コミュ力おばけと幼馴染(♀)がイチャコラするだけの話   作:百合好きの獣

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感想・高評価ありがとうございます。
また、誤字報告もいつもありがとうございます。同じような誤字ばっかしてるので全く成長しませんね。見捨てないで。

さて今回はいっぱい見直しをしたので誤字は無いでしょう。自信ありますよ。
もし誤字報告があればお詫びにR-18版でえちえちなの書いてやりますよ。はい。

※明日投稿する分のやつの予約投稿間違えて投稿してしまったので、一旦削除しました。
お詫びにえっちな話を後日投稿するので許してください……
※一旦削除したくせにまた失敗したのでそのままになってます。コロシテ……


カルテ:坂柳有栖②

 

 

 

 中間テストを超え、じめりとした季節が近づいてきた。

 朝も夜も無く空は灰色模様であることが多くなって来ており、太陽を感じられないのか草木も心なしか元気が無いような気がする。

 しかし安心めされよ。光はここにあり。天白マッサージ店は本日も絶賛営業中。

 

 そんな謳い文句があるわけではないが、天白マッサージ店は中間テスト後は割りと繁盛していた。やはりテストは心も身体も凝り固まってしまうのだろうか。

 

 今日は既に二人に施術を施しており、次が最後の予約客となる。

 

「1年D組、綾小路清隆だ。よろしく頼む」

「……1年A組、天白百合。よろしく」

 

 堀北や櫛田が時折口にしていたが、実際には会ったことがなかった人物との初接触だった。セラピストと客という関係だが、友人の知人という事と、事前にお互いの事はそれぞれ聞かされていたため(特に綾小路は耳が痛くなる位天白の事を聞かされていた。いちいちドヤ顔で説明してくるのだ)、両者緊張感無く友好的に握手を交わす。

 

 実は綾小路は天白マッサージ店の初の男性客である。基本的に女子生徒がメイン客であり、男子生徒については施術内容がハンドマッサージオンリーという事もあって予約も少な――くはない。普通に多いが、それは櫛田と坂柳によって篩いにかけられている。例えば山内と池は予約をしようとすると5年後とか言われる。尚、予約は先着順ではなく一週間分の抽選制となる。

 

 一応男性客ということで、部屋の外にはAクラスきっての武闘派、鬼頭隼がスタンバイしている。彼は先の打ち上げ時のカラオケで、葛城を抑えて男性歌唱力部門一位を獲得した猛者だ。武闘派は時に歌声ですら周囲を魅了する。

 ちなみに女子部門の一位は櫛田がかっさらった。天白? やつは測定不能で集計対象から除外されている。

 

 そんなわけで、天白と綾小路は邂逅を果たした。

 

 握手を交わし、ついでに天白がにぎにぎと軽い触診をしていると、ふいに綾小路が口を開いた。

 

「……なあ、どこかで会った事――いやなんでもないすまなかった聞かなかった事にして許してくれ」

 

 開けたと思った瞬間に閉じた。しかもワンブレスで超早口の謝罪を口にしている。何があった。

 

 この綾小路、堀北にこの天白マッサージ店を紹介してもらい、予約当日となった今日別れ際に『くれぐれも百合に変な真似をしないように』と釘を刺されている。

 それどころか

 

『もし少しでも変な事をしてみなさい。――半分にするわよ』

 

 と脅されている。何を半分にするつもりだ? とは聞けなかった。股座が縮み上がる思いをした。

 そういう事もあり、先程ふいに思ってつい口に出てしまった言葉が『変な真似』に抵触するのではと直感が働いたのである。

 

 尚、綾小路がこのマッサージ店を知ったのは堀北が散々どや顔で自慢しくさったからであり、そんなに良いのかと興味を持ったのが発端である。お前のせいです。あーあ。

 

 一方、天白の方はと言えば

 

「……? まあ、鈴音ちゃんと外で会う事もあるし、それを見たのかも」

 

 綾小路は咄嗟に誤魔化したが普通に聞かれていた。が、特に気にした様子でもない為綾小路はそれに乗っかる事にした。

 

「あ、ああ。多分そうだきっと。悪いな」

「……別に構わない」

 

 どうやらなんとかなったらしい。綾小路の何かは半分にならずに済んだようだ。

 

「…………? …………」

「な、なんか変なとこでもあるのか?」

 

 ふにふに、と天白が綾小路の手を握ったり、腕を押してみたりしている最中に首をかしげていた。そんな様子に「どこか悪いところでもあるのか」とちょっと怖くなってしまった綾小路は、どうしたのかと声を掛けた。

 天白は「んー」と少し上の空のような声を上げた後、じ、と綾小路の目を見て――身長差から上目遣いの形となる――こう言った。

 

「……なんでわざと変な姿勢をしてる?」

 

 

 

 

 

 

 綾小路への施術は無事に終わった。

 施術中にこちらをじっと観察されているような感覚を天白は感じていたが、よほど物珍しかったのだろうか。

 変な姿勢――意識的に姿勢を悪くしているようなのでやんわりと今後の成長に悪いと告げてあげたが、まあ、ああいう感じの「自分の実力を隠している」という設定である人は中学生の時に何人も見てきた。今後も彼を尊重していれば友好的な関係は築けるのではないだろうか。彼は堀北の友人なので――堀北は認めていないが――こちらとしても、仲良くはしておきたい。

 

 ということで、今日の予約分がすべて終わった為これにて店じまいであるのだが、今日に限っては延長戦がある。

 

「……これでよし」

「んんっ……ふぅ。百合さん、いつもありがとうございます」

 

 坂柳の整体である。

 最近では杖をあまり使わなくなったので、足腰のバランスを整える為にこうして定期的に診ているのだ。

 この施術によって、坂柳の足は順調に機能を回復させつつあった。このペースで行けば、二年生になる前に完全に杖なしで歩行することが可能だと学校の嘱託医からの言葉もある。

 焦りは禁物なので無理なトレーニングは行わないが、それでも着実に効果が表れていることに坂柳の機嫌は鰻登りだった。

 にこにこご機嫌な坂柳を可愛らしいなと思いながら、天白は先程の施術中に気になった事を聞いてみた。

 

「……有栖ちゃん」

「はい、なんでしょう」

「……最近(検閲)してる?」

「は……?」

 

 あまりにも爆速ド直球の下ネタ過ぎて坂柳が硬直した。少しはオブラートに包め。

 ちなみに天白の口から迸った下ネタとは、所謂お通じの事である。

 え? “そっち”かって? おや、じゃあ逆に“どっち”があるっていうんだい? 言ってご覧よ。

 

 さて、とんでもないワードが天白の口から飛び出たわけだが、彼女の目は非常に真剣である。親友の健康に関わる事なのだから、当然だ。

 いや、当然か……? その心配はどちらかというと友よりも母の域に達していないだろうか。

 

「……さっき、軽くお腹を触った時張っているような感じがした。もし便秘なら、マッサージする」

 

 石像と化していた坂柳も、天白が真剣な表情をしているのに気づき、石化の状態異常が解除された。

 それでも恥ずかしさはあるようで、顔を赤くしながら先の質問に回答をする。

 蝶よ花よと育てられてきた坂柳にとって、下の話――健康を気遣うものとはいえ――は恥ずかしいものという認識がある。

 小学生の時は大人びていたが故にウ〇コチ〇コで大喜びしていた同級生男子を見て、そういったワードが恥ずかしい物であるといった認識があるのだ。

 

「えぇっと……その、二日目、くらいでしょうか」

「……してないの?」

「は、はい……」

 

 ふむ、と天白は考える。

 便秘は性別に限らず発生する症状ではあるが、女性に多く発生する傾向にある。

 その原因は諸説あり、ホルモンバランスだったり、ストレスだったり、冷えだったり。また、身体の作り的にそうなるのだという説もある。あとは単純に、トイレを我慢しすぎてそれに慣れてしまったりだとか。

 坂柳がこうなってしまった原因だが、おそらくは筋力不足だろうと天白は考えた。元々先天性心疾患によって運動を禁じられていた為、腸を動かす腹筋が不足しているのだ。

 これまでは体力も同様に少なかった為釣り合いが取れていたが、それが運動が出来るようになり、体力がつき、食事量も増えた事でバランスが崩れたのではないか。

 

 これからは運動メニューの腹筋の回数を少し増やそうと天白は決意した。

 

 それはそれとして、なんとかしてあげなければならない。

 便秘とは言い方は悪いが腐った物をずっと身体の中に抱えているような状態だ。放っておけば悪玉菌が増えていき身体全体に悪影響がでる。

 イライラもしやすくなるし、お金と違って貯めても良いことなんて一つもない。

 

 天白は坂柳に水をコップ一杯分飲ませると、診察台に腰浅く腰掛けさせ、足の間に坂柳を挟むように後ろに腰を降ろして陣取った。

 そして坂柳の服(先程まで整体していたので、体操着である)の裾をくるくると巻き上げ、お腹の部分に両手を当てた。

 完全に密着状態なので、坂柳は少しテンパった。なんでテンパる必要があるんですか?

 

「はわわ……!」

 

 はわわじゃないが。

 

「……ちょっと圧迫する。苦しかったら言って」

「はっ、はい!」

 

 ちょっと声が大きくなってしまった。

 天白は気にせず、ぐ、ぐ、と軽く坂柳のお腹を押して触診する。

 手に伝わる感触から大体の症状を察したが「あ~お客さん大分詰まってますねぇ~」などと辱めるような事は流石に言わなかった。坂柳が羞恥で死んでしまうので。

 

 ひととおり触診を終えると、天白はゆっくりと円を描くように坂柳のお腹をさすり始めた。

 

「他人にお腹を撫でられるのは、なんだか不思議な気分がします……」

「……腸もみっていう、エステも存在する。お腹のマッサージは、ダイエット効果もあるし、何よりお通じが良くなるから」

「そ、そうなんですか……?」

 

 そうなのである。

 それ専用のサロンもあるくらいには、メジャーで人気があるのである。

 ぽっこりお腹や便通の改善等、良い効果はいくらでもある。

 腸は内臓の中でも最も長く、そして複雑に折りたたまれている。さらに日本人はねじれ腸と呼ばれる便秘や過敏性腸症候群になりやすい人が多いとされているため、腸活、腸を労る事は大切なのだ。

 セルフマッサージ方法は沢山あるため、便通やぽっこりお腹等でお悩みであれば『腸もみ』で検索してみよう。

 

 さす、さす、と天白の暖かな手が坂柳のお腹を撫でまわす。

 

「ん……ふ……」

 

 ところで、全く関係のない話ではあるが。

 女性にとって腹部は非常に大切な部位である事は説明するまでもないであろう。

 何故なら、そこは命を育む場所であるからだ。

 そして、天白はそこを遠慮なく撫でまわしている。慈しむ様に、優しく、ゆっくりと。

 人によっては、お腹とはそういうスイッチが入りやすい場所にもなるそうだ。

 これは健全なセラピーなので、全く関係ない話なのだが。

 

「………………」

「……ん? 顔赤い。どうしたの?」

「な、なんでも……ありません……」

 

 天白は首をかしげながら、撫でるだけでなく左右に腸を揺らす様にしたり、優しく持ち上げるようにしたりと施術を続けていく。

 そのたびに坂柳は「大切な場所を触られています……」とちょっとイケナイ気持ちになったりするのだ。

 

 十分程ではあるが、天白によって大事な部分(腸の事である)を弄繰り回された事で坂柳はじんわりと額に汗を浮かべていた。施術はどうやら終わりのようだ。

 腸が活発になったのか、コロコロという音がお腹の中で鳴っている気がして顔を赤くする。

 

「……これから毎日お腹やってあげるから、放課後はわたしの部屋に来るように」

「は、はい……」

 

 坂柳は顔を茹蛸のように赤くしながら、弱弱しくうなずくのだった。

 

 その日の夜、お手洗いを済ませた坂柳は非常に身体が軽くなったような気分を味わった。

 

 

 

 

 

 

『……彼女はどうでしたか?』

「正直に言えば、驚いた。まさか一目で見抜かれるとは思わなかったからな」

 

 夜、自室に戻った綾小路は一人の女子生徒と通話をしていた。

 

『ふふ、そうでしょうね。彼女の人の実力を見抜く力は天才と言っても過言は無いのですから』

「骨格や筋肉の付き方から、オレが最近になってわざとそれを歪めるように振舞っていると言われた」

 

 あのアクアマリンの瞳にはすべてを覗かれたような錯覚を感じた。今でもあの目を思い出すと背筋に冷たい物が走る。

 

『それで、彼女はなんと言っていましたか?』

「『理由は聞かないけど、目立ちたくないなら他に方法がある』だと。このままだと、今後の成長に悪影響を及ぼすそうだ」

『……! ふふ、そうですか……』

 

 何が嬉しいのか、通話相手の女子生徒はコロコロと鈴を鳴らすように笑っている。

 

「……契約通り、オレは今後お前達に協力をする」

『その代わり、私は卒業後の貴方の身の安全を保障する』

 

 綾小路が低い声でそう告げると、打てば響くように、通話相手の女子生徒が返す。

 

「その言葉、違えるなよ」

『ええ、もちろん。貴方の力は、私達の計画に必要です』

「なんでもいいけどな。オレが自由になれるなら」

『今なら友人もついて来ますよ? 良かったですね。薔薇の高校生活です』

「その薔薇、棘だらけで近づけないんだが?」

『百合の花に近づき過ぎなければ、刺したりなんてしませんよ』

「ああ、分かった。……それじゃ、なんかあったら――」

 

 綾小路は、そう言って通話を切ろうとして――

 

『あ、それはそれとして今度またチェスで勝負してくださいね。この前は負けましたが今度はそうは――』

 

 通話を切った。ため息が出た。

 




多分ハーメルンに投稿された数多くの作品の中でも便秘やお通じに対してここまで言及してる作品ってここくらいだと思う。


次回は大人気なあの人たちの話を書く予定です。

次の日常回何やる問題

  • 堀北、坂柳、椎名のビブリオガールズトーク
  • 堀北(兄)、南雲の漢祭り
  • きよぽんグループ(外村平田)のオタトーク
  • 漢葛城、その苦悩
  • 幼馴染と部屋でイチャイチャするだけ
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