コミュ力おばけと幼馴染(♀)がイチャコラするだけの話 作:百合好きの獣
今後は週1くらいで投稿できると……いいナ!
※感想、高評価、ここすき、お気に入りありがとうございます。定期的に1話からもらった感想見返してにやにやしてます。
クリスマスパーティが行われる前。
天白は親友達に送るクリスマスプレゼントを選ぶ為、一人でケヤキモールをぶらついていた。
数々の妨害――主に、偶然出会ったクラスメートたちによる餌付け――を潜り抜け、口元の食べかすをティッシュでふき取りながらも調査を続けていたところ、文房具店でいい感じの万年筆を見つけ、第一候補としながらも他にも見ていこうと立ち寄った家電ショップ。
時期もあり、普段よりすこしだけ客足の多い店の中をうろついていると、とある商品が目に入った。
「……こういうのも、置いてあるんだ」
角の方にひっそりと置いてあったそれは、用途から考えると、確かにあってもおかしくはないものだが、主な購買客が学生にも関わらず売られているのは少々意外なものでもあった。
「……うん」
天白は陳列されていた物の中から性能を見比べ、私用と仕事用に二つほど手に取り、籠に放り込んだ。
◇
その後、クリスマスが終わり、そろそろ大晦日も近づいてくるといった頃。冬休みは運動部の大会等も旺盛であることも関係があるのか、夏のように特別試験が行われるといった事もなく、部活に所属していない生徒にとっては普通の長期休暇としてのんびりとした時間が流れている。
その中でも天白マッサージ店は通常営業を続けており、むしろ平日よりも長時間働ける事から生徒職員問わずそこそこに集客があり、天白はあくせくと人を溶かし誑し込んでいた。
取り込めていない新規顧客の数も減っており、夏休み前のような入れ食い状態ではないが、熱心なリピーターも確保出来ていることと、また来年になれば新しいカモ――おっと、ピュアな新入生も入ってくるので、今後も客に困るような事も無いだろう。
そろそろ事業拡大――天白以外のマッサージ担当も視野に入れるべきか、とは葛城の談である。
というわけで、今日も多くの生徒をダメにした天白が、ダメになってしまった最後の客――星乃宮教師――を見送ったところで、新たな入室者が現れた。
「よろしくお願いします!」
「……いらっしゃい、帆波ちゃん」
1年Bクラスリーダー、一之瀬帆波。彼女は普通の客ではなく、天白が最近始めた試みの効果測定役――要は、被験者である。
被験者といっても投薬をするわけではなく、あくまでもマッサージにおいて新しい事を試すので、その効果がどれほどかを確認するためのテスターである。
このテスターは主に天白の親友達に頼んでおり、櫛田や堀北の協力によって天白マッサージ店には姿勢矯正の施術が追加された経緯もある。エステから離れて本格的に整体方面へ手を伸ばしているのは、それだけ職員への需要が高いと見越しての事である。
今回のテストは、マッサージにおいてのサブウェポン。道具を使用するといったものだ。
マッサージといえば手で揉んで、押してというイメージが強いかもしれないが、道具もしばしば使用される。
さすがに整骨院なんかで見るような電気を流すようなものに手を出すことは資金的にも資格的にも出来ないが、いわゆる小道具のようなものはこの学校でも購入することが出来た。
今回試すのは、そのうちの一つである。
「……帆波ちゃんには、これを試してもらう」
天白がニコニコしながら取り出したのは、一見してこけしのような見た目をしたものだった。お尻の部分からコードが伸びている為、電機で動く機械のようだ。
おや? どうしたんだい? これは一般的なマッサージ道具だろう。それ以外に何があるというのだね。
一之瀬はそのメカこけし――電動マッサージ機――を目にし……首を傾げた。
「これは、何?」
「……………え」
天白はなぜか驚いたような表情をした。なぜか。
「……知らない?」
「え、うん……。マッサージに使う物、なんだよね?」
一之瀬は本当に知らないようで、純粋に首を捻っている。その身に纏うのは浄化の光。ピュアすぎる白が邪な考えを押し流してしまう。
「……………うん、そう」
「我輩が……間違っておったのだな……」と天白の中に潜む悪戯な魔王が消滅した。
気を取り直して、テスト開始。
体操服に着替えた一之瀬は、施術台にうつぶせになっており、天白は先ほど見せた電動マッサージ機とは違うタイプのもの――先端に丸いゴムのついた拳銃のような見た目のそれを準備した。
「あれ? さっきのやつは?」
「……あれは、私物。これは同じ原理だけど、効果が高いもの」
「にゃ? じゃあなんで「……セルフマッサージに使う物だから、見せた。一応」あ、うん……」
一応……? と一之瀬は疑問に思ったが、まあ天白が言うならいいのだろうと誤魔化された。ここには邪な思いを抱くものは居ない。いいね?
用意したマッサージ機――マッサージガン――をいったん脇に置き、天白は効果測定の為に一之瀬の身体を触診していく。
「……肩はあんまり凝ってない、ね」
「うん! 前に教えてもらったストレッチはずっとやり続けてるよ!」
夏休みの時、一之瀬は肩こりに悩まされていた。そのため、天白が一度マッサージで解消してやり、その際にセルフケアの方法としてストレッチを教えたのだが、一之瀬はそれをしっかりと継続していたようだ。
今回のテストでは、出来るだけコリがある状態からどれくらいほぐれるかを測りたいので、ほかの部分を探っていく。
一之瀬は運動不足というわけでもなく、何より若いのでコリが発生する事も少ないのだが、長期休暇でのんびりしていたということもあり、セルフケアだけでは限界があるはずなのだ。例えば、下半身とか。
天白は一之瀬のお尻を遠慮なく鷲掴みした。
「ひゃんっ♡ ゆ、百合ちゃん……そこはお尻……」
「……? それはそう。わたしは今、お尻の部分を確認している」
「えっえっ……あうっ♡」
こら。悪戯な魔王が消え去ったからって、純粋な目で開き直れば許されると思うんじゃない。一之瀬もあまりにも堂々と揉みしだくものだから、間違っているのは自分の方なのではと戸惑っている。惑わされるな一之瀬。触診であることは間違いないが、こいつはマッサージ関係なしに揉みたくなったから揉んでいるというのもあるのだ。
好き放題お尻を好きにした後、天白は一之瀬の片手を取り、器用にあおむけに姿勢を変えた。
「……はい、ごろん」
「わっ」
「失礼しまーす」
「え、ええっ! やっ♡ そこ、は……ぁっ♡」
次に天白が手を付けたのは、かなり際どい部分――足の付け根だ。股関節とも言う。
局部にかなり近い部分を触られ、さすがに一之瀬も恥ずかしがり体を固くさせるが、天白はそんなの関係ねぇとばかりに摩り、揉み、親指で押し込んでいる。無法か?
「……うん、大体分かった。帆波ちゃん、一回起きて」
「はぁ……はぁ……♡ う、うん……」
天白は何食わぬ顔で触診を終え――心なしか顔がつやつやしている――その対照として、一之瀬は恥ずかしさと心地よさで若干息が荒く、外から見れば「大変えっちでございます」な状況なのだが、この場に邪な考えを持つ者は浄化されてしまったので存在しない。
「……最初は肩とか首をやろうと思ったけど、帆波ちゃんの場合コリも無いし効果が薄そうなので。今回は主に下半身を試そうと思う」
「か、下半身……?」
一之瀬の頬が羞恥で朱に染まる。
しかし天白はけろりとした表情で頷くと、概要を説明しだした。
「……ん。腰とか、股関節回りとか。骨盤の周りは大きな筋肉が多いから、そこが固くなるとほかのとこも影響してくる。例えば――」
天白は一之瀬の両手を取り、手のひらを合わせると胸の高さまで持ち上げた。そのままぐぐっと上体を捻るようにして、右へと逸らしていく。
「……右は、このくらい。で、左は……これくらいまで。この位置を覚えてて」
真正面を0°として、右に逸らすと大体45°くらいで止まり、左はそれよりも浅く、40°ほどで動かなくなった。
「……じゃ、はい。仰向けにごろんして」
「うん……」
一之瀬は何をされるのだろうとドキドキしながら、天白の指示に素直に従い、仰向けに寝っ転がった。
そしていよいよ、先ほど準備したマッサージガンを取り出した。
「あれ? さっきと先っぽが違うね」
「……アタッチメントでいろんな形がある。場所によって使い分けるの。全部シリコン製だから安心して」
先ほどは先端が球形の物だったが、天白は先端が細めの銃弾のような形のものに付け替えていた。
そしてまた無遠慮に一之瀬の左足を持ち、ぐいと横に開いた。
「きゃっ……こ、この格好……はずかし……っ」
「……大事なとこには当てないようにしてるから、動かないで、ね」
無敵状態の天白はそう言って、スイッチを押す。ビィィィィという振動音がし、天白は空いた手に先端を押しつけながらも強さを調節し、良きところでおもむろに一之瀬の足の付け根に押し当てた。
「んひっ♡ ……な、なんかくすぐったいっていうか……不思議な感覚かも……」
「……痛くない?」
「いたくは……ひゃっ♡……ない、よぅ……」
「……それはよかった」
微細な振動が股関節に当たり、ぶるぶると足の付け根が小刻みに震える。
さて、筋膜リリースというものをご存じだろうか。
テレビで取り上げられたこともあり、ここ数年で非常に知名度が上がり、多くの整骨院やマッサージ店でもメニューの一つとして大々的に広告されるようにもなってきた。
詳しく話すと長くなるので非常にざっくりと噛み砕くと、筋膜とは筋肉の一つ一つを覆っている薄い膜の事であり、これが同じ姿勢を長時間取り続けていたりすることでその筋膜と深層部の筋肉とが癒着してしまい、その周辺の筋肉が動かしにくくなってしまう事がある。
筋肉とは様々な箇所でつながり、連動しているので、一か所で動きが阻害されてしまうと全身に影響が出てしまう事がある。また、現代における肩こりはこの筋膜の癒着が原因であるという説もあるほどだ。
この癒着はハンドマッサージでは完全に取り除く事が難しく、それを解消する手段の一つが、マッサージガンを使用し、固くなって癒着してしまった筋膜をほぐし、正常な状態へと戻して血行を促進することが筋膜リリースということだ。
このマッサージガンを使ったケアは整体でも使用される他、アスリートもコンディショニングや運動前のウォームアップ等で注目されるなど、その効果の注目度具合が伺える。
余談ではあるが、筋膜リリースの手段として最も効果が高いのは鍼治療という説がある。髪の毛よりも細い針で直接コリの原因にアプローチできるため、おすすめだ。ただし、針に恐怖感がある人はむしろ身体が固くなってしまい逆効果となるので、気を付けよう。
ちなみに、天白はいきなり足の付け根から取り組んだが、首や脇、股関節回りなどは太い血管や神経が集まるところでもあるので、筋肉の知識が無い場合はその場所は避ける事を強く推奨する。天白も、自分の手で確かめた後に非常に弱い振動で慎重に行っているくらいなので。
身体の中心から外に向けてほぐしていくのは間違いではないので、肩こりであれば、アタッチメントを球形のものにして首の付け根から肩を直線状に弱めの振動で伸ばすようにしたり、肩甲骨周りを。腰痛であればお尻の上の窪みや大腿四頭筋付近を広く行うようにしよう。
足の付け根から外側に向けて、弱い振動で滑らせるようにしてマッサージガンを動かしていく。途中、コリがあって引っかかる部分には10秒ほど押し当て、ある程度満足すると指で直接確認し、今度はうつぶせに姿勢を変える。
そしてアタッチメントを球形のものに戻し、お尻の上にあるくぼみ――大殿筋をほぐし始めた。
「あ”あ”~~~そこ、きもちいいかもぉ”~」
「……ここ? ここきもちいい?」
「あっ! そこ! しゅご……♡ ほぐれるううう」
その後も大腿四頭筋や脊柱起立筋などを存分にほぐし終えたところで、テストは終了。
再び身体を起こした一之瀬に、マッサージ前と同じ動作をさせると――
「お、おぉ~っ! すごい! さっきより動く! 魔法みたい!」
「……帆波ちゃんくらいのコリでもこれだけ効果があるなら、導入も大丈夫そう」
先ほどよりも可動域が広がったことで、一之瀬は魔法をかけられたような気分となった。
上半身の動きがよくなったのに、施術したのは下半身なのだ。びっくり体験である。今回は可動域が広がっただけだが、例えば背中や肩の痛みも、原因を探ってみれば腰や股関節回りの筋肉が凝っていたから……というような事もあるのだ。
「……これはケヤキモールの電気屋さんで売っていたから、帆波ちゃんも買えるもの。自分でマッサージできるから、おすすめ」
「そうなんだ……! んー……でも、百合ちゃんにマッサージしてもらいたいから、見るだけにしておこうかな」
「……んふふ。ありがと。じゃあ、せっかくだし足もやってあげる」
「いいの? ありがとう!」
この後足つぼされて一之瀬はアブナイ扉を開きかけた。
◇ おまけ1
「……ただいま」
「おかえり! どうだった?」
「……いい感じ。桔梗ちゃんにもしてあげようか?」
「え? うん……でも、何を試したの?」
「これ」
「ぶふっ……! え? え!?」
「……どうしたの~? これ、何か知ってるの~?」
「だ、だだだだって、それ……!!」
「それ……なに? これは、マッサージ機、だよ? 桔梗ちゃん、どんな想像したの? の??」
「う、うぅ……っな、なんでもないよっ……」
「……んふふ、じゃあ、これで気持ちよくしてあげるね……」
◇ おまけ2
「あ、これ百合ちゃんがこの前使ってくれたやつだ」
「……………………」
「あれすごく気持ちよかったな。やっぱり買ってみようか――わああ!! 千尋ちゃん!? 鼻血が!」
「…………一片の、悔いなし」
「千尋ちゃん!? 千尋ちゃーーん!!」
・一之瀬帆波
性知識×
そのまなざしは純粋であった
・悪戯な魔王
悪は滅びた。なおすぐに復活する
・櫛田桔梗
性知識〇
際どい部分を悪戯な魔王に悪戯された。
・白波千尋
マッサージ機(意訳)でマッサージ(意味深)された……ってコト!?
次の日常回何やる問題
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きよぽんグループ(外村平田)のオタトーク
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漢葛城、その苦悩
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