War Commander’s 異世界傭兵戦記   作:ウルヴァリン

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街を探すことにした照史。出会いはベタだが訪れる


02:出会いはテンプレ

移動開始から大体5時間は経過しただろう。

 

ひとまず森を抜けて道を探すことを第一と考えていて、方角は北を目指すことにした。

この世界の方角の概念は分からないが途中で見かけた木のコケや時計を使って大凡ではあるが北と定め、警戒をしながら移動している。

 

因みに森で道に迷ったら木の年輪を見れば分かるとあるがあれはガセだ。

根拠がどこにも無い理論だし、実際に測ったことはあるが北ではなく東を指していたり別の切り株は南南西を指していた。

 

出来ることなら夜が来るまでに出たかったが夜間に森を移動するのは自殺志願者か余程の自信家、装備が整っている場合でも無い限りはやりたくない。

だから日が明るい内に夜営することに決め、虫や獣が寄り付かないように焚き火をして一晩明かす。

 

 

 

次の日の朝、出立する為に焚き火の後始末をしていたら僅かに異変に気がつく。

僅かに聞こえてくる金属がぶつかり合う音に怒声、音に混じるように感じる血の臭い。しかも距離はそれほど遠くはなさそうだ。

 

方角は獣道を抜けた先にありそうなので416を構えながら警戒しつつ音が聞こえて来る方角へ進む。

 

そして暫く進んでいると目の前が開けてきて、その音源が目の当たりとなる。

 

 

「……これはまた…随分とベタな展開だな……」

 

 

目の前に広がっているのは馬車を守りながら戦っている革鎧を纏った戦士に、ぼろぼろの服装で人相がいかにも悪人ヅラしている集団。

おおかた商会の馬車を盗賊が襲い、それを護衛が守っているのだろう。

 

だがそんな中で2人の姿に目をやる。

 

1人はプラチナブロンドのロングヘアに白い肌、馬車の側で弓を使っている緑の瞳をした女性で1人は銀のロングヘアで褐色の肌、最前列でハルバートで敵を薙ぎ払う赤い瞳をした女性だ。

 

そして2人の耳が笹のように伸びている。

 

 

「あの2人……小説なら間違いなくエルフとダークエルフだな」

 

 

間違いなくエルフとダークエルフだ。だが呑気に観察なんてしている場合じゃない。

数で盗賊に分がある状態でこのままいけば押し負けてしまうのが関の山だろうし、それにせっかく情報を入手できる状況だ。

 

だから416に初弾を装填し、エルフの女性を背後から斬り捨てようとしている盗賊に狙いを定め、そのままトリガーを弾いた。

 

撃ち出されたMk318はしっかりと目標の頭に命中し、銃声と共に盗賊の1人が倒れたことでその場にいた全員が一瞬だが手を止めて俺を見る。

だが俺は構わず一気に発砲しながら駆け出し、立て続けに2人仕留めるとエルフの女性に近付いた。

 

 

 

「大丈夫か?」

 

「あ…あなたは?」

 

「話はひとまず目の前の敵を排除してからにしよう」

 

 

 

それだけいうと416で次々と仕留めていき、距離が近い敵に対しては素早くグロック21に切り替えて素早く排除。

いきなりの出現に焦ったのか盗賊の足並みが一気に乱れ、逆に好機とみた騎士達は一気に決着をつけるべく奮戦した。

 

それから数分後には盗賊の全滅という結果で終わり、俺は馬車の一団に歩み寄った。

 

 

 

「救援、まことにありがとうございます」

 

 

 

そういいながらエルフの女性は深々と頭を下げて来た。間近で見たから思えるが少し幼さを残した絶世の美女で、もはや凶器としか言いようがないくらいに似つかわない胸が強調されていて軽く目を逸らす。

 

 

 

「たまたま近くを通り掛かっただけだから気にしないで……俺は桜崎 照史。そちらは?」

 

「はい。私はシルヴィアと言います。こちらは私の幼馴染の…」

 

「ラウラだ」

 

 

 

シルヴィアというエルフの女性は自己紹介をしてくれた。

 

無垢な笑みを見せてくれるシルヴィアさんに対してこちらを警戒しているのか、ラウラさんはハルバートの持つ手を少し力を強めながらこちらを見ている。

確かに銃を構えた人間がいきなり現れて警戒するなという方が難しい。

 

 

 

「そちらの被害は?」

 

「黒鉄等級の方が怪我を負われましたが、幸いにも軽くて良かったです」

 

「この辺りは盗賊が?」

 

「いえ……この道は国の騎士団の巡回道にもなっていますし、馬車の中も積荷なんて殆どありません。私たちは商会の護衛で雇われまして、その帰りの護衛なんです」

 

「恐らくは積荷があると勘違いして襲って来たのだろう。みたところ流れてきた盗賊のようだし、奴隷印が入った死体もあった」

 

 

 

ついでだから少し情報収集もしてみたんだが、案外うまくいくもんだな。

 

 

 

「それで桜崎様はあそこで何をなさってたのですか?」

 

「気侭に一人旅をしていたんですが、物資の消費が予想より早くて近くの街に移動しようかと考えていたんです」

 

「でしたら私達と一緒に行きませんか?」

 

「いいのですか?自分で言うのも何ですが、現時点では俺は不審者ですよ?」

 

「構わない。それに組合への報告もあるし、街の衛兵隊に説明もしなければならないから助かる。謝礼金も出るよう話してやる」

 

 

こっちとしてはまさに渡に船だ。

 

 

 

「願ってもない申し入れだ。実は恥ずかしい話なんだが財布と身分証を無くして……」

 

「そういうことなら冒険者組合か傭兵組合で身分証も発行して貰えれば大丈夫ですね」

 

「ではお言葉に甘えることにしよう」

 

 

 

それだけ言うと彼女達の提案に素直に便乗することにした。

 

最初の出会いが盗賊に襲われていたエルフとダークエルフの美女という何ともベタな展開ではあるが、取り敢えずは最初の目標である街への到達はなんとかなりそうだった……………。

 

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