佐藤和真“英雄化”計画【未完】   作:大淵 蒼夜

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初めて三人称視点です。女神エリスとクリスの性格が混じってます。

短いです



幕間の物語〈冥府の女神と幸運の女神〉①

 佐藤和真が水の女神 アクアを連れて異世界に旅立った次の日の事。

 

 天界にある一室、そこで冥府の女神オーレギオんが己の職務をこなしていると、

 

 バン!!

 

 という音をたてて急に部屋の扉が開き、勢いよく人が入り込んできた。

 

「あの!! レギオン先輩!! これはどういう事ですか!!」

 

 彼女の名前は幸運の女神 エリス。普段は温厚な彼女が珍しく、険しい表情で一枚の紙をオーレギオンに突き出していた。

 

 顔を上げて紙を見たオーレギオンはなんでもないように答えた。

 

「ああ、佐藤和真を主役とした計画の事か」

 

「そうです。この計画は佐藤和真さんの人生に干渉しすぎているのではないですか? あまりにも彼の人生や権利を蔑ろにしていると思います。(いく)つもの天界規定に違反してます! 」

 

「それに聞いた話だと、アクア先輩にも知らせてなかったそうじゃないですか!」

 

「仮に企画が通ったのだとしても、世界を管理している当事者がなぜ蚊帳(かや)の外なんですか? なんでなにも説明してくれなかったんですか………」

 

 悔しそうに、どこか残念そうに語るエリスに向かって、オーレギオンは首を降り、

 

「確かに説明をしなかったのは悪かったと思っている。だがね、仕方のないことだったのだよ。アクアはともかく君に話せば必ず反対される。それに、この計画は第一期『異世界転生計画』が失敗した時点で浮かび上がっていたのさ」

 

 こう答えた。だが、それでもエリスには不満があるようで……

 

「確かに、異世界転生計画の一期は失敗しましたけど、その反省を生かして『異世界転生計画』第二期を始めたじゃないですか!!」

 

「ああ、その通りだ。だが、『第二期:異世界転生計画』も失敗の兆しが見え始めている」

 

 オーレギオンは席を立つと説明しながら部屋にある本棚へと向かった。

 

「第一期も最初は上手くいっていた。魔王を討伐して代替わりが起きる。その度に新たな勇者が現れ世界は上手く回っていた。だが、ある転生者が魔王討伐を成し遂げたあとから崩れ始めたのだ。その転生者が孤高のソロプレイヤーという理由から新たな魔王となった。この時点で、転生者から魔王を出した時点で第一期『異世界転生計画』は失敗した。」

 

「その他にも魔道大国ノイズに科学者として勤めていた転生者が機動要塞デストロイヤーを暴走させて世界を脅かす災害を作った。その他にも色々な問題あってな、様々な部署から苦情が来ているのさ」

 

 本棚から一枚の資料を取り出すと、エリスの方に向き直ると説明を続けた。

 

「そうした反省を生かし『第二期:異世界転生計画』を始めた。まずは一期では頭がパーになる可能性からやらなかった強制言語習得を行うことにした。もちろん、技術向上を行った後でな。その他にも転生特典の弱体化、年齢制限の幅を狭めるなどの措置をとった上でだ」

 

「だが、その年代制限が仇となってきているのだ。勇者に憧れる年代が一番優秀な冒険者になるだろう、ということで狭めた年代制限だったが奴等はある程度の金を稼ぎ、ちやほやされた時点で満足してしまっているのだ。」

 

「それに厄介なことに元転生者の魔王が自分の息子に配下を超強化する能力を与えていてな。孤高のソロプレイヤーだった自分のようにはなってほしくないという心情から与えたのだろうが、これはこれで厄介なのだ。その能力のために今の魔王軍は誕生以来の歴史で一位、二位を争う程に強力となっている。」

 

「さらに第二期が始まって以来、一番精力的に魔王討伐に乗り出しているのは、ついこの前に送り出した御剣(みつるぎ)響夜(きょうや)という始末。これではなんのために異世界転生をさせているのか分からないではないか………」

 

 そう言って再び本棚から『第二期:異世界転生計画』と記された資料を取り出した。

 

「だから、歴史に干渉して一から魔王を倒す天界の勇者を造り上げることにしたのさ。」

 

「第一期は我々の管理する世界故に神話派閥のみで行ったが、失敗した。その失敗を取り戻し、信者たちに報いるために他の神話派閥に助力を頼み、第二期を実行している。その失敗を回避するためには『佐藤和真“英雄化”計画』が必要だったのさ。なに、神話派閥のトップには面子(めんつ)というものがある。“失敗を回避するための策に協力してくれ”と頼めば簡単に協力してくれたよ」

 

「なっ………そんな………」

 

「それに、私は全てを救えるとは思っていない。正直言って、最終的に世界が善い方向に進めば、その過程は大した問題ではないと思っている。」

 

 そう言って部屋を出て言ったオーレギオンを追いかけるように、文句の続きを言うためにエリスも出ていった。

 

 部屋にはオーレギオンが取り出した二枚の紙とエリスが持ってきた一枚の紙が机の上に乗っていた……

 

 

《◆》《◆》《◆》《◆》《◆》《◆》《◆》

 

企画名:『異世界転生計画』

提案者:冥府の女神 オーレギオン

共同提案者:幸運の女神 エリス

     :水の女神 アクア

     :勝利の女神 カノン

 

<現状>

異世界(以下世界Bと呼称)は魔王軍の侵略によって危機に瀕しており、死した人間は恐怖から世界Bに再び転生することを拒否。人口減少が少しずつ加速している。

 

<改善策>

それを防ぐために移民策として、地球(以下世界Aと呼称)の若くして死した人間を強力な能力と共に送り出し、魔王討伐を促す。

 

 

<賛同神>

「冥府の女神 オーレギオン」「水の女神 アクア」「幸運の女神 エリス」「勝利の女神 カノン」「傀儡と復讐の女神 レジーナ」「不死と災いの女神 ゼナリス」「陽光と月光の女神 ソラス」「闘争と守護の神 エルセウン」「絶滅と誕生の女神 ゼノア」「大地と大海の女神 シャーレイム」

 

<許可神>

「創世神 ディアエゼル」

 

《◆》《◆》《◆》《◆》《◆》《◆》《◆》

 

 

《◆》《◆》《◆》《◆》《◆》《◆》《◆》

 

企画名:『第二期:異世界転生計画』

提案者:冥府の女神 オーレギオン

共同提案者:幸運の女神 エリス

     :水の女神 アクア

     :勝利の女神 カノン

 

<現状>

異世界(以下世界Bと呼称)は魔王軍の侵略によって危機に瀕しており、死した人間は恐怖から世界Bに再び転生することを拒否。人口減少が少しずつ加速している。第一期『異世界転生計画』で強力な能力共に転生させた者によって魔王討伐を成し遂げていった。だが、一人の転生者が魔王討伐を成し遂げた後、新たな魔王となる自体が発生する。これにより、『異世界転生計画』第一期は一人の転生者が人間関係の失敗によって新たな魔王を作るという失敗に終わる。その他にも厄災を複数誕生させていることを確認している。

 

<改善策>

第一期の反省を活かし、異世界の言葉と日本語の相互変換能力を与えるではなく、異世界語を習得させ、読み書きも可能とさせる。転生特典の性能を弱体化させることで人類への被害を押さえる。そして、転生させる人を十代後半から二十代前半までに制限する。

 

 

<賛同神>

「冥府の女神 オーレギオン」「勝利の女神 カノン」「傀儡と復讐の女神 レジーナ」「不死と災いの女神 ゼナリス」「陽光と月光の女神 ソラス」「闘争と守護の神 エルセウン」「絶滅と誕生の女神 ゼノア」「大地と大海の女神 シャーレイム」「大地の神 ラグンド」「海の神 イオガ」「天空の神 レウザ」「時の女神 ディア」「空間の女神 ルキア」「相反の女神 ラティナ」「雷の神 ゼロム」「炎の女神 レラム」「氷の女神 キムレ」「生命の女神 ネアス」「破壊の神 イベル」「護りの神 コケコ」「護りの女神 テテフ」「護りの神 ブルル」「護りの神 レヒレ」「太陽の神 ソルガ」「月の女神 ルナール」「暗黒の神 ロズマ」「剣の神 シアン」「盾の神 マゼンタ」「無限の神 ダイナ」「古の女神 コライ」「未来の女神 ミライ」

 

<許可神>

「創世神 ディアエゼル」

「創造神 アルディアス」

 

《◆》《◆》《◆》《◆》《◆》《◆》《◆》

 

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