一等星の煌めきを   作:不思議ちゃん

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じゅうよん

 一学期末のテストも無事に終わり、夏休みを迎え。

 俺は今、神津島へと来ている。

 

 緑が多くて空気が美味しい。

 見慣れぬ土地ということもあり、目に映るもの全てが新鮮で、綺麗である。

 

 何故、こんな事になっているかといえば。

 期末テストが終わり、夏休みが始まるまでの間にサニパさんがわざわざ結女まで足を運び、村起こしイベントに来ないかといったお誘いがあったのだ。

 

 現メンバーである三人と話は進んでいたのに可可が突然、俺をサニパに紹介して同行は可能かと聞いたところから始まった。

 

「あ、あの、迷惑だったデスか?」

「いや、そんなには。こうしてどこかに来てゆっくりするのは久しぶりだから、感謝してるよ」

「それならよかったデス!」

 

 バルコニーにて海に沈みゆく夕日を見ながらボーッとしていれば、不安そうな可可がやってきた。

 

 俺は旅行を企画している時が一番楽しく、その日が近づくにつれて行くのが面倒だと思い始め、でも行けばなんだかんだで楽しむといった一番面倒な奴なのだ。

 

 確かに最初は行きたくないなと思っていたが、なんだかんだのんびりと過ごせて満足である。

 

「俺としては男が一緒でも構わないと言う可可と平安名さんが凄いと思うけどね」

「ユウさんはそんな事しないと思いマスので!」

「そうよ。じゃなきゃ許可しないったらしないわよ」

「……もしヘアンナだけ反対してたら、その時はヘアンナを置いていくデス」

「なんですってー!」

「当たり前のことデス!」

「ここは学校じゃないから、暴れるのも程々にな」

 

 見慣れてきた絡みは放っておき、自分に割り当てられた部屋へと向かえば。

 

「……何してる?」

「作詞」

 

 さも当たり前のように、かのんがヨガをやっていた。

 三人部屋を貰ってるんだからそっちでやればいいのに……。

 

「あまり良いのが浮かんでこなくて」

「千砂都の事があるからじゃない?」

「えっ、ちぃちゃん? どうして?」

「どうしたもこうしたも、ニコイチみたいなとこあるじゃん。一緒にやりたいんでしょ?」

「でも、ちぃちゃんにはダンスがあるし……」

「自分の気持ちに素直なのが一番だよ」

 

 色々と悩んでいるようだし、そっとしておいてあげようと思って部屋を出たところで気付いた。

 そういえばそこ、俺の部屋……。

 

 

 

 翌日、可可の提案によりサニパさんが普段行っている練習を一緒にすることとなった。

 スクールアイドルを始めて大体四ヶ月ほど経ち、それなりに体力のついてきた可可はそこそこついていけているようで。

 苦しそうにしながらも、憧れのスクールアイドルの練習をしている楽しさが見て分かる。

 

 午前最後の締めとしてランニングをしている五人の姿をボーッと見ていたら、見られている事に気が付いた聖澤さんと柊さんが手を振る、ウインクなどでアクションをしてくれた。

 

 無反応なのも悪いので軽く手を振りかえして飲み物の準備を始めていれば、ランニングを終えたというのに勢いそのまま、かのんと可可が俺の方へ向かってくる。

 

「いつの間に仲良くなってるの!?」

「れ、れれ恋愛はご法度デスよ!」

「知らないよ……」

 

 ただ仲良くなっただけで、何故そこまで反応するのだろう。

 あと、そんな仲良くなった記憶も無いけど。

 

「あはは、ゴメンね」

「随分と退屈そうに見ていたものだから、つい」

「午後からは優くんも参加してみる?」

「いえ、大丈夫です」

「あんたも参加しなさいよ」

 

 普段の仕返しとばかりに、とても楽しそうな笑みを浮かべた平安名により。

 午後の練習は俺も参加する事になった。

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