War Commander’s 異世界傭兵戦記 作:ウルヴァリン
フランツ商会にて奴隷を選ぶことになり、支配人のアメリアさんの案内を受けて奴隷を見て回ることとなった。
フランツ商会は地上3階と地下1階の構造で、1階には戦闘奴隷のフロアがあって2階には専門奴隷、3階が一般奴隷で地下に犯罪奴隷がいる。
檻に入れられているイメージはあったが、それは犯罪奴隷のみらしく、1階に戦闘奴隷のスペースがあるのも万が一にでも犯罪奴隷が脱走を試みようとした際の防波堤の役割もあるとのことだ。
廊下に入ると鈴が鳴らされ、暫くして部屋から奴隷達が部屋から出てきて部屋の前に立つ。どうやら左右で男性女性で分けられているようで、廊下の中央には白線が敷かれていて男性奴隷の手首には腕輪が嵌められていた。
「この白線は?」
「はい。それは奴隷同士のいざこざを防ぐ魔法線です」
「いざこざ?」
「奴隷とはいえ男女のいざこざというものがありますので……見ていただいた方が早いですね。ラーハン、ちょっと頼めるかしら?」
「俺がですか?あれを食うのはちょっと……」
「今日の晩御飯にお肉を特別に追加するから」
「まぁ……そういうことなら……」
ラーハンという男性奴隷が渋々だが前に出て、白線を一歩超えた。
「あばばばばばばばっ!?」
いきなり全身に電流が走り、その場に倒れた。隣にいた奴隷仲間がラーハンの足首を引っ張り、再び元いた側の壁に座らせて落ち着かせる。電流そのものは高いものではなかったようで、すぐに調子を取り戻して頭を振りながら立ち上がった。
「こんな風に男性が女性部屋側に許可なく向かおうとすると暴徒鎮圧用の電撃魔法が発動されるんです。これで男女のいざこざを未然に防ぎます」
「なるほど……」
それを確認するとラーハンという男性に一言お礼と謝罪をすると後に続く。それから2階と3階にも足を運び、確かに興味がある人物が確かにいた。
それから最初のロビーに戻ってきて、その特徴を伝えるとアメリアさんが連れてきてくれた。
「お待たせしました。候補のルシャナです」
「ルシャナです。よろしくお願いします」
俺が候補として選んだのは金髪で顔立ちは中性的で青色の瞳、体格は少し細身だが鍛えられているのか筋肉はある外見的には16歳か17歳ほどの女性だ。
「ルシャナはファルダシア王国で近衛騎士団に所属していた経歴があって、冒険者としても優秀な子なんです」
そういいながらアメリアさんはルシャナに関する資料を俺に渡してくれる。資料によると生まれは大陸の西側にある海岸国家のファルダシア王国で、騎士の家系で彼女自身も僅か10歳で最年少の近衛騎士になったという。
だが他の貴族主義者によるデマを嫉妬から流されてしまい、家も面子を保つ為に除名にして奴隷として堕としたらしい。
だが能力はかなり高いみたいで、剣の他に槍、戦鎚、弓など一通りの戦いは出来るようだ。
「ルシャナ……だったね。君に聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
「はい。ですが答えられる範囲にはなりますが……」
「それでいいよ。俺が奴隷を雇用しようとしてる理由は冒険者としての相棒を探していることだ。仮にそうなったら冒険者に登録してもらうことになるけど、君は問題ないかな?」
「はい。既に騎士としての身分は剥奪されていますので問題はありません」
「俺の等級は白磁だけど推奨を受けてて相棒を用意できたら昇級となる。職種も冒険者では不遇となってる銃士だけど、君はどう考えてる?」
銃士という言葉に彼女は反応したようだが、それに気が付いたアメリアさんがすかさずフォローに入った。
「ルシャナ、桜崎様は衛兵隊から推薦を受けられるくらい優秀な人よ。それに銃士だけど剣技を交えたりできるから騎士と引けを取らないわ」
「……いえ、失礼しました。特に問題はありません」
「そう……それより項目の中に購入条件有りってなってるけど、条件はなにかな?」
「はい。それは………」
購入条件という文字を見つけ、それがなんなのか尋ねると彼女の雰囲気が変わった。
先程の凛々しさを有した瞳ではなく、戦う者としての強者に挑む獰猛な雰囲気を醸し出す瞳だ。俺は思わずホルスターのM17A1に手を伸ばしそうになったが、すんでのところで彼女が先に口を開いた。
「……私と戦い、力を示すことです」