クエスト「20人で助け合い、崩壊したセカイを救え」 作:夜桜家の壁
「………お前が、あのロボットを操作していた寧々か」
「………」
寧々のネネロボを充電しなかった事による失敗。そのせいでショーは悪い感想に溢れ、司と寧々のふたりだけでなく、皆が重い空気を作り出している。
「寧々ちゃん……そんなにしょんぼりしないで。ね?」
「……今、充電したよ。これで問題なく動く」
「……っ、充電を忘れただなんて……、そんな単純なことで、オレ達のショーは……っ!!」
「ごめん、なさい……」
「謝ってもどうにもならん!!」
「……司くん。寧々も悪気があったわけじゃない。昨日解散したあとも残って遅くまで練習していたんだ。それに、充電の確認をしなかった僕にも非がある。でも、次は必ず……」
「次?次だと!?じゃあ今日の客はどうなる!ショーは毎日変わる。その時の1回1回が勝負だからオレ達はいつだって成功し続けなきゃいけない!雷夜がいたから、今回は失敗の中でもいい方に終わった!けど!それでも失敗だ!お前達だって、今日、オレ達のショーを成功させたかったんだろ!?なあ!そうじゃないのか!?」
「……………」
司が言ってることは間違ってはいないし、正しい側面だってある。けどもう今日の客はもう満足する事はなかったのだから、次に向けて頑張ればいい。いや、頑張るしかないんだ。そう考えている俺と類は言葉を出せず、えむはみんなが喧嘩してるような現状をどうするべきかわからずにいる。寧々は自分を責め続けている。
「わたしが……わたしがロボットなんか使わなくても、人前に立てれば……」
「……寧々」
「……ああ、そうだな!その通りだ!そもそも、ずっとコソコソ隠れて、ロボットなんかで話してる時点でおかしかったんだ!人見知り?人前に出られない!?ふざけるな!!客と向き合わないで、最高のショーができるわけないだろうが!」
「……っ!」
「司くんやめてくれ」
「類今のコイツにはやめてくれじゃなくてもいい。というか辞めろって言わなきゃ意味ないよ」
「……なさい………ごめんなさい……!!」
「寧々!」
「寧々ちゃんっ!」
寧々は逃げ出すように走り出し、どこかに行ってしまった。
「今のは……言いすぎじゃないか?いや言いすぎだ。客と向き合わないで、最高のショーはできない。それはそうだ。間違いない。でも君は、もっと簡単なことを見落としてる」
『───最高のショーは、ひとりじゃできない』
「……!」
「長い時間ひとりでショーをやっていた僕が言うのも、おかしな話だけどね。久しぶりに誰かとショーをやってみてわかったよ。同じ気持ちの仲間がいれば、ショーはどこまでも面白くなっていくんだ」
「この事は昔雷夜と話してた時から思ってた。そして4人が同じ思いで取り組めばそれはもっと素晴らしいものだと気づいた。なのに君は……反省する仲間を追い詰めて、なんになる?残念だけど、君のショーへの想いは、とても程度の低いものだったみたいだね」
類は昔から今にかけて感じたものを、司は蔑ろにしていると感じて怒りを言葉にしているみたいだ。実際最後は煽ってる部分もあるだろう。
しかしそれに対して司も黙っているわけにはいかない。司はヒートアップして類の言葉に返答するが、その時のある言葉が類にとっては司と一緒にショーをやる必要がないと結論付けてしまった。
「僕はもうここには来ない」
「なっ……」
「それと───君はスターになんてなれない」
「……!!ど、どうゆう意味だ!オレがスターになれないだと!?」
「そのままの意味だよ司。お前にはなれないし、なる資格もない」
「雷夜、別に教えてあげてもいいけど、司くんのためにならないよ。それじゃあ僕は帰るから。それとすまないね雷夜。君は僕の事も考えて行動してただろうに」
「気にしなくていいよ。確かに類はここで活動するのが一番だと思ったから動いてたところはあるけど、類が合わないと思うならそれが正しいし。けど俺は司の味方でもあるから」
「僕はもう司くんとはやらないよ」
司も園から帰ってしまった。この場に残るは俺、司、えむの3人。そしてその司も帰ろうとしている。
「……ま、待って!司くんっ!あたし……今日とっても楽しかったよ!みんなとお客さんの前でショーできて、すっごく楽しかった!だから……またがんばろう!今度こそ成功させようよ!」
「………」
「………司くんは、楽しくなかった?」
「こんなの………楽しいわけないだろう!!」
「司くんっ!!」
司も行ってしまった。
みんなバラバラになって、えむは地面に座りこんでしまった。
「ねぇ、雷夜くん……どうしよう。みんなの笑顔……なくなっちゃった………」
「バラバラになったのはしょうがないよ。みんな、何かしら問題を抱えているし、未熟だし………けどそうゆう話じゃないよな」
「えむはさ、なんで司を誘ったの?司を誘った理由ってよりか、なんでこのステージを任されてるの?」
「このステージ………?ここは、もう取り壊されちゃうんだ。本当は連休までに、採算が取れるようになったら壊さないでくれるんだけど……」
「今の様子じゃ………厳しいものがあるね」
「だよね」
「───どうしよう、あたしあきらめたくない………けど、それでみんなが笑顔じゃなくなるのはもっとイヤ!………やっぱり諦めないといけないのかな?」
「えむ、今は悩むべきだよ。あいつら司はわかりやすいけど血がのぼってる。類はあの司が合わないって言ってるだけ。寧々は今はパニックに入ってるだけ。今はダメだと思ってももしかしたら明日には行けるかも知れない」
「それに司はこのくらいじゃ諦めないよ。きっとそうゆう男だって俺は信じてる。だから今無理って決めつけないで欲しい。連休中に、なんなら明日に答えを出す。だからもし司が続けるべきだって答えを出したら、その時はまた協力してやって欲しい。その時まで悩んで欲しい」
「………あたし決めた。司くんが諦めないならあたしも諦めない。あたしだって諦めたくないもん!!雷夜くんは司くんは諦めないって信じてるんだもん!」
「そっか、ありがとうえむ。そう言ってくれて俺も安心して帰れるよ。最後はグダグダだったけど、そこまでは面白かったからね」
「ほんと!?やったー!ちゃんと喜んでくれてたんだ」
座り込んでたえむは立ち上がり、ワンダーステージにたってお客さんがいたであろう場所を見て笑っていた。
もうお盆終わってるよね。本当に遅くなりましたが、今後もちょくちょく上げてくのでお楽しみくださいませ。