この白狐の戦士に祝福を   作:仮面大佐

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第68話 クローンズヒュドラ

 ダクネスがアルダープの屋敷に向かった後、結局、その日にダクネスは帰ってこなかった。

 その翌日、カズマはちょむすけと戯れていた。

 

カズマ「なあ、ちょむすけ。一体どうやったら、お前は本来の姿に戻るんだ?お前、アレだろ?この子猫の姿は仮の姿なんだろ?本当は語尾に『にゃ』を付ける猫耳美少女なんだろ?」

 

 カズマはそんな風に言っていた。

 それを、俺たちは見ていた。

 

湊翔「何言ってんだ、あいつ?」

トウカ「さぁ……………?」

白夜「まあ、ちょむすけが何者なのかは、気になるよな。」

朱翼「ですね。夏なのに、毛が抜けませんし。」

武劉「分からないな。」

 

 俺たちはそんな風に話していた。

 すると。

 

ダクネス「カズマ!皆!賞金首モンスターを狩ろう!!」

 

 ダクネスがそんな風に叫びながら、この屋敷の中に入ってくる。

 というより、賞金首モンスター?

 

カズマ「……………朝帰りしたかと思えば、いきなり何なの?お前がどこの誰とイチャイチャしようが関係ないけど、一応嫁入り前のお嬢様なんだから、放蕩娘なのも大概にな?」

ダクネス「バカっ!朝帰りではない!夜中遅くに帰っては、お前達に迷惑がかかるから、昨日は実家に帰ったのだ!」

白夜「……………で、いきなり賞金首モンスターの討伐って、何がだよ?」

ダクネス「そ、そうだった。とにかく、これを見てくれ。」

 

 カズマがそう言うと、ダクネスはそう突っ込む。

 白夜がそう言うと、ダクネスはある紙を俺たちに見せてくる。

 そこには、ヤマタノオロチみたいな見た目のモンスターが居た。

 

朱翼「クローンズヒュドラ!?」

白夜「狙う賞金首って、こいつの事だったのか。」

 

 それを見た白夜と朱翼はそう言う。

 俺は、口を開く。

 

湊翔「なあ、クローンズヒュドラって、何なんだよ?」

トウカ「クローンズヒュドラ。アクセルの近くの山に住んでいて、普段は深い眠りについている大物賞金首モンスターなのよ。」

武劉「こいつは、体内に蓄積した魔力を使い果たすと、湖の底で眠りにつき、周囲の大地から魔力を吸い上げ始めるんだ。」

ダクネス「ああ。眠りについたヒュドラが、再び魔力を蓄積させるのにかかる年月は10年ほどで、前回眠りについたのが、今から10年前の話だ。」

 

 俺がそう聞くと、トウカ、武劉、ダクネスはそう説明する。

 確かに、いつ目覚めてもおかしくはないな。

 すると、カズマが口を開く。

 

カズマ「こんなもん狩るとか、いくら朝早いからって、寝惚けたこと言うなよ。それよりお前、昨日の執事は何だったんだ?」

トウカ「確かに。アルダープと何があったんだ?」

ダクネス「昨日の件は……………っ!き、昨日の件は、お前達には関係のない事だ。貴族のしがらみという奴だから、巻き込まれたくなければ、首を突っ込むな。そんな事より、そのめぐみんはどこだ?めぐみんなら、この話に乗り気になるのではないか!?」

 

 カズマとトウカがそう聞くと、ダクネスはそう答える。

 何かあったんだな。

 だから、大物賞金首であるクローンズヒュドラを倒す事になったんだろうな。

 ダクネスがそう聞く中、カズマは答えた。

 

カズマ「めぐみんなら、アクアと一緒に出かけたよ。生まれてくるドラゴン用に、かっこいい首輪が欲しいって言ってた。」

ダクネス「……………私もアクアから、ドラゴンが生まれてきたら、小屋作りを手伝えと言われたのだが、あの卵は、どう見ても…………。」

白夜「鶏の卵だろうな。」

湊翔「それはそうと、何で急に大物賞金首モンスターを倒す流れになるんだよ?アルダープと何かあったのか?」

 

 カズマがそう言うと、ダクネスは複雑そうな表情を浮かべて、白夜はそう断言する。

 俺はそう聞くと、ダクネスは口を開く。

 

ダクネス「昨日の件は関係ないと言っただろう!……………実は、つい先日、湖の様子がおかしいとの報告があった。湖周辺の枯れた地に、雑草が生えだしたのだという。これは、ヒュドラが大地から魔力を吸い上げる必要が無くなった事を意味している。つまりは、目覚めの兆候だ。」

武劉「まあ、10年周期で動き出すのなら、動き出してもおかしくないか。」

 

 ダクネスはそう言うと、武劉はそう言う。

 確かに、それはそうだが、何か誤魔化したような感じがするのは、気のせいか?

 すると、ダクネスは芝居がかった声を上げた。

 

ダクネス「……………いいか?この街を救えるのは、魔王軍の幹部をも倒した私たちと湊翔達のパーティー以外にあり得ないだろう!お前も冒険者の……………仮面ライダーの端くれなら、この地を守りたいと思うだろう?さあ、今こそお前達の出番だ!!」

 

 ダクネスはそう熱弁する。

 まあ、そうなるよな。

 とはいえ、ダクネスがアルダープと何があったのかを把握しておきたいが。

 

白夜「まあ、大物賞金首とは戦ってみたいとは思っているがな。」

武劉「確かに、暴れられるのも困るからな。」

朱翼「ですね。」

トウカ「聞きたい事は山ほどあるけど、手伝ってあげるわよ。」

湊翔「まあ良いけどな。」

カズマ「お前ら……………ったく。」

ダクネス「あ、ありがとう!」

 

 俺たちがそう言うと、カズマは諦めた表情を浮かべて、そう言う。

 結果、クローンズヒュドラ討伐へと向かう事になった。

 その翌日、俺たちはヒュドラが住む湖が有る山の麓に向かっていた。

 

カズマ「なあ、そういえばさ。万が一ヒュドラを倒せなかったらどうするんだ?」

湊翔「確かに。現状大人しくしているモンスターを怒らせるだけになるんじゃないか?」

アクア「いやあーっ!いやああああーっ!!」

 

 俺とカズマがそう言うと、ダクネスは答える。

 

ダクネス「その事なら問題ない。今までであれば、クローンズヒュドラには、大軍を持って取り囲み、暴れさせる事で魔力を消耗させ、魔力切れになったヒュドラを再び眠りにつかせるという対処を行ってきた。当然、今回の周期に合わせて、そろそろ王都から騎士団が派遣される事になっている。」

アクア「ヒュドラなんていやあああ!どうしてダクネスは賞金首なんて狙うの?カズマがたまに言ってたけど、本当に貧乏貴族なの?帰ったら、コツコツ貯めてた貯金箱割って、お金を貸してあげるから、それで我慢してよおおおおおお!!」

 

 俺とカズマの質問に、ダクネスはそう答える。

 騎士団が来るのか。

 

武劉「だが、予定していた騎士団の到着よりも早く、ヒュドラが目覚めたという事か。騎士団では、ヒュドラを眠らせる事が出来ても、トドメを刺すには至らないという事か。」

朱翼「それで、根本的な解決にならないから、私たちを頼ったという事ですか。」

アクア「帰らせて!ねえお願い、帰らせて!何だか嫌な予感がするの!」

 

 それを聞いた武劉と朱翼はそう言う。

 それにしても、ダクネスは何を焦っているんだ?

 ヒュドラは、騎士団と一緒に倒せば良いのに、何故、そこまで焦る?

 すると、めぐみんと白夜が口を開く。

 

めぐみん「フハハハハハ!今回は私に任せて貰いましょうか!ヒュドラは亜種とはいえ、下級のドラゴン!こいつを倒せば、堂々とドラゴンスレイヤーを名乗れます!」

白夜「確かにな。クローンズヒュドラがどういう相手なのかは知らないが、燃えてくるぜ。ドラゴンスレイヤーの二つ名は興味無いが、ドラゴンと戦えるのは、血が騒ぐぜ。」

アクア「ゼル帝が生まれたら、ドラゴンを家で飼う事になるのに、なんでそんな物騒な称号を欲しがったり、戦いたがるの!?ねえ、めぐみん、白夜、止めましょうよ!ゼル帝だって、ドラゴンスレイヤーを乗せるのは嫌がる筈よ!お願い、私を帰らせてよお!」

 

 めぐみんと白夜は、そんな風に頼もしい言葉を口にする。

 本当に、この2人は頼もしいな。

 俺とカズマは頷き合い、俺は口を開く。

 

湊翔「よし。それじゃあ、まずは…………。」

アクア「早く帰って、ゼル帝の誕生を見守らなきゃいけないのに!わあああああああーっ!!」

カズマ「さっきからピーピーうるせーぞ!ひよこってのは、生まれるまでに20日以上掛かるから、まだまだ大丈夫だよ!ていうか、良い加減諦めろ!おまえが帰ったら、どうやってヒュドラを起こすんだよ!」

 

 俺がそう言うと、アクアはそう叫び、カズマはそう突っ込む。

 確かに、さっきからやかましかったしな。

 すると、アクアが叫ぶ。

 

アクア「何でドラゴンの卵からひよこが生まれるのよ!大体、どうしてあんな所に大事なゼル帝を預けなきゃならないの!?」

白夜「しょうがねぇだろ。鶏の卵の孵化なんてバカな事を頼める奴は他に居ないし、知り合いの冒険者に預けたら、高確率で食われるぞ。」

トウカ「……………まあ、ウィズが唾を飲み込んでいたけどね。」

 

 アクアがそう叫ぶと、白夜はそう言って、トウカは苦笑しながらそう呟く。

 ちなみに、卵はウィズの店に預けてある。

 ウィズが唾を飲み込んでいたのが気になるけどな。

 

アクア「白夜!あんた、何バカな事言ってんの!?あれはドラゴンの卵よ!?それに、リッチーと悪魔に卵を預けるなんて、生まれてくるゼル帝に変な影響を及ぼさないか心配よ!ドラゴンの卵ってのはね、親ドラゴンが大事に抱いてる期間が長いほど、高い魔力を持ったり、親の属性を引き継いだりするの!あの子は神聖なホワイトドラゴンとして生まれて欲しいのに、なんか闇のパワーの影響を受けて、ブラックドラゴンとか生まれてきそうじゃ無い!」

湊翔「心配するな。生まれたとしても、黒のカラーひよこが生まれるだけだ。」

カズマ「そんなに気になるなら、早くヒュドラを倒して帰ろうぜ。」

 

 アクアが長々しくそう言う中、俺とカズマはそう言う。

 というより、まだドラゴンと言うか。

 あれはどうみても鶏の卵だろ。

 すると、ダクネスが口を開く。

 

ダクネス「よし、準備は良いか?ではアクア、始めてくれ!」

アクア「しょうがないわね。まあ私としては、水を綺麗にする事自体に文句はないけど。じゃあ、ちょっと行ってくるわね!めぐみんの魔法や一斉攻撃でもダメだったら、すぐに逃げ帰るからね!?」

 

 ダクネスがそう言うと、アクアはそう言って、躊躇なく濁った湖に飛び込む。

 水棲モンスターは、綺麗な水を嫌がるらしい。

 そこで、アクアの出番というわけだ。

 ちなみに、いつクローンズヒュドラが現れても良いように、俺たちの腰には、デザイアドライバーが装着されている。

 アクアが浄化作業をしている中、めぐみんが口を開く。

 

めぐみん「……………あれは、浄化作業をしているんですよね?暑いから水遊びをしている訳ではないですよね?」

 

 めぐみんはそう言う。

 言われてみれば、今のアクアは、痛い子が1人で水遊びをしている様にしか見えないな。

 すると、アクアは、浄化作業に飽きてきたのか、目を瞑りプカプカと漂いだす。

 

ダクネス「………………おい、カズマ。アクアのやつ、大物賞金首が眠っている真上で昼寝を始めたぞ。大丈夫なのか、アレは?というか、前々から思ってはいたのだが、アクアは魔法を唱える素振りも見せず、なぜ触れただけで水を浄化したり出来るのだ?」

めぐみん「それは私も気になってましたね。芸の一つかと思い、あまりツッコミませんでしたが。」

カズマ「本人曰く、水の女神だからだそうだよ。」

「「ふ〜ん……………。」」

 

 ダクネスとめぐみんがそう言う中、カズマはそう言って、2人は聞き流した。

 まあ、普通なら信じられないよな。

 そんな風に話す中、アクアはいつの間にか、湖の中心に流されていた。

 しまった、紐で括り付けるべきだったか。

 そう思う中、しばらくすると、水面に小さな細波が走る。

 そして、めぐみんが叫ぶ。

 

めぐみん「これは…………っ!来ました、来ましたよ!すごい魔力をビンビン感じます!魔力の出所は湖の底からです!」

トウカ「確かに、アクアの真下に、巨大な影が見えるんだけど……………。」

カズマ「アクアー!お前、いつまで寝てるんだ!起きろ!」

白夜「お前がそこに居ると、めぐみんが爆裂魔法を撃てないだろうが!!」

湊翔「皆、変身するぞ!」

 

 めぐみんとトウカがそう言う中、カズマと白夜はそう叫ぶ。

 アクアが器用に立ち泳ぎをする中、俺たちは変身する為に、レイズバックルを取り出して、装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が、朱翼の横にフルートと英語でFLUTEの文字が、武劉の隣には、大砲の絵と英語でBUSTERの文字が浮かぶ。

 俺たちは叫ぶ。

 

一同「変身!」

 

 そう言って、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

BEAT

ZOMBIE

CALIBER

LIGHTNING

FLUTE

BUSTER

REDAY FIGHT

 

 俺たちは、それぞれの仮面ライダーへと変身する。

 すると、カズマが叫ぶ。

 

カズマ「おい、これ聞いてた話よりかなりデカいぞ!大きめの民家並みって書いてあったのに、俺たちの屋敷よりも大きいんじゃないのか!?」

 

 カズマの叫びに、俺たちは顔を引き攣らせる。

 無理もない。

 ダクネスの見せた紙には、ヒュドラの大きさは、大きめの民家並みという記載があったのに、かなり大きいのだ。

 カズマの言う通り、俺たちが住んでいる屋敷並みだ。

 これ、めぐみんの爆裂魔法でも倒し切れるのか?

 すると、アクアの叫び声が聞こえてくる。

 

アクア「か、カズマさーん!なんか凄く大きいのが、私目掛けて追ってきてるんですけどー!」

 

 そんなアクアの叫び声が響いた直後、水面下に8本の首がしっかりと映る。

 これ、やばくね?

 

カズマ「来るぞ!めぐみんは魔法の用意!俺たちはめぐみんを守りつつ、攻撃して行くぞ!」

湊翔「おう!」

ダクネス「分かった!」

めぐみん「そそそ、想定していた物より多少大きい様ですが、わわ我が爆裂魔法の威力なら一撃ですよ!この湖の生態系を破壊し尽くしてやります!」

白夜「やっべぇな……………。」

 

 俺たちがそう身構える中、ヒュドラが姿を見せる。

 その大きさは、ちょっとした小島の様だった。

 すると、カズマの呟き声が聞こえてくる。

 

カズマ「これ、アカン奴や。」

 

 同感だな。

 そんな中、アルダープの屋敷では。

 

アルダープ「ぐふふふふ…………!」

 

 アルダープはワインを飲みながら、そんな風にほくそ笑んでいた。

 アルダープの視線の先には、ダクネスの絵が飾られていた…………。

 俺たちは、クローンズヒュドラに攻撃していく。

 

湊翔「ハアッ!」

 

 俺は、クローンズヒュドラの攻撃を躱しつつ、マグナムシューターで銃撃していく。

 ヒュドラの攻撃は、8本の首を使った物なので、躱すのが若干大変だが。

 その場合は、シリンダー型のバリアを張って、防御する。

 

トウカ「ハアッ!でやっ!」

 

 トウカは、ソードエクスカリバーを振るい、クローンズヒュドラに攻撃していく。

 

白夜「オラっ!」

 

 白夜は、素早い動きでクローンズヒュドラの攻撃を躱して、雷を纏った攻撃を叩き込んでいく。

 

朱翼「ハアッ!」

 

 朱翼は、フルートソードを演奏して、音波攻撃で防御したり、攻撃したりする。

 

カズマ「とりゃっ!ハアッ!」

 

 カズマは、ニンジャフォームの素早さでクローンズヒュドラを撹乱して、ニンジャデュアラーで攻撃する。

 

ダクネス「はあっ!ふっ!」

 

 ダクネスは、ゾンビブレイカーでクローンズヒュドラに攻撃を叩き込んでいく。

 クローンズヒュドラの攻撃が、めぐみんの方に来そうになった際には、バーサークロー型のエネルギーで防いだり、我が身で防いだりしていた。

 

武劉「はっ!ふっ!はあっ!」

 

 武劉は、両腕のクローや両肩の大砲から、クローンズヒュドラに攻撃していく。

 めぐみんは、爆裂魔法の詠唱をしていた。

 本気を出す為だろう。

 しばらくすると、めぐみんが叫ぶ。

 

めぐみん「皆!もう爆裂魔法を撃てます!早く離れて下さい!」

カズマ「分かった!早く離れるぞ!」

湊翔「おう!」

 

 それを見て、俺たちはすぐにヒュドラへの攻撃をやめて、ヒュドラから離れる。

 そして、いつもの魔法陣が現れると。

 

めぐみん「穿て!エクスプロージョン!!」

 

 めぐみんの爆裂魔法が発動して、それがクローンズヒュドラへと炸裂する。

 凄まじい爆煙が広まる中、俺たちは身構えていた。

 

カズマ「どうだ……………?」

湊翔「これで倒れてくれるとありがたいんだけどな……………。」

武劉「油断するなよ。」

 

 俺たちはそう話して、身構える。

 煙が晴れてくると、クローンズヒュドラの姿が見える。

 クローンズヒュドラは、首を何本か失っていた。

 すると、失われたはずの首が、あっという間に再生していく。

 しばらくすると、再生が終わり、俺たちに向かって叫ぶ。

 

湊翔「嘘〜ん………………。」

トウカ「マジですか………………。」

白夜「おいおい………………。」

朱翼「えぇ〜…………………。」

 

 それを見た俺たちは、顔を引き攣らせながら、そう言う。

 すると、武劉が大きく叫ぶ。

 

武劉「皆、撤退するぞ!」

カズマ「お、おう!?」

ダクネス「待て!逃げるというのか!?」

武劉「めぐみんの爆裂魔法を受けてもすぐに再生する以上、どうにもならん!体勢を立て直すぞ!」

湊翔「わ、分かった!」

 

 さすがは、元自衛隊のSPだな。

 形勢が不利だと悟ったのか、即座に撤退の指示を出す。

 ダクネスは、撤退を渋ったが、武劉の言う事にも一理あるので、撤退する事に。

 クローンズヒュドラは、俺たちが撤退すると、即座に湖の方へと沈んでいく。

 しばらくして、俺たちは街へと戻る事に。

 

カズマ「……………しかし、どうして騎士団がヒュドラにトドメを刺さないのかよく分かった。刺さないんじゃなく、刺せないんだな。」

湊翔「だろうな。失った首の再生に、魔力を使ってるみたいだったしな。」

めぐみん「そうですね。アレを倒すには、再生が追いつかないほどの超火力で吹き飛ばすか、何度も傷を負わせて魔力を消費させて、魔力を尽きさせた所に致命傷を与えるしかないでしょう。」

白夜「まあ、どれも現実的ではないけどな。」

 

 俺たちはそう話す。

 風都探偵のトラッシュ・ドーパントと同じくらいに厄介だよな。

 トラッシュ・ドーパントも、周囲にゴミがある以上、何度でも再生するからな。

 あのエクストリームをも苦戦させた敵だし。

 そんな超火力を出せるのは、めぐみんの爆裂魔法か、コマンドフォーム・キャノンモードやバスターフォームの荷電粒子砲位だろうな。

 俺は、武劉に聞く。

 

湊翔「なあ、武劉。お前のバスターフォームで、どうにかならないか?」

武劉「ふむ……………。一応、可能かもしれないが、今の状態では、例えダメージを与えたとしても、回復されるだけだろうな。」

ダクネス「そ、そうか……………。」

 

 やっぱり、まだ無理か。

 ある程度ダメージを与えないと、不可能に近いという事か。

 すると、トウカが口を開く。

 

トウカ「……………ダクネス。そこまで落ち込んでるけど、ヒュドラを倒さないといけない事情でもあるの?」

ダクネス「っ!?そ、それは……………。」

白夜「アクア、めぐみん。お前達は先に行って、ギルドに報告してくれ。」

アクア「わ、分かったわ。それじゃあ、早く行きましょう!出来るだけ私たちの活躍を大袈裟に吹聴するの!そうすれば、金一封くらい貰えるかもしれないわ!」

めぐみん「任せて下さい!我が爆裂魔法がいかに凄かったか、とくとくと語ってやりますよ!」

 

 トウカがそう聞くと、ダクネスは口籠る。

 白夜は、アクアとめぐみんを先にギルドへと行かせる。

 確かに、ダクネスの行動には、不可解な点があった。

 何しろ、騎士団でもどうにかなる筈のクローンズヒュドラを、自分で討伐しようとしている所だ。

 ダクネスが口籠る中、トウカは口を開いた。

 

トウカ「……………その口ぶりから、何かあるのは察したわ。でも、ダクネスが自分から言うまで、待ってあげる。」

ダクネス「トウカ………………?」

トウカ「ダクネスが色んな事をたった1人で抱え込む人だというのは、分かってるのよ。だって、私は、あなたの親友なんだから。でも、あんまり抱え込み過ぎて、壊れそうになってしまったら、私は遠慮なく介入するからね。というより、私たちを頼ってよ。」

ダクネス「トウカ………………。」

 

 トウカは、ダクネスに対して、そんな風に言う。

 トウカはダクネスの親友だったな。

 だからこそ、ダクネスの異変には気付きやすいのだろう。

 すると、カズマが口を開く。

 

カズマ「……………今日はダメだったけど、次にあのヒュドラに挑む際には、入念な準備をして作戦立ててから行くからな?」

ダクネス「カズマ……………。」

白夜「確かに。このまま負けっぱなしなのは、嫌だからな。」

朱翼「私たちも協力しますよ。」

武劉「ああ。」

湊翔「なんだ?民の安全だの言ってた癖に、ヒュドラ討伐を諦めたのか?」

ダクネス「バカなっ!この私を誰だと思っている!民を守る事こそ、ダスティネス家に与えられた使命だ!次こそは、あのヒュドラをぶっ殺してやる!!」

 

 俺たちは次々とそう言う。

 それを聞いたダクネスは、少しだけ、いつものダクネスを取り戻した。

 そうでないとな。

 しばらくして、ギルドへと向かうと。

 

冒険者「どうして、いつもいつも、アンタって人は余計な事ばっかやらかすんだ!」

冒険者「本当よ!アクアさんってば、こないだだって、魚屋の生簀の水を真水に変えて、海で獲ってきた魚を全滅させたんでしょう!?」

アクア「だ、だって!私は良かれと思って!魚屋の件にしても、狭い生簀の中で可哀想だし、せめて水くらいは綺麗にしてあげようと思って!!」

冒険者「どうすんだよ!クローンズヒュドラなんて大物、俺たちじゃどうにもなんねぇ!!」

冒険者「じ、実家に帰りたいよ!お母さーん!!」

ギルド職員「手配書を、もっと手配書を回せ!この街の冒険者全員に、手配書を配るんだよ!!」

 

 ギルド内は、阿鼻叫喚と化していた。

 冒険者やギルド職員が悲鳴をあげて、騒ぎの中心では、アクアが糾弾されていた。

 すると、めぐみんがやってくる。

 

めぐみん「あっ!カズマ、ダクネス、湊翔、トウカ、白夜、朱翼、武劉!いい所に!この状況をなんとかして下さい!」

カズマ「いや、どうしたんだよ、これ。」

白夜「俺たちは、何も悪い事はしてないぞ。」

めぐみん「いえ!それがですね……………。」

 

 めぐみんはそう叫び、カズマと白夜はそう聞くと、めぐみんは狼狽える。

 俺たちは、ルナさんに事情を聞く事に。

 

ダクネス「おい、一体何があった?確かに討伐は失敗したが、これほどまでに騒ぐ事ではないだろう?どうせ騎士団が来るまでの繋ぎであり、ダメ元の討伐だったのではないか?」

ルナ「そ、それがですね……………タイミングの悪い事に、王都で大事件が発生したとの事で……………騎士団達はその事件の始末に追われて、こっちに構っている暇がないらしく……………。」

 

 王都?

 なんか嫌な予感がするのは、気のせいだろうか?

 

カズマ「おい、どういう事だよ!?王都がピンチなのか!?俺の可愛い妹が危機に晒されてんのかよ!?」

白夜「おい、カズマは黙ってろ。」

湊翔「どうなんですか?」

ルナ「その、事件が起きたのは少し前で、今は犯人探しの為に、騎士団が駆り出されていて……………なんでも、王都で銀髪盗賊団と呼ばれる連中と石井樹という魔法使いが、王城に侵入したそうで………………。」

 

 それを聞いて、俺たちは吹き出した。

 俺たちのせいじゃねぇか。

 銀髪盗賊団は2億エリス、石井樹はアイリスの首を絞め、誘拐をしようとした事で、5億エリスの賞金が掛けられたそうだ。

 あいつ、カズマ達の倍近くの賞金がかけられてんな。

 すると、それを聞いたダクネスは。

 

ダクネス「……………2億エリスか。」

カズマ「おい、なんでこっち見るんだよ。」

 

 ダクネスは血走った目でカズマを見る。

 やばいって。

 目がマジだって。

 という事は、金銭面絡みか?

 ルナさん曰く、騎士団達は、いつやって来るのか分からなくなったそうだ。

 そして、紅魔族の占い師曰く、アクセルの街に黒幕がいるとの事。

 それで、阿鼻叫喚のこの光景になってるわけだ。

 結果、カズマは引き篭もる事になってしまった。

 一方、その知らせは、馬場武達の方にも来ていた。

 

武「お前、賞金をかけられたみたいだな。」

闘轟「まあ、あのような事をして、賞金をかけられない訳ないな。」

遥「あなたを売れば、5億エリスが手に入るみたいね。」

要「流石に、それは今後の作戦に支障が出ますよ。」

光太郎「で、どうすんだ?」

樹「……………流石にやり過ぎたかな。少しは大人しくするさ。だが、僕は諦めてないからね。」

 

 馬場武達は、そんな風に話す。

 俺たちがクローンズヒュドラに苦心する中、馬場武達も、確実に動いていた。




今回はここまでです。
今回は、クローンズヒュドラに喧嘩を売る所です。
ちなみに、前回の章でアイリスの首を絞めた石井樹は、カズマ達以上の賞金をかけられて、指名手配されていました。
次回は、クローンズヒュドラとの戦いが終わるまで書こうかなと思っています。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日、ガッチャードとギーツの冬映画の情報が来ましたね。
分かったのは、タイクーン達のケミーが出て来るくらいでしたが。
果たして、どんなストーリーになるんでしょうね。
Vシネマにもどんな風に繋がるのかも気になりますし。
ギーツのケミーの声は、誰が当てるんでしょうね。
ちなみに、この小説と、賢者の孫とガッチャードの小説で、その冬映画のエピソードをやる予定です。
その際、ラウンズやライコウ、スワン、ダイルなどといった仮面ライダーのケミーも出す予定です。
どうなるのか次第ですが。
リクエストがあれば、活動報告にて承っています。
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