クエスト「20人で助け合い、崩壊したセカイを救え」 作:夜桜家の壁
帰り道、夜の暗い道を歩いているとスマホの画面が光を放った。画面を見れば表示されるのは『Untitled』
「セカイに来いって事だよな」
ステージで司にスターになる資格はないって言ったし……少しだけへこんでないか気になるんだ。セカイに入れば司がいるはずだ。とっととセカイに行こう。
セカイに行けばミクとカイトが出迎えてくれた。
「やっほー雷夜くん。あっ、シーッね?」
「お、おぉ、やっほー?今どんな状況なんだミク?」
「見てごらん。あそこで司くんが泣いてるぬいぐるみを頑張って笑顔にさせてるよ」
「ほんとだ、わんだほーいってやってるし」
「泣き止んだね、これからは、2人で冒険に行くみたいだ」
「船に乗って冒険するんだな」
「その先には洞窟があって、大きなモンスターがいるんだよ☆楽しいアトラクションなんだ♪」
船の前方にはミクが言ったように洞窟があった。これら全て元々司が考えていたショーの内容で、それらは全て咲希の事を思っていたものだった。しかし何故ショーをするのかを忘れてしまった───咲希を笑わせるのを当たり前にしてしまい、気づけなくなってしまった───司は本当の想いを知らない。
そんな司だけど、今は誰かを笑顔にする為に行動している。そんな司の姿は紛れもなくスターだったと言えると思う。この瞬間は何よりも司が輝いて見えた。
そして司とぬいぐるみの大冒険は終わりを迎えた。
「………よく見たら………咲希のぬいぐるみだけじゃない………あれは、オレが最初に考えたショーに出てきたテントだ。このポスターも、オレが主役ならと考えた時の……。あの汽車も、オブジェも……!」
「うん♪ここは司くんの想いでできたセカイだからね!」
「ミク、カイト、それに雷夜も!もしかして、ずっと見ていたのか?」
「うん。素敵なショーだったからね。とてもキラキラしていたよ。あれこそまさに、スターだね」
「俺もあのショーをしていた司はスターだと思う。実際、見ててとってもカッコよかったよ」
「……ちょっと待て、スター?あんな、ただの遊びが………?」
「しかも、雷夜はスターになる資格がない……だとか言ってなかったか?」
「その事は、ミクが説明してくれるよ」
「はいはーい!司くんがなんでスターなのか、だってそれは、泣いてた子が、あ〜んなに笑ってくれたんだよ?」
「………………。笑って……あ……」
司はミクの言葉を聞いて、何か大切なことを思い出したようだ。
「オレはただら咲希のことを笑わせたかったんだ……あの日咲希と見たショーの、スターのように。スターになりたいって思ったのも、オレも……咲希と……あの時、最高の笑顔をもらったからだ……」
「それなのにいつの間にか、ショーを成功させて、スターになることばかりにこだわって………オレは…………っ」
「……オレよりあいつらの方が、よっぽどスターじゃないか……」
ショーで大切なことを忘れていた司。それを皆胸に抱いて、ショーに取り組んでいた他の者達。司はよっぽど悔しいだろう。
「司、そんなことはない!もうちゃんと、スターなんだよ!」
「え……?それにお前」
「さっきのお前はすごい輝いて見えたよ!あんなキラキラを俺は見たことが一度だってない!俺は今日スターになる資格がないって言った。そん時はその通りだったよ、けどさっきのお前は泣いてた子を笑わせて、楽しい時間を作ったじゃないか!それはお前がスターになりたいと思った理由のスターと何が違う!泣いてる子を笑わせたい。そんな最初の想いをちゃんとわかってるやつが資格がないだなんて、そんな事あるわけない!!」
司に思ったことを吐き捨てるように、言いたいことを全部、全て言い切る。その結果少し息がきれるようになって、少し咳き込んでしまった。
「雷夜!?大丈夫か?水ならあるから飲むといい、後涙も拭け」
「いや、大丈夫だ。ちゃんと水は買ってある。………とりあえず、今のお前ならスターになる資格はあると思う。だから、あいつらにちゃんとわかって貰えるはず」
「雷夜くんが言ったみたいに、きっと、みんなのことももっとキラキラ笑顔にできるよ!」
「あいつらを、笑顔に……」
「きっとできるよ。だって君は、みんなに笑顔をあげる将来のスターなんだろう?」
「……!………ははっ。ああ、そうさ。………その通りだ!ありがとう、みんな!」
司はなんでショーをしようと思ったのか、それらを思い出した。それだったらもうスターになる資格はある。あとはスターになるための特訓が沢山あるだけだ。
それにしても、輝いてたなぁ