War Commander’s 異世界傭兵戦記 作:ウルヴァリン
依頼を受ける合間を見て、WCSのアバターに関して考えを纏めていた。
WCSのアバター設定は最大で10種まで設定が可能で、初期では4種までだが課金してゲーム内の仮想通貨を購入するか定期的に少額支給を貯蓄して増やしていけば増えていくスタイルとなる。
アームやギアに関してもレベルがあり、特にアームはツリーが採用されている。
M16やM4があるアメリカツリーにMP5やG3があるドイツツリー、64式や89式がある日本ツリーと武器において定評がある国に関してのツリーが用意されていて、その中でチープレベル、アベレージレベル、ハイエンドレベルの3段階があって、非常に幅が広い。
「……というか広すぎるんだよな……」
非常にやりごたえがあるシステムだが、その膨大な選択肢が欠点でもある。なにせどういう風にすればいいのか悩みに悩んで1つのアバターを仕上げるのに30分以上費やすことも多々ある。
実際に今も何とかアバター3までは決めれたが、残り7種は考えなければならない。
更に近未来装備から第1次大戦時、SF装備やネタ装備なんかもあるから余計に拍車が掛かる。
ちなみにゲーム内でコストは全体的に高いが性能面も高いのはドイツツリーで2番目に人気はアメリカツリー、3番目は種類こそは少なくコストも1番高いがずば抜けた性能面が日本ツリー。
ロシアツリーはコストは低く性能は少し低いが耐久性がずば抜けて高く、その国の武器に関する評判が反映されている。
逆に性能が極めて低いのにコストが無駄に高いのが韓国ツリーで、特にK2はジャム発生率がフルカスタムでも6割で集弾率も3割程度ということから別名"韓酷ツリー"と言われ、これを使うのは韓国人プレイヤーの一部しか使わない。
アバター2は日本陸上自衛隊水陸機動団、アバター3はアメリカ海兵隊マリーンレイダースに設定したが、アバター4は戦闘ではなく交渉用として設定してみた。
コンセプトはドイツ第3帝国武装親衛隊。
M36将校用制服を基盤にして頭にはSS将校用制帽、足回りは儀仗兵用ブーツ、腰回りにはSS将校用ベルト。
自衛用として.380ACP弾仕様のワルサーPPK用茶革ホルスターを取り付けた。一見すると完成しているように見えるが、今回はかなりこだわりがある。
階級はSS大尉にして左腕にダスライヒのカフタイトル。
襟元には柏葉剣付騎士鉄十字勲章、右袖にはデミヤンスクシールド章と金色戦車撃破章1枚と銀色戦車撃破章2枚、右ポケットには銀色パルチザン掃討章。第2ボタンには第二級鉄十字略章。
左ポケットには金色白兵戦章に第一級鉄十字章、銀色戦傷章、銀色歩兵突撃章、75回一般突撃章というこれでもかという位の勲章を取り付けた。
イメージは開戦からずっと戦い続けている歴戦の将校で左目には眼帯を取り付けておいた。
………やり過ぎたと思う。
昔ナチスの制服にどハマりした時期があり、その時にせっせと集めたものを再現したんだが、まさかここまで再現されているというのは最初は驚いた。
けどナチスの軍服はかなりのカッコ良さもあるので、この世界で家名がある人間は身分が高いという文化も相まって貴族に舐められるようなことは減るはずだ。
「てか作ってみたが、冷静に考えたらこんなの使う機会があるのか?等級が上がったなら兎も角、少し前になったばかりの人間が貴族に会う機会なんてあるのか?」
我ながらなんとも後先考えずに組んだんだろうと自覚したい……。
将来的には何らかの接点が出来るかもしれないのでひとまずは残しておくとして、次のアバターを設定しなければならない。次の設定をしようとした矢先、扉を叩く音がしたのでメニュー画面を閉じて入室を許した。
「……………」
「やぁミケ、どうかしたの?」
入ってきたのはみんなの妹ことミケだ。
「………お兄ちゃん……お洋服……いつもと違う……」
「はははっ、どうだいミケ?貴族みたいかな?」
茶化すようにいうとミケはじっと見ながら頷く。嬉しい反応をしてくれたのでお礼代わりに頭を撫でてあげると、俺はミケに用件を聞いた。
「ところでミケ、俺に何か用事かな?」
「うん……お兄ちゃんに……お客さん……」
「俺に?」
「お客さん……ご飯部屋で待ってるから……お母さんが呼んできてって」
「分かった。じゃあ着替えてから行くからお客さんには少し待っててもらってね?」
「(コクリ)」
それだけ言うとミケはトコトコと廊下をかけ出す。やはり見ていて癒される。
だが客が来たらしいので扉を閉めるとアバターを解除してデフォルトのODカラーの戦闘服と黒のコンバットブーツに設定し、客人の下に向かった……………。