コミュ力おばけと幼馴染(♀)がイチャコラするだけの話   作:百合好きの獣

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最近死者を量産しすぎていたので、原点に戻ってやっとマッサージできました。
専門書買おうかしら……。

今回の犠牲者はコイツだぁ!!

※感想、ここすき、高評価、お気に入りいつもありがとうございます。

時系列としては、アダルトストーリーズ①の後くらい。船上試験前。


カルテ:星之宮知恵

 

 

 

 年を取ると、身体の不調が多くなってくる。

 筋肉が固くなる、運動能力の低下、節々の痛み、冷え性、むくみ、エトセトラエトセトラ……。

 

 この年というのは四十歳、五十歳というレベルではなく、それこそ二十歳を超えた頃から感じ始めるようになってくる。

 聞いたことはないだろうか? 大学に入学し、お酒も飲めるようになって『大人になった』事を実感した頃に、先輩方の2~4年生から「若いなぁ~」と自らを指しながら漏らす声を。

 あれは何も「自分はあなたよりも大人ですけど?」というマウントを取りに来ているわけではなく、実際に新入生からフレッシュさを感じてしまってつい零してしまったという事も含まれている。

 君も中学、高校、大学、社会人とステップアップした時に、自分より一つ下のステップに入ってきた者を見た時にそれを感じられるだろう。え、嘘……あの制服に袖を通していたのは十年以上前……? そんな……。

 

 話が逸れた。

 

 年を感じる――身体の不調を感じるようになるのは、たとえ二十代後半というまだまだ『若い』部類でも十分に感じられるということだ。

 

 そう、星之宮知恵は今まさに、年を感じていた。

 

「うそ……[検閲]キロも増えてる……」

 

 教員用の寮、その自室で風呂上りに体重計に乗った星之宮は、そこに表示された数字にわなわなと慄き震えていた。

 

「なんで……? 最近そんなに食べすぎたりなんか……してないはず……」

 

 星之宮はつい最近の出来事を振り返る。

 

 最近は、過去の蟠りが雲散霧消したこともあり、かつての同級生たち――茶柱や真嶋とよく飲み会に行くようになっていた。

 だからだろうか? いや、その飲み会でもビール等のプリン体が多く含まれるアルコール類は控え、ホッピーやサワー系をメインにしているため違うだろう(希望的観測)

 だとすれば……と星之宮は顔を青ざめた。

 

「まさか……年だから……?」

 

 それしかない、と星之宮は思った。

 飲み会でフライドポテト等の揚げ物を好んでパクパク平らげ、毎日のように晩酌を行っている事はきっと関係がない。そうに違いない。もしそうなら制限しなければいけないが、きっと違うのだから大丈夫。

 

「……痩せなきゃ」

 

 星之宮は固く決心した。

 これから毎日、少しでも運動しよう。

 そして食事も気を使って、脂っこいものは控え――たまに摂取する以外は我慢しよう、と。

 

 こうして、星之宮のダイエット計画が――

 

「うええええええん!! 佐枝ちゃあああああああん!!!」

「どうした急に」

「びえええええええ!!! びええええええええん!!」

「ふむ……最近ちょっと太ったからダイエットを始めてみたものの、悉く失敗したと……」

 

 なんで会話が成立してるんですか??

 

 星之宮のダイエットは上手くいかなかった。

 忙しい中でも時間を作って運動したり、昼食も糖質制限でご飯の代わりに豆腐を食べたりと努力はしていた。

 しかし、効果が表れないのだ。

 

 一、二週間で劇的に痩せる! とは流石に星之宮も思っていない。

 だが、たった数百グラムでも下がると思っていたが、むしろ結果はゆるやかに増加していくという恐ろしい事態になっていた。

 

「ぐす……えぐ……どうしよう佐枝ちゃぁああん……もう私、ぶくぶく太っちゃうのかなぁ……!? 年には勝てないのかなぁ……!?」

 

 星之宮は涙目だ。

 茶柱としては腹を抱えて笑ってやりたいところだったが、同性かつ同じ年齢ともあれば明日は我が身である。

 最近ちょっと授業中につま先立ちしたり運動量をこっそり増やしている茶柱は、泣き崩れる星之宮の肩にそっと手を置き、慈愛に満ちた表情でこう言った。

 

「知恵……私に任せろ」

「佐枝……ちゃん……」

 

 茶柱は力強く頷くと、携帯端末でとある人物に通話をかけた

 

「……ああ、私だ。茶柱だ。すまないな、突然。悪いんだが――」

 

 

 

 

 

 

 

「お、お邪魔します……」

「……いらっしゃい、知恵ちゃんせんせー」

 

 茶柱が電話をかけてから1時間後、どや顔で「お前の悩みを解決してくれるやつに渡りをつけた」と豪語した茶柱の言葉に従ってみれば、案内された先にはまさかの教え子。

 あの女郎、自信満々にどや顔晒しておいて教え子に押し付けやがった。

 

「……それで、茶柱せんせーからは、痩せたいと聞いてますけど」

「ご、ごめんね……私、先生なのに……」

 

 自分より一回り下の――更に、担任ではないとはいえ教え子に『痩せるにはどうすれば』というプライベート以外の何者でもない相談を持ちかける羽目になり、星之宮はもう恥ずかしいやら情けないやらで縮こまってしまう。

 この恨みはらさでおくべきかと、過去の遺恨が再び芽生えかけはしたが、茶柱は恐ろしい事に善意でやっているのだから始末に負えない。ダイエットに成功したら潰れるまで飲ませてやる、と密かに復讐を誓うだけにとどめた。

 

「……参考までに、今までどんなダイエット方法をしてました?」

「えっと……」

 

 ここまでお膳立てされてしまったのだ。星之宮はもうヤケだとばかりに開き直ることにした。

 ダイエット――美容に関して、確かに天白以上の適任は居ないのは確かだからだ。それは彼女と親しい女子生徒が尽く素晴らしいプロポーションを誇っている事が証拠となっている。体型という点では坂柳は例外かもしれないが、彼女も元々抜群に優れていた容姿が更に美しくなっているのだから。

 マッサージ、エステ等のセラピーを彼女たちに施しているという事は、この学校に携わる者であれば誰もが知っている事であろう。

 言葉は悪いが、Aクラスでマッサージ店を開業したことによってそのお零れを与れる生徒が増え、高度育成高等学校の美人指数はみるみるうちに上昇の一途を辿っている。

 

 閑話休題。

 

 星之宮がこれまで行った運動や糖質制限などを話し、それに天白がちょこちょこと詳細をつっつくような質問を重ねていき、問診が一段落した。

 

「……知恵ちゃんせんせ、ちょっと立ってもらっていいですか」

「え? うん……」

 

 ある程度話を聞いた天白は、星之宮に起立するよう促した。

 星之宮は言われるがまま、ベッドに腰掛けていた体勢から立ち上がる。

 今更だが、天白の「知恵ちゃん先生」呼びはある程度交流を取った後に星之宮からそう呼ぶように言われたためである。天白は普段からちょこちょこと1年生教諭陣と交流をしているので。

 

「……そのまま、膝を曲げないで、指先を床につけてみて下さい」

「う、うん……」

 

 続いて天白が指示をしたのは、いわゆる前屈。

 それがどうダイエットに関係するのだろうと、星之宮は懐疑的ではあったが、まあ彼女が必要というならそうなのだろうと前屈をするため、上体を一度引き――引いたところで、天白がやんわりと注意をした。

 

「……あ、出来るとこまでで丈夫です。無理にやると、膝裏とかが痛くなっちゃうので」

「むっ、大丈夫よ! これでも私、学生の頃は運動でもブイブイ言わせてたんだから!」

 

 天白が待ったをかけると、星之宮は「心外です!」とばかりに唇を尖らせた。言葉のチョイスがもう古い。諦めろ、星之宮。

 それでも忠告には素直にしたがって、ゆっくりと上体を前に倒し――

 

「あ、あれ……?」

 

 指先が全くつかない。おしいどころの騒ぎではなく、膝の半分程度しか倒れない。

 

「う、嘘……学生の頃はぺたって床に指をつけられて……ふぬぬぬぬぬぅ……!」

 

 星之宮は必死に力み、なんとか指を床につけようと奮闘するが、悲しい事に身体のどこかが引っかかっているように指先が一ミリたりとも前に進まない。

 一分ほど格闘してみたものの、うんともすんとも言わない身体に、星之宮は息を荒くしながらようやくギブアップをした。

 

「ふ……ふふ……私がおばさんになっても泳ぎに連れてくの……」

「……? 知恵ちゃんせんせーは、おばさんじゃない」

 

 悔し涙を流しながらなにやら口ずさむ星之宮に、天白は首を傾げた。

 選曲が古すぎる*1。世代も違うのでこれは完全に星之宮の趣味なのだろうが。そういうところだぞ。

 

「……じゃあ、次は――」

 

 天白は、星之宮の前屈が上手く行かないことは想定していたようで、結果について言及すること無く次の工程に入ろうとした。

 

「……腕を後ろにまわして、背中で触れ合わせる――こんな感じで」

 

 そう言って天白は、右手を上から、左手を下から背中に回し、両手の指を触れ合わせた。

 くるりと回ってそれを見せると「……出来ますか?」と問いかける。

 

「だ、大丈夫よ! それなら大学の時にヨガ体験して出来たし……よ、よゆう……よね?」

 

 星之宮は「できらぁ!」と強がってみたが、すぐに自信が無くなってしまった。言葉尻がへにょへにょになっている。弱い。

 

「ふんっ……! むむむむむぅ~……!」

 

 案の定ではあるが、やはり背中で腕はくっつけられない。せいぜいが肩と腰に指先が触れるのみである。肘を曲げたのと何が違うんだ……?

 星之宮はそれから少しの間力んで頑張っていたが、やはりだめなようですとんと肩を落として落ち込んでいた。

 尚、背中に腕を回すという姿勢の関係上、豊かなバストがばっちり強調される形になっていたので天白がガン見していたが、幸いなことに星之宮は必死だった為気づいていない。こいつ……!

 

「……知恵ちゃんせんせーの努力が報われない原因は、大体わかりました」

「えっ、今ので……?」

 

 星之宮としては自分の身体の硬さをまざまざと認識させられたようにしか思えなかったのだが、どうやら天白は何かを見抜いていたらしい。

 何に使うのかは分からないが、部屋に置いてあったホワイトボードをガラガラと引いて星之宮の前に置くと、そこにぺたりと人体図の書かれた絵を貼った。

 

「……知恵ちゃんせんせーの身体は、リンパが滞ってる」

「リン、パ……?」

 

 説明しよう!!

 人間の身体は、心臓から動脈を通って酸素や栄養素が体中に運ばれるように作られている。それらを運ぶのは細胞の役割で、その酸素や栄養素を使って脂肪の燃焼や傷の修復や体力の回復が行われているわけだ。

 そして細胞は役割を終えたあと、二酸化炭素や老廃物を細胞の間にある組織液へぺっと吐き出すのだ。吐き出した老廃物等は毛細血管が回収し、静脈を通って心臓へと戻る。

 

 リンパとは、その静脈で回収できない大きな老廃物や栄養素を回収する為の器官の総称である。

 リンパは

 ①血管にそった形で張り巡らされている「リンパ管」

 ②リンパ管に流れている「リンパ液」

 ③老廃物や細菌など有害物質を取り除くフィルターのような「リンパ節」

 これらを総称してリンパと呼ばれる。

 

 けして身体をまさぐるための方便として使われる言語ではないのだ。*2

 

 血液は心臓のポンプ機能によって全身を巡るが、リンパにはその機能が無いため流れるスピードが遅い。なので、老廃物が多く溜まってしまうとどんどん流れが悪くなってしまう。

 星之宮は教職という職業柄立ちっぱなしや座りっぱなしが多く、リンパ液の流れが悪くなり老廃物を溜めやすくなっている。

 この滞りは単純に運動すれば流れが良くなるというわけではなく、きちんと理解した上で詰まりを解消しなければならないのだ。

 先程天白が星之宮にやらせた前屈などは、その滞りを確認する為の作業だったわけだ。

 リンパが滞っている――リンパ節の詰まりが多いと、その周辺の筋肉や関節が硬くなってしまうので。

 

 というような事を、天白は人体図やホワイトボードに書き出した絵を持って図解解説をした。

 

「……なので、これから知恵ちゃんせんせーのリンパの流れを良くします」

「な、なるほどぉ~……」

 

 いつの間に着替えたのか、天白はなぜか白衣を来ており伊達メガネをかけていた。身長が小さすぎてコスプレにしかみえない。そもそも医者でもなんでもなくセラピストなのだから、白衣を着る必要性は全く無かった。

 星之宮も、いつの間にか教え子から物事を教えられているという事態に気づかず、素直に関心をしていた。それでいいのか養護教諭。

 

「……温まった方が効果が高いので、まずはシャワーで身体を温めて来てください。着替えは来客用のやつがあるので、それを」

「はーい」

 

 ダイエットが上手くいかない理由が加齢ではなかった事に星之宮はやや上機嫌で促されるまま併設されているシャワー室へと向かっていった。

 尚、リンパが滞る……流れが悪くなる原因は同じ姿勢を取り続けたり運動不足等ではあるが、そもそも老廃物が増える原因は普段の食生活や加齢も十分に関係ある事を追記しておく。

 

 十分程で、星之宮はシャワーから上がってきた。

 既に用意されていた、来客用のシャツと短パンを身にまとっている。

 

 天白に促されるまま施術台に腰掛けた星之宮を見て、天白はおや? と首を傾げた。

 

「……? 知恵ちゃんせんせー、ブラつけてる?」

「え? うん、一回脱いだやつだけど、帰ったらまたお風呂入るから……」

「……ダメ、ですっ」

「うひゃぁっ!?」

 

 天白は素早く近づくと、片手を裾口に突っ込み、ワンハンドでブラのホックを外してするりと抜き出した。

 この間約三秒。天下の大泥棒の三代目も真っ青の早業であった。

 

「なんでブラ取るの!?」

「……身体を締め付けるから、マッサージの効果が薄くなるので」

「そ、それにしたって……なんというか、手慣れてない……?」

「……日頃から、機会があったので」

 

 どんな機会だ。*3

 余談ではあるが、ブラホック外しの世界記録は1分間に91個(人)*4である。一人当たり0.66秒。その技術が活かされる事は果たしてあるのだろうか。

 

 抜き取った、あるいは抜き盗った淡いピンク色のブラを施術台の下にある脱衣カゴに畳んでから放り込み、いよいよ施術が始まる。

 

「……定期的にマッサージを受けるのが一番いいですけど、予約とかもあって難しいと思うので、セルフケアの方法も合わせて教えます」

「わ、分かった……」

 

 ブラが光速で抜き去られた事はなんとも納得が行かないが、その理由が理由だったためひとまずは大人しくする事に決めた星之宮。

 その彼女の正面に立った天白は、両手をグーの形にし、星之宮の首のぴとりと当てた。

 

「ひゃんっ……♡」

「……リンパの流れを良くするには、リンパ節の詰まりを解消するのが一番。でも身体には800個以上もリンパ節があるので、ポイントを絞ってやるのがいいです」

 

 なんだか星之宮が変な声を上げた気がするが、誰にやっても大体いつもこうなので天白はスルーした。もっと異常を自覚しろ。

 

「……リンパ液は鎖骨周りに集まって、静脈に流れるので、最初にここを刺激します」

「んっ……♡ くぅ……♡」

 

 ぐいぐいと首の前側が圧迫され、あごの下、首の中央、首の付け根と上から下に圧がかかっていく。

 ところでなんで声を上げているんですか??

 

「……こーやって、首の上から」

「あっ……♡ あぁ……♡」

 

「……鎖骨をすーって」

「ふぁあ……っ♡」

 

「……んしょ、ぐり、ぐり」

「あっ♡ あっ♡」

 

 先程天白が言ったように、リンパ管を通って流れるリンパ液は全身を巡り、鎖骨へと流れる。

 そのため、全体的に詰まりがみられる場合は出口に近いところから解消してやるのが効率が良いとされている。リンパ液は心臓に向かって流れているので、心臓に近い場所から滞りを取っていけば流れやすくなるのだ。

 ただし、全ての場所をほぐしてやるというのは非常に時間がかかり、手間である。

 なので、リンパ管が必ず経由するポイントを抑えていれば、短時間かつ効率的に効果が期待でき、そのポイントを「やせスイッチ」と呼ぶ。

 そしてそのやせスイッチは――

 

「……じゃあ、あと8箇所。やりますね♪」

「……ふぇ?」

 

 9つあるのだ。

 

 この後めちゃくちゃリンパをリンパされた。

 

 

 

 

 

 後日談。

 

「ぷはーっ! おいしー!」

「おい知恵……お前ようやく痩せたって言ったばかりだろう……」

 

 いつだかに真嶋、星之宮、茶柱の三人で訪れた、学校にほど近い居酒屋。

 「ダイエット成功したのよ!」と上機嫌な星之宮に誘われ、茶柱と二人で小さな祝勝会を行っていた。

 今回は男性陣はお休みである。なにせ、男としては触れづらい話題の祝勝会であるので。

 余談だが、一年生教師陣の集まりはちょこちょこ開かれている。なんとあの坂上も稀に参加するのだ。これまでは一応形式として誘ってはいたが毎回やんわりと断られていたので驚きである。原因は分からない。参加するようになったのは夏休み船上試験後なので、何か心境の変化でもあったのだろうか。

 言わずもがな、やつのせい(おかげ?)である。

 

 提供された酒を一息に飲み干す星之宮に、茶柱も苦笑しながら心配をするが、星之宮は「だいじょーぶよぉ~」とほんのり赤くなった顔で豪語する。

 

「今日はチートデイだから!」

「あぁ……好きな物を食べられる日か……」

 

 食事制限中はどうしても食べたいものを食べられずストレスが貯まる。

 それに制限でカロリーの摂取を控えるため、基礎代謝も落ちてしまうのだ。

 上手にダイエットをするために、たまには好きなものを食べる日を作る事はけして悪いことではない。チート、すなわちズルをする日ではあるが、効率的なのだ。無理なダイエットは厳禁である。

 

 言うまでもないが、やりすぎには注意だ。

 

「最近お豆腐ばっかり食べてたから、味が濃いもの食べたくなっちゃって……あ、すみませーん。ホッピーの中おかわりと、あとポテトフライとからあげ――」

「……糖質制限は効果が出やすいがその分リバウンドが激しいぞ」

「…………揚げ豆腐なら、セーフかしら……」

 

 案の定調子に乗っていたのでちくりと刺してみれば、途端に冷や汗をかきだした。

 

「はぁ……まあいい。それで、その様子ならどうやら天白を紹介したのは正解だったようだな」

「そうなの~!♪ 色々教えてもらっちゃって、助か――あれ……? 私、教師で……生徒に……?」

「おっと。まああれだ、私も同じ女だからな。悩む気持ちはよく分かる。これでもスタイル維持には結構気を使っているんだ」

 

 生徒に色々と施されているという異常に、星之宮は危うく正気を取り戻しかけたが、茶柱がすかさず話題をすり替えてフォローする。

 この茶柱、もはや常連となった天白セラピーに同じ教師から仲間を増やそうとしている。ストッキングを日常的に着用しているせいか、むくみも辛く、スタイル維持の為にこれからも生徒経営のマッサージ店に通う気まんまんな為。最低すぎる。

 良いものをシェアしようという、善意では、あるのだが。生徒にマッサージされる教師という倫理的な問題は、さておくとして。

 

「あっ、だから佐枝ちゃんもしょっちゅう予約してるんだ……」

「ああ。倍率が高いから競争は激しいが、定期的に受ける価値は大いにある」

 

 怪我の治療と違い、スタイル維持は一発で効果が完璧に出るわけではなく、また効果発揮後も継続的に受けなければならない。

 学生の内はいいが、茶柱や星之宮のような大人は運動不足に成りやすく、時間を取ることも難しい。

 実を言うと、天白マッサージ店の学生のリピート率というのはそこまで高いものではない。大体が夏前などのスポットや、口コミが爆速で広まっている為新規の流入が多い事で客足が途絶えていないだけであり、同じ生徒が短い期間でもう一度受けるというのは稀なのだ。

 で、対して大人達――茶柱や、何故か広まっている他の女性教諭、女性職員等が主なリピート客であり、太口のお客様である。平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げますなのだ。

 

「へぇ~……じゃあ、私も今度相談されたら紹介してあげよっかな~」

「そうするといい。天白達も、顧客が増えて喜ぶと思うぞ」

 

 こうして、妖怪ほぐしスパイラルに大人達はハマっていくのだ。

 ところで、あなた達別クラス担任でしたよね? 敵に塩を送っていいんですか……?

 

 後日、案の定減った体重がもとに戻りかけており、マッサージ店の予約に必死になる星之宮の姿があったとかなかったとか。

 

*1
何故か見た目がおばさんにならない

*2
お客さん、リンパが凝ってますねぇ~

*3
幼馴染&ベストフレンズ

*4
2013年10月時点




せんせー達の中では星之宮せんせーが一番好き。次に漢・真嶋せんせー。

・星之宮知恵
加齢に悩むお年頃。尚、体重増加の原因は運動不足の模様。無事妖怪ほぐしスパイラルに囚われた。食事制限はするが頑なに飲酒制限はしようとしない。そういうところだぞ。

・茶柱佐枝
この後無事飲み潰された。

次回はもう1回くらい日常回やってからペーパーシャッフルに移ります。尚ダイジェスト。
そのため、日常回のアンケート取ってます。選ばれなかったやつもおりを見てどこかで挟むつもりですが

4月5月は死ぬほど忙しくなるので、できれば3月中にあと少しは進めたいところ。

次の日常回何やる問題

  • 堀北、坂柳、椎名のビブリオガールズトーク
  • 堀北(兄)、南雲の漢祭り
  • きよぽんグループ(外村平田)のオタトーク
  • 漢葛城、その苦悩
  • 幼馴染と部屋でイチャイチャするだけ
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