一等星の煌めきを   作:不思議ちゃん

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じゅうご

 昼食を食べ、食休みを挟んだあと午後の練習が始まってしまった。

 元は平安名のせいだが、かのんと可可の様子から仕返しをしたい気持ちはあったようで、笑みが溢れている。

 

「俺、出場するわけじゃ無いのに」

「これの結果によって、今後の練習の説得力が変わってくるわよ」

「言いたい事は分かるけど、ステップや振り付けは千砂都担当でそもそも俺じゃ無い……」

「ユウさん、可可と一緒に頑張りまショウ!」

「あ、うん。程々にやっていこうね」

 

 いや、リズム取ったり、あれこれ口出ししてたな……。

 可可が俺を運動苦手な仲間だと認識したようで、嬉しそうにしている。

 

「それじゃ、先ずは走ろっか」

「え、また走るデスか!」

「疲れていても安定したステップを踏めるためにね」

「……俺、ギブアップしたい」

「ほら、変なこと言ってないで優も走るよ」

 

 今後の練習にそろそろ組み込もうと考えていたものであるため、色々と参考にはなるけど……俺が参加しないのならもっと良かった。

 

「そんな気を張らなくて大丈夫だよ。軽くだから、ね?」

 

 

 

 軽く、と言いつつ三十分。

 およそ四キロ走らされた。

 隣では可可が横たわって死んでいる。

 

「凄いね、優くん」

「細いから完走できないと思ってたわ。ごめんなさい」

「いえ、謝ることでは」

「そういえば、優って中学の時は運動部だったね」

「余裕そうにしているの、なんかムカつくわね」

「走ったら走ったで文句言われんの……?」

「大丈夫だよ、優。すみれちゃんのは照れ隠しだから」

「そういうのは分かっても言わないものよ」

 

 可可が動けるまで待っていると走った意味が無くなってしまうため、先に次へ進む事に。

 

 午前から始めていたかのんと平安名は疲労が溜まっているのか、少し辛そうな顔をしている。

 それでもそれなりに動けているのは、これまでの練習で基礎が固まりつつあるからだろう。

 

 平安名はまだ入ってから日が浅いのにしっかりしてるのは、元々あるセンスに加えて自身に足りないところを陰で努力し、補っているからだ。

 この間、そんな姿を見かけた。

 

 可可も出来ないなりに努力してるのは知っているが、もう少し時間が必要そうである。

 

「お、優くん動けるね! もう少し難しくしていこっか」

「いえ、大丈夫です」

 

 メインは俺じゃ無く三人なのだから、そんな張り切らなくて大丈夫です……。

 いつの間にやらかのんと平安名は休憩に入っているし。

 

「かのん、あんたの弟ってなんでも出来るのね」

「うん……やろうと思えば何でも出来るはずなのにね」

「何よ、その引っかかる言い方」

「ううん、何でもない。いつまでも休んでたら優に文句言われちゃうよ」

 

 二人で何やら話していたようだが、俺に見られていることに気が付き。

 何事もなかったかのように練習へと戻っているけど、これは仕返しの仕返しをしなければいけないな。

 

「可可は動けるようになったんだから参加しなさい」

「うっ……はいデス」

 

 もう少し休めるかな、とか考えたりしているが、何だかんだで最後までやり切るのだから偉い。

 

 気が付けば聖澤さんが俺、柊さんが三人の担当と分けられていた。

 どうりで休憩時間がズレていたり、練習量に差が出始めたりしていたわけだ。

 

 今更理解するほど周りが見えていない俺も俺か。

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