クエスト「20人で助け合い、崩壊したセカイを救え」 作:夜桜家の壁
「はぁ本当にあれはダメだよなぁ」
ホームルームを終えて、皆が帰ろうとしてる中俺は中庭で目を閉じながら反省していた。相手の夢を踏みにじるのは誰だってしちゃダメだと思う。まぁやる必要があるならまだいいけどさ。
「あーなんで俺やらかすんだよ。あの司に何も言えなくさせるレベルって………はぁ」
「あ、いたいた。普通によかったじゃん。ずっとめんどくさいって言ってたくせにさ」
「シロ………何?わざわざ探してたの?」
「まぁ私というより」
「わたしだよ。入学おめでとう雷夜くん。友達できた?」
探しに来ていたのは茜の方だった。シロが俺を探す理由なんてないし当たり前と言えば当たり前なんだけど。
「友達はまぁいる………かな?というかやっぱり最近少し柔らかくなった気がするけど気のせい?」
「気のせいじゃないかもね。流石にもう2年くらいの関係だし、初めて会った時ぐらいはピリピリしてないよ。それよりも………いるかな?ってなんで疑問系なの?流石に今日仲良くなって喧嘩とかしてないよね?」
………どうしよう。茜ってすこし心配性というか普段関わらないから結構お節介というか………すごく優しいんだけど対応が大変というかで少しなんか申し訳なくなる。まぁズバっと言うと面倒だ。
「………なんか余計なお世話とか考えてない?」
「いやだってさ、元々友達だった人が同じクラスにいるから自分でも曖昧なんだよ」
「じゃあその子と喧嘩したんだ」
「なんでそうなるのさ」
「だって独り言が喧嘩したって教えてくれてるじゃん?」
どうやら俺が気づいてなかっただけで俺の独り言を2人とも聞いていたらしい。独り言は言うもんじゃないね。独り言聞かれるとよく茜の目が怖く感じるし。
「茜の言うとおり喧嘩したけど後でちゃんと謝るよ。だから安心して、別にこの喧嘩がストレスとなって体調崩したりはしないからさ」
「ならいいけど仲直り出来る?独り言の内容的に結構大変な事になってない?」
ちなみにだが見てわかるかもしれないが茜は俺の知り合いの中ではかなりの過保護に当たる。茜の親が主治医だということ、普段練習の時はお互い練習に集中してるしで茜と雑談の回数が少ないのが合わさり、たまにの雑談ではよく過保護になっているのだ。
「まぁ司だし、ちゃんと言えば許してくれるよ。それに俺耳がいいからわかる事なんだけどさ、司がどっかで俺のこと探してるみたいだし多分大丈夫。多分意識すればよく聞こえて来るよ」
「あー本当だ」
「え?わたし聞こえてないよ?」
最初に反応したのはシロ。まぁ司の声知ってるもんな。
「ふむ、もしやもう帰ってしまったのだろか?いや中庭にいるではないか‼︎おーい、雷夜ー‼︎」
「司声でかいよ、もう少し静かにしなよ」
「それはすまなかった。しかしすでに帰っているのかと思ったが………中庭か、思ったよりもシンプルに近いところにいたな。まるで灯台下暗しだな」
「それよりも司はなんでまた俺探してたの?」
謝るの明日でいいかと思ってたんだけどこれは今日やるべきだな。
「今日の事をちゃんと伝えなければと思ってな。まず雷夜は人の話はちゃんと最後まで聞くべきだ。でないと今日みたいになるぞ。それで本題なんだが………勝負は別の事で行わないか?オーディションのための練習はかなり幼い頃から俺は行っているのもあって俺に有利過ぎる」
「そんな事なの?話したいのってさ、俺に他の事で怒りに来たんじゃないの?」
「そうだな……俺はオーディションを勝負とする事は別に構わない。俺が目指すのは遥遠くにあるスターの座なのだ。こんな前提条件のようなもので競うのはお前がいいなら構わない。もしよっぽどの自信のあるようなら、このままの勝負で受けてたとう‼︎」
司はものすごく明るい光そのものだと俺は思う。
明るくて元気なうるさいやつ。そうゆう風に感じてたけど、実際に励まされる側に回るとこんなに話してて楽しいって感情に溢れるのは司の力があるからだ。実際の司は希望の星みたいなんだ。
「───ふふ、雷夜もう負けてるんじゃない?」
「茜もやっぱりそう思うよね。私も雷夜はもう勝負する前に負けてると思うよ。まぁ雷夜、これに関しては相手が悪いね」
この話を聞くことに専念していた2人が話に入ってきた。
「やっぱりそうだよな。だってもうこんなんスターじゃなかったらなんだって言うんだ。負けたよ、1日で勝負がつくとは思わなかったから少し悔しいが、完敗だ」
「ちょ、ちょっとまて‼︎何故俺が勝っているのだ⁉︎まだオーディションの一つも受けてないぞ‼︎」
「それ────聞きたい?」
普通にその話していいものなのか………恥ずかしいのもあるけど慢心とかしない……よな?
「よし、雷夜。ちゃんと解説しちゃえ‼︎」
「あ、茜⁉︎なんか楽しくなってない?でもまぁ司聞きたそうだし、ちょっと真面目な話するぞ」
「お、おう。存分に話してくれ」
深呼吸を挟み、言いたい事を軽くまとめる。
「───ふぅ。まず俺が負けたと感じた理由。これは司の人間性というかまぁ適性みたいな話。結構簡単な判断だけど相手の事をリスペクトする事ができ、尚且つ自分磨きにも怠らない。それに自分への自信があるのは無いよりはある方が絶対にいいからな。こういった事を含めて考えると、司はすでにオーディションで受かっててもおかしく無いと思ったからだ」
「長いから本当に端折って解説すると、ゴール地点のオーディションに受かる。このレベルはもう越してるんじゃ無いかって事でゲームが始まった時点でもう司くんは勝っていたって事かな」
「な、なるほど。しかしいいのか?そのレベルだと認めているのはわかったが、実際にはオーディションに受かっていない。雷夜のもつパフォーマンスの才能などで実際にオーディションに受かるのは雷夜が先かもしれないんだぞ?」
やっぱり恥ずかしい理由言わないとダメかぁ。
「いいか、もらえるものはなんでも貰っとけ。いいか、俺はすでにお前のファンなんだ。素直にかっこいいって思ったよ。多分2人も同じだと思う。だからその、俺の中で司はもうスターなんだよ」
「────雷夜、お前すごいいいやつだな。今まで俺の知り合いはみんなスターになれると言ってくれた事はあったが、ここまてストレートにスターだと言ったのは初めてだ」
少し話が続かずに気まずい雰囲気になっていく。しかしそれは察知して茜が声を出した。
「………なんかオチのない話だね。1人は恥ずかしくて使い物にならないし、1人は嬉しくて使い物にならないしで話が続かないよ。よし、そろそろ帰ろうか。私達この後用事があるし、司くんまたね」
「雷夜、帰りに買い物してくからね」
「ああわかった。それじゃあ司またな明日」
「あぁ、また明日」
帰ったら入学祝いとして慎英さんからお肉をもらったので少し季節はずれの鍋を、食べました。