クエスト「20人で助け合い、崩壊したセカイを救え」 作:夜桜家の壁
怜華の受験が終わりそれから少しの時間が経った。
もちろん怜華は合格していた。
「怜華ちゃん、合格おめでとう。今度美味しいチーズケーキ食べに行こうね」
「いやそれもだけど退院できたことも祝ってやれよ」
「絵名姉さんも彰人もありがとうね。とっても嬉しいです」
「雷夜もなんか言ってあげたらどう?血の繋がった家族なんでしょ」
「……退院おめでとう。受験は正直まだ簡単だったんじゃないか」
「ちょっと中学生が習うようなの入ってて苦戦したけど、まぁそれくらいかな?けどリハビリは大変だったね」
怜華の言う通り、怜華は筋肉がほとんど使い物にならないのでリハビリをする事で少しづつ筋肉をつけていった。結構大変だったそうで予定よりも退院する時期が遅れてしまった為合格通知が来た後に退院する事になってしまったのだ。
「なんか兄さんって最近怜華に対して冷たい空気出てる時あるよな」
「俺は別に喧嘩とかしてるつもり無いんだけど」
「久しぶりで距離感掴めてないだけですから大丈夫ですよ」
「何か食べたいものでもある?なんか作ってくるけど」
「パンケーキ食べたいです」
「あっ私も食べたい」
「兄さん、オレの分もたのむ」
「みんなパンケーキ好きだね⁉︎驚いたよ。いや俺も好きだけどさ」
「東雲なんだし全員好きでしょう」
「怜華は東雲家をなんだと思ってるの?まぁいいや早速つくってきまーす」
パンケーキはというか大抵のスイーツは変にアレンジ加えないでやるのが大切だと思う。と言う事で材料がコレです。
卵2個、上白糖、薄力粉、牛乳、サラダ油、塩少々、ベーキングパウダー、バニラエッセンス。コレがレシピなんだけど、少々ってわかりずらいのどうにかならないかな?初心者にはわからないよね。
まず卵と、上白糖とサラダ油を混ぜて乳化させます。しっかりと混ぜて乳化させるとなめらかな生地ができるのでちゃんとやろう。
そしたら牛乳とバニラエッセンス入れて、粉類を入れる。そしたらだまのないように混ぜる。コレで生地の完成。
次にフライパンにサラダ油を薄く広げて弱火で焼いていく。しばらく焼いたらひっくり返して、小さな穴があき、火が通ってるのを確認。そして裏面も焼けば完成。最後にメイプルシロップとかかけたりするとなおヨシ。意外と簡単だから初心者にもオススメなパンケーキ。これを4人分意外と時間がかかった。
「よし、完成」
「おっすげぇ美味しそうじゃんか」
「とってもふわっふわしててかわいい」
「兄さんってスイーツとか作るの好きなんですか?」
「やってみると意外とハマるんだ。沼だと思うよ。それよりも怜華、早く食べてほしいな」
「ではいただきます。……あっ美味しい。お店で出てもおかしくないです」
「流石にそれは言い過ぎだと思うけど、高校生になるまでに沢山練習したらこの辺の店のアルバイトとか出来るんじゃない?やってみたら」
「家で食べる分にはこれで十分過ぎんけどな、どっかでアルバイトしてても気づかないくらいだと思うぜ」
みんな褒めすぎじゃない?ちょっと恥ずかしいなぁ。でもアルバイトかぁ、杏嬢のところで働けないかな?あるいは、咲希ちゃんとかみのりちゃんが働いてたとこ。
「雷夜、何か反応しなさいよ。みんな褒めてるんだから」
「みんな褒めすぎで恥ずかしかったから反応しづらいの、俺は褒められるようなこと全然してないし」
「オレたちで兄さんのことたくさん褒めて困らせようぜ」
「彰人は最近俺にも生意気になってきたね。なんか悲しい」
「まぁまぁ、私は兄さんとずっと一緒にいてあげますから………死ぬまでずっと」
「素直な好意ってここまで来ると怖いよ‼その笑顔もだから‼」
そんな感じで怜華のためのパーティは終わり、もう少しで今日が終わる時刻になった。
「約束した時が来たね、兄さん。とりあえず先に謝らせて、ごめんなさい」
「なんで謝るのかわからないけど、いいよ。それよりも質問に答えてほしい。君は転生者なの?何がしたいの?目的は?」
「ちゃんと答えるから焦らなりでよ。えっと転生者なのかって話はどうなんだろう、半分正解かな?私の場合は憑依ってなるんだけど……わかる?」
「まぁそれくらいは、何怜華の体が寝ている間に君が入って身体を動かしてるって事?」
「なんだろ?私は転生した魂でもこの子の魂でもないんだよ。混ざってるっていうか。だから初めて兄さんに会った時は成長によって変化したって伝えたの。記憶がないのは事実だけど、この子の考えとかは理解してるつもりだからせめてそれは信じてほしい。
さっき私が死ぬまでずっと一緒にいてあげるって言ったの覚えてますか?アレはこの子の気持ちに影響されてそう思ったんだよ」
「とりあえずは理解した。でも今の怜華との接し方がよくわからない。どう接してほしい?」
「私は兄さんとずっといたいし同じ原作を知っているっていう人がそばにいてくれると孤独感は減る、元からこの子はお兄ちゃんっ子だったしで、だから私の混ざった人格を拒まないでください」
そう言って目の前の子……怜華は頭を深く下げていた。手は強く握り締められ、少し震えていた。
だから俺は怜華に近寄って、抱きしめた。
本当ならいろいろと聞かないといけない事があるけど、今はただ抱きしめなきゃいけないと思った。
怜華は一人が本当に怖いのだろう。ずっと言えなかった事、拒まれる可能性、元の怜華の気持ち、それらが怜華を不安にさせていた。
怜華と病院であった時に話した時、拒まれないように有り得そうな嘘をついていた。それ時大切な家族だと俺は伝えた。それなら俺はあの時のように抱きしめて待つ。多分それで十分。
怜華は声を出さずに泣いていた。それも治まってきた。
「兄さん、ありがとう。今まで言えなくてごめんなさい」
「大丈夫。普通は転生とかそんな話普通は信じる人なんていないよ。でも俺が転生者だってなんでわかってたの?」
「えっと、私が転生した目的にも繋がるのですが、私は憑依する前に神様に会ってきました。そこで兄さんが神様に会ってないと聞いてどうにか連絡を取らせられないかとして憑依した後に話す予定でした。ですが私がセカイに入った時にミクから自由に生きていいって言われて、どうしようか迷っていたら、ボロが出ました」
「ちょっと待ってセカイってもうできてるの⁉︎」
「夜も遅いですし静かにしてください。後そのセカイは兄さんのです。だからスマホに注意してって伝えました」
「ごめん、でも予測はあっていたのか、でも俺のところにuntitledないけど?」
「それは私にもわからないです」
「そこは私が話そうか」
「あっミク。兄さんこれが兄さんのセカイのミクです」
「へぇ髪が綺麗だね」
「えへへ、ありがと。それで雷夜がセカイに来れない理由だっけ?それはね、物語として始まらないからだよ」
『物語?』
「そう。このセカイはちょっと特殊でね、雷夜のセカイは雷夜一人でできてるんだけどそこに神様が手を加えてるんだ。例えば私達バーチャルシンガーは神様の伝言をもらう事が出来るし、他のセカイと連絡が取れたりする。これは少し雷夜達にも関係してくるんだけどね」
「後確かプロセカの原作も知ってましたね」
「そうだね、で物語って何かって話なんだけど、雷夜達には原作のセカイにいずれ入るようになるんだ。その時にバーチャルシンガー側として皆んなを支えてほしい。そうして雷夜が何かを感じたらuntitledが手に入る。ただ例外もあって、怜華と一緒にuntitledを聞けば入れるよ。まぁ簡単に言えば誰かと一緒なら来れるってことだね」
「なるほど、大体は理解した。けど一気に話が進んで疲れたな」
「まぁ原作が進むまでは自由だから楽にしてていいよ」
「兄さん、私もう眠いのでここで寝ていいですか?」
「は?えっ流石にダメじゃないか?」
「私は邪魔かな?じゃあね」
「ちょっとミクどっか行かないで‼︎」
「兄さん、私を拒まないですよね?」
「だれもそんな事予想できないでしょうが」
「私は兄さんとずっといますからね。ほら」
「ほらじゃあなくて、あの押さないで、ねぇ‼︎」
「兄さん、私は原作キャラとオリ主が恋愛関係になるのが大っ嫌いなんです。だからね、私が独占すればそうゆう事が起きないのかの実験なんです。わかります?わかってください」
「わかったから、だから自分の部屋で寝て‼︎」
「疑わしきは罰せよ。なので今日は一緒に寝ます。おやすみなさい」
もう寝てるし、拒まないって姿勢で接したの間違いだったかなぁ。
後恋愛は苦手だしするつもりないんだけど………