも調査クエストを受ける事になった。

 ちなみに、馬車はセナが手配してくれるそうだ。

 そうして、俺たちはその街の形をしたダンジョンへと向かう。

 

アクア「はぁ……………やっと着いたわね!ずっと馬車に乗ってたから、お尻が痛くなっちゃったわ!」

ダクネス「それにしても…………これがダンジョンとはな。」

トウカ「予め聞いてないと、本当に普通の街にしか見えないよな。」

アクア「でも、変わった建物ばっかりよね。」

めぐみん「構築している素材も特殊……………というか、珍しい物の様ですね。壁も道も、どんな素材でできているのか、まるで検討がつきません。」

 

 到着すると、そこには、一面の桃の花が広がり、建物があった。

 アクア達がそう話す中、俺たち日本人組は。

 

湊翔「見た所、古い中国みたいな雰囲気だな。」

カズマ「どっちかというと、仙人が住んでる桃源郷に近いか。」

朱翼「ですね。」

白夜「仙人が住んでるのかな。」

アクア「へぇ、ゲームの知識も意外と役に立つのね。」

カズマ「ゲーマー舐めんな。その手のよく使われる知識は、とっくにネットで学習済みだ。」

 

 まあ、そういう桃源郷とかの奴は、ゲームでもよく使われるからな。

 俺もそこそこ知っている。

 俺たちは、先に進む。

 先に進むと、桃の花が咲き誇っていた。

 

ダクネス「凄いな……………辺り一面、桃の花が咲いている。」

カズマ「そらまあ、桃源郷って言うくらいだし、普通は桃の林の奥にあるらしいからな。桃の花があってもおかしくはないだろ。」

ダクネス「そうか。しかしこの風景…………。つい見入ってしまうほど美しいな…………。」

トウカ「そうだな。」

めぐみん「カズマ、カズマ。あの人たちは誰ですか?ダンジョンなのに恐れる風もなく歩き回っていますが。」

カズマ「……………見た感じ、少し浮世離れしてる様に見えるな。あれはもしかしたら、仙人かもしれないぜ。」

めぐみん「せんにん?」

湊翔「アークウィザードとは違う存在だな。修行によって、色んな術を使える人だ。」

 

 ダクネスとトウカがそう言う中、めぐみんは仙人を見つけて、俺たちはそう言う。

 まあ、修行で不思議な力を使えるというのは、間違いじゃないはずだ。

 すると、めぐみんは目を輝かせる。

 

めぐみん「おお……………も、もしかして、その術というのは強いのですか?爆裂魔法より?」

湊翔「いや、そんな物騒な術は無いから。」

めぐみん「気になりますね。……………あの、カズマ。少し話を聞きに行っても良いでしょうか?」

カズマ「そうだな。このダンジョンの状況も分からないし、話を聞いてみるのもありか。」

めぐみん「ありがとうございます!絶対に爆裂魔法を強化する術を聞き出してきます!」

白夜「おい、目的違うだろ。」

 

 めぐみんはそう言って、その場から離れる。

 あんまり単独行動はお勧めしないんだがな。

 すると、ダクネスが口を開く。

 

ダクネス「しかし、こうしていても、平和そのものの街にしか見えないのだが……………本当にここに敵が居るのか?」

トウカ「確かに。他のダンジョンと違って、戦闘の痕跡がない。」

湊翔「それに、なんで幼児退行するのかも、分からないしな。用心しよう。」

 

 そう。

 現状、敵らしい敵が出てこないのだ。

 何がどうなってんだ。

 ここのダンジョンも、意味が分からんな。

 すると、アクアが口を開く。

 

アクア「ねえねえ、あそこで優雅に船遊びしてる人がいるわ。魚なんかも釣れるのかしら?」

カズマ「多分釣れるんじゃないか?仙人といえば釣り竿だしな。」

アクア「なんだか面白そうね!ちょっと私も行ってくるわ!」

湊翔「おい!遊びに来たんじゃないんだぞ!」

アクア「分かってるわよ!ちゃんとここの情報も聞いてきてあげるから!どうせ手がかりがないなら、動いたほうがいいでしょー!?」

 

 アクアが珍しく正論を言ったな。

 だが、こういう所では、あまり単独行動は推奨されない。

 そう思う中、アクアはさっさと行ってしまった。

 

カズマ「行っちまったな……………。」

湊翔「しょうがない。俺たちは待機するぞ。」

朱翼「ですね。」

白夜「おう。」

トウカ「分かった。」

ダクネス「あ、ああ、そうだな。…………くうっ……………。」

 

 俺たちがそう話す中、ダクネスは顔を赤くしていた。

 

カズマ「ん、どうしたダクネス?」

ダクネス「いや、別になんでもない。」

湊翔「顔赤いし、モジモジしてるよ?」

トウカ「トイレに行きたいのなら、さっさと行けば良いじゃん。我慢は体に悪いぞ。」

ダクネス「い、いや……………!す、少し席を外す。き、聞き耳を立てるなよ!?絶対だぞ!?立てたらぶっ殺すからな!?」

 

 ダクネスはそう言って、その場から離れる。

 この場には、俺たちだけが残った。

 

カズマ「俺たちだけが残ったな。」

湊翔「だな。」

白夜「まあ、ここ自体が怪しいしな。」

朱翼「どこに敵が居るのかも分かりませんからね。」

トウカ「確かに。あんまり不用意には動かないほうが良さそうだな。」

 

 俺たちはそう話す。

 このダンジョンは、一見平和そうに見える。

 だが、ここの調査をした冒険者や騎士達は、もれなく幼児退行している。

 一体、どういう原理なんだ?

 すると。

 

アクア「ただまー。」

めぐみん「戻りました。」

ダクネス「待たせたな。」

 

 そう言って、三人が戻ってくる。

 

カズマ「お、おお、お帰り。」

湊翔「それで、何か話は聞けたのか?」

アクア「いえ、何も聞けなかったわ。」

カズマ「ふ〜ん。めぐみんの方はどうだったんだ?」

めぐみん「同じです。彼らは何も知りません。」

白夜「知らない?待て。このダンジョンに居て、何も知らないなんておかしいだろ。」 

ダクネス「皆、こっちだ。」

トウカ「あれ?ダクネス、あんなに我慢してたのに、結構早くない?」

ダクネス「問題無い。」

朱翼「え?でも、さっきは…………。」

アクア「それより、先に進みましょう。」

めぐみん「ええ。時間がもったいないです。」

 

 アクア、めぐみん、ダクネスはそう言う。

 それを見て、俺たちは違和感を抱いた。

 

カズマ「なあ、あいつらの様子、おかしくないか?」

湊翔「確かに。」

白夜「なんなんだあいつら?」

トウカ「ダクネス……………?」

朱翼「ひとまず、奥に行ってみましょう。」

 

 俺たちは、そう話す。

 ひとまず、奥に進む事にした。

 奥に進む中、色んな魔物と遭遇した。

 メタルキャベツだったり、桜前線という雪精に似た奴だったり、上級者殺しだったりだ。

 中々に強い魔物が出てくるよな。

 そんな中、奥に進む中、俺たちは疑念が大きくなっていた。

 アクア達の様子がおかしいのだ。

 さっきからずっと黙ってるし、アクアに至っては、無駄口を叩いたり、休憩を要求しない。

 

カズマ「なあ、やっぱり、あいつらの様子がおかしくないか?」

湊翔「確かに。変だ。」

白夜「アクアはそうだが、めぐみんやダクネスも大人しすぎる。」

トウカ「確かに。いつもなら、爆裂魔法を撃とうとしたり、敵に突っ込もうとしたりするからな。」

朱翼「変ですね。」

湊翔「………………ちょっとカマかけてみるか。」

 

 やっぱり、皆感じてるんだな。

 俺はそう言って、アクアに話しかける。

 

湊翔「なあ、アクア。そこに生えてる木の実は、高値で売れるみたいだぞ。」

アクア「ふ〜ん。そう。」

 

 俺はそう言うが、アクアはそっけなく答える。

 お金に関する話を聞いても、目の色を変えないとは。

 やはり、怪しい。

 すると、カズマが前に出る。

 

湊翔「カズマ?」

カズマ「俺に任せろ。なあ、お前ら。ちょっと良いか?」

アクア達「ん?」

カズマ「スティール!!」

 

 すると、カズマはスティールを発動して、アクア達から下着を奪う。

 やりやがったな。

 それを見て、俺たちはドン引きする。

 特に、白夜と朱翼のドン引き具合が凄まじい。

 そういえば、カズマがめぐみんのパンツをスティールした際には、この2人は居なかったからな。

 だが、アクア達は。

 

アクア「カズマ、何してるの?」

カズマ「え?」

ダクネス「遊んでいる暇は無いぞ。」

めぐみん「早く先に急ぎましょう。」

トウカ「え?」

白夜「あ、あれ?」

朱翼「何も反応しない……………?」

湊翔「え?」

 

 そう。

 アクア達は、パンツを盗まれても、何も反応しない。

 俺たちが呆然とする中、カズマは口を開く。

 

カズマ「やっぱりお前ら…………!」

アクア「さっきから何よ?」

カズマ「その程度で騙せた気になっているなんて、俺も随分と馬鹿にされてるみたいだな。良い加減に正体を表せ!この……………偽物め!」

アクア達「………………。」

湊翔「やっぱりか。」

白夜「おかしいと思ったんだよな。」

 

 カズマ、俺、白夜がそう言うと、アクア達の偽物は一旦黙って、アクアの偽物が口を開く。

 

アクア「ふふふふ…………何を言っているの?」

湊翔「あのな。化けるんなら、ちゃんと行動パターンを学んだほうが良いぞ。一癖も二癖もある仲間だからな。」

トウカ「だからといって、あんな見分け方はどうかと思うがな。」

朱翼「カズマさん……………最低です。」

カズマ「そ、それは言わないでくれよ……………。」

白夜「本物はどこだ?さっさと出せ。」

 

 俺たちは、アクア達が偽物でいると見抜いた。

 すると。

 

偽カズマ「なるほど。」

カズマ「って、俺たちもいるのかよ!?」

湊翔「マジか……………。」

偽湊翔「サトウカズマ、桐ヶ谷湊翔、トウカ、虎雷白夜、白鳥朱翼。やはり、お前達は手強い。」

偽トウカ「気づかれないうちにお前達を引き離し、さっさと子供にしてしまうつもりだったが………………。」

偽白夜「見破られたのなら、仕方ない。」

偽朱翼「戦うしか無いでしょう。」

偽めぐみん「覚悟はいいですか?」

 

 そういって、偽物軍団は構える。

 どうやら、仮面ライダーには変身出来ないみたいだな。

 

カズマ「くそっ!来るぞ!」

湊翔「どうやら、変身出来ないみたいだな。俺たちは変身するぞ!」

白夜「おうよ!」

トウカ「ああ!」

朱翼「分かりました!」

 

 俺たちはそう話して、デザイアドライバーを装着して、それぞれのレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が、朱翼の横にフルートと英語でFLUTEの文字が現れる。

 全員が変身ポーズを取り、叫ぶ。

 

「「「「「変身!」」」」」

 

 俺たちは、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

CALIBER

LIGHTNING

FLUTE

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、カズマはタイクーン・ニンジャフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォーム、白夜はライコウ・ライトニングフォーム、朱翼はスワン・フルートフォームに変身する。

 俺たちは、自分たちの偽物に戦いを挑む。




今回はここまでです。
今回は、ミステリータワーで魔石を回収して、桃源郷にて、自分たちの偽物と応戦するまでです。
偽物の確認の仕方が、カズマらしいといえば、カズマらしいですね。
まあ、湊翔達はドン引きしますが。
次回は、桃源郷での戦いの後半です。
いよいよ、クライマックスに近づいてきました。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日のギーツは、祢音と沙羅さんが脱落してしまいましたね。
もう2人は、仮面ライダーにはなれない。
そんな中、グランドエンドが始まって、英寿は慟哭する。
すると、新たなフォーム、ブーストマークIIIに変身しましたね。
ただ、暴走フォームみたいで。
ブーストマークIIIを見ると、ナルトの暴走状態を思い起こしますね。
次回や、次回以降がどうなっていくのか。
楽しみです。
この小説でのハクビは、カズマの前世での親友が変身する感じにしようと思います。
道長が変身しているバッファも、ダクネスが変身していますし、大丈夫ですかね?
あと、ブーストマークIIIがナルトのあれみたいなので、ナルト達と共に挑むミッションをやろうかなと思っています。
どういう感じにブーストマークIIIを出して欲しいというのがあれば、受け付けます。
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