クエスト「20人で助け合い、崩壊したセカイを救え」   作:夜桜家の壁

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リアルの夜桜さんは全く関係のないフィクションです。


長くなっちゃったのと書くのに苦労した。


父の死と夜桜家

夜桜家、それは物語の鍵、あるいは物語の始まりのページ、もしくは物語の種。

 

世界には沢山の夜桜家がある。その中で夜桜家の末代は物語の中心となり、世界が流れる。それがどんな世界にも存在する夜桜家である。

 

世界の書オカルトブック〜〜夜桜〜〜

 

 

 

 

「お父さんが亡くなられました」

 

 

たったそれだけの言葉で人はなんで悲しくなるんだろうか?

それには自分の答えがある。

 

思い出があるからだろう。

 

それは例え5歳以下の少ない記憶だとしても悲しくなる。

 

 

お父さんが亡くなって数日がたった。俺はずっと寝込んでいた。

主治医曰く検査中の謎の病気はストレスを受けた事に反応して息苦しさを与えているらしく、軽めの精神安定剤を飲んで抑えていた。

もちろん悲しさによるやるせなさもあった。

 

 

少しの時間がまた経って怜華が来てくれた。怜華は大丈夫だったかと聞いたら、『記憶がないからそんなに悲しくないよ。ただ誰かが亡くなってるのを知ると少しは悲しくなる』と言って確かにそっかと思った。

 

 

また時間が少し経って絵名達がやってきた。

絵名は俺を慰めてくれた。『いつも頑張りすぎなのよ、たまにはこうゆう時に甘えてしっかりと休みなさい』と子供をあやす様にも見えた。今の俺はそんなに辛そうなのだろうか。

 

 

他にも色々な人が来てくれて、今は少しずつ元気になってきた。少しずつ外に出て空気を吸ってきたり、少しだけ体を動かす様に主治医に言われたので今は外に出る準備をしている。

 

 

「雷夜先輩、調子はどう?」

「やぁ雷夜くんしばらく来れなくてごめんね」

「類、それに今日は瑞希も一緒なのか」

「雷夜先輩今から外出るの?」

「今日から少しずつ外に出る様にって言われてね。そうだ今日は車椅子を使う予定だったし瑞希、押してくれよ」

「まぁいいけど……」

「ところで雷夜くんは学校来れそうかい?」

「そろそろ行くつもりだよ。ただ授業は受けないと思うけどね」

「そうかい、学校に来てくれるだけで僕は嬉しいよ」

「類がこんなに笑顔なの初めて見た」

「雷夜先輩、車椅子準備したから座りなよ、ていうかまず動ける?」

「激しい運動さえしなかったら大丈夫。っと、よし行こう」

「僕はちょっと用事ができたから2人で先に行っててくれないかい?」

「わかった」

「……類、覚えてなよ」

「瑞希なんか類と喧嘩してる?」

「別にそうゆうわけじゃないから気にしないでいいよ」

 

 

突然だけどこの前にシロがお見舞いに来てくれた。その時に瑞希から壁を作られている様に感じるって話をしたんだけど、どうやらISでは壁を作っていたと明言されたらしい。理由を聞いたら怜華と同じ様にはぐらかされた。だけど怜華とは違ったヒントもくれた。ヒントというかなんというか……。

『瑞希から壁を作られている様に感じるならそれはとても信頼されてるって事だから安心して』って言われた。

なんで壁を作られていたら信頼されてる事になるんだよ。

だから俺は瑞希に直接聞く事にした。今は類もいないし、瑞希と2人っきりだ。

 

 

「ねぇ瑞希」

「どうしたの雷夜先輩?」

「なんで瑞希って俺との間に壁を作ってるの?」

「………そんな事ないよ」

「その反応の遅さが答えじゃないの?」

「どこが壁を作ってる様に感じた?」

「もっと俺に頼ってほしい」

「頼る?」

「そう、俺はもっと瑞希と仲良くなりたい。もし瑞希の事をみんなが認めようとしなくても、俺と類だけは瑞希を受け入れてあげたい。類には壁を作ってない様に感じる。だけど俺は壁がある様に感じた。だから俺はもっと瑞希のためになる事をしたい」

「……エゴだね」

「エゴだよ。俺のエゴ、瑞希と仲良くなりたい。その為にも今を頑張ってる。だから俺は瑞希から頼られる様に、瑞希が信頼できる人になりたい。そうしたら壁なんて作らないでしょ?」

「勘違いしないでよ、ボクが壁を作ってるのは雷夜先輩のせいだけどその方法だと壁は消えないよ」

「……えっ⁉︎」

「2人してボクに壊れてほしいわけ?ボクが雷夜先輩に壁を作るのは自己防衛の為だよ」

「自己……防衛……?」

「ボクは雷夜先輩の事を大切に思ってる。だから卒業した時のことが怖いんだ。ボクは1人になる。今の距離感でもう先輩達が卒業した後を考えて辛くなるのに、これ以上雷夜先輩はボクを辛くさせようとするの?」

「………」

「今度は雷夜先輩が黙ったね。優しいからそんな事を考えることもなかったでしょ?」

「もし、俺達が卒業した後も瑞希と会うことができたらそれはなくなる?」

「なんの話?」

「例えばだけど俺が卒業した後、瑞希に毎日電話したら壁はなくしてくれる?」

「毎日はいらないんだけど」

「じゃあたまにリアルで会う約束したら壁なくしてくれる?」

「そんなんで壁を無くすわけないでしょ」

「じゃあなんだったら壁なくしてくれる?」

「これ以上ボクに優しくしたらボクは雷夜先輩がいなくなった時にもっと辛くなるって言ってるじゃん‼︎」

「だから俺が卒業した後に個人的に瑞希と何か繋がりがあったら壁を無くしてもいいんじゃないかって話をしてるんだ」

「はぁ、もういいや。雷夜先輩、ボクはこれ以上雷夜先輩に優しくされると今の楽を求める様になるってわかってる。ボクは雷夜先輩に迷惑をかけたくないのわかってよ」

「迷惑くらいかけてよ。友達でしょ?」

「ボクは絶対に壁は作るよ」

「そこまで壁を作る意味って本当にあるの?そんな未来の事で不安になってないで今を楽しもうとしなくていいの?」

「……ッ」

「俺はそんなの絶対につまんないと思うよ。そんなんじゃずっとつまらなくなる。人生なんていつ終わるのかわからない。怜華は何年も目覚めなかった。その上記憶のほとんどをなくした。父さんなんか知ってると思うけど亡くなった。母さんはまだ目覚めないし、もしかしたら亡くなるかもしれない」

「雷夜先輩……」

「だからさ、瑞希には今を楽しんでほしいし、好きな様に生きてほしい。だから壁を作って後で苦しまない様にってのはわかるけどもったいないよ」

 

「……………雷夜先輩、ボク今日はもう帰るね。類いるんでしょ、後はよろしく」

「おや?バレてたのかい。それじゃあ瑞希また明日」

「えっホントに帰るの⁉︎瑞希じゃあね」

「じゃあね」

 

 

ホントに帰ってる……壁無くしてほしいな

 

 

「さて雷夜くん、結構思い切ってその事を話したんだね」

「やっぱり壁はあると悲しいしない方が絶対にいいんだよ」

「瑞希の考えも理解してるんだよね?」

「もちろん。だけど俺は父さんが死んで、いつ死ぬかわからないから早く楽しまなきゃもったいないって思ったから反対派。もし父さんが死んでなかったら現状維持で良かったけどね」

「そうだね。僕としても踏み切ってくれた方が良かったからね」

「やっぱり類も壁がない方がいいと思うよね」

「うーん、僕は打算的というか……雷夜くんは瑞希の事を救うことができると思うんだ。僕にはそれはできない。だから瑞希のためにも壁があるのは良くないと思うんだ」

「………俺には救うなんて事できないよ。瑞希の事を認めて瑞希の居場所になる。そんなことしか俺にはできないよ」

「へぇ……。それじゃあ雷夜くん、なるべく早く学校に来れるといいね。思いっきり楽しみたいからね」

「うん、俺も楽しんで生きてきたいからね。あと瑞希が壁を無くすまで俺は諦めない」

「瑞希は今悩んでるからそっとしておいてあげるのもいいと思うよ」

「類なんか中立的な立ち位置だね」

「ふふ、僕はどっちも大切だからね。それじゃあ僕も帰るよ。また今度」

「ああ、また今度。なるべく早く学校に行くから」

 

 

ふぅ、瑞希には楽しんで生きてほしいのは本音だけど、全部俺のエゴだからやめた方が良かったのかな?けど人生なんてすぐに終わる。何気ない瞬間になくなることがあるから今を楽しまなきゃいけない。

やっぱりこれだけは絶対に変わらない。




主人公が瑞希に告白する世界もあるかもしれない。
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