War Commander’s 異世界傭兵戦記   作:ウルヴァリン

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13:互いの故郷

試験合格から2週間が経過した。

 

あれから俺のスケジュールは白磁から昇級するまでの間、7日の内の6日は依頼を遂行して1日は完全オフ。

オフは基本的に街に出てストレスを発散させる事にしつつ、この世界の武器や文化、宗教関連や王家に関することを調べていく。もちろんシルヴィ達とのコミュニケーションやシャムさんの手伝い、ミケちゃんの遊び相手なんかもする。

 

せっかく異世界に来たんだから存分に楽しまないと大損だ。

 

ハーヴィットで活動し、当面の生活費を稼ぐため今日も依頼をこなしていた。

 

 

 

「本当にありがとうございました」

 

「いいえ、こちらも仕事をしただけですので、寧ろいい経験になりました」

 

「班目のお兄ちゃん‼︎遊んでくれてありがとう‼︎」

 

「あぁ、後でお菓子をみんなで食べてね」

 

 

 

孤児院の入り口でシスターと子供達に見送られながら俺はその場を後にした。

 

今回引き受けた依頼は"孤児院の修繕作業"で、男手が少ない孤児院特有の依頼だ。

ここにいる子供達は盗賊により両親を奪われたり、逆に両親から虐待を受けて保護されたりと12人ほどが仲良く暮らしている。

しかしどの世界でも孤児院は財政難に悩まされているらしく、今回の報酬も銅貨17枚とかなり安く、最初は誰も引き受けたがらなかったらしい。けど本当に困っているのだから依頼を出しているので、引き受けないという選択肢は初めからなかった。

 

孤児院がある北地区は歓楽街が近いこともあって飲食店が多く、道なりの店では仕事終わりに一杯引っ掛けていく労働者やこれから歓楽街で女の子達と夜の遊びに赴く男性陣など様々な人達が食事を楽しんでいる。

そんな中で、外装がお洒落な飲食店の窓側席でシルヴィとラウラが食事をしているのを見つけ、丁度空腹でもあったのでその店に入ることにした。

 

 

 

「あっ⁉︎照史様‼︎」

 

「やぁシルヴィ、ラウラ。相席してもいいかな?」

 

「はい♪」

 

「構わない」

 

 

 

2人の許可を貰ったので椅子に腰掛ける。シルヴィはお皿いっぱいのケーキを満面の笑みを浮かべながら堪能し、ラウラは紅茶をしっかりゆっくり味わいながら飲んでいる。

注文を取りに来た店員にコーヒーと茶菓子盛り合わせをオーダーして彼女達に話し出す。

 

 

 

「シルヴィ達も仕事終わり?」

 

「はい、今日はジャイアントディアー討伐で山岳部まで行ってたんです」

 

「巨大鹿?」

 

「あぁ。領主からの名指し依頼でな。水運組合が使う水路付近に出没して舟が出せないから早急に対処して欲しいとのことだ」

 

「その様子だと討伐は成功したんだね?」

 

「当然だ。確かに雷魔法や突進は脅威だがそれだけだ。私とシルヴィの相手ではなかった」

 

「凄かったんですよ♪私が魔法を使われそうになったら矢でカツーンってして突進させてからラウラがドッカーンって一撃だったんですよ♪」

 

「何が言いたいかは分かった……」

 

 

 

相変わらずシルヴィの説明は分かりにくそうで分かりやすい。

 

 

 

「桜崎もか?」

 

「あぁ。今日は孤児院の修繕作業だよ。とはいっても早く終わったから後半は子供達と遊んであげたよ」

 

「わぁ♪楽しそうですね♪」

 

「子供はやっぱりいいよ。子供が元気ならまわりも元気になるからね」

 

 

 

そう言いながらコーヒーを口にする。この世界のコーヒーは現代のようなものではなく焙煎したコーヒー豆をすり潰して、煮出して大量の砂糖を入れて飲むトルココーヒーのような非常に甘いもので、覚醒効果もあるから薬としての役割もあったようだ。

 

 

 

「そういえば2人って小さい頃からずっと一緒にいるの?」

 

「いきなりどうした?」

 

「いや、ちょっと気になっただけなんだよ」

 

「そうですよ。私達はずっと一緒にいるんです」

 

「正確には私達がまだ70歳の頃だな。私達ダークエルフは砂漠の民なんだが、シルヴィのご両親とは家族ぐるみの付き合いだったからシルヴィの国に移住したんだ」

 

「国ってことは生まれはここじゃないんだ?」

 

「あぁ。大陸の中心地付近にあるメルジナ森国から来た。そこは大森林の中にあるエルフ種の小国でな、ロヴィータも同じ国だ」

 

「エルフが国を出るのは珍しいのか?」

 

「そうですね……いなくはないですけど基本的には森を出たがらないんです」

 

「ヒュムと違ってエルフは森の掟を守り森と共に悠久の時を生きる。自分達の種族を悪くは言えないが、かなり閉鎖的な種族ではあるな」

 

「だから街であまりエルフを見なかったのか……」

 

 

 

街で確かにシルヴィやラウラ、ロヴィータ達の他にあまりエルフを見ないと思ったら納得の理由だ。確かに小説ではエルフの性格は閉鎖的という設定が多いが、この世界のエルフも同じ性質があるようだ。

 

 

 

「照史様の故郷はどんな感じだったんですか?」

 

「平和だったよ。豊かで治安も良かったけど平和に慣れ過ぎてたってのがあるけどね」

 

「慣れ過ぎた?」

 

「老人が多い国でもあったから、中には老害もいて周りに迷惑しか掛けない輩やら、地域を任されてるのに法律を守らない、仕事をしない、テロに加担したりする領主もいたよ」

 

「どこにもいるんですね………」

 

「そいつはどうなったんだ?」

 

「国防に重みを持った政権に変わってから外患幇助……国家反逆共謀罪で数年後に死刑になったって聞いた」

 

 

 

これは沖縄の話だ。当時の知事は日本政治界で最低最悪の知事とされてて、在日米軍や自衛隊には反抗的で地元新聞社と結託して印象操作し、不正があったら在日米軍や防衛省に擦り付けて自分がやったことは隠蔽。

しかも災害があれば直前で逃げ出して落ち着いたら手柄だけ持っていくし、金が足りなくなったら金の催促を平然とする厚顔無恥のクズだった。

 

けど政権が変わってから政府主導で大規模な捜査がされて新聞社との癒着や中国と韓国からの賄賂受け取りや機密情報横流し、左翼への贈賄や支持者がやった犯罪の揉み消しなどもはや数えきれない位の犯罪数で関係者も含めて1発死刑判決。

 

数年後には死刑が実行されたとニュースで取り上げられた。

 

それから俺達は互いの故郷について語り合った。やはりシルヴィとラウラ達と一緒にいるのは楽しくて、シルヴィ達のパーティーに加わるのもいいかもしれない。

 

そんなことを考えながら出されたクッキーを口に運んだ……………。

 

 

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