葉月 恋
「とっても美味しいです!」
「喜んでもらえて良かった」
あまりの美味しさにテンションが上がってしまい、クスッと笑みを溢した優さんを見て途端に恥ずかしさが勝る。
誤魔化すようにもう一口運び、恥ずかしさを美味しいで塗り替えようとするも顔の熱さは取れない。
今こうして優さんとスイーツを楽しんでいるのは、大事な時に体調を崩してしまったお詫びとのことで。
一人一回、優さんが何でもいうことを聞く権利なるものを頂いたため。
私のお願いはイチゴを使ったスイーツの美味しいお店に連れてってもらうことなので、三月あたりになると思っていましたが。
今では十二月後半にもなれば食べられると、こうして来ているわけなのです。
ですが……こう、もう少し先の楽しみといいますか、どこへ連れて行って下さるのかドキドキした楽しみをしたかったといいますか。
確かに冬休みへと入り、互いに学生の身のため時間はあります。
でも、どこか早めに終わらせることができてラッキー。だと思っているように感じてしまいます。
「そういえば優さん」
「ん?」
「私に何かして欲しいことなどはありませんか?」
「急にどうしたの」
「急などではありません。皆さんとも話したのですが、やはり優さんに負担をかけた私たちにも責任があると思いまして」
──アンタが倒れてからじゃ遅いのよ!
あの時のすみれさんの言葉。
急でビックリしましたが、全員の耳にキチンと聞こえていました。
優さんは未だにただのお手伝いだと言い張り、メンバーの一員だとは認めずにいます。
ですがこれまでのマネージャー的業務に加え、曲やステージ構成まで作るただのお手伝いがどこにいるのでしょうか。
「私、優さんのお願いなら何でも聞きます」
「…………あー、誰の入れ知恵だか分からないけれど、簡単に何でも言うこと聞くなんて口にするものじゃないよ」
「…………いえ、私の純粋な今の気持ちなのですが。個人的に感謝していることもありますし」
「そっか」
何かお願いはないかと聞けば、普段はそのうちなどとなあなあにされるのですが。
今回は珍しく考えているようです。
あまり良いとは言えない出会いから、今このようになるとは思いませんでした。
お母様の大切な思い出を見つけてくださったり、皆さんと友達になって大きな夢へと頑張ったり。
で、ですので、例えどのようなことをお願いされようとも答える気持ちです!
優さんも男だと、すみれさんもおっしゃっていましたし!
「それじゃ、恋」
「はい!」
「元気が有り余ってるみたいだから、次のラブライブに向けて頑張ろうか」
「はい! …………はい?」
おや、これは思っていたのとはまた違った方向へと……。
「あの、優さん……?」
「大丈夫。今からじっくりやっていけば、来年にはサニパにも負けないよ」
「いえ、そうではなくてですね……」
「当然、他のメンバーもだから安心して」
「…………まあ、それなら」
こうなってしまったのはLiella全員の連帯責任、ですよね。
それに優さんは分かってて言ってるのか。
私には分かりませんが、来年も見てくれるといっただけで充分です。
あっ、でも練習はもう少しだけ優しくしてくださると嬉しいです。