クエスト「20人で助け合い、崩壊したセカイを救え」 作:夜桜家の壁
今日は兄さんのお見舞いに行く日、楽しみだったからか朝の3時には目が覚めていた。
「怜華、もう起きていたのか」
「お父さん……」
「雷夜はお見舞いに行くことになった日はいつもはやく起きていた。今の怜華と同じように……。ただこんなに早くは起きてなかったがな」
「兄さんも早く起きていたんだ」
「兄妹似たもの同士だ」
兄さんは私と似てる……もし兄さんが私の立場なら同じ事をしたのだろうか。あの優しい兄さんならしていてもおかしくない。いや、していたと思う。
「怜華、今日これから見に行く所があるが一緒に行くか?」
「何見に行くんですか?」
「昔使っていた家だ」
「行きます、ちょっとだけ待ってください。準備してきます」
「家見に行ったらそのまま病院に行くからその用意もしたほうがいい」
「分かりました」
「ついたぞ」
「暗くて見えない。なんの建物なんですか?」
「こっちだ」
柔らかい芝生の上を歩き、看板に書かれた文字が見えてきた。
『キャンプ場』
そこには地図も書いてあった。そこまで広くなくある程度の広さBBQを楽しむ用だとも書いてあった。
「ここは昔はキャンプ場として使われていたが今は他の事に使われている。この家がいちばんわかりやすいだろう」
「他のこと……何かの祭りの会場とか?」
「確かに使われることはある。だがこの家は違う。ドアを開けるといい」
ドアを開けても普通の家と変わらないように見える。ただリビングが広いだけの普通の家じゃないかな?
……いや色々見て回ると生活のしやすさがあまりなく、趣味のための家に思えてきた。
「ここは俺が昔使っていたアトリエだ」
「アトリエ……」
「ここには台所もあって生活ができる。神高とも病院とも近い上にある程度の自然にかこまれているから雷夜が高校生になった時にいいと思った」
「兄さんをここで一人暮らしさせるつもりですか」
「何かあった時のためにハウスヘルパーはつけるつもりだ。それにまだ候補の段階だからまだ決まったわけじゃない」
「……」
「今日はまだ使えるか確認しに来ただけだ。今度は雷夜を連れて来て雷夜に決めさせる」
「私は……反対です。それじゃあ兄さんが仲間はずれというか……なんというか」
「なら怜華も住めばいい」
「それはそうかもだけど……」
「怜華少しこの家で待っててくれ。俺は今からこの家を借りれるように話してくる」
兄さんがここに住むのはメリットが大きい気がする。確かにここは病院も近くてもし救急車を呼んだ時に早く着くし、ストレスは感じにくさそうだ。インターネットだって弱いわけじゃない。
悪くない……悪くないどころかいい。
いや、………どうだろう……?
「怜華、そろそろ行くぞ」
「あっはい。……あの誰と話してたんですか?」
「鳳財閥の人だ。ここは最近鳳財閥が所有する土地となったんだ。俺が使っていた頃は他の小さな会社が所有していたのだがおそらく買収されたのだろう。まあその話はいい。少し前にここに見に来たときに幸之助さんにあって色々と話したんだがどうやら娘さんが俺の作品を高く評価しているらしい。幸之助さんはその作品を譲って欲しいと交渉を求められた」
「それでその対価としてこの家をもらったと?」
「そうだ」
「ねぇ父さん。私がいない時に急に兄さんが体調を崩して病院に連絡出来ない時はどうするの?」
「少し不安はあるが雷夜がこっちに来た時に世話をしたいと申し出た者がいた。俺はそれに頼ろうと考えている」
「その人って私会える?」
「今日もしかしたら会うかもしれないな」
「ふーん」
どんな人なんだろ?私が対応出来ない時に代わりとなってくれるのは助かる。
「初めまして。高校1年風真白夜です。シロって呼んでね」
高校生なの!?