まだ時間もあるとのことで、葉月さんを交え練習を始めることに。
筋トレ、ランニング、ストレッチをしてからのステップ、発声練習。
一通り見て思ったが、スペック高いなぁ……。
筋トレ、ランニングでは同年代の平均より上。
フィギュアスケートをやっているからか身体は柔らかく、ステップも難なくこなす。
RPGゲームにある、途中から仲間になったやつのステータスが元から高い状態、みたいな。
「大丈夫だよ、可可も成長してるから」
「な、なんのことデスか!?」
「マネージャーだからね。ちゃんと見てるよ。一人で無理せず、何時でも相談して」
一人、仲間が増えて嬉しい反面、実力が浮き彫りに出て落ち込んでる人が。
バレていると思っていなかったのか、声をかければこれまた分かりやすく慌てている。
千砂都や平安名もこちらをチラ見しているから薄々気付いていそうだが、ここはマネージャーの仕事。
仲間内でも内緒の一つや二つはあるものだ。
最後に一言かけ、二人にも大丈夫だと小さく手を振っておく。
早ければ今夜にでも来るかな。
思い立ったが吉日、という言葉がある。
そうと決めたらすぐさま行動するのが良いという意味だ。
今回見えた可可の悩みも早ければ早いほど良いが、まさか練習終わりにすぐとは。
「ユウさんは可可の家に来るの、初めてデスね」
「うん。信頼してくれてるのは嬉しいけど、あんまり男女二人きりってのは避けた方がいいよ」
「ユウさんなら大丈夫デスので!」
「…………うん、可可がそれでいいなら」
あまりそうならないように気をつけてはいるが、男として見られていないと分かればそれはそれで少し傷つくな……。
「それで、何から聞きたい?」
「あぅ……その、可可……本当に成長してるデスか?」
「それじゃ紙、二枚ほど貰うね」
口で説明しても良いが、見てわかるようにパラメーターを書くことにした。
歌唱力、表現力、ダンス、持久力、柔軟性の五項目。
各百点の計五百点満点。
かのん、可可、千砂都、平安名と自分の感覚で初期パラメーターを埋めていく。
かのんは歌、表現力。
千砂都はダンス、表現力、持久力。
平安名は平均的に高く、中でも柔軟性。
可可は表現力。次点に歌。
プロまで考えたら点数が厳しくなってしまう為、学生基準で考えており。
八十点を越えれば全国レベル、四十点以下は赤点といった具合だ。
「加入時点でこんな感じかな」
「ぐっ……分かっていたデスが、平安名に負けてるのは屈辱デス」
「あの子、スペック"は"高いから」
それぞれの得意不得意で三人はほぼ横ばい、可可はドベ。
いまだに加入時のいざこざを根に持って平安名に対抗意識を燃やしている可可だが、こればかりは仕方がない。
「んで、これが現在の」
「まだ平安名に負けてるデス。なんなら葉月さんにも」
「そりゃ、みんなも一緒に練習していたから成長してるよ。葉月さんは平安名とはまた別でスペック高いから。でも、伸び率は可可が一番高いよ」
元から八十点取る子が点数伸ばすよりも、赤点だった子の方が成長の可能性は高い。
可可は苦手である運動もサボらず、家でも自主的にやっているのだからこの伸びは当然である。
「パラメーターにないけど、服飾関係は殆ど可可に任せきりだからね。これだけが全てじゃないよ」
「でも、可可は負けてられないのデス!」
「今日明日でパワーアップってのも無理だからなぁ……。一応、成長期の身体を壊さないように気を付けながら、最大限のレッスンを千砂都と考えてやってるつもりだよ?」
「そこに関しては心配していないデス! …………たまにあるハードなやつをもう少し軽くして欲しいデスが」
後半は聞かなかったことにしよう。
根本的な解決とは至らないが、キチンと成長していることが伝わったのならそれで十分だ。
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一瞬だけ赤だったの、見逃しませんでした。
五項目に関しては作者の独断と偏見になります。