クエスト「20人で助け合い、崩壊したセカイを救え」 作:夜桜家の壁
俺はあいつの兄だった。ずっと原作通りにって事で忘れてた。意識してなかった。昔はもっと兄らしくしてたと思う。それが原作が始まるこの神高にきていつのまにか忘れていた。
普段帰る道とは違う道を一直線に迷わず進んでゆく。
確かに原作はその通りに進めるべきだって俺はずっと思ってる。何かのアドバイスを間接的に伝えるとかそうやって手助けする何かはしてきたけど、それはミクに助けてあげてって許可を貰ってたからだ。
けど、今回のこんな、ただただ辛いだけの思いなんてそんなに必要ない!!あいつらが強くなるのはお互いの絆を再認識するときであって、そんな辛い物語はいらない。だから今日行動を起こす。
「彰人いるか!?」
「兄貴、珍しいな学校帰りだろ。一体どうしたんだよ」
「冬弥の事で話がある」
珍しい事もあるものだと珍しいモノを見たと少しヘラヘラとしていた彰人だったが、喧嘩中の冬弥の話だと聞いてマジな顔つきになる。
「先に言っとくけど、オレはソロであの景色を見に行く」
「それは本当に本心か?」
「あぁ、勿論だ」
「俺からはそう見えないぞ」
「オレがアイツとやろうとしてるように見えてるのか?悪いけど、目腐ってんじゃねーのか」
「じゃあ質問を変えようか、ひとりの人間があの雰囲気をつくれんよか?あの夜はまだまだずっとずっと遠いぞ」
「オレはそのために、そこにいるんだ。当たり前なんだよ」
「心意気は結構、前提でしかない。俺が聞いてるのはその実力持ってんの?」
「実力はつけるもんだ」
「俺からしたら一人でつける実力なんてたかが知れてる。かなりの才能を持ってないと一人ってのは成り立たない」
「才能がないって言いたいのかよ」
「才能ある人が才能の違いを実感できるレベルじゃないとあの夜を一人で起こせないって話」
まぁ、あの夜は街の人達が一段となって作った夜、一人じゃ不可能って話だけど。
「はぁ……一旦オレひとりでやるのは厳しいってのは認めてやる。けどアイツと組んで、実力がつくのか?オレは他の誰かを探すべきなんじゃないのか?」
「もしかしたら俺が知らないだけでもっと相性がいいやつがいるかも知れない。けど、冬弥から聞いた話はお前たちがタッグを解消する理由にはならないと感じた」
「じゃあなんであの時アイツを追わせてくれなかった!!」
冬弥が彰人の夢をくだらないと、コンビを解消した夜の事を思い出して彰人は声を荒げる。
「冬弥には時間が必要だった。だから追わせなかったし、あれ以上口論にならないように引き裂く動きをした。あのままだったら冬弥はもっと突き放すような言葉を言っていた」
原作の形をとりながら、少しでもマシになるような動きをしていたと思ったら、もっと面倒な形になっていたと今ならわかる。こんな行動をするならしなければ良かった。
「俺はお前たちの喧嘩は乗り越える事で、成長につながると思っていた。けど、俺は大切な事を忘れた。弟が困ってて、助けないやつがあるわけない。そんな事に気づけなかった、だから俺は今のお前に必要な事をしたいんだ。冬弥はお前の夢をずっと尊重しているし、彰人だって本当にアイツの事を嫌いになってないだろ?」
「それは………まぁ」
「今日は俺が聞いた話をしたいと思う。冬弥が何を俺に相談していたのか、それを聞いてタッグを組み直すのか判断してくれ」
「………わかった。話を聞いて考える。けど納得できないやうな話ならもうアイツと組むことはない」
「──ありがとう」