異世界生活一日目
「
街中を
「あ……ああ……ああああ…………」
「獣耳? あれが獣耳ってことは獣人だよな。そして、あれはエルフ耳で美形だからエルフか。他には……ドワーフもいるな…」
ワクワクが止まらない。
そして、さっきから気になっていたんだけど俺の方にも若干の
恐る恐る下を見てみると……そこには失われたはずの“マギアドライバー”と“マギアリング”が連なったホルダーがぶら下がっていた。
「えっ? …おいおい、本気でマギアドライバーだ。えっ? 本当に、ライダーの力が戻ってきたのか? 」
色々と触ってみたが本気で俺が使っていたマギアドライバーだ。所々に見覚えのある傷が付いてるし、何よりもベルトの部分には俺の相棒の印が付いてる。
って、そうだ! この印があるってことは
それに気が付いた
『ふん、久しいな。』
「マギアドラゴン!! 」
何度も見て、見慣れた俺の
『まさか、こうしてお前ともう一度
『今回、俺が蘇ったのは相棒の
『俺の主観では相棒と別れてすぐに意識が覚醒し、気がつけばお前の
『なぜ、お前と再び
心当たりか。うーん………ん? まてよ、たしか俺が仮面ライダーになったのって……。ああ、なるほど。
「大丈夫だ。心当たりはある。」
だから、と続けようとしたのだが、
ズン!
『どうやら、現実で何かあったようだな。』
「あぁ、そうみたいだな」
そうして、現実に意識を向けると、
「あああぁぁぁぁぁっっっ!!!」
泣きじゃくるアクアに掴みかかられていた。俺の体がアクアの揺さぶりによってがくがくと揺れている。今にも首を絞めそうな勢いだ。
「悪い、マギアドラゴン。話は後だ。」
『あぁ、分かった』
そう言った俺は意識を現実に戻し、掴みかかっているアクアの方に向いた。
「おい、辞めろよ。ったく、悪かったよ。ライダーの力も戻ってきたし、そんなに嫌なら帰って貰っていいからさ」
涙目で俺の服を掴んでいるアクアの手を取り払う。
すると、アクアは手をわなわなと震えさせた。
「あんた何言ってんの!? 帰れないから困ってるんですけど! どうすんの!! ねえ、どうしよう! 私これからどうしたらいい??」
アクアは泣きながら取り乱ていた。顔面を崩壊させそうな勢いで泣きじゃくり、首を振って長い髪を振り乱し、頭を抱えて足をバタバタさせている。
なんてこった。黙っていれば凄い美少女なのにこれではどう見てもヤバイ女だ。 正直見てられない。
仕方ない。こうなったのには俺も一枚噛んでるし、カッとなってつれてきた俺も悪い。
「おいアクア、落ち着け。こういう時の定番はまず聞き込みだ。 魔法で調べても良いけど、この世界の魔法がどんなのかはわからないしな。それに大体、異世界系ってのは酒場とか
それに、この世界のモンスターの強さもわからない。もし、ファントム級のモンスターがいるのなら警戒しなくては。
「なっ……! ゲームオタクの引き篭もりだったはずなのに、なぜこんなに頼もしいの? あと、今、私の事呼び捨てにしたでしょ。まぁ、いいわ。できれば、女神様って呼んで欲しかったけど。私、この世界で崇められている神様の1人だから、正体がバレると人だかりができて魔王討伐の冒険どころじゃなくなっちゃう」
えっ、お前みたいな神の宗教がこの世界にあるのか……。絶対にロクなもんじゃないぞ。
そう思う俺の事の後ろをバタバタとアクアはついて来る。
さて、こういった時には魔王に対抗するための組織だとか、
アクアに場所を聞こうかとも思ったが、こいつの担当は日本だし、俺がライダーだってことも知らなかった。だから、こいつは大した情報を持ってないだろうと当たりを付けて、聞かないことにした。
せいぜい、世界の常識とか自分の好みの情報を知ってるくらいだろう。
周囲を見渡して、質問できそうな人を探す。
男性に聞くのはガラの悪い相手だと面倒だし、若い女性だと俺の異世界の風貌にふさわしくない今の格好では怪しまれる。寛容性が高くて、人生経験の長い人の方がやり
俺は丁度通りすがったおばさんに尋ねる。
「すいません、ちょっといいですか? 道に迷ってしまって……。
「あら、この街のギルドの場所を知らないなんて、ひょっとしてから来た人かしら?」
おばさんの言葉に、やはりギルドがあったかと安心する。
「いやあ、ちょっと遠くから
「あらあら……………駆け出し
「どうも、ありがとうございました!...…ほら、行くぞ」
なるほど。駆け出し
しかし、
そんなことを考えながらおばさんに礼を言い、教わった道を歩いて行く。
すると、後ろをちょろちょろついて来るアクアが、ちょっと尊敬の眼差しを交えながら感嘆の声を上げた。
「ねえ、あの言い訳とか、なんでそんなに手際がいいの? こんなにできる男な感じなのに、なんでオタクだったの? なんで毎日閉じ篭もってヒキニートなんかやってたの?」
ヒキニート? 引き籠もりとニートを足すなよ。俺はニートと呼ばれる年齢じゃないぞ。しかし、なんで俺を引き籠もり扱いしたがるんだ? コイツ………。
「あのさ、聞こうと思ってたんだけど俺って天界でどんな扱いを受けてんの? 何でアクアは俺の事を引きこもりのオタク扱いするんだよ。」
「俺は別に引きこもりでもニートでもないぞ。きちんと学校にも通ってたし、親友とは言えなくとも、話をする友達くらいならいたぞ。」
そうアクアに質問すると、
「だって、渡された資料にそう書いてあったんだもの。まぁ、私はカズマの私生活を見てたわけじゃないしね。導く死者に関しては下から渡される資料でしか知らないわよ。」
資料? どんな内容だったんだソレ。しかし、なんで間違った情報が伝わってるんだ? 結構、重大な問題だと思うんだけど…。
…………あぁ、そうか。
さて、アクアは仮にもこの世界の女神らしいし、世界の常識ぐらいは知っているだろう。
「なぁ、アクア。
「え、なに言ってるの? いるに決まってるじゃない。カズマったら全部無料だと思ってたの?」
こいつ!!
「はぁ、アクア。お前、金持ってるのか?」
「はぁ!? 何言ってるの? あんなことで急につれてこられたんだから、持ってるわけないじゃない!!」
「だよな…」
最初は《コネクト》で何か呼びだそうかとも考えたが、《コネクト》の魔法は場所と場所を結ぶ魔法なので、今は使えない。
仕方ないので、立ち止まって何かないかと自身の身辺を探すことにした。現在の持ち物はジャージにマギアドライバー、複数のマギアリング、財布、
巾着袋?
「なんだこれ」
見たこともない巾着袋がポケットに入っていた。中身を見ると三枚の
ひとまず、読んでみるか。
《◆》《◆》《◆》《◆》《◆》《◆》《◆》
和真、この紙を見ているということは、お前は無事、異世界に転生できたようだな。さて、お前の事だから、他の転生者と同じように
追伸:魔王討伐よろしく!!
オーレギオンより
《◆》《◆》《◆》《◆》《◆》《◆》《◆》
だが、これで金の問題はなんとかなった。歩き始めながら、手紙を巾着袋に戻す。
「おい、アクア。金の方はなんとかなったから、
「えっ、カズマさん。どんな手を使ったの?まさか、盗んだんじゃ……」
「ちげーよ。お前の先輩からの送りモノだよ」
そんな会話をしていると、目の前に
アクアの誤解を解きながら
そこはかなり大きな建物で、中からは食べ物と酒の匂いやが漂っていた。 さて、異世界系でよくある様な新参者に絡む荒くれなんかはいないだろうが、それでも注目は浴びるかもしれない。だって、後にいるのは黙っていれば美少女の女神だからな……。
そんな考えをしながら中に入ると..
「あ、いらっしゃいませー。お仕事案内なら奥のカウンターへ、お食事なら空いてるお席どうぞー!」
短髪赤毛のウェイトレスのお姉さんが、愛想よく出迎えた。猫耳と尻尾があるので獣人だろう。
どことなく薄暗い店内は、酒場が併設されている、と言うよりは大きな酒場にカウンターが併設されているみたいだ。格テーブルにはパーティーを組んでいるのか、その場で集まったのかはわからないが、色々や人が集まっている。鎧を着た人やローブを着てる人、軽装の人、昼間から酔っぱらってる人。その人たちは楽しそうに何らかの話し合いをしたり、食卓を囲んだりしている。特にガラの悪そうな人は見当たらない。 だが、やはり新参者は珍しいのかやけに注目を集めている。
やはり……と、俺は予想が当たったことを感じて、面倒なことにならないと良いなと思った。
「ねえねえ、いやに─────」
アクアが何か言ってるが、どうせとぼけたことだろうし、コイツの容姿は優れている事はわかっている。黙っていれば美少女だから、目を巻いているのだろう。 とりあえず視線とアクアの小言は無視して、当初の目的を達成しよう。
「………いいかアクア、登録すれば駆け出し
しかし、転生者への
「知らないわよそんなもの。私の仕事は、死んだ人を導く事だもの。でも、分かったわ。こういった世界での常識やお約束ってヤツね。私も
こいつがこの調子じゃ、手助けする人がいるのかわかったもんじゃないがな。
「そういう事だ。よし、行こう」
俺はアクアを引き連れ、真っ直ぐカウンターへと向かう。
今の時間帯は空いているようで、四つも窓口があるにも関わらず、職員は一人しかいない。
「はい、今日はどうされましたか?」
受付の女の人はおっとりした感じの美人だ。
「
田舎から来たとか遠い外国から来たとか言っておけば、受付が勝手に色々教えてくれる。
そう、それがチュートリアルだ。
「そうですか。では登録手数料が掛かりますが大丈夫ですか?」
後は受付の人の言う事に従っていけば大抵の事はなんとかなる。
「はい、大丈夫です。」
「では、登録料はお一人千エリスになります」
オーレギオンから貰った金が三千エリス。 ここで二千エリスを失うのは痛いが、仕方ない。
ここからは、受付のお姉さんからの冒険者の説明だった。要約すると冒険者とはモンスターの討伐から配達、道具の手入れまで大抵の仕事は引き受ける何でも屋みたいなもの。冒険者にはそれぞれ職業が存在し、その特性や能力を
そして受付のお姉さんが俺とアクアの前に差し出した免許証ぐらいの大きさのモノは
まんま、ゲームだな。コレ……。
次に差し出された書類に身長体重、年齢といった必要事項を記入。そしてカードでステータスを計り、職業を決めるらしい。職業によっては専用スキルがあるらしいので、その辺を踏まえた方が良さそうだが。
そんなことを考えながら、俺は内心緊張気味でカードに触れた。
「……はい、ありがとうございます。 サトウカズマさん、ですね。えっと………はあああああっ!!!! なんなんですか貴方!! 魔力と知力が飛び抜けて高いですよ!! しかも、魔力にいたっては紅魔族並みかそれ以上です。それ以外のステージは普通ですが、このステータスなら魔法使い職なら何でも就けますよ。あ、あと幸運値も非常に高いですね。まぁ、
「へぇ、やるじゃない。カズマさん……」
感心した様に呟くアクアを無視して俺が何に就くべきかを考える。なるほど、魔力が異様に高いのはたぶんマギアースドラゴンの影響だろう。でも、魔法職に就いても、あんまり意味ないんだよな。だって、マギアリングで魔法使えるし…。
でも、それ以外だと基本職の〈
「あの、〈
〈
「この〈
なるほど、魔法が既に使える俺にとってはもってこいの職業だな。スキルという形で技能が増えるのだから。このスキルと魔法があれば……。
「あの、
「えっ。本当によろしいのですか? こちらとしては〈アークウィザード〉がオススメなのですが……」
「大丈夫です」
「は、はい。わかりました。それではどうぞ」
そう言われて俺は受付のお姉さんから
「はっ?? はああああっ!?」
受付のお姉さんの叫び声が聞こえてきた。俺の時よりも大きい。聞く限りでは、どうやらアクアのステータスが凄まじかったようだ。どれも平均値を大幅に越えていて、魔力に至ってはあり得ないくらいらしい。
…………まぁ、如何に駄目そうでも一応は女神。能力は高いのか。…………知力以外は。
その“凄い”ステータスの持ち主のアクアは最初からほとんどの上級職に就くことができた様で、アクアはその中から〈アークプリースト〉を選択したようだ。
「アークプリーストですね! あらゆる回復魔法と支援魔法を使いこなし、前衛に出ても問題ない強さを誇る万能職ですよ!では
お姉さんはそう言って、にこやかな笑みをアクアに向けて浮かべた。
どうやら俺は、ステータスが高いのに上級職に就かない変人と思われているらしい。見向きもされない。
こうして、異世界での
今現在の俺たちの資金は千エリス。こんなんでは宿にも泊まなければ、晩飯も食べれやしない。だから、資金稼ぎのために俺たちは早速《クエスト》を受けることにした。
お姉さんにオススメを聞くと【ジャイアントトードの討伐】を勧められた。どうやら、異世界系定番の薬草取りや街の近くのモンスター討伐といった仕事は無いらしい。このアクセルの町周辺のモンスターはとっくに駆除。危険を犯すわけでもないので、わざわざ金を払って依頼するより自分で取りに入った方が良いらしい。
なるほど。そんな現実は知りたくなかった……。
まぁ、そんなことを言っても資金が増えるわけでもないのでそれを受けてみることにする。
《◆》《◆》《◆》《◆》《◆》《◆》《◆》
【ジャイアントトードの討伐】
概要:三日間でジャイアントトードを合計で五匹討伐。
危険度:◎◎◎
討伐報酬:二万五千エリス(推定)
達成報酬:十万エリス
※:討伐報酬はジャイアントトードを討伐した当日に移送費を差し引いた金額が支払われます。一匹あたり五千エリスです。
※:討伐したモンスターの状態で討伐報酬は変わります。
※:三日間過ぎても討伐数が五匹未満の場合はクエスト失敗となり、違約金を払うことになります。
《◆》《◆》《◆》《◆》《◆》《◆》《◆》
俺はお姉さんから受け取った依頼書をそのままカウンターへと持っていき、手続きをしてもらった。そのあと直ぐにアクセルの街を出て、ジャイアントトードが出没するという街の外に広がる平原地帯へ向かうことにした。
〈▲〉〈▲〉〈▲〉〈▲〉〈▲〉〈▲〉〈▲〉
アクセルの外側の草原を俺とアクアで歩いていく。黄昏時の空はオレンジ色に染まっており、夕焼けが綺麗だ。
その草原地帯には牛よりも巨大な
ギルドの職員の話ではこの頃からジャイアントトードは繁殖期に入り、体力をつけるために人里にも降りてくるらしい。正確には、あと一週間後からが本格的な繁殖期らしいのだが、気の早いジャイアントトードはこの頃から出没するようだ。
「さてと……」
今からあの巨大カエルと戦うのだし、あれからマギアースドラゴンと話もできてない。だから変身しとくか……。そう思って俺は、懐から“ドライバーオンマギアリング”を取り出し、腰のベルトにかざした。
〔ドライバー オン!!〕
スペルエンチャンターから発せられる詠唱と共に腰に“マギアドライバー”が出現する。
「えっ? カズマ? それ何?」
急に響いた音に驚いたアクアがこちらを向き、急に出現した腰のベルトを見てまた驚いた。
「なにって、アクア。 見ればわかるだろ。ベルトだよ、ベ・ル・ト!!」
次にハンドオーサーを左側に傾け、“マギアリング”を懐から取り出し、
〔シャバデゥビ タッチ ヘンシン!!〕
「変身!」
マギアドライバーにかざした。
〔ネクサム オン!! ケテル!〕
『相棒。お前の中から色々と見ていたが、随分と面白い事になっているな。異世界とは……』
『だが、どの世界であろうとも。これからもよろしくたのむぞ』
「あぁ、これからもよろしくな。マギアドラゴン」
〔プリーズ クリライス テューン Pillars of light representing diamonds and Neptune〕
大小様々な歯車を伴った魔法陣が俺の体の真上と真下に出現。
それらが歯車を回しながら俺の体を通過していく。
通過した部分から変身が始まり、丁度二枚の魔法陣が腰の部分で重なり合って変身は完了する。
このスタイルは[エヘイエースタイル]。外見は白を基調としたデザインで、はフェイスガードセンターストーンや胸部ケテルラングストーンの色は白。センターストーンやルーンイヤーは逆台形をしている。
武器は白い銃だ。能力は【光の操作】で主な使い方は俺の魔力を変換した光弾を放つこと。けど、一番の強みはこの銃を最大36万挺も量産できるってこと。つまり、時間と魔力さえあれば36万発の光弾を相手に食らわせられるってことだ。
まぁ、そんな魔法使う機会なんてないと思うけどな。
さて、と。
まずは、手始めに………
ハンドオーサーを右に傾け、魔法を発動。
〔ルパッチマジ《バインド プリーズ》〕
《バインド》でカエルを拘束して、
もう一度、ハンドオーサーを右に傾ける。
〔《チョーイイネ!! キックストライク! サイコォォォォオ!!》〕
俺の真下に白い魔法陣が出現。右足にエネルギーが集中し、白く光っていく。
俺は空に舞い上がり、一条の白い光線となってジャイアントトードにキックをお見舞いした。
さて、一撃でジャイアントトードを始末できたのは、良かったんだが……。
「か、カズマさん。やるじゃない!!」
どれくらいの経験値を得られたのかを知ろうと
経験値がほとんど入ってねぇええ!!
ま、まさか……これは…RPGのゲームで良くあるアレか? レベルが高すぎると、序盤の町周辺のモンスターからは大した経験値貰えないヤツ……。
ちっくしょおおーーー!!。
楽してレベルとステータス上げて、異世界系テンプレの俺TUEEEEEできると思ったのにぃいいー!!。
『はぁ、世の中そんなに上手くは行かないよな』
落ち込む俺の隣で、やる気を出していたアクアは、
「私も女神として、負けてられないわ!」
そう宣言して離れた場所にいるジャイアントトードに向かって駆け出していった。
「くらえぇぇぇぇ!! ゴッドブロォォォォーー!!」
そのまま拳を白く光らせて、ジャイアントトードの腹に殴りかかった。
『おい。待て、アクア! ジャイアントトードに打撃は通用しにくいって………』
「ゴッドブローとは、女神の怒りと悲しみを乗せた必殺の拳!! 相手は死ぬぅぅぅ!」
ボヨン……
その必殺の拳とやらは、ジャイアントトードの腹に容易く受け止められてしまった。
『あぁ、そうか。あいつ、
そう呟きながら魔法を発動させる俺を尻目に、
殴られたカエルは、そのまま何事もなかったかのようにアクアを見つめ……
「カ、カエルってよく見ると可愛いと思うの」
アクアを捕食しようとした………寸前で俺が《バインド》で拘束して、止めた。
『ったく。 おい、アクア。お前のギルドの人の話を聞いてなかったのか? カエルには打撃は効きづらいって言われただろ』
拘束したカエルを始末したあとで、俺はアクアに何故、打撃技を選択したのか問い詰めていた。
「きっ、聞いてたわよ! 聞いてたけど忘れただけよ」
言いながら、目を泳がせていたアクアは、何か思い付いたのか、こちらを向いてきた。
「そ、それにしてもカズマさん、やるじゃない。ほんとにライダーだったのね。う、疑ってた訳じゃないのよ。あなたがそこはかとなくいい感じなのは感じてたから………」
そこはかとなく良い感じってなんだ。良いところないなら無理に誉めようとするなよ………。こいつ、話をすり替えようしてやが…
「って、そうよ!! カズマがライダーなんだったら、地球にいたときからチート持ちだったってことじゃない。だったら、私という素晴らしい恩恵を授かったことは無効よ、無効!! 今すぐに私を天界に送り返してよ!! 」
ん?
たしかに、そうだな。オーレギオンたちは俺と言う神造ライダーを作り上げたのに、アクアっていう特典を一緒に行かせたよな………。
まさか、アクアがいないと対処できない相手や事象がこの世界には溢れかえってるのか??
その事をアクアに聞こうと顔を上げると、
学習能力のなかったアクアさんは無謀にもカエルに挑み、頭から補食されていた。
『って、おい!! 食われてんじゃねぇぇぇ!!』
駆けながらハンドオーサーを右に傾け、《バインド》を発動。
アクアを補食するために動きを止めたカエルは容易く捕まり、
「う、うぁぁぁぁぁぁっっ!、ぐずっ……」
俺の隣で粘液まみれになったアクアが号泣している。
「かじゅまさん……… ありがどねぇぇーー、ぐず……ひっく…… 」
無事、カエルの口から救出されたアクアは、一度は捕食されかけ、二度目に捕食されたことで非常にショックを受けている様子だった。
このままではクエストは続行できないと踏んだ俺は泣きじゃくるアクアをつれて、アクセルの町に帰還した。
〈▲〉〈▲〉〈▲〉〈▲〉〈▲〉〈▲〉〈▲〉
一緒にいても生臭いだけなのでアクアに残りの千エリスを持たせて公共浴場に直行させ、俺は冒険者ギルドで討伐報酬の受け取りを行っていた。
ギルドのお姉さんには、ジャイアントトードを倒したことを驚かれたが、なんとかなった。
そうして、公共浴場でアクアと合流し、そのまま泊まれる宿屋を探してそこで晩飯を食べた。
金の関係で宿の一室しか借りれなかったけど、仕方ないか。俺は公共浴場に入浴しにいって、そうして、寝た。
こうして、俺たちの異世界生活1日目は終了した。
<To Be Continued>
<◆>《◆》〈▲〉の使い分けは
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は回想、場面移動、
《◆》《◆》《◆》《◆》《◆》《◆》《◆》
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続きは………気が向いたら書きます。