一等星の煌めきを   作:不思議ちゃん

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さんじゅうさん

「案が一つもありまセン!」

「不思議だね」

「レジェンドスクールアイドルもやってた事なんじゃないの!?」

「不思議だね」

「まさか、誰一人として書いてくれないなんて」

「不思議だね」

「あんた、もしかしてこうなる事が分かってたりするの?」

「不思議だ……あ、うん。何となく」

 

 一週間が経ち、意気揚々と可可が募集箱をひっくり返すが何も出てこず。

 みんなの反応を写真に収めながら、適当に相槌をとっていたら平安名に突っ込まれてしまった。

 

「グループ名募集している話、クラスメイトにしたりした?」

「あ、うん。何かいい名前ない? って聞いてみたりしたけど」

「恐れ多い、とか。荷が重いって言われたね」

「他にもグループのイメージがどんなって話とかあったけど、それがどうかしたの?」

「案が無いのは恐れ多い、荷が重いって答え出てるよ」

「やる意味なんて無かったってこと?」

「このグループを第三者から見た意見が聞けたでしょ?」

 

 あまり意地悪しすぎると、ウザいくらい構ってくるので頃合いを見て切り上げないと。

 

 みんなして考え込んでいるが、残念ながらそれだけに時間を割くわけにもいかない。

 着替えるように促し、先に屋上へと移動。

 

 ただ待つのも暇なので先ほど撮った写真を確認し、問題がなさそうなものを選んでSNSへと載せる。

 

 他にも動画投稿サイトにこれまで披露したステージだったりを載せたりしているため、それなりに認知され始めたといったところだ。

 

 あとはサニパさんに一通メールを送ったところで、着替えを終えた面々がやってくる。

 随分とノンビリだったが、話し合いをしながらなら仕方がない……なんて事はない。

 

 この日はいつもより少しだけ、練習量を多くした。

 

 

 

 夜、自室のベッドでゴロゴロしていたが。

 やることも特にないため、いつもより少し早めに寝ようかと思い毛布に包まれたのに。

 

「優、入るよー」

「いや、寝るんだけど」

「もう少しだけ起きててよ。これからみんなと話し合いするんだから」

「俺抜きでやっててよ……」

「マネージャーなんだから参加して」

 

 先ほど消したばかりの電気は再び点けられ、かのんは我が物顔で手に持っていたノートパソコンをテーブルに置いて弄り始める。

 残念ながらかのんの言うことは正しく、仕方がないのでベッドに横たわったまま参加することに。

 

「あ、みんなお待たせー」

『いえ、私たちも今集まったところです』

『カノン、いつもと部屋が違いマスね?』

『後ろに写っているの、もしかしなくても優?』

『ありゃ、優君お眠の時間だっけ?』

 

 すでに半分ほど意識を睡魔に持っていかれているが、寝ぼけ眼のまま画面を見れば全員お揃いのようで。

 

「……今日の議題は?」

『それなのデスがユウさん! サニパさまと連絡をずっと取り合っていたなんて聞いてまセンよ!』

「……基本的に向こうからくる相談に事務的な返事だけで、今回が初めてだよ。俺から相談の連絡したのは」

 

 練習前に送ったメール、内容はどの様にしてグループ名を決めたのかといったものだが。

 その返信をメンバーもCCに入れてくれとしたのが間違いだったか……。

 いや、どのみち説明する時にバレるのだから早いか遅いかの違いでしかない。

 

 あと、サニパさんの相談も煮詰まった時にくるぐらいで、そんなに頻繁でもないから可可が懸念する様な事はない。

 たまに雑談程度の連絡があったりするけど、これは別に伝えなくてもいいか。

 

『東京予選の強敵に塩を送るなんてね』

「神津島でお世話になったから。不義理なことはしたくないでしょ?」

 

 ほんと、平安名は。

 わざわざそんな役を買って出なくてもいいのに。

 

「話が少し逸れちゃったけど、明日はサニパさんみたいに動画配信をして名前の募集をしてみようかなって」

『色んな人に見てもらえるから、たくさん案が集まると良いね』

『あの……』

「恋ちゃん、どうかした?」

『動画配信、といったのはどういったものでしょう? 人が集まる様なところで何かを配るのですか?』

 

 恋の発言にみんなの動きが固まる。

 そりゃ、ついこの間まで今やっている通話のやり方も知らないのだから、当然と言えば当然だったのかもしれない。

 

 今の時代、ここまで無知なのは絶滅危惧種のようなものだが。

 

「物は試しだよ、恋ちゃん! 取り敢えず明日やってみよう!」

『よく分かりませんが、分かりました』

 

 かのんは悪戯を思いついた子供の様な表情をしている。

 千砂都も何となく察しているのか苦笑いをしているが、止めようとしていない。

 

 その後は雑談となっていったため、部屋に戻ってやってくれと思いながら眠りにつくのだった。

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