クエスト「20人で助け合い、崩壊したセカイを救え」 作:夜桜家の壁
瑞希はタブレットに映る箱を持った子のラフを見て、驚いた様子になり、少しの間口から声が出てこなくなる。いや、正確には小さな独り言は聞こえて来るのだが……まぁなんと言っているかまではわからないので声が出てこないと言っても差し支えないだろう。
「俺は今こんな風に箱を持ってる子のラフの修正をしている。まぁ修正する所は少ないし、上手くはあるけどね」
「………ふぅ、雷夜先輩って言ったら悪いけどもっと上手く描けるんじゃないの?ボクが見た事ある雷夜先輩の絵ってもっと角度のあるって言うか、そっちの方がいいんじゃないの?」
「今回の俺の仕事はあくまでもラフの修正、MVの制作の手伝いだからなぁ。確かに俺の方がまだ上手いけど、やっぱり依頼主の曲に合うのは俺の絵じゃなくて仲間の人なのかなぁって」
「曲に合うの意味がボクにはわからないかも」
「これは完全に俺の持論でしかないからな。わからないのが普通だと思うよ」
大勢に受ける綺麗な絵が俺の絵で、奏の曲のイメージとかその曲の伝えたい事を絵に移したのが絵名の絵って感じ。
「雷夜先輩って今仕事やってるのってこのラフの修正だけなんだよね?MMDは個人的にやってるって話だし」
「まぁ別にMMD仕事でもあるんだけどね。別に仕事じゃないとも絵に関してもMMDに関しても言えるし」
「?依頼受けてるわけじゃないの?」
「俺はどちらかと言うと元々ファンでボランティアみたいな感じで絵を描いてたんだよね。それでサムネに使ってもらって、それから全部にサムネを描いてほしいという依頼を貰ったんだ」
「やっぱり依頼もらってるんじゃん」
「でも、俺の返答はこれからも一緒に活動するのと、MMDを出すって条件で受けて、お金貰わなかったんだよね。だから俺とその依頼主の2人が基本的な初期メンバーって感じだと思ってるからお金が発生しない方が普通みたいな?」
実際奏の活動が始まってかなり早い段階で一緒に活動する事になってるから初期メンと言っても過言。過言だわ普通に。
「なんとなくわかったような………わからないような。あ、そういえばもう一回今使ってるMMDの振り付け見せてよ。もしかしたらもっといいアドバイスができるかもしれない。なんでかはわからないけど」
「確かに、なんでかは俺もわからないけど今ならもっと具体性のある、適した振り付けを考えてくれそうな気がする。実はさっきのだといい振り付けではあったけど、ダンスに極振りだし、元々の舞台らしさ、静かな動きが少ないんだよね。そして何よりもリズムが合わないところがあった………んだけど今ならそんな問題1個も無くなりそうだよね」
こうして、今日第2のMMDについて考える会が始まり、気づけばあっという間に太陽は沈んでいた。