コミュ力おばけと幼馴染(♀)がイチャコラするだけの話   作:百合好きの獣

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間に合った……!!
ちょっと短いです。

いつも感想、高評価、誤字報告ありがとうございます。

???「誰がメインヒロインなのかを分からせてやりますよ」

※後半ポエムってるので背中が痒くなってしまう方は◇から先は飛ばしてくれな!


カルテ:天白百合①

 

 

 

 期末考査も終わり、夏休みまで残すところあと数日に迫った日。

 Aクラスが誇るアイドルの二人、櫛田と天白は何をしているかというと――。

 

「はい百合。あ~ん」

「……んむ」

 

 ベッタベタにイチャコラしていた。

 櫛田が天白を両足の間に座らせ、ぎゅうと抱きしめる――所謂あすなろ抱きをしながら、天白にお菓子を餌付けしている。

 そう、珍しいことに櫛田『が』天白を甘やかしまくっているのである。

 

「おいしい?」

「……(無言の首肯)」

「ふふ、百合は可愛いね~」

 

 ふわふわのブロンドヘアーを手櫛で梳きながら、櫛田は可愛さに脳をやられてへにょへにょになっている。

 

 さて、なんでこんな事になっているかというとだ。

 

 天白は今日は休養日なのである。

 休養日、なのである。

 

 簡単に説明すると、疲れちゃったのである。

 天白が。

 

 自他共に認める奉仕種族である天白だが、彼女も人間だということだ。

 奉仕によって日々のストレス等は減っても、疲れは流石に取れないのだ。肉体的疲労も奉仕していれば回復してしまえば、それはもうクリーチャーなのである。 

 いや、奉仕でストレスが減るってなんだ……?

 

 天白は疲れてしまうと、スイッチが切れる。

 文字通り、気力・体力ともにゼロになってしまい、充電期間に入る。……やっぱり機械なんじゃないか?

 大体1日もあれば復活するものの、その間は何もしない。マジで何もしない。

 誰かが介護しなければ、一日中横になっている事もあるくらいだ。

 

 そして、この充電期間中――通称、天白チャージタイム中は、櫛田にとってボーナスステージのようなものであった。

 

「あ、口に食べかすついてるよ。……ん、はい。取れた」

「……ん。ありがと」

 

「百合、好きだよ」

「……わたしも、好き」

 

「はい、ちゅー」

「……ん」

 

 おい待て何をしている。

 

 一応言及しておくと、ほっぺちゅーである。なのでセーフである。何に対しての言い訳か分からないが、とにかくセーフである。親しい間柄の女子同士であれば、ふざけてやることもあるだろう。

 この二人はふざけてじゃなくてガチだろって? ……衛兵! つまみだせ!

 

 とまあ、このように天白チャージタイム中は櫛田が割と好き放題する。

 ひたすら甘やかし、ベッタベタにくっつくことで数日分のストレスを癒すのだ。

 ちなみに数日分のストレスというのはこれまでに溜まった負債という意味ではなく、これから抱える事となるストレスを指す。ワクチンかなにか?

 

 櫛田は天白の肩に顎を置き、ふにゃふにゃとした声で彼女との会話を楽しんでいる。

 

「もうすぐ夏休みだねぇ」

「……ん」

「いっぱい想い出作ろうね」

「……ん」

「鈴音と有栖ちゃんも誘って四人で遊びにいこうね」

「……ん」

「でも、二人でもどこかに行こうね」

「……ん」

 

 これは会話と言えるのか……?

 櫛田は満足しているようだが、はたから見ればサボテンに向かって話しかけているのと変わらないのでは……?

 

 櫛田曰く、ほんの少しであるが表情が変化しているそうだ。

 天白は話し方こそのんびりと物静かだが、感情が結構表情に出やすいタイプではあった。それがチャージタイム中は完全に無になり表情筋が仕事をしないのだが、それを見抜けるのは流石の付き合いの長さであるといえる。愛のなせる業だ。

 尚、天白の父親はこの状態の時の天白の感情を見抜くことが出来ない。母と櫛田だけが読み取り可能となっている。哀れ。

 

 ふにゃんふにゃんになった天白を甘やかして櫛田もふにゃんふにゃんになっている。芯がある奴が一人もいない。

 

「百合、好きー♪」

「……桔梗ちゃん、好き」

「大好き~?」

「……ん、大好き」

 

 なのでこのように会話にも芯が無い。頭が茹だっている。付き合いたてのカップルでももうちょっと知性のある会話をするだろう。

 いや、この二人は別に付き合っているわけではないのだが。あくまでも、幼馴染である。

 たとえ周りの人百人に聞いて百人が「あの距離感で付き合って無いのは噓でしょ」と答えていても、本人達に付き合ってる自覚は無いのである。……なんで?

 

「んふ~……」

「……んみゅ」

 

 櫛田は天白の頬をもちもちと弄って遊ぶ事にしたようだ。

 擬音の通り、つきたての餅のように弾力があり、天白の体温が人よりも高めなこともあって触っていて非常に気持ちいいのだ。よくクラスメイトにぷにられていることからもその魅力は高い事が窺える。

 

 両手で押したり、ひっぱったり、つっついてみたり、好き放題感触を楽しむ櫛田だが、ここまでされるがままだった天白がついに動いた。

 

「……はむ」

「ひゃっ」

 

 櫛田の指が口元に来た瞬間、それをぱくりと咥えたのである。

 

「……んむ、ちゅ……ちゅぱ……」

「ふ、ふふ……百合ってば、赤ちゃんみたい……♡」

 

 櫛田は胸がキュンキュンした。この胸のときめきを、櫛田は『母性』と名前をつけた。多分違う。

 

「んちゅ……む……ぇろ……」

「……んっ♡ ……あれ?」

 

 天白は現在何も考えていない。口元に何かが近づいたのでしゃぶりついただけである。本能で動く獣。それが現在の天白だ。

 ぬめりとした暖かくて柔らかい天白の舌が櫛田の指を絡めとり、櫛田は思わず甘い声を漏らした。

 

「……ちゅ……ん……じゅる……ん……」

「んぅっ♡ え……? な、なんでこんな……」

 

 天白の舌が別の生き物のように複雑に動き回り、櫛田の指を丹念に舐め回す。

 指の腹、先、節の部分と、縦横無尽に舌が這い回っては櫛田に謎の『気持ちよさ』が襲いかかる。

 

「ちょ、ちょっとまって……ひうっ♡」

 

 待たない。

 天白百合は待たない。

 そもそもこいつは何も考えていない。

 口元に何かが近づいたのでしゃぶりつき、そうしていたら櫛田の気持ちよさそうな声が聞こえてきたので反射的にそれを続けているだけである。

 例え無意識であろうと、櫛田が悦ぶ事をやめない。

 対櫛田用ナチュラルボーン・サキュバス。それが天白百合という女だった。

 

「あっ、ちょっと……ほんとに、これ、やば……♡」

「じゅる……ちゅ……んー……?」

「カワイッ……じゃなくて……っ。これで……飛んじゃうのは、さすがにっ……♡」

 

 指を舐められているだけなのに、相手が天白というだけでどんどんと気分が高まっていく。

 このままではまずい。耳だけでなく指でも達してしまうのは、もう女の子として色々と取り返しがつかなくなってしまうのではないかという焦りがあった。

 ちなみにもう手遅れである。

 

「……はぁーむっ♡」

「ひゃぁっ!?♡」

 

 不意に、天白が櫛田の細い白魚のような指を深く咥えた。

 そして口をすぼめるように強く吸い付き、指の間にちろちろと舌を動かして刺激していく。

 

 一般に、指と指の間というのは皮膚が薄く、刺激を感じやすい。自分の指を撫でてみれば分かることなのだが、そこが一番くすぐったく感じるだろう。

 つまり、そういうことである。

 

(あ、これ、まず……! イっ――)

 

 ぴた、と。

 櫛田が達しかけた瞬間、天白が動きを止めた。

 

「……ふぇ? え……?」

 

 何が起きた、と見てみれば、なんと天白はすやすやと寝息を立ててしまっていた。

 さすがの彼女と言えど、完全に意識が落ちてしまえば奉仕は出来ないらしい。櫛田は指でイかされる(しかも無意識の相手に)という脅威から命拾いをしたということだ。

 

「………………もう」

 

 だが不完全燃焼なのは変わらない。少し悶々とした気持ちを抱えながら、起こさないようにそっと天白の口から指を引き抜いた。

 

 ぬら……と唾液でてかりの増した指がいやらしく照明を反射している。

 

「………………ごくり」

 

 何をする気だ貴様。

 

「はっ! だめだめ。流石にそれは……変態過ぎる……」

 

 何をする気だったかは知らないが、櫛田は思いとどまったらしい。少し後ろ髪を引かれるような表情をしながらも、めいっぱい片手を伸ばして手に取ったティッシュで指についた唾液を拭き取った。

 

「……はぁ、もう。起きたら、いっぱい気持ちよくしてもらうんだからね」

 

 櫛田は天白と共にベッドへと横になり、彼女を胸に抱いて目を閉じたのだった。

 

 

 

 

 

 

 天白百合がその感情を自覚したのは、幼少期――小学三年生の事だった。

 

 彼女はなんでも出来た。

 勉強も、運動も、そして友達の数も。なんだって一番だった。

 

 対して自分は要領も良くなくて、どれもこれもが平均くらい。

 誰かの良いところを見つけるのは好きでも、自分には良い所が見つからなかった。

 

 なのに彼女は、こんな自分を幼馴染だからといって手を取って暖かい場所へ連れてってくれる。隣に居させてくれる。

 天白にとって、彼女は太陽の様な女の子だった。

 

 だから、天白が彼女の力になりたい、支えとなりたいと思うのは当然のことだった。

 

 転機が訪れたのは、高学年になるという頃だ。

 天白の中ではいつだって一番凄いのが彼女だったのだが、勉強や運動等、色々な部分で彼女は勝てなくなっていった。

 その代わりに、友達をたくさん作って、良い人であろうとしていた。

 それは凄いことだと思った。嫌な事を言われても、ひまわりみたいにぱっと笑顔を咲かせて接し続けようとするのは、とても難しい事だから。

 

 しかし、彼女はたまに苦しい表情をするようになっていた。

 天白しか知らないその表情は、特別に思われているようで少しばかりの優越感を抱いたけれど。それでも、彼女に苦しい気持ちになってほしくはなかった。

 

 だから、自分に出来る全てをもって彼女を支えようと決心した。

 

 身につけたマッサージやエステの技術は、彼女に笑顔を取り戻させてくれた。

 彼女の役に立てたみたいで、嬉しかった。

 一緒に一番になろうと言われて、天にも登る気持ちだった。

 

 

――桔梗ちゃん。

 

 世界で一番凄くて可愛い女の子。

 

 ずっとずっと、一緒に居させてね?

 

 わたしは、あなたのことが

 

 大大大、だーい好き、です。――

 

 

 

 

「……ききょ……ちゃ……」

「ん……? どうしたの……?」

「すき……ずっと……いっしょ……に……」

「私もだよ。……ずっとずっと、一緒に居ようね。百合」

 

 

 

 

 

 

 

 ちなみに。

 この後櫛田もぐっすりと寝入ってしまい、天白を抱き枕のようにして胸に顔を押し付けていた。

 後に天白はこう語る。

 

「おっぱいに殺されるかと思った」

 

 

 




前回の『予約投稿は二度間違える』事件がショックすぎて消し飛んでしまったので、天白のOAAをもう一度のっけておきます。

天白百合
1年A組
学力 C(56)
身体能力 C(50)
機転思考力 B(70)
社会貢献性 A+(97)
総合力 B(68)

ちなみにこいつらはなんで付き合ってないのかというと、そういう事を口にしていないだけで実質恋人みたいな関係性です。お互いがお互いから離れられない。
共依存は素晴らしいでおじゃるな……!

次の日常回何やる問題

  • 堀北、坂柳、椎名のビブリオガールズトーク
  • 堀北(兄)、南雲の漢祭り
  • きよぽんグループ(外村平田)のオタトーク
  • 漢葛城、その苦悩
  • 幼馴染と部屋でイチャイチャするだけ
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