佐藤和真“英雄化”計画【未完】   作:大淵 蒼夜

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続きです。今回はたいしたイベントもなく、短いです。大規模な原作改編が含まれます。
 基本この二次創作の時系列は基本的に全部決めてから書き始めましたが、人物設定に関しては見切り発車です。そのため、ライダーになった格好よいカズマさんというのは存在しません。
 この世界の佐藤和真は原作のカズマに『ライダーとしての責任』『原作以上に仲間を大切にする気持ち』『原作よりも広い地球での交友関係』『仲間を失うトラウマ』を足した存在となっています。あやふやなので矛盾があってもご了承してください。

遅れてすいません。二日に一回投稿は無理です。これまで通り、不定期でやっていきます。


異世界生活四日目

 

 

 

 

 朝起きて見慣れない天井に違和感を覚えたが、 

 

「ああ。そっか、サムイドーの村に泊まったんだったか」

 

 ふと、思い出して納得した。

 

「さて、と」

 

 宿屋のベットから抜け出し、身支度を整える。

 そのまま部屋を抜け出し、食堂のある一階に向かった。

 

 食堂に着いたが誰もいなかったので、俺が一番早起きだったらしい。

 

 座ってゆっくりとしようとすると、マギアースドラゴンが話しかけてきた。

 

『相棒、どうやらこの世界は前にいた世界とは随分と違うようだな………』

 

 どうやら、マギアドラゴンは昨日、エイミーにご馳走してもらった熊鍋について話があるようだ。確かに、あれには驚いた。

 

「(ああ、ほんとだよ。頭おかしいんじゃないか………)」

 

 昨日の熊鍋、美味しいのは美味しかった。

 ところが、意味のわからないことに皿の上に乗っている野菜が飛び跳ね、まるで「鍋に入れられてたまるか!」と言わんばかりの勢いで抵抗するのだ。

 しかも、伸ばした手を叩くと言った反逆をしてくる。

 

『野菜を育てているエイミーや異世界人のめぐみんやダクネスはともかく、あのアクアすらも普通に捕らえて鍋に投入していたな……』

 

「(いや、マジで……。この世界はどうなってんだ……」

 

『昨日の話と通りならタコや秋刀魚(サンマ)は畑で採れ、バナナは川を泳ぐそうだな………』

 

「しかも、この世界では野菜を育てることは栽培じゃなくて、養殖っていうらしい……」

 

 マジで、意味わからん。

 

「あ、カズマさん。おはようございます」

 

 マギアースドラゴンと会話していると、ゆんゆんから話しかけられた。

 返事をしようと顔をあげると、ゆんゆんが同族を見たような顔をしている。

 

「あの、カズマさんも独り言の会話とかしたりすんですね!! 頭の中の自分と会話を──」

 

 

 ん?

 

 

 頭の中の自分との会話?

 

 

 まさか、マギアースドラゴンとの会話が口に出てたのか?

 

 なるほど。それでゆんゆんが勘違いしたのか……

 

 けど、ゆんゆんがそれで納得するってことはもしかしてゆんゆんは一人会話をやってるのか?

 

 

 まあ、いい機会だしゆんゆんたちにも伝えとかないとな。

 

「ああ、これは違うんだよ。えっとさ、ゆんゆんたちには話してなかったけど……えーっと、俺の精神世界っていうか、俺の中には、マギアースドラゴンっていうファントムが居てさ、」

 

「ファン、トム?」

 

「そう、俺の魔力とかの力の源で、変身するのもマギアドラゴンあっての能力だからな。さっきまではマギアドラゴンと話してたんだよ」

 

「へぇーー。そうなんですね……。でも、ファントムなんて聞いたことありませんけど……」

 

「まあ、そうだろうな。コイツはたぶん俺の故郷に伝わる……禁呪っぽいナニでしか誕生しないからな」

 

「き、禁呪…………。あの、差し支えなければどんな禁呪か教えてもらっても……」

 

 禁呪という名前に引かれたのか、顔を輝かせながら聞いてきた。

 

「あ、ああ。えっと禁呪の名前は『サバト』って言って、その術の効果範囲内にいる人の魔力からファントムを誕生させるんだ。」

 

「まぁ、俺みたいに使うにはかなりの条件があると言うか、越えないといけない試練みたいのなのがあるし………。しくじったら自分の持ってる魔力を全部失っちまうしな………」

 

 正確には儀式が終了する前に中のファントムを倒したら魔力を失う……なんだが。

 

 本当に成功させたらファントムを現世に誕生させて死んじゃうからな。

 

 これは伝える必要はないだろ……

 

 

「ま、魔力を全部ですか!!」

 

 ゆんゆんは魔力を失うと聞いて、顔を引き攣らせている。

 

 まぁ、そうだろうな。

 

「そ、その『サバト』って儀式は恐ろしいですね………。私たち紅魔族の天敵と言っても過言じゃないですよ!!」

 

「あー、大丈夫だよ。その『サバト』を引き起こすには複数のファントムと専用の魔道具が必要なんだけど、その魔道具は破壊されちゃったし、俺の知る限りではファントムはマギアースドラゴン以外はいないからな」

 

 俺の故郷ではファントムいたこと自体が無かった事になってるしな。

 

「そうなんですね……。えっと……一安心です。魔力から誕生するなんて、まるで精霊の親戚みたいですね。精霊は魔力を命の源としていますから……」

 

「へぇ、精霊って魔力を命として生活してるのか……。まぁ、若干違うと思うけど、似たようなもんなのかのもな」

 

「あの、カズマの中にいるっていうその、マギアースドラゴンさんには私たちは会えたりしないんですか?」

 

「あー、召喚する方法はあるけど、ここじゃあ狭くてできないな。機会があればやってみるよ」

 

 この世界でマギアースドラゴンを現世に召喚したら、どんな扱いになるんだろうか。

 

 

「そういえば、なんでゆんゆんだけ俺に話しかけてきたんだ? 他の皆はどこに行ったんだよ」

 

「えっと………その………私ってこんな風に誰かとパーティーを組んで旅するのが夢だったから………。朝も夜明け前には起きて、ずっとこの食堂で待ってたんです。で、でも誰も来ないからこの宿屋を探索してたんです。ちょうど、戻ってきたらカズマさんがいたので……」

 

 

 よ、夜明け前って………

 

 そんな早くに起きても誰もいないに決まってるだろ………

 

「な、なるほどな。ゆんゆんがここにいる理由はわかったよ。たぶんだけど、もうじき皆も降りてくると思うぞ」

 

「カズマー、起きてる? ねぇ、ゆんゆんの居場所知らない?朝起きたら居なかったからどこいにいった…………か。か、カズマ、あんたまさか………」

 

 思った通り、アクアがゆんゆんを探して2階から階段を降りてきた。そしてこちらを振り向いて───

 

「とうとう、やってしまったのね………。冒険者から変態にジョブチェンジして、ゆんゆんにあんな────」

 

「してねぇよ!! アクア、お前俺のことなんだと思ってんだ!!」

 

 

 コイツ!!

 

 

「そうですよアクア。この件に関してはカズマは関係ありません。どうせ、ボッチのゆんゆんが誰かと話したくて早起きしたに違いありませんよ」

 

「ボ、ボッチっていわないでよめぐみん!」

 

 ゆんゆんとめぐみんの大声に惹かれたのか、クリスとダクネスも降りてきた。

 

「朝から賑やかだねー君たち」

 

「本当にな。もうすぐエイミーが朝食を持ってくるって言っていたから席に座って待っていよう」

 

 ダクネスのいう通りに席に座り、談笑しているとエイミーが朝食を持って………きたのだか。

 

「な、なぁ。エイミー………………それはなんだ?」

 

 エイミーが持つお盆の上のお皿には、旨そうな野菜が乗せられている。

 が、乗せられた野菜がぴょんぴょんと跳び跳ねている。今にも皿から落ちそうだ。

 

 

 ……………なんだコレ。

 

 

「何って……カズマくん。これはサラダよ?」

 

「サ、サラダ? その野菜が皿の上で跳び跳ねまくってるのがサラダ?」

 

「ええ。今日は思いきって野菜の活け作りサラダに挑戦してみたの。すっごく美味しいから皆も気に入ると思うわ」

 

 野菜の………活け作り?

 いや、野菜の活け作りってなんだよ。

 

「なぁ、昨日も思ったんだけど、何で野菜が跳び跳ねんの? 何でバナナが川で採れて秋刀魚(サンマ)とタコが畑に()るんだよ」

 

「何を言っているのですか、カズマ。バナナが川で採れるのも、秋刀魚(サンマ)やタコが畑に生るのも当たり前のことじゃないですか。」

 

「そうよ、カズマ。さっきエイミーも言ってたでしょ。野菜の活け作りだって。お魚も野菜も新鮮な方が美味しいじゃない」

 

「こんな活け作りがあってたまるか」

 

 そう話すめぐみんやアクアたちは

 

 ヒョイッ

 

 ヒョイッ

 

 と跳び跳ねるアスパラガスやニンジンなどを箸で巧みに捕まえ口に運ぶ。

 

「俺か? これは俺がおかしいのか? 」

 

「はい。カズマがおかしいのです。野菜の活け作りや秋刀魚が畑で採れることを知らないなんて、いったいどんな環境で育てられたのですか?」

 

 

 爆裂狂に言われたくねぇよ。

 

 

「はぁ………。普通の一般家庭だよ」

 

「俺の故郷じゃ野菜の活け作りなんて出てこなかったんだよ。全部、完全に仕留められてから調理されてたからな」

 

「へぇ………。もったいない文化を持った国もあるんですね」

 

 もったいない?

 この世界の頭がおかしいだけだろ。

 

 ヒョイッ

 

 ヒョイッ

 

「あーーもう!! 全然捕まらねぇぇ!! くそっ野菜如きに舐められてたまるか!!」

 

 サラダをひっくり返そうとするも、エイミーに腕を捕まれ、注意された。

 

「ちょっと! ダメよ、カズマくん。食べ物を粗末にしようとしちゃ」

 

「す、すいません」

 

 隣に椅子を持ってきて座ったエイミーは懐から箸を取り出す。

 

「ほら、私が食べさせてあげるから……。あーん……」

 

 そういって、箸で摘まんだ野菜を差し出してくるエイミー。

 

「あ………ありがとうございます」

 

 昨日とは違ってこれはうれしい!!

 そう思って俺はそれに躊躇なく食いついた。

 

 

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KONO SUBARASII SEKAI NI SYULUFUKU WO!

こ の す ば/KONO SUBA

KONO SUBARASII SEKAI NI SYULUFUKU WO!

 

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 朝食をエイミーに食べさせてもらい、女性陣の冷たい視線に晒された俺は荷物をまとめ、帰る準備をしていた。

 

「荷物をまとめるっていっても、着る服は昨日と同じなんだけどな」

 

 異世界に来てまだ四日目の俺はたいした荷物を持っていない。

 なので荷物まとめはすぐに終わった。

 

 そのまま一階の食堂に向かうともうすでにアクアは荷造りを終えて待っていた。

 

「カズマーー、早くしましょうよ。早く帰って昨日の宴会の続きを──」

 

「おい、アクア。お前また宴会をするつもりだったのか」

 

 そんなに宴会ばっかりしてたら金銭感覚がおかしくなるぞ。

 

「おや、私たちは二番手だったようですね」

 

「カ、カズマさんたちを待たせてしまいましたか?」

 

「ん? ああ、大丈夫だよ。俺たちもついさっき来たばかりだしな。」

 

 それから暫くしてクリスが降りてきた。

 

「ごめんねー。まった?」

 

「大丈夫だよ。ダクネスは一緒じゃないのか?」

 

「ダクネスももうじき降りてくると思うよ」

 

 俺の質問にたいして、クリスは階段の方に顔を向けて呟いた。

 

 クリスの宣告の通り、数分もしない内にダクネスは降りてきた。

 

「すまない。待たせてしまったようだな」

 

 一番遅れてきたダクネスが合流し、エイミーの案内でサムイドーの村から馬車が乗れる場所へと向かっていた。

 

 ところがめぐみんが急に立ち止まり、皆が止める前に爆裂魔法を雪原に向かって放った。

 

「『エクスプロージョン』ッッ!!」

 

 物凄く大きな爆音と共にクレーターが誕生する。

 

 めぐみんが“ドサッ”という音を立てて倒れるのと同時に、俺はめぐみんに文句を言った。

 

「このバカが!! 何を考えてんだ!! もし今の爆裂で雪崩でも起きたらどーすんだよ。それに、誰がお前を背負って帰るんだ………」

 

「誰でもいいので早く背負ってください。雪が冷たくて寒いです……」

 

 そう、めぐみんが雪に埋もれた声で返事をしてくる。

 

「ったく。しょうがねぇな…………」

 

 めぐみんを背負いながらそう呟いた俺は、少し先のところで待っているアクアたちを目指して小走りで走った。

 

 暫く雪原を歩いて行くと、馬車が止まっているのが見える。どうやら、エイミーが昨日の内に予約してくれていたらしい。

 

「それじゃあ、この馬車に乗ればアクセルの街に帰れるわ」

 

 皆が馬車に乗り込む中、俺はエイミーと話をしていた。

 

「ありがとな、エイミー。色々お世話になったよ」

 

「いいのよ。私がしたくてしたことだし……。あ、もし次にサムイドーを立ち寄る機会があったらもっと村を紹介するわ」

 

「ああ、そのときはよろしく頼むよ」

 

「ミーアちゃんのことも紹介したいし……」

 

「後、もうすぐしたら村の野菜を売りに行く移動販売をするの。もしかしたらアクセルの街ににも行くかもしれないからそのときはよろしくね」

 

「へぇ、あの野菜を売りに出すのか……。」

 

 俺とエイミーの話を馬車で聞いていたのか、めぐみんが話に割って入ってくる。

 

「絶対に売れると思いますよ!!」

 

 馬車が動き出して離れていくエイミーに向けて手を振りながら、それぞれが大きな声で別れの挨拶をした。

 

「まぁ、あの野菜は味は確かだからな。動き回るけど……」

 

「動くのが普通なのですよ、カズマ」

 

 そんな変な内容は聞きたくない。

 

「それじゃあ、そろそろお開きにするか」

 

 無理矢理に話を切り上げて俺も馬車に乗り込む。

 

 そして合図をすると、業者のおっちゃんが馬を鞭で叩いて、馬車を走らせる。

 

 

「それじゃまたねー」

 

「じゃあなーー、エイミーーー。」

 

「また会いましょう!!」

 

「ま、またお会いできたらうれしいです!」

 

「またなーーー」

 

「バイバイ!!」

 

 

 

「またねーーーー」

 

 エイミーがサムイドーの村に戻る姿が見えるまで、俺たちは手を振っていた

 

 

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KONO SUBARASII SEKAI NI SYULUFUKU WO!

こ の す ば/KONO SUBA

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 アクセルの馬車停留場で降りた俺たちはクエストほ達成報告をするために冒険者ギルドへ向かっていた。

 

 ふぅ、大した問題もなく、無事にクエストが終わったなぁ……………。

 

 そんなことを考えながら、アクアたちとギルドに向かうアクセルの街道を歩いていると、

 

「め、女神様? 女神様ですよねっ!! なぜこんなところにいらっしゃるのですか!?」

 

 

 突然後ろから大きな声で………おそらくアクアが話しかけられた。

 

 後ろに振りかえると、こちらに走ってくる男が見える。

 

 ソイツは茶色い髪のイケメンで、鮮やかな青色に輝く鎧を身に付けていた。

 

 急いで走ってきたのだろう。後ろからコイツのパーティーメンバーと思わしき腰に剣をぶら下げた美少女と、盗賊職と思わしき美少女が追いかけてきている。

 

 誰だ? と疑問に思いながら男を見ている俺たちを尻目に、その見知らぬ男は、同じく唖然としているアクアの手を掴もうとして······

 

「おい、 私の仲間に馴れ馴れしく触れるな。貴様、何者だ? アクアがお前に反応していないのだが、本当に知り合いか?」

 

 手を取ろうとしたその男にダクネスが詰め寄った。

 

 一撃瞬殺熊に攻撃されて悦んでいたダクネスとは全くの別人のようだ。

 

 なるほど......。攻撃が当たらなくてドMなダクネスだが、キチンとクルセイダーみたいなこともできるらしい。

 

 男はダクネスの方に向き直ると、謝罪した。

 

「す、すまない。いや、絶対にこの場に居るはずのない人がいたのでつい取り乱してしまった」

 

 どうやら礼儀は知っているらしい。

 男は改めてアクアの方に向き直り、質問をした。

 

「あの、アクア様。改めてお聞きしますが……なぜこんなところにいらっしゃるのですか?」

 

 ところが、アクアはその男に対し首を傾げる。

 

「あんた誰」

 

 知り合いじゃない………のか?

 

 いや、知り合いの様だ。

 

 男が、驚きの表情で目を見開いているから。

 

 多分、アクアが忘れているだけなのだろう。

 

 

 

 ん?………あれ?

 

 

 

 この男の顔………どっかでみたことあるような………

 

 

 具体的には、確か二週目の学生生活の中で……

 

 

 こいつ、まさか…………

 

 

「お前………マルナギか?」

 

 俺が男の名前を呼ぶと、ソイツはこちらに気づいたのか……こちらを向いて大声で俺の名前を呼んだ。

 

「き、君は………佐藤和真!! 佐藤和真じゃないか!! いい加減、僕の名前を覚えてくれよ!! 御剣だよ、御剣響夜!!」

 

 

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KONO SUBARASII SEKAI NI SYULUFUKU WO!

こ の す ば/KONO SUBA

KONO SUBARASII SEKAI NI SYULUFUKU WO!

 

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 冒険者ギルドに着いた俺たちは、ミツルギと俺のパーティーで机を挟むように座った。

 

 

「カズマ、カズマ。カズマはこのスカしたエリートと知り合いなのですか?」

 

 ス、スカしたエリートって……。

 どうやらめぐみんは見た感じの印象でそう呼んだらしい。

 

 確かにこいつはナルシストで思い込みの激しい奴だけど……

 

「あーー、こいつな、俺たちの故郷の学校で同級生だったんだよ。まぁ、どんな内容で関わったのかは割愛するけど、簡単に言えば俺が罠に()め…………ある事の手助けをしてあげたんだ」

 

「いま、罠に嵌めたっていいかけませんでしたか?」

 

「き、気のせいだな」

 

「はぁ……まあいい。あの時僕が君の姑息(こそく)な罠に嵌まったのは僕自身の不注意が原因だからな。そんなことよりも、なぜアクア様がここにいるんだ?」

 

 俺は、自分と一緒にアクアがこの世界に来る事になった経緯をミツルギに説明し......。

 

「······佐藤和真。君は何時(いつ)かはとんでもないことを仕出(しで)かす(おとこ)だと思っていたが、僕の予感は当たっていたようだな。女神様(めがみさま)をこの世界(せかい)に引き込むとは」

 

 俺はミツルギに呆れた視線を向けられていた。俺はコイツにどんな風に思われているんだ。

 

「まぁ、過ぎてしまったことはもう仕方ない。佐藤和真、」

 

「カズマでいいよ。いちいち佐藤和真って呼ぶのも疲れるだろ」

 

「わかった。じゃあ、カズマ。アクア様を頼んだぞ。君がこの世界に連れてきたんだ。」

 

 はぁ、仕方ないな。一時期の感情に任せて連れてきたとはいえ、面倒を見ないといけない責任がある。

 例え、使えない子だったとしても──

 

「ああ、わかっ───」

 

「ねぇ、さっきからなんの話をしているの?なんでカズマは見知らぬ人と親しげに話してるの?」

 

 返事をしようとしたところで、アクアに遮られた。

 

 いや、ちょっと待て。コイツ今なんていった?

 

 ま、まさかコイツ、 一番の当事者の癖になんの話をしてるのかわかってなかったのか………

 

「えっと……お久しぶりですアクア様。あなたに魔剣グラムを頂いたミツルギキョウヤですよ。」

 

 そんなアクアに苦笑したミツルギは、改めてアクアに向かって自己紹介をした。

 

 ミツルギの話を聞いたアクアは首をかしげてしばらく考え込み………

 

「ああっ! ごめんね、すっかり忘れてたわ。そういえば送り出した人たちの中にあなた居たわね」

 

 ミツルギの説明で、ようやく思い出したようだ。

 

 若干表情を引きつらせながらも、ミツルギはアクアに笑いかけた。

 

「けどまぁ、お前が旅に出たってことは知ってたけど、まさか、ここにいたとはな………。俺以外の同級生も結構悲しんでたぞ」

 

「旅に出るのは別れることなのですから、悲しむのは普通なのではないですか?」

 

「ああ、こいつな。俺たち同級生に黙って旅立ったんだよ。だから、また明日なって言った次の日には居なかったんだ」

 

「ふーん。なるほどねー」

 

「しっかし、お前。キチンと人の話を聞くようになったんだな」

 

「君にそれを言われると痛いな……。君の仕掛けた罠に僕が嵌まった一番の理由は、僕が人の話を聞かず、相手の事情を考慮しなかったことだからね」

 

「あれからは人の話をよく聞いて、よく考えてから行動するようにしてるんだけど………今回の件は反省だな……」

 

 ミツルギの台詞で静まり返った状況を打開するかのごとく、挙手をしたゆんゆんが答えるのが難しい質問をしてきた。

 

「あ、あの! 1つ気になったんですけど、アクアさんってカズマさんの故郷でどんな扱いを受けてたんですか? カズマさんとミツルギさんの話を聞いてると、ものすごく重要な人物に感じるんですけど………」

 

「あ、それあたしも気になるな。なんでミツルギ君はアクアさんを様をつけて読んでるの?」

 

「それに、先程からアクアのことを女神様と呼んでいるようだが、なんの話なんだ?」

 

 ゆんゆんに続くクリスとダクネス。

 ………まあ、あれだけミツルギが女神様と連呼していれば気になる当たり前か。

 

 いや、この際だ。

 ミツルギもいることだし、ウチのパーティーメンバーには言ってしまってもいいか?

 

「言っていいと思うか?」

 

 ミツルギに視線を向けて話しかけると、若干だが否定的な答えがかえってきた。

 

「いや、言っていいと思うが信じてもらえるかは判らないな」

 

 だよなー

 

 次に“それでも良いのか”とアクアに視線をやると、どうやら良いらしく、アクアがこくりと頷く。

 

 そして、アクアは珍しく真剣な表情で、ダクネスとめぐみん、ゆんゆんとクリスに向き直る。

 

 ダクネスたちも、ミツルギのパーティーメンバーも、そのアクアの雰囲気を察し、真剣に聞く姿勢に入った......。

 

「黙っていたけれど、あなた達には言っておくわ。.....私はアクア。アクシズ教団が崇拝(すうはい)する、水を(つかさど)る女神。………そう、私こそが女神アクアなのよ......!」

 

「「「「

 

 っていう夢を見たのか

 

 っていう夢を見たんですか

 

 っていう夢を見たんだね

 

 っていう夢を見たのか

 

            」」」」

 

 見事にハモるめぐみん、ゆんゆん、クリス、ダクネスの四人。

 

「違うわよ!何で皆ハモってんのよ!」

 

 これにはアクアも反発し、みんなに食って掛かっている。

 

 

 ……………まあ、こうなるわなぁ......。

 

 

「「まぁ、大方予想通りだな」」

 

 

 ミツルギは席を立つと俺たちに向けて別れの挨拶を告げた。

 

「じゃあ、カズマ。僕たちはこれからもクエストに出掛ける予定なんだ。僕のパーティーメンバーも待たせてるし」

 

 そう言ってパーティーメンバーと合流したミツルギは冒険者ギルドを出ていたた。

 

 そして、ミツルギに続くようにしてクリスも席を立った。

 

「ん? クリスもなんか用事があるのか?」

 

「うん。ちょっとね。 『スロットル』という街に用事があるんだ。また、都合がついたらパーティーにいれてね。しかし、もしかしたらって思ってたけどアクアさんが先ぱ────」

 

 そう言ったクリスはぶつぶつとなにかを呟きながら、冒険者ギルドをあとにした。

 

 

 その後、ギルドへのクエスト達成報告をした俺たちはそれぞれの宿へと帰った。こうして、俺の異世界生活四日目を終えた。

 

 

              <To Be Continued>

 




今回の改編

◆ミツルギが人の話を聞くようになり、勇者として磨きがかかった。

◆ミツルギの狂信度の低下

◆カズマとミツルギの因縁が地球から続いている。

◆ミツルギとは原作とは異なり、早く会合する。

◆ミツルギは地球でカズマの罠に嵌まりまくり、精神的にボコボコにされた。

◆魔剣グラムが売られない。

◆『スロットル』という原作にはない街の登場。
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