クエスト「20人で助け合い、崩壊したセカイを救え」   作:夜桜家の壁

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今回は怜華視点から始まります。そして雷夜です。メインは雷夜になった。


連鎖していくメインストーリー

 お昼休み、屋上で練習をしているみのりの事を見ていると隣にこはねが座ってきた。

 

 

「あの、怜華さん」

 

「あれ、こはね?どうかしたの?」

 

「えっと、あの、雷夜さんに連れてってもらった店に行きたいんだけど、道案内お願いしたいと思って」

 

「WEEKEND GARAGEのことね。いいよ、連れてってあげる」

 

「ありがとう、とっても助かる」

 

「──けど、私にも用事あったりするから日時はこっちで決めさせてもらうよ」

 

「う、うん。それくらいはもちろん」

 

 

 本当なら早く行きたいと思うけど、次の土曜日は私BAD DOGSの練習に付き合わないとだから行けるとしても昼の少しだし、どうせなら1日使いたいんだよね。

 兄さん使えればまた楽なんだけど、その日はワンダショが始まりそうだとかなんだとか。

 本当にこはねにはこっちの都合で動いてもらうから申し訳ないよ。

 

 

「あれ?こはねちゃん。──やっぱりこはねちゃんだ!!」

 

「あ、おじゃましてます?」

 

「ね、ねえ!!私どんどん上手くなってない!?怜華ちゃんすごい先生の才能あるよ」

 

「そんな事ないって、ただダンスの知識とかあったから基礎を教えられるだけで」

 

「そういえばわたし怜華ちゃんがなんでダンスの知識持ってるのか知らないや」

 

「んー、まぁなんだっていいじゃん?それよりもみのりはまだ体幹が甘くてたまに崩れそうになる時があるからキッチリと仕上げる。もう少しで格段に見れるようになると思うから」

 

「はい、コーチ。来週までには仕上げてきます!!」

 

「よろしい。まぁ別にコーチでもなんでもないんだけどね」

 

「そろそろお昼休み終わっちゃうし、早く戻ろう?みのりちゃんは着替えなきゃだし、次科学の移動教室だよ?」

 

「そーだった〜!!先に行ってるね。ありがとうこはねちゃん。それに怜華ちゃんも」

 

「気をつけて階段降りるんだよ」

 

「はーい」

 

 

 そう返事したみのりだったけど、階段の下から一際大きな音が聞こえる。どこかで踏み外したりして、ギリギリ踏みとどまれたとかだろう。なんで彼女はちょっと危なっかしいのだろうか。

 

 

 

───────────────────────

 

「よく聞け雷夜。ついに、ついに、この俺がスターになる日家やってきたのだ!!」

 

「うるせ、なんだよ司。どっかからスカウトでも受けたのか?」

 

「ふ、ふ、ふ、なんと実はあの、旧夜桜グループから、と言えればどれほど良かったか。今度フェニックスワンダーランドの団員の募集に応募してきたのだ。この俺ならば夏休みにはすでにフェニランの切り札のようなスターになっているだろう」

 

 

 司は自身ありげに手振り身振り自分を褒め称えるような動きをしながら俺に採用試験がある事を教えてくれた。

 なんというか、俺去年司のこと褒めすぎたかなぁ……まぁそれはそこまで重要ではない。

 

 

「ちょっといいか?夜桜グループってなんだ?」

 

「ん?あぁ旧夜桜グループのことか。あれはショーをするものの中である種憧れの劇団の事だ。元々は夜桜…なんだったか、とりあえず夜桜さんがキャストを集めているチームだ。その夜桜さんはどうにも10年以上前に亡くなっているらしくてな、それで次の人がついだのだが、名前は変えたくないと思っていたようで、妥協のすえ旧夜桜グループとなったのだ」

 

「あーおけおけ、よーくわかった」

 

「む?そうか、というわけで夏休み遊びにくるがいい。スターの俺を見せようではないか!!」

 

「とりあえず試験受かってこい。そしたらチケット買うよ」

 

「そういうわけだから今日はゆっくりと帰ってられないからな。悪いが早く帰らせてもらおう」

 

「了解。それじゃあ俺は今日は一人で帰ってようかな」

 

 

 そう俺が言ってすぐに司は自分の教室へと帰っていった。

 

 というかあいつわざわざ俺に今日は先に帰ると伝えるためだけに来たのか。スマホ持ってきてるんだからいくらでも連絡手段はあっただろうに、司らしいとは思うが。

 

 

「雷夜くん、ちょっといいかい?」

 

「ん?どうした類。類から呼ばれるなんて珍しい事もあるもんだね。それでどうした?」

 

「実は今度のショーに使う道具を屋上に持ってきているんだ。それを見てもらおうと思ってね」

 

「なるほどね。道具はすごい気になるからな。解説とか色々よろしく」

 

 

 類は一体どんな道具を作ってきたのだろうか。この前はチェスをしているような動きをできるようになった小型ロボだったが、どんな予想外のものが現れるのか────そんな思いで登った階段の先、屋上には前世で見慣れた瑞希の姿だった。

 

 

「類、雷夜先輩を連れてきてくれてありがとう。さて、どう?ボクとってもカワイイんじゃない?」

 

「うん、とっても可愛らしいと思う。昔から綺麗な顔してるなぁとは思うことあったけど」

 

「あれ?そんなに驚かないの?てっきりボクは雷夜先輩なら思考放棄くらいするかもとは思ってたのに。類でさえ最初は少し戸惑ってるように見えたのに」

 

「俺は瑞希に好きなものがちゃんと見つかって良かったなってのが先に来たんだよ。あんなにつまんなそうな顔じゃないのは自分でも知ってるんじゃないの?」

 

「それはそうなんだけどさ………というかボク結構雷夜先輩にはこの姿見せるの緊張したんだけど」

 

「へー、ちょっと意外かも。類に普通にその姿で会えるんだし、別に俺にも普通に喋れると思ってた」

 

「ふふふ、なかなかに酷い事言うね。僕と雷夜くんでは大きな違いがあるじゃないか」

 

 

 大きな違い?立場だって同じだし、みんな仲良くなって色々遊んだ仲だよ?やっぱり違いなんてないんじゃないか。

 

 

「もういいや……はぁ。僕の壁を破って土足でボクに踏み込んでこられたんだよ。ボクは雷夜先輩に荒らされたの。その点類はボクとの距離は適切に取ってた。だからこの服でも普通に流してくれるっていう確信があったの。でも雷夜先輩はボクに対してなんというか……おばあちゃんみたいな………過保護?みたいな反応とか変な反応しそうだったからこっちが流れ作りたかったの!!」

 

 

 リアルで対面して話すことなんてほとんどない瑞希には少しきついほど一気に喋ったからか、少し息切れ気味だった。

 

 つまり俺は、なんだ?その姿を見て否定されるかもとか思ったわけ………ではないよな。過保護って言ってるんだし──待てよ!?もしかして前世の推しでもあった瑞希に対する感情がなんかバレてた?だからおばあちゃんみたいにすごく認めてくれるっていいたかった?

 

 

「いや、でもそこから行きつく感情がわからんわ」

 

「ふふ、やっぱり君たちは面白いね。もっとこの会話の続きを見てたいけど、もう時間のようだよ?」

 

 

 類がそういうと、『キーンコーンカーンコーン』と、昼休みを終えるチャイムが鳴り響く。

 

 

「類、なんかボク疲れちゃったから今日はもう帰ることにするよ。幸いにもここしばらくは授業受けてたし、別に帰ってもいいでしょ。それじゃああと、よろしく」

 

「うん、任せてよ瑞希」

 

「瑞希帰り道気をつけるんだぞ、赤信号とか気をつけろよ」

 

「やっぱり訂正、雷夜先輩は絶対にボクに対しては過保護だよ!!身体ボクと同じくらいなのに!!」

 

 

 大きな声を出してわかりやすく怒った素振りをした瑞希は先に階段を降りていった。………いや身体は関係ないでしょ。

 

 

「さて、僕達も教室に戻ろうか」

 

「そうなんだけど、結局なんで瑞希はドッキリみたいなことしようとしたの?流れ作りたかったのはわかるけど、そこから飛躍しすぎじゃない?」

 

「その答えは、思った以上にめんどいものかもね」

 

「はいはい、めんどくさいものなのはわかったからとっとと教えてよ類」

 

「そうだね、瑞希は単純に恥ずかしいだけだったりして」

 

「……客観視すれば瑞希今女子だもんな。そんで、男子の俺とは昔付き合ってるんじゃないかという噂が流れた。変な噂が流れないといいなぁ。確かに恥ずかしいけど、うん、そうね、めんどくさ」

 

 

 変な事にならなきゃもういいわ。噂になったとしても知り合いに繋がらなきゃなんでもいい。だから彰人とか絵名、後冬弥と杏。絶対誰かは聞くんだろうなぁ。特に杏は同じクラスだし。

 胃が痛くなってきた……

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